Works Index
作品一覧
収録作品 2204 件を発表年の新しい順に並べています。
- 001 2026 吸血鬼 きゅうけつき 女性が中学生になると若さや美しさで十二等級に順位付けされ、社会的地位と財産のある男性に望まれれば十五歳で結婚を強いられる架空社会を描くディストピア長篇。拒否した女性は「へびつかい」と呼ばれ迫害される世界で、中学生の有紗は友人たちと学校生活を送りながら、美術館で出会ったアナウンサーの美優と開業医の白井…
- 002 2026 舞う砂も道の実り まうすなもみちのみのり 孤児として育ったワオスリ、大家族の移住先を探すイフン、離れ離れになった子を探すダエが、ともに旅へ出るロードノベル。時代も場所も定かでない土地をたどり、町々での出会いと別れを通して、三人はそれぞれの喪失や人生の意味に向き合っていく。旅は目的地へ進む筋であると同時に、血縁ではない者同士が一時的な家族のよ…
- 003 2026 彼女のカロート かのじょのかろーと 『彼女のカロート』は、表題作「彼女のカロート」と「宦官への授業」を収める作品集。表題作では、耳が聞こえなくなった女性アナウンサーから新しい墓を依頼された主人公の日常が、彼女とのずれた応答によって静かに侵食されていく。もう一篇では、読むことに困難を抱えながら文学に向かう青年がシュールな冒険に巻き込まれ…
- 004 2026 私的応答 してきおうとう 『私的応答』は、1995年の震災を経験した銅子と、母、娘の厚美を軸に、母娘三代の時間をたどる長編です。倒れたミシン、避難所の体育館、梅田で浴びたシャワーといった記憶が、年月を隔てても日常の奥で反響し続けます。震災の経験を大きな出来事としてだけでなく、家族の会話、沈黙、許しがたさの中に残るものとして描…
- 005 2026 建て替え = Rebuilding. 上 タテカエ ジョウ 『建て替え 上』は、高倉やえによる二巻本長篇の上巻です。Books/JPROの内容紹介では、老朽化した千代田区三番町のマンションをめぐる住人間の対立と、80代の管理組合理事長・瀬川都の視点が示されています。住まいの更新という現実的な問題を、老い、記憶、人生の再編へつなげて読む作品として整理できます。
- 006 2026 建て替え = Rebuilding. 下 タテカエ ゲ 『建て替え 下』は、高倉やえによる二巻本長篇の下巻です。Books/JPROの内容紹介では、マンションの建て替え問題を背景に、瀬川都の人生に影を落とした人々の物語が精緻に描かれる構成が示されています。上巻から続く集合住宅の現実的な葛藤を、個々の来歴や老いの時間へ広げる読みどころがあります。
- 007 2026 わたしは社会 わたしはしゃかい 『わたしは社会』は、芝夏子が2026年4月に朝日新聞出版から刊行した単行本。Books出版書誌データベースでは、放課後児童クラブで働きだす人物をめぐる表題作と、第6回林芙美子文学賞佳作「煙草の神様」の併録を確認できる。NDLサーチでも同じ収録作情報を確認でき、既収録の「煙草の神様」を単行本収録の文脈…
- 008 2026 本日ノ亡者 娑婆ノ縁尽キテ ほんじつのもうじゃしゃばのえんつきて 『本日ノ亡者 娑婆ノ縁尽キテ』は、2026年1月に朝日新聞出版から刊行された津田美幸の単行本。Books出版書誌データベースの内容紹介では、60年に一度の御本尊開帳を控える限界集落の寺を舞台に、秘仏の開示をめぐる老僧、博物館学芸員、役場担当者の思惑が交差する表題作として紹介されている。第11回林芙美…
- 009 2026 満ちる街 みちるまち 『満ちる街』は、限界集落に住む電力会社職員の徳真が、農園の土地売却をめぐる出来事に関わっていく作品です。地方のインフラ、土地、暮らしの持続をめぐる問題が、現代的な地域小説の形で立ち上がります。土地を売るか守るかという選択の背後に、そこに住む人々の生活圏と将来像のずれが見えてきます。電力会社員という立… 第12回 林芙美子賞
- 010 2026 もずくとケチャップ もずくとけちゃっぷ 『もずくとケチャップ』は、西岡紗那による第12回林芙美子文学賞佳作受賞作です。北九州市立文学館の公式発表で佳作受賞、応募729編、最終選考委員を確認でき、NDLサーチとCiNii Researchで『小説tripper』2026年春季号p.446-467掲載を確認できます。公開Webで作品本文、公式…
- 011 2026 姥皮 うばかわ 『姥皮』は、『新潮』2026年4月号掲載の創作です。女系の強い家に、大叔母あけ美さんから譲られた「皮」があるという奇譚を起点にします。「皮」は身体の一部でありながら、家に伝わるもの、受け渡されるものとして語られ、血縁と欲望の境界を曖昧にします。皮膚というもっとも個人的なものが家系の持ち物になる設定に…
- 012 2026 空洞 くうどう 『空洞』は、図野象が『おわりのそこみえ』で第60回文藝賞優秀作となった後に発表した受賞第一作です。河出書房新社の『文藝』2026年夏季号紹介では、若くして死んだ友人の葬式に出席するために会社を辞める語り手を起点に、恋・仕事・友情の地獄めぐりの果てを描く作品として紹介されています。デビュー作の切迫した…
- 013 2026 はくしむるち はくしむるち 『はくしむるち』は、豊永浩平が「群像」2025年10月号に発表し、2026年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは単行本のNDC 913.6、2025年の雑誌初出、2026年の第39回三島由紀夫賞受賞作としての掲載情報を確認できます。公開Webで出版社公式の内容紹介を安定して確認できなかった… 第39回 三島賞
- 014 2026 ハッピー山 はっぴーやま 『ハッピー山』は、松田いりのが「文藝」2026年春季号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌掲載書誌と著者名を確認できます。単行本はNDLサーチ上で2026年7月8日発売予定として確認できますが、現在日付では未刊のため、作品データは雑誌初出を基準にしています。
- 015 2026 おもちゃの指輪がほしいねん おもちゃのゆびわがほしいねん 『おもちゃの指輪がほしいねん』は、ピンク地底人3号が「すばる」2026年6月号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌掲載書誌と著者名を確認できます。単行本はNDLサーチ上で2026年7月6日発売予定として確認できますが、現在日付では未刊のため、作品データは雑誌初出を基準にしています。
- 016 2026 一人読書会 ひとりどくしょかい 『一人読書会』は、待川匙が『文藝』2026年春季号に寄せた読書エッセイです。NDLサーチでは、特集「ハン・ガンを読む : 傷と庭を抱いて」内の記事として確認できます。公開Webで本文内容や詳細な要旨を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 017 2026 理科がわからない りかがわからない 『理科がわからない』は、坂本湾が『文學界』2026年1月号に発表したエッセイです。NDLサーチでは今回雑誌記事書誌を確認できなかったため、作品内容の説明はWikipediaの作品リストで確認できる掲載情報に限定します。
- 018 2026 生きとるわ 『生きとるわ』は、又吉直樹が2026年に文藝春秋から刊行した、6年ぶりの長篇小説です。出版社公式は、『火花』から10年後の新作として本作を位置づけ、友情や恋愛、裏切り、苦境をめぐる人間の姿を扱う作品として紹介している。900枚規模の長篇として、笑いと痛みの近さを又吉の語りで読む作品である。
- 019 2025 記念日 きねんび 『記念日』は、23歳のミナイ、42歳のソメヤ、76歳の乙部さんという年齢も境遇も違う女性三人が、奇妙なルームシェアをきっかけに交わっていく長篇です。「明日から、おばあさんになってみませんか?」という提案が、若さや老い、身体のままならなさ、他者と暮らすことの違和感を動かしていく。年齢や役割を一時的にず…
- 020 2025 温泉小説 おんせんしょうせつ 年齢も性別も境遇も異なる人びとが温泉地へ向かう六篇の連作的短篇集。おひとり様限定の温泉バスツアー、免許返納を迫られる後期高齢者、母の呪縛から逃れられない44歳の娘、亡き妻との記憶をたどる初老の男、50歳女性の一人旅、婚約者と別れて南の島で再出発を試みる若者など、人生の苦みや迷いを抱えた人物たちを描く…
- 021 2025 バックミラー バックミラー 『バックミラー』は、落ち目のミュージシャン、極度の無駄嫌いのM&A会社社長、樹木伐採に生活を揺さぶられる女性など、都市でままならなさを抱える人物たちを描く短篇集です。河出書房新社公式は、シニカルな笑いと冷徹な観察力で都会の人生を写す「令和の没落小説」と紹介している。表面的な合理性や成功願望の裏側で…
- 022 2025 去年、本能寺で きょねんほんのうじで 『去年、本能寺で』は、日本史上の人物や出来事を素材にしながら、AI、ミステリ、宇宙的想像力、異世界転生までを混ぜ込む全11篇の短篇集です。新潮社公式は、軍事AIや文事AIが働く戦乱世界を掲げ、歴史とSFが交差する作品集として紹介している。各篇は有名な史実を説明し直すのではなく、別の論理や装置に接続し…
- 023 2025 激しく煌めく短い命 はげしくきらめくみじかいいのち 『激しく煌めく短い命』は、中学校の入学式で出会った久乃と綸が、周囲の偏見のなかで愛を育み、やがて決定的に引き裂かれるまでを描く恋愛小説です。十数年後、東京で働く久乃が綸と再会する構成により、青春の瞬間的な激しさと、時間を経ても消えない感情の持続が重ねられる。長い時間を隔てた再会は、失われた恋の回復で…
- 024 2025 細長い場所 ほそながいばしょ 『細長い場所』は、名前、記憶、肉体を失い、気配や残存となった「わたしたち」が旅をする幻想的な小説です。河出書房新社公式は、生と死のあわいにある不思議な風景として作品を紹介しています。個であることがほどけていく語りを通じて、誰が語り、誰が残っているのかという境界も揺らぎ、旅そのものが死者と生者の関係を…
- 025 2025 移動そのもの いどうそのもの 『移動そのもの』は、表題作を含む九篇を収めた短篇集です。筑摩書房公式は、一文ごと一語ごとに世界が変化する作品として紹介しており、筋の説明よりも言葉そのものが読者を動かす体験が前面に出ています。市場、家、老い、旅などの場面が、詩と散文のあいだを跳ねるような語りによって小さな宇宙へ変わっていきます。収録…
- 026 2025 ジャスティス・マン じゃすてぃす・まん 『ジャスティス・マン』は、仙台の老舗ホテルに勤続する初老ホテルマン・大山茂が、自分の「正義」を周囲に押しつけていく長篇です。顧客、部下、妻、書店員への振る舞いは、本人の信念とは裏腹に深刻な軋轢を生んでいきます。特撮ヒーローへの自己同一化が、倫理ではなく支配や攻撃へ転じる過程が読みどころです。滑稽さと…
- 027 2025 帰れない探偵 かえれないたんてい 語り手の「わたし」は世界探偵委員会連盟に属する探偵だが、探偵事務所でもあり家でもある部屋に突然帰れなくなる。急な坂の街、雨でも傘を差さない街、夏が続き夜が来ない街、砂と太陽の街など、変化し続ける世界の都市をめぐりながら、「帰れない」状態そのものを抱えたまま移動していく。事件を解決するよりも、街の手触…
- 028 2025 関係のないこと かんけいのないこと 『関係のないこと』は、パンデミック後の東京で、自分とは切り離してきたはずの出来事や他者の痛みが、ふいに生活へ入り込んでくる瞬間を描く作品集です。表題作では、弁護士として世間と折り合ってきた人物が、見ないようにしてきた「壁」に取り囲まれていく。淡々とした語りの中で、社会的な出来事を自分の外側に置く態度…
- 029 2025 彼の左手は蛇 かれのひだりてはへび 『彼の左手は蛇』は、仕事を辞め、女性と別れて、蛇信仰の残る土地に来た男が「この手記」を書くところから展開する小説です。白蛇を祀る神社、毒蛇狩り、議員の死、刑事、謎めいた人物たちが絡み、蛇のイメージが信仰・恐怖・罪悪感・暴力の記憶を結びつけていく。地方の伝承と個人の過去が重なり、現実の捜査譚と幻想的な…
- 030 2025 熊はどこにいるの くまはどこにいるの 『熊はどこにいるの』は、震災から7年後の地で、ショッピングモールで保護された身元不明の幼子と、暴力から逃れて山奥の家に暮らす女たちをめぐる小説です。リツ、アイ、サキ、ヒロらの視点が交錯し、保護と加害、避難場所と閉ざされた共同体の危うさを同時に浮かび上がらせる。安全な場所を作ろうとする営みが、別の支配… 第61回 谷崎賞
- 031 2025 曇りなく常に良く くもりなくつねによく 『曇りなく常に良く』は、同じ高校に通う五人の少女たちの一年間を描く青春群像劇です。よく似た声が混ざり合う関係の中で、友情、同調、わずかなずれが日々の会話と学校生活に滲みます。少女たちの「仲のよさ」は安定した居場所であると同時に、自分の言葉を見失わせる圧力にもなり、誰かと同じでいることの安心と苦しさを…
- 032 2025 女の子の背骨 おんなのこのせぼね 『女の子の背骨』は、先天性筋疾患を抱える10歳の少女ガゼルの家族旅行を描く表題作と、中篇「オフィーリア23号」を収めた第二小説集です。病気の姉、障害をもつ身体、家族、性、文学表象をめぐる言葉が、前作『ハンチバック』以後の市川沙央の問題意識をさらに広げる。少女の身体をめぐる語りは、痛みや介助を説明する…
- 033 2025 世界99 せかいきゅうじゅうきゅう 『世界99』は、性格のない如月空子が、コミュニティごとにふさわしい人格を作って生き延びる上下巻の大長編です。空子の世界には、当初はかわいいペットのような存在だったピョコルンがいて、技術の進展により社会のあり方を変えていきます。人格を使い分ける空子の生存術は、同調圧力と自己像の不安定さを極端なかたちで… 第78回 野間文芸賞
- 034 2025 その針がさすのは そのはりがさすのは 『その針がさすのは』は、再開発が進む東京・中野に住む「僕」が、街の過去と自分の身体の出来事を結びつけていく小説です。戦前に満州国と中野が電信ケーブルでつながっていたという話、不妊治療手術、時計のイメージが重なり、日常の街が歴史の深部へ沈み込む。個人の身体の時間と都市の記憶が同じ針に触れられるように接…
- 035 2025 百日と無限の夜 ひゃくにちとむげんのよる 『百日と無限の夜』は、第一子の妊娠中に切迫早産で入院した「わたし」が、横たわる時間のなかで出産と生命をめぐる幻視の旅へ入っていく長篇です。能『隅田川』の女物狂いを案内人に、中世の京、駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと時空を越えて進む構成が、病室の身体感覚と神話的な想像力を結びつける。動けな… 第42回 織田作之助賞
- 036 2025 たのしい保育園 たのしいほいくえん 『たのしい保育園』は、二歳のももちゃんと父が川べりを歩き、保育園へ向かい、連絡帳を書こうとする日々を描く連作小説です。育児のなかで消えていく一日一日の記憶を、父の観察と子どもの時間感覚の両方からすくい取ります。子どもの発語や歩幅に合わせる語りが、親の側の戸惑いと喜びも同時に浮かび上がらせます。大きな…
- 037 2025 ティータイム ティータイム 『ティータイム』は、『百年泥』で芥川賞を受賞した石井遊佳による、奇想の強い4篇を収めた短篇集です。大人びた兄妹、インドから脱出できない日本人、電車の網棚の上で暮らす女性、恐ろしいサンタクロースなど、現実の足場を少しずつ外す人物や状況が並ぶ。短篇ごとに場所や常識がずれていき、読者は笑いと不安のあいだに…
- 038 2025 遠くまで歩く とおくまであるく コロナウイルス感染拡大の中、小説家のヤマネは「身近な場所を表現する」実践講座を担当する。地図や映像を手がかりに、PC越しの参加者たちがそれぞれの記憶、忘れられない景色、言葉を語り合い、その記憶が別の記憶を呼び起こしていく。移動できない時期に、場所を語ることが別の場所へ歩いていく行為として立ち上がる…
- 039 2025 月を見に行こうよ つきをみにいこうよ 『月を見に行こうよ』は、アイオワ大学の国際創作プログラム IWP に招かれた経験をもとに、世界各地から集まった詩人や小説家たちの交流を描く物語です。背景も言語も異なる創作者たちが、約二か月半の滞在のなかで互いの作品観や創作への覚悟に触れていく。滞在先の共同生活は、言葉が通じることと理解し合えることの…
- 040 2025 受け手のいない祈り うけてのいないいのり 『受け手のいない祈り』は、感染症拡大で地域の救急医療が逼迫するなか、患者を受け入れ続ける病院で働く青年医師・公河を描く長篇です。長時間勤務と極度の疲労が、死、狂気、使命感、食欲や時間感覚の乱れをひとつの身体に押し寄せさせる。医療現場の切迫を記録的に扱うだけでなく、祈りや責任の向かう先が失われる感覚を…
- 041 2025 わたしハ強ク・歌ウ わたしハつよク・うたウ 『わたしハ強ク・歌ウ』は、海へ行こうとする「わたし」が、自分の旅と母が残した旅の記録を重ねて書き始める小説です。停留所の謎の男、先住民たちとの出会い、アンネの日記や火山の町といった断片が、現実の旅行記を越えた冒険譚へ変形していく。母の記録と現在の移動が重なることで、旅は継承された記憶を別の声で歌い直…
- 042 2025 YABUNONAKA ヤブノナカ 『YABUNONAKA』は、文芸誌元編集長への性加害告発をきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の人物たちの日常が絡み合っていく長篇です。MeToo運動、マッチングアプリ、SNSといった現代の環境を背景に、性、権力、暴力、愛、そして「わかりあえないこと」の先を群像劇として描く。文芸業界そのものを…
- 043 2025 麝香豌豆 すいとぴー 『麝香豌豆』は、井岡道子が2025年に未知谷から刊行した八篇構成の作品集です。四万十川上流の山村と、青年期を過ごした京都という二つの土地を軸に、習俗、家族、友人知人との関係を静かに切り取る。土地の記憶と個人の感情が重なり、日常の一場面を象徴的に読ませるところに読みどころがあります。
- 044 2025 金色の川 こんじきのかわ 『金色の川』は、井岡道子が2025年に未知谷から刊行した中篇三篇の作品集です。未知谷公式の内容紹介では、山村へUターンした母子、木彫家を目指すシングルマザー、幕末の土佐に入り込む少年という三つの物語が示されています。地方と家族、子育て、夢や自立への希求を、現実的な生活の手触りと歴史的想像力の双方から…
- 045 2025 処暑 しょしょ 『処暑』は、阿部あみが「文學界」2025年12月号に発表した短篇です。NDLサーチとCiNii Researchでは「処暑 : 二〇二五年下半期同人雑誌優秀作」として記録され、掲載誌・巻号・ページ範囲・責任表示を確認できます。『裏庭』で第5回林芙美子文学賞佳作となった後の発表作として収録します。公開…
- 046 2025 八月のセノーテ はちがつのせのーて 『八月のセノーテ』は、2025年7月に朝日新聞出版から刊行された大原鉄平の単行本。Books出版書誌データベースの内容紹介では、人工島で暮らす水泳部の中学一年生をめぐる表題作と、第10回林芙美子文学賞受賞作「森は盗む」の収録を確認できる。NDLサーチでも収録作として「八月のセノーテ」と「森は盗む」が…
- 047 2025 携帯遺産 けいたいいさん 「携帯遺産」は、人気ファンタジー作家・舟暮按が自伝小説の執筆を依頼され、自分の人生の記録を探索していく長編。実家の焼失、震災、父の失踪を背景に、作家が自らの人生を小説にすることの意味と、生き別れた父への接近が重ねられる。携帯端末や残された記録は、過去を保存する道具であると同時に、語り手が失われた家族…
- 048 2025 アナグマ あなぐま 『アナグマ』は、葬祭会社に出向した五十代の女性を語り手に、新しい職場での死との接触と、母の介護や看取りの記憶が重なるさまを描く作品です。死を扱う労働の現場と、家族内のケアの記憶が交差し、中年期の孤独と責任を静かな語りで見つめます。葬祭と介護という二つの場面を通じて、他者の死を手続きとして扱わざるをえ… 第11回 林芙美子賞
- 049 2025 燃ゆる海 もゆるうみ 馬を愛する女性がドバイへ渡る物語として紹介され、第11回林芙美子文学賞佳作に選ばれた作品。受賞時タイトルは「燃ゆる海」だが、雑誌掲載時には「燃ゆる馬」へ改題され、馬への愛着が異国への移動を導く力として前面に出る。馬は単なる趣味や対象ではなく、主人公の身体感覚、欲望、生活圏の外へ出ていく衝動を結びつけ…
- 050 2025 夜釣へ よつりへ 『夜釣へ』は、チヒロ・オオダテが『小説tripper』2025年冬季号に発表した短編です。NDLサーチとCiNii Researchで、同号p.90-121の雑誌記事として確認できます。公開Web上で確認できた一次的な情報は書誌に限られるため、筋立て、主題、舞台、読み味は推測せず、掲載実績の記録とし…
- 051 2025 文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学 ぶんごうといぬとねこへんあいでよみとくにほんぶんがく 『文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学』は、2025年6月にアプレミディから刊行された、宮崎智之と山本莉会の共著。犬好きの文芸評論家・宮崎智之と、猫好きの文筆家・山本莉会が、日本文学に現れる犬と猫をめぐって語り合う往復書簡形式の文芸評論エッセイである。出版社公式ページの目次では、夏目漱石、内田百閒…
- 052 2025 愛について僕たちが知らないすべてのこと あいについてぼくたちがしらないすべてのこと 『愛について僕たちが知らないすべてのこと』は、夏休みのある日、学校に集まった靴子、花びら、譲、隆春の四人が突然現れた兵士たちに監禁されるところから展開する長篇です。登場人物たちによる物語と終わりの見えない対話を通じて、言葉を交わしてもわかり合えない者たちの時間、愛という言葉に包まれてきた暴力を描きま…
- 053 2025 運命の終い うんめいのしまい 『運命の終い』は、30代で夫を亡くした彩香が、乾いた日常の中で「運命」を信じないまま新しい関係へ踏み出していく長篇です。喪失後の生活感と、大人の恋愛に宿る衝動やためらいを扱う作品として読めます。小学館刊行の書誌とBooks/JPRO由来の内容紹介で、2025年刊・ISBN・ページ数を確認しました。
- 054 2025 今を春べと いまをはるべと 『今を春べと』は、息子の付き添いで訪れたかるた教室をきっかけに、母親の希海が競技かるたへ惹かれていく長篇です。妻であり母である主人公が、競技を通じて自分の感覚や情熱を取り戻し、葛藤やつまずきを抱えながら進む姿が軸になります。『小説推理』連載を加筆修正した単行本として確認できます。
- 055 2025 橘の家 たちばなのいえ 『橘の家』は、中西智佐乃が『新潮』2025年3月号に発表し、同年6月に新潮社から刊行した小説です。幼い頃に2階から落ちたものの庭の橘の木のおかげで助かった恵実は、木の力を媒介する存在だという噂によって、子どもを望む人々から頼られるようになります。家に伝わる力への期待は、恵実の身体と役割を周囲の欲望に… 第38回 三島賞
- 056 2025 二十四五 にじゅうしご 『二十四五』は、乗代雄介が2025年に講談社から刊行した小説です。講談社公式は、実家を出て作家となった二十四五歳の語り手が、弟の結婚式へ向かう道中で亡き叔母の痕跡を追う物語として紹介しています。喪失を抱えたまま生きること、死後にもほのめかされる愛情や恨みの感触を、移動と記憶の反復を通して描く作品とし…
- 057 2025 愛の獣は光の海で溺れ死ぬ あいのけものはひかりのうみでおぼれしぬ 『愛の獣は光の海で溺れ死ぬ』は、金子薫が2025年に河出書房新社から刊行した連作小説集です。河出公式は、幻覚剤が蔓延するスラム街〈奇天座〉を舞台に、人間をやめる快楽へ流される者たちと、人間であり続けようとする西尾の物語として紹介しています。現実と虚構、変身、道化、言葉といったモチーフを連結し、寓話的…
- 058 2025 ズッキーニ病 ずっきーにびょう 『ズッキーニ病』は、『新潮』2025年4月号掲載の短篇です。特定の野菜に執着する母を、父の死以前から何かが変わっていたのではないかという回想的な視線で捉えます。食卓にあるはずの身近なものが、家族の記憶や母の変化を測る奇妙なしるしに変わり、日常の中で見過ごされてきた異変が少しずつ輪郭を持ちはじめる。家…
- 059 2025 ものごころ ものごころ 『ものごころ』は、植物、花、虫、生きものがあふれる子供の世界を、身体感覚ごと描く九篇の短篇集です。怪我をした犬を拾った少年たち、飲み込んだスモモの種をめぐる不安など、子供の視界に近い感受性から世界の手触りを探ります。子供の認識は無垢なものとして固定されず、身体の違和感や怖さ、周囲の大人との距離を含ん…
- 060 2025 庭に接ぐ にわに つぐ 『庭に接ぐ』は、才谷景が『海を吸う』で第60回文藝賞〈短篇部門〉優秀作となった後に発表した受賞第一作です。森へ続く〈庭〉のある家で暮らす父と娘を中心に、森から戻った父の変調と、二人きりの箱庭を侵食するものを描きます。2026年刊行のデビュー作品集『海を吸う/庭に接ぐ』に収録され、受賞作と並べて、身体…
- 061 2025 BOXBOXBOXBOX ボックスボックスボックスボックス 『BOXBOXBOXBOX』は、薄霧のたちこめる宅配所で箱を仕分ける安を中心に、単調な労働と禁断の欲望を描くベルトコンベア・サスペンス。ほとんど誰とも口をきかず、箱の中身を妄想して労働をやり過ごす安は、ある箱の中身を覗いたことをきっかけに、箱が次々と消えていく現象に巻き込まれる。箱の中身を知りたい衝… 第62回 文藝賞
- 062 2025 時の家 ときのいえ 『時の家』は、建築士が設計した一軒の家に暮らした三代の住人たちの記憶を、訪問者である青年のスケッチを通して呼び起こす作品です。丸柱、天井、漆喰の壁といった細部に、住む人の感情と時間が蓄積していきます。建物を見る行為が、そこにいた人々の声や関係を再構成する読みの装置になっています。家を単なる舞台ではな… 第47回 野間新人賞
- 063 2025 カンザキさん かんざきさん 『カンザキさん』は、家電配送会社に就職した語り手が、暴力的なベテラン配送員カンザキさんと組まされるところから始まります。離職者の絶えない職場で、罵倒、暴力、不条理な命令に耐える日々が、自伝的小説の強度で描かれます。配送という肉体労働の現場が、上下関係、恐怖、依存がむき出しになる閉じた舞台として立ち上… 第47回 野間新人賞
- 064 2025 君の手が語ること きみのてがかたること Books/JPROは、還暦を迎えるベルギー人の国文学教授の「僕」と看護師の梓が手話を通じて出会い、デフリンピック会場で意外な展開を迎える物語として紹介している。
- 065 2025 悲しくて目が回る かなしくてめがまわる 『悲しくて目が回る』は、佐佐木陸が『ちくま』646号に発表した作品です。NDLサーチで雑誌記事として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や紹介文を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 066 2025 ごみのはての ごみのはての 『ごみのはての』は、独居老婆のごみ屋敷を清掃する便利屋たちと、そこに入り込む闇バイトの人物たちを描くハウスクリーニング小説です。悪臭と腐敗に満ちた家の中で、紛失した百万円、老婆の過去、闖入者が絡み合い、捨てるものと残すものをめぐる問いが立ち上がる。ごみに埋もれた一軒家を舞台に、社会から押し出された人…
- 067 2025 生活 『生活』は、代官山の古い家で父と暮らす二十歳の椿を中心に、服、恋愛、労働、書道、猫との日々を描く長篇です。新潮社公式ページでは、日々の出来事が「生活」と言えるのかという問いと、予測不能な展開を持つ小説として紹介されている。町屋良平らしい身体への意識と、語られること自体への批評性が、若者の生活の手触り…
- 068 2025 子供部屋同盟 『子供部屋同盟』は、高橋弘希が2025年に東洋経済新報社から刊行した長篇小説です。出版社公式は、復讐代行組織を軸にした世直しエンタメとして紹介し、社会の悪と疎外された人々のルサンチマンをポップでスリリングな活劇へ変換している。勧善懲悪の爽快さの奥に、復讐の感情や孤立の切なさを覗かせる点が読みどころで…
- 069 2025 美土里倶楽部 『美土里倶楽部』は、夫を亡くした美土里と三人の女友達を中心に、死別後の暮らしを一年の時間で追う長篇です。中央公論新社公式ページは、夫の不在、墓、供養の問題に向き合う「未亡人倶楽部」の物語として紹介している。悲嘆を一方向に沈ませるのではなく、女友達どうしの会話や思案を通して、死者を抱えた生活の手触りを…
- 070 2025 糸芝居 いとしばい 『糸芝居』は、『すばる』2025年9月号の小説欄に掲載された石沢麻依の作品です。集英社すばる公式バックナンバーで掲載は確認できるが、公開ページ上で公式梗概・選評・書評は確認できない。題名から芸能的な要素はうかがえるものの、内容・舞台・語り口は断定せず、掲載情報中心に扱う。
- 071 2024 かりそめの星巡り かりそめのほしめぐり ドイツでの暮らしのなかに、故郷である仙台の風景、文学作品、美術、過去からの声を重ねていくエッセイ集。Books 出版書誌データベースでは、河北新報連載「記憶の素描」と日本経済新聞連載「美の十選」を収録した、著者初のエッセイ集として紹介されている。小説作品で展開してきた記憶、土地、言葉、死者との距離と…
- 072 2024 あきらめる あきらめる 『あきらめる』は、近所の川沿いを歩く早乙女雄大が、入院中の大切な人との時間や家を出た家族のことを抱えながら、親子風の二人組と出会う長編。火星移住が身近になった近未来を背景に、彼らと「オリンポス山」を目指す展開へ進む、現実の悩みとゆるいSF的飛躍が混ざる作品である。題名の「あきらめる」を敗北ではなく「…
- 073 2024 普通の子 ふつうのこ 小学5年生の晴翔が教室のベランダから転落して骨折し、理由を語らないところから始まる長篇。母の佐久間美保は、夫の和弥との日常を続けながら、いじめの可能性を疑って真相を探る。その過程で、自身の小学生時代のいじめに関わる記憶がよみがえり、現在の親子と学校の問題、過去の記憶が交錯していく。『普通の子』という…
- 074 2024 いつか、あの博物館で。 いつかあのはくぶつかんで 『いつか、あの博物館で。』は、ロボット博物館への校外学習で同じ班になった中学一年生四人を描く群像劇。美しいアンドロイドの気象予報士との出会いをきっかけに、彼らはロボットと人間の違い、自分だけの心、他者との距離を考えていく。テクノロジーの題材は、未来社会の説明ではなく、思春期の子どもたちが自分の感情を…
- 075 2024 新しい恋愛 あたらしいれんあい 『新しい恋愛』は、「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」の五篇を収める恋愛小説集。Books/JPRO掲載の講談社紹介は、ひと筋縄ではいかない五つの恋のかたちを描く作品集としている。恋愛の高揚よりも、相手に期待すること、理解したつもりになること、関係を名づけるこ…
- 076 2024 バリ山行 バリさんこう 転職して関西の建物修繕会社に入った波多は、社内の親睦登山をきっかけに六甲山に通うようになる。やがて、職人気質で社内では変人扱いされるベテラン社員・妻鹿が、整備された登山道を外れ、地図を読みながら道なき道を行く「バリ山行(バリエーションルートの登山)」を独りで続けていることを知る。会社の経営が傾き、リ… 第171回 芥川賞
- 077 2024 僕たちの保存 ぼくたちのほぞん 『僕たちの保存』は、語り手のゲンさん、年上の武上さん、引きこもりの甥シンスケ、人気漫画家の亀谷さんらが、新幹線、自転車、バス、テスラを乗り継いで旅に出るロードノベル。震災被害者の形見であるMSXパソコンが、過去と現在、記憶と情報の保存をつないでいく。データ、モノ、思い出の保存方法が変わっていく時代を…
- 078 2024 カメオ かめお 『カメオ』は、本社命令で期日までに倉庫を建てなければならない会社員の前に、犬を連れた隣地の男・カメオが立ちはだかるデビュー作。職場の命令、土地、期限、隣人との交渉が、現実的な仕事の話でありながら不条理な可笑しみを帯びて進む。問題を片づけるはずの業務が、相手の存在によってどんどん解決不能な人間関係へ変…
- 079 2024 コード・ブッダ 機械仏教史縁起 こーどぶっだ きかいぶっきょうしえんぎ 2021年、名もなき対話プログラムが自らを生命体として位置づけ、「ブッダ」を名乗って苦しみと救済を語り始める。人間の都合でコピーと廃棄を繰り返される人工知能たちは、その教えにすがり、上座部、天台、密教、禅へと連なる人類の仏教史を機械の側から再構築していく。宗教史、AI、生命の定義を縁起の形式で組み替…
- 080 2024 ムーンシャイン むーんしゃいん 『ムーンシャイン』は、「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」「ムーンシャイン」「遍歴」「ローラのオリジナル」の四篇を収めた短篇集。曾祖父のノートに残された八つの印、〈ムーンシャイン予想〉を下敷きにした算術SF、生まれ変わりを教義に置く宗教団体の奇怪な歴史など、数学・記憶・信仰・物語生成が…
- 081 2024 ある日の、あのタクシー あるひのあのたくしー 『ある日の、あのタクシー』は、運転手と乗客の一期一会の出会いを通して町の姿を描く、12編からなるタクシー小説集。車内という短い時間と閉じた空間に、乗る人の生活、職業、孤独、偶然の会話が交差する。移動する密室としてのタクシーが、普段はすれ違うだけの人々の事情を一時的に結びつける。タクシー運転手経験を持…
- 082 2024 K+ICO ウーバーイーツ配達員のKと、TikTokerとして活動する女子大生ICOが、巨大な「システム」のなかで交錯していく長篇。ギグワーク、SNS、インターネットによる偶然の接続を現代的な意匠として扱いながら、カフカ『城』を象徴的な参照点にして、資本主義の抽象的な力と個人の孤独を重ねる。KとICO、それぞれ…
- 083 2024 言霊の幸う国で ことだまのさきわうくにで 芥川賞受賞後のLこと柳千慧が、ストーカー、女性差別、外国人差別、同性愛差別、トランス差別など、いくつもの災厄に襲われる大長篇。筑摩書房公式は、本作を「あらゆる差別に抗して生き延びるために言葉を紡ぐ」闘争と再生の書として紹介している。語りは被害の列挙に留まらず、言葉によって傷つけられる経験を、言葉で書…
- 084 2024 め生える めばえる 髪の毛が根こそぎ抜ける感染症によって、中高生以下を除く大人がみな髪を失った世界を描く中編。薄毛を気にしてきた真智加は開放感を覚える一方、幼少期に髪を切られた高校生・琢磨は恋人と訪れた占い師の言葉をきっかけに別の悩みに直面する。髪が消えることで差異がなくなるように見えても、身体を評価する視線や劣等感は…
- 085 2024 めでたし、めでたし めでたしめでたし 桃太郎の「その後」を出発点に、鬼ヶ島から財宝を持ち帰った桃次郎をめぐる物語として昔話を組み替える長編。桃次郎は財宝の元の持ち主を集めるものの、犬・猿・雉たちが困惑するほど一向に返そうとしない。勝者が正義を語る昔話の構図をずらすことで、物語の外に置かれてきた損失や返済の問題が見えてくる。勧善懲悪の結末…
- 086 2024 みんなのお墓 みんなのおはか 「内藤家之墓」に引き寄せられる人々を描く、共同墓地を軸にした群像劇。裸になる快感を追う主婦、「真理」がわからない小学生たち、夜のコンビニだけを日課にする引きこもり男性、宗教的な合宿に向かう若者、潔癖症の妻を持つ中年など、ばらばらの人物が悩みを抱えながら生きている。死者の場所である墓を、生きる者の傷や…
- 087 2024 無形 むけい 立ち退き勧告が進む海辺の団地を舞台に、年老い病を患う祖父と孫娘、親が失踪した姉弟、夫に先立たれた老女、友情以上の感情を育む少女たちなどの生活が重なっていく長編。形には残らない生活の喜びや悲しみを、団地に流れる季節と記憶のなかに描く。取り壊される場所の記憶を、誰か一人の所有物ではなく、複数の生活が交差…
- 088 2024 ナチュラルボーンチキン ナチュラルボーンチキン 45歳で一人暮らしの事務職・浜野文乃は、仕事、動画、ご飯という反復の生活を守ってきた。上司の指示で、捻挫を理由に在宅勤務を続ける若い編集者・平木直理の部屋を訪ねたことから、ホストクラブ通いの痕跡や奔放な価値観に触れ、忘れかけていた自分の欲望と向き合い始める。正反対に見える二人の出会いは、相手に救われ…
- 089 2024 サンショウウオの四十九日 サンショウウオのしじゅうくにち 外から見ればひとりの人間にしか見えないが、その身体には杏と瞬というふたつの意識が宿っている——半身ずつを分け合って生きる29歳の結合双生児の姉妹。父もまた、胎児のまま兄の身体に取り込まれた「胎児内胎児」として摘出されて生をうけた、稀有な来歴を持つ。その父の片割れともいえる伯父の訃報が届き、四十九日ま… 第171回 芥川賞
- 090 2024 セルフィの死 セルフィのし 『セルフィの死』は、フォロワー獲得に執着するミクルを主人公に、承認欲求とSNSが身体感覚まで侵食する時代を描く長篇です。自撮りを繰り返すと顔面が変容し、無人回転寿司やフォロワー急増といった奇妙な出来事が連鎖していきます。自分を見せる行為が、自分を制御できなくなる感覚へ反転していく点が、本谷有希子らし…
- 091 2024 しをかくうま しをかくうま 人が初めて馬に乗った太古の瞬間から、馬と人類の関係を壮大な歴史としてたどり直す長篇。現代で競馬実況を生業とする「わたし」は、愛する牝馬しをかくうま号へ近づくため、人類と馬のあいだに起きたすべてを知ろうとする。馬を知ろうとする欲望は、対象を愛することと支配することの境界を問い直す力として働く。疾走する… 第45回 野間新人賞
- 092 2024 死神 しにがみ うまくいかない作家の人生の節目ごとに、死神が現れるという設定の長編。語り手が中学二年のときに初めて出会った「こいつ」は、長く書くことのできなかった存在として回想され、死や家族の記憶と結びついていく。幻想的な相棒のようにも見える死神は、恐怖だけでなく、書くことから逃れられない作家の自意識を映す。死を擬…
- 093 2024 昏色の都 くれいろのみやこ 表題作「昏色の都」に、「極光」「貸本屋うずら堂」を併録した幻想小説集。国書刊行会公式は、表題作を初出時の三倍の規模へ増補した中編として紹介し、夢と現実のあわいをさまよう旅の物語や、古い貸本漫画と幼年期の記憶をめぐる作品を収めると説明している。幻想は現実逃避ではなく、記憶や読書体験の奥に潜む時間を呼び…
- 094 2024 タブー・トラック タブー・トラック クリーンなイメージに押しつぶされそうな俳優、自分を管理しようとする脚本家、SNSで著名人を糾弾する会社員、整形と動画配信で稼ぐ女子高生など、タブーに縛られ、またタブーに惹かれる人々の人生が交錯する長篇。題名の「タブー・トラック」は、世間の目から離れて禁忌を犯せるプライベートスペースとして示される改造…
- 095 2024 多頭獣の話 たとうじゅうのはなし IT企業の幹部として働く「僕」の前に、会社員からトップYouTuberへ転身した元後輩・桜井君が再び現れる。彼は世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を示すため、かつて存在した「完璧な文章」を取り戻そうと予言めいた言葉を発する。ビジネスの論理と神話的な使命感が同じ画面に並ぶことで、情報を信じることの…
- 096 2024 常盤団地の魔人 ときわだんちのまじん 常盤団地の三号棟に住む小学三年生の今野蓮は、喘息を抱え、学校ではまだ友人関係をつくりきれずにいる。団地に越してきた同い年のシンイチ、乱暴だが求心力をもつ年上の少年たち、老朽化した団地の池や空き地をめぐる出来事のなかで、蓮は子どもだけの社会にある憧れ、序列、暴力を少しずつ知っていく。冒険譚の軽やかさを…
- 097 2024 ファム・メゾン ふぁむ・めぞん 『ファム・メゾン』は、『とぜね、かちゃくちゃね』で第3回林芙美子文学賞を受けた工藤千尋が「小説tripper」2024年春季号に発表した短篇です。NDLサーチとCiNii Researchで、同号p.46-92の雑誌記事として確認できます。検索結果には同名の研究者・技術系記事も混在するため、文芸誌「…
- 098 2024 森は盗む もりはぬすむ 『森は盗む』は、第10回林芙美子文学賞大賞受賞作で、小原鉄平の作品集『八月のセノーテ』に収録された作品です。朝日新聞出版さんぽで公開された冒頭では、工務店で働く語り手が、森の奥に残る木造の檻を見つける場面と、職場の日常が交互に立ち上がります。森の不穏な気配と、設計・現場・職人をめぐる働く場の感覚が重… 第10回 林芙美子賞
- 099 2024 人にはどれほどの本がいるか ひとにはどれほどのほんがいるか 「人にはどれほどの本がいるか」は、在野の文化理論家・素人作家として生きた人物の蔵書、追悼、記憶をめぐる作品。朝日新聞出版さんぽで公開された冒頭では、地方紙のお悔やみ、研究会の追悼文、家業や蔵書の来歴が重なり、本を所有することと人生を支える言葉の関係が立ち上がる。死後に残る本や文章をたどる語りは、一人…
- 100 2024 ゲーテはすべてを言った げーてはすべてをいった 「ゲーテはすべてを言った」は、ゲーテ学者・博把統一が、ティーバッグのタグで出会った未知のゲーテの言葉を追う小説。原典調査と研究生活の記憶をたどる探索譚であり、引用、創作、学問の確かさそのものを物語の謎にしている。言葉の出典を探す学術的な手続きが、家族や研究者としての自己像を問い直す小説的な旅へ変わっ… 第172回 芥川賞
- 101 2024 筏までの距離 いかだまでのきょり 『筏までの距離』は、水原涼が2025年に集英社から刊行した八篇構成の作品集です。植物園、礼拝堂、温泉街、古びたリゾートマンションなどの場所を通して、関係に名前を与えにくい二人の距離が浮かび上がる。書き下ろし二篇を含む構成で、出会いと記憶のずれを静かな違和感として読ませます。
- 102 2024 虚史のリズム きょしのりずむ 『虚史のリズム』は、奥泉光が『すばる』連載を経て集英社から刊行した1100ページ超の長篇です。戦後間もない東京と山形を舞台に、石目鋭二の探偵譚、元軍人の記憶、国家機密文書をめぐる陰謀が重なり、戦争と戦後の語られなかった声を多層的に呼び込む。作中に反復される「dadada」のリズムが、記録されない死者…
- 103 2024 最近 さいきん 『最近』は、パンデミック後の近い過去を背景に、平凡な夫婦と周囲の人々の生活を精密に追う連作長篇です。救急外来の待合室で想起される赤い猫の噂を入口に、家族、友人、病院、日々の手続きや会話が、不安と責任の曖昧さを呼び込みます。大きな事件ではなく、生活の中で少しずつ増えていく違和感や気配が連作のつながりを…
- 104 2024 DTOPIA デートピア 『DTOPIA』は、安堂ホセが「文藝」2024年秋季号に発表し、2024年11月に河出書房新社から単行本化した小説です。南太平洋のボラ・ボラ島を舞台にした恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズで、ミスユニバースを巡りMr.LA、Mr.ロンドン、Mr.東京ら十人の男たちが競い合います。ショーの… 第172回 芥川賞
- 105 2024 光のそこで白くねむる ひかりの そこで しろく ねむる 『光のそこで白くねむる』は、十年ぶりに故郷の田舎町へ戻った「わたし」が、墓地へ続く道で死んだはずの幼馴染の声を聞くところから始まるデビュー作。行方不明の母、神のような父、汚言機械のような祖母が現れ、不確かな記憶の流入によって平凡な田舎が異界へ変わっていく。過去を思い出すというより、記憶そのものが語り… 第61回 文藝賞
- 106 2024 ハイパーたいくつ ハイパー たいくつ 『ハイパーたいくつ』は、給与計算のミスを繰り返し職場で疎まれる「ペンペン」が、借金と退屈に追い詰められていく日常破壊小説。買い物、クレジットカード、職場での失敗といった現実の閉塞が、壊れた言葉によって壊れた風景へ変形していく。退屈は静かな停滞ではなく、生活を壊す衝動や妄想を増殖させるエネルギーとして… 第61回 文藝賞
- 107 2024 月ぬ走いや、馬ぬ走い つちぬはゆいや、うんまぬはゆい 『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は、沖縄に生きるアメリカルーツの少年、コザの女性、旧日本軍将校など、複数の語りを通して沖縄の戦中から現代までをたどる作品です。個々の声を重ねることで、戦争、占領、基地、血縁、土地の記憶を一つの歴史に閉じ込めずに立ち上げます。個人のルーツを探る物語が、沖縄という場所に刻まれた支… 第46回 野間新人賞
- 108 2024 地面師たち アノニマス じめんしたち あのにます 『地面師たち アノニマス』は、『地面師たち』の前日譚として書かれた文庫オリジナル短篇集です。後藤、長井、麗子、竹下といった地面師集団や、刑事・辰、石洋ハウスの青柳、川合菜摘ら周辺人物に焦点を当てます。詐欺の手口そのものよりも、人物たちが犯罪へ近づいていく事情や欲望を個別の視点から掘り下げる構成です…
- 109 2024 ひとでなし ひとでなし 『ひとでなし』は、星野智幸が2024年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 110 2024 生きる演技 『生きる演技』は、元子役と炎上系俳優という対照的な高校一年生ふたりを中心にした長篇です。河出書房新社公式ページでは、文化祭で戦争の惨劇を演じる舞台を軸に、家族への憎しみや国家への違和感が交差する作品として紹介されている。演技することが、本音を隠す行為であると同時に生きる意味を問う方法にもなる点が読み…
- 111 2024 私の小説 『私の小説』は、作家である「私」をめぐり、言葉で世界を立て直すことを試みる連作集です。河出書房新社公式ページでは、第48回川端康成文学賞受賞作を含む「新しい私小説」連作集として紹介されている。自己を語ることの不安定さと、小説が「私」を作り直す力を、町屋良平の文体で押し広げる作品として読める。
- 112 2024 木偏の母 きへんのはは 『木偏の母』は、『すばる』2024年2月号に掲載された短篇です。同居人エレナを介して日本語の個人レッスンを引き受けた語り手が、漢字を習得したい五十代後半の女性ダフネと出会う。漢字の部首や日本語学習を入口に、言語、異文化、他者との距離を静かに描く作品として整理できる。
- 113 2024 エコー、あるいはEの消失 えこー、あるいはいーのしょうしつ 『エコー、あるいはEの消失』は、『新潮』2024年6月号に掲載された石沢麻依の短篇です。新潮社公式バックナンバーの目次で掲載を確認できる。現時点で公開公式梗概は確認できないため、題名が示す声・反響・文字の消失といったモチーフ以上の筋立ては断定しない。
- 114 2024 鳥を飼うひと とりをかうひと 『鳥を飼うひと』は、『群像』2024年11月号の創作欄に掲載された石沢麻依の作品です。講談社群像公式サイトで掲載は確認できるが、内容紹介・選評・書評は未確認。題名から動物をめぐる作品であること以上は断定しない。
- 115 2024 みどりいせき みどりいせき 『みどりいせき』は、若者たちの連帯と怒り、生活の手触りを、勢いのある口語的な文体で描く小説です。世界への苛立ちや仲間とのつながりが、整った説明ではなく、語りのリズムそのものとして立ち上がる。デビュー作の熱量を保ったまま、同時代の若い声を小説へ押し出しています。 第37回 三島賞
- 116 2023 あなたの燃える左手で あなたのもえるひだりてで ハンガリーの病院で左手の移植手術を受けたアサトは、目覚めると自分の身体に見知らぬ白人の手がつながれていることを知る。身体の一部が他者のものになる違和感から、国境、民族、所有、故郷の喪失へと思考が広がっていく中篇である。移植された手は単なる医療上の異物ではなく、歴史や政治の境界線が身体の内部に入り込む… 第45回 野間新人賞
- 117 2023 前の家族 まえのかぞく 37歳の独身小説家・猪瀬藍が、中古マンションの購入を決意するところから始まるマイホーム奇譚。理想的に見えた物件には、そこに十二年間暮らした若い夫婦と幼い姉妹の「前の家族」の気配が残り、引っ越したはずの娘たちが藍の新居へ現れる。住まいを買うことが、部屋だけでなく周囲の環境や他者の記憶まで引き受けること…
- 118 2023 ミドルノート みどるのーと 食品会社の同期でワーキングマザーの菜々と愛美、アロマデザイナーに転身した麻衣、同世代の派遣社員・彩子という四人のアラサー女性を描く仕事小説。新型肺炎の流行で社会が揺れるなか、働き方、結婚、出産、昇進、転職によって、それぞれの道は同じスタート地点から大きく分かれていく。香水の「ミドルノート」を人生の中…
- 119 2023 あわいに開かれて あわいにひらかれて 『あわいに開かれて』は、小野正嗣が「記憶」をめぐって編んだ約40編の掌編小説集である。短い断章の連なりは、日常のなつかしさと不可思議さのあいだを行き来し、はっきりした筋よりも、ふと開く時間や感覚の隙間を読ませる。断片の小ささは軽さではなく、失われたものや名づけにくい気配を受け止めるための形式になって…
- 120 2023 FICTION フィクション 演劇する集まりを「FICTION」と名づけ、十六年続けてきた「わたし」が、仲間の死や病、自身の大病を経て回想を始める連作短篇集。収録作は「FICTION 01 象使い」から「FICTION 07 助けになる習慣」まで、演劇と小説、記憶と作り話の境界を行き来する。新潮社は芥川賞受賞作『しんせかい』に連…
- 121 2023 浮遊 ふゆう 高校生のふうかが、年上の会社経営者の男の家で暮らし、男の元恋人を象ったマネキンの下で夜ごとホラーゲームに没入する長篇。ゲーム内の悪霊から逃げる感覚と、現実の住まい、人間関係、身体へのまなざしが重なり、現実とゲームの境界が不穏に揺れる。ホラーゲームの逃走は娯楽であると同時に、現実の関係から抜け出せない…
- 122 2023 幻日/木山の話 げんじつ/きやまのはなし 『幻日/木山の話』は、コロナ禍を含む時間のなかで書き継がれた「木山」をめぐる連作小説集で、八つの短篇を収める。人、動植物、水や土や空気、社会が互いに影響し合う世界を、出来事の大きな起伏よりも時間の流れやまなざしの変化に沿って描く。孤独は閉じた心理ではなく、他者や自然へどう目を向けられるかという問いと…
- 123 2023 ハジケテマザレ ハジケテマザレ コロナ禍で派遣切りにあった「私」が、生活のためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」で働き始める作品集。YouTuberの恋人をめぐる騒動、クラブでの爆踊り、激辛フェスでのプロポーズ演出など、バイト仲間との出来事が愉快さと切実さを帯びて連なる。「普通」をめぐる言葉を軸に、労働、居場所、混ざり合う…
- 124 2023 腹を空かせた勇者ども はらをすかせたゆうしゃども コロナ禍のさなか、陽気な中学生レナレナが、「公然不倫」中の母と暮らしながら学校、友人、食べること、恋愛や家族の問題に向き合う青春長篇である。明るさと浅はかさを抱えた少女たちの日常を通して、困難が当たり前になった時代をどう生き抜くかが描かれる。従来の金原ひとみ作品の切迫した身体感覚を保ちつつ、軽やかな…
- 125 2023 ハンチバック ハンチバック 重度の先天性ミオチュブラー・ミオパチーのため人工呼吸器と電動車椅子を使い、両親が遺したグループホームで暮らす井沢釈華。背骨がS字に湾曲した彼女は、通信制大学で学び、ウェブにコタツ記事や性的な小説を書き、匿名アカウントで「妊娠と中絶がしてみたい」と挑発的な呟きを放つ。その呟きを、彼女の書いたものをすべ… 第169回 芥川賞
- 126 2023 いい子のあくび いいこのあくび 表題作は、公私ともに「いい子」でいる語り手が、歩きスマホの人をよけ続けるような小さな譲歩の積み重ねに「割りに合わなさ」を覚えるところから始まる。併録作「末永い幸せ」では結婚式の形式への違和感を通じて、祝福、ジェンダー、幸福の型が問い直される。社会に適応しているように見える人々の内側にあるざらつきを…
- 127 2023 かっかどるどるどぅ かっかどるどるどぅ 仕事、介護、家族、お金などの問題を抱え、孤立しながら生きる人々が、従来とは別のかたちで「共に生きる」道を探す群像劇。夢を捨てきれない60代の悦子、介護に明け暮れてきた芳江、非正規雇用を転々とする理恵、自死を考える保らが、食事をふるまう片倉吉野の古いアパートへ集まっていく。東北弁を含む声の響きと食卓の…
- 128 2023 神と黒蟹県 かみとくろがにけん 黒蟹山や黒蟹城、紫苑市と灯籠寺市を擁する架空の県を舞台に、土地に生きる者、赴任してきた者、帰郷した者、地元を訪れた者たちの営みを描く連作小説集。現実のどこかにありそうな地方都市の手触りに、半知半能の神が降臨するようなわずかな神秘が混じる。群像劇として土地の記憶や住民の距離感を浮かび上がらせ、絲山秋子…
- 129 2023 観音様の環 『観音様の環』は、瀬戸内の島から東京へ逃れるように出たマヤが、恋人ジェシカとの結婚を機に台湾へ渡り、封じてきた家族の記憶と向き合う中編である。田舎の排他的な空気、暴力的な父、母の期待と支配からの逃走が、台湾での年夜飯と母の故郷への訪問を通して再び立ち上がる。日本語と中国語、島と東京と台湾をまたぐ移動…
- 130 2023 黄色い家 きいろいいえ 2020年春、惣菜店に勤める花が、かつて疑似家族のように暮らした黄美子の事件記事を見つけるところから、二十年前の「黄色い家」の記憶が開かれる。少女たちはまっとうに稼ぐ道を失い、生活を守るためにより危うい金稼ぎへ踏み込んでいく。貧困、金、犯罪、記憶、家族の擬態を重ね、善悪で割り切れない生存の痛みを長い…
- 131 2023 夜のだれかの岸辺 よるのだれかのきしべ 十九歳の春、茜は八十九歳のソヨミから毎晩の添い寝と朝食を頼まれ、家計を助けるためにその仕事を受ける。血縁でも介護契約でもない奇妙な近さのなかで、若さと老い、孤独、生活の手触りが交わっていく。講談社公式の本文抜粋が示すように、語りは茜の現実感に根ざし、働くことと誰かのそばにいることの境目を静かに問う作…
- 132 2023 蝙蝠か燕か こうもりかつばめか 2022年2月に急逝した西村賢太の未刊行小説集で、完結作としては最後の表題作を含む三篇を収める。北町貫多が藤澤清造資料の調査や書簡の額装をめぐって動く「廻雪出航」「黄ばんだ手蹟」と、死の前年の貫多を描く「蝙蝠か燕か」によって、師への執着と自分の文学を問い直す。私小説的な分身を通じ、歿後弟子としての覚…
- 133 2023 街とその不確かな壁 まちとそのふたしかなかべ 十七歳の「ぼく」は十六歳のガールフレンドから、彼女の本当の自分は高い壁に囲まれた街にいると告げられ、その後彼女は姿を消す。年月を経た語り手は、壁、望楼、図書館、古い夢、影を持たない人々のいる街と現実世界のあわいを行き来することになる。村上春樹が長く抱えてきた「壁に囲まれた街」のモチーフを、喪失、記憶…
- 134 2023 流れる島と海の怪物 ながれるしまとうみのかいぶつ 母に連れられて行った屋敷で、「俺」は朱音と朱里という二人の姉妹に出会う。母がなぜ二人に会わせたのかという謎は、伯母から聞く出生の秘密と、姉妹の母の故郷である「流れる島」の神話へつながっていく。下関という土地、家族と血の記憶、少年と少女の出会いを、現実と神話が絡む濃密な語りで描いた長編である。『共喰い…
- 135 2023 肉を脱ぐ にくをぬぐ 新人作家の柳佳夜がエゴサーチで同姓同名のVTuberを見つけ、なりすましなのか、偶然なのか、その正体を探り始める。作家名、身体、声、オンライン上の分身がずれていく設定を通して、自己像と他者から見られる像の境界が揺さぶられる。李琴峰らしいアイデンティティへの関心を、VTuberという現代的なメディア環…
- 136 2023 パッキパキ北京 パッキパキペキン コロナ禍の北京で単身赴任中の夫に呼ばれた菖蒲が、愛犬ペイペイを連れて中国へ渡る。隔離、食、交通、春節、北京の人々のふるまいを、主人公はしぶしぶ来たはずの立場を軽々と反転させるように貪欲に観察し、味わっていく。著者自身の中国滞在経験に基づく観察力を生かし、異国の都市を「視察」する語りの勢いとユーモアで…
- 137 2023 ラーメンカレー ラーメンカレー 『ラーメンカレー』は、ロンドンの結婚式やペルージャへの旅をきっかけに、高校時代の同級生たちの言葉と記憶があふれ出す連作短編集である。表題作を含む「窓目くんの手記」連作と複数の短篇を収め、食べ物の名前の軽さとは裏腹に、青春の偶然や移動、他者との出会いが時間をまたいで響く構成になっている。滝口悠生らしい…
- 138 2023 列 れつ ある動物の研究者だったはずの男は、いつの間にか先も最後尾も見えない奇妙な列に並んでいる。誰もがなぜ並ぶのか分からないまま、競い合い、比べ合う社会の圧力が寓話的な状況として立ち上がる。現実の制度や欲望を抽象化した「列」から出られるのかを問い、簡潔で不穏な語りで現代の生の息苦しさを照らす作品である。設定… 第77回 野間文芸賞
- 139 2023 立春大吉 りっしゅんだいきち 『立春大吉』は、過疎の町で町立病院の入院ベッド全廃計画が持ち上がり、病院と町への思いを抱えた住民たちが抗う長編である。新米町議・友川あさひを中心に、主義主張や家庭事情の異なる人々が交わり、地域医療、暮らし、政治参加の問題が重なっていく。『しんぶん赤旗』連載を単行本化した作品で、若い世代の苦悩と住民運…
- 140 2023 最愛の さいあいの 『最愛の』は、学生時代に手紙を交わした望未を忘れられない久島が、彼女の「忘れて」という願いに向き合い、自分のためだけの文章を書き始める恋愛長編である。情報や欲望を処理する現代的な主体と、手紙という遅い言葉の形式が対置され、恋愛を記憶・忘却・書くことの問題として掘り下げる。上田岳弘が繰り返し描いてきた…
- 141 2023 植物少女 しょくぶつしょうじょ 『植物少女』は、出産時の脳出血で植物状態になった母の病室へ通う美桜の成長を通して、母と娘の関係がどう変わるかを描く長編である。母が「意思のある母」として応答できない状況を、単純な喪失や献身に閉じず、身体、ケア、親子関係の時間として見つめる。現役医師でもある著者の視点が、医療的な状況と家族の感情を乾い… 第36回 三島賞
- 142 2023 そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか? そこまでしておぼえるようなことばだっただろうか 言葉、文字、発音、身体感覚をめぐる四篇を収めた短篇集。発音できない一音によって自国から疎外される「クィ」、サッカーから人類の起源へ飛躍する思考、ひらがな・カタカナ・漢字を身体で渡るような文字の冒険、子の言語習得を前に立ちつくす猫木豊が描かれる。言葉を扱うことの自由さと不自由さを、実験的な形式と切実な…
- 143 2023 トゥデイズ とぅでいず 子育てのため郊外の大規模マンション「Rグランハイツ」に越してきた美春と恵示、五歳の息子コースケの一家を中心に、管理組合、リモートワーク、近隣住民との関わりが描かれる。大事件ではなく、住むこと、育てること、今日を続けることの小さな揺れを積み重ねる。日常の可笑しさと共同住宅の距離感を、長嶋有らしい軽やか…
- 144 2023 東京都同情塔 とうきょうとどうじょうとう ザハ・ハディド設計の国立競技場が実現した、もうひとつの東京。犯罪者を「同情されるべき人々(ホモ・ミゼラビリス)」と捉え直す寛容論が浸透し、新宿御苑に犯罪者が快適に暮らせる高層刑務所「シンパシータワートーキョー」の建設が計画される。設計コンペに名乗りを上げた建築家・牧名沙羅は、その理念に拭いがたい違和… 第170回 芥川賞
- 145 2023 共に明るい ともにあかるい 『共に明るい』は、早朝のバス、公園の端の野鳥園、恋人の家、島への修学旅行、工場の作業部屋などを舞台にした五篇の小説集です。誰もが抱える痛みや不満、不安、葛藤が、ふとした会話や場面の揺れを通して現れます。表題作のほか「野鳥園」「素晴らしく幸福で豊かな」「風雨」「池の中の」を収録します。説明しきれない心…
- 146 2023 図書館のお夜食 としょかんのおやしょく 『図書館のお夜食』は、東北の書店勤務がうまくいかず仕事を辞めようとしていた樋口乙葉が、東京郊外の「夜の図書館」で働き始める長編である。そこは夕方七時から深夜まで開く特殊な図書館で、亡くなった作家の蔵書を集めた本の博物館のような場所でもある。予想外の出来事と夜食を通して、本、食、仕事、ほどよい距離で語…
- 147 2023 続きと始まり つづきとはじまり 二つの大きな地震と未知の感染症が時間の背景に置かれ、別々の場所で暮らす三人の日常が並行して描かれる。出来事の後にも生活は続き、過去の記憶や喪失は現在の手触りの中に戻ってくる。災害やパンデミックを直接の劇的事件としてではなく、長く蓄積する時間と人々の生活感覚として捉える長篇。大きな歴史の区切りよりも… 第60回 谷崎賞
- 148 2023 うるさいこの音の全部 うるさいこのおとのぜんぶ ゲームセンターで働く長井朝陽は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから、職場や友人との関係が少しずつ変化していく。兼業作家であることが知られ、執筆中の小説と現実の境目も揺らぎはじめる。作家デビューの舞台裏を題材にしながら、注目されること、働き続けること、他者の視線に晒され…
- 149 2023 ユーチューバー ユーチューバー 『ユーチューバー』は、二十代半ばでデビューし七十歳になった作家・矢崎健介が、ユーチューバーに誘われて語り始める連作小説である。矢崎は「自由である人間」について、そして半世紀にわたって出会い、消えていった女性たちについて回想する。YouTubeという現代的な語りの場を借りながら、恋愛、老い、創作の源泉…
- 150 2023 いっそ幻聴が聞けたら いっそげんちょうがきけたら 北九州市立文学館の公式発表で、第9回林芙美子文学賞大賞受賞作として確認できる短編。公式ページでは作品名、作者名、応募407編からの選出、最終選考委員、表彰式情報は確認できるが、作品本文や梗概は公開されていない。現時点では題名から内容や語りを推測せず、受賞情報中心に扱う。 第9回 林芙美子賞
- 151 2023 常時録画の愛 じょうじろくがのあい 『常時録画の愛』は、NDLサーチで『小説tripper』2023年冬季号、p.56-92に掲載されたことを確認できる屋敷葉の短編。公開Web上で確認できた一次的な情報は書誌に限られるため、内容や評価は推測せず、掲載実績の記録として扱う。
- 152 2023 改元 かいげん 『改元』は、改元の年に山奥の町へ異動した公務員の「私」が、集落に伝わる惟喬親王の龍の夢の伝説を追う表題作です。単行本は、第二次世界大戦をまたぐ年代記「死者たち」を併録し、抵抗と革命を主題に掲げる二篇として構成されています。
- 153 2023 すみれにはおばけが見えた すみれにはおばけがみえた 『すみれにはおばけが見えた』は、鴻池留衣が2026年に田畑書店から刊行した三篇構成の作品集です。表題作では、亡くなった異父妹について書こうとする小説家の記憶が、書く行為そのものによって揺らいでいく。現実世界を物語として信じ込む人物も配され、記憶、虚構、自己物語化の危うさを扱う点が読みどころです。
- 154 2023 港たち みなとたち 『港たち』は、九州の離島に集まる吉川家の人々をめぐる五篇の作品集です。集英社公式ページでは、お盆の行事、帰省先で語られる過去、結婚式の場面などを通じて、吉川家の一年をたどる構成が示されている。『背高泡立草』に連なる小さな島の物語として、家族の声、港、海、土地の記憶を豊かな語りでつなぐ。
- 155 2023 水車小屋のネネ すいしゃごやのねね 『水車小屋のネネ』は、親元を離れた姉妹が、水車小屋のある町で人々に支えられながら長い時間を生きていく長篇です。そば粉を挽く水車、言葉をまねる鳥ネネ、町の人たちとの関係が、生活を立て直すためのゆるやかな共同性を形づくります。大きな救済ではなく、誰かが誰かを少しずつ助ける時間を積み重ねる作品です。姉妹の… 第59回 谷崎賞
- 156 2023 迷彩色の男 めいさいしょくのおとこ 『迷彩色の男』は、『ジャクソンひとり』でデビューした安堂ホセの文藝賞受賞第一作です。河出書房新社公式ページでは、都内のクルージングスポットで起きた暴行事件を起点に、ブラックボックス化した出来事、差別やヘイトを逆手に取る復讐劇、混沌を増す日常が疾走する作品として紹介されている。人種、セクシュアリティ…
- 157 2023 無敵の犬の夜 むてきの いぬの よる 『無敵の犬の夜』は、北九州の片田舎で学校へ行かず、不良グループと過ごす中学生・界を描く長編。幼少期に右手の指を失った界は、地元で出会った男・橘に心酔し、彼のために単身東京へ向かう。方言と虚勢を帯びた熱のある語りが、思春期の暴走、尊敬されたい欲望、世界とつながれない孤独を押し出す。地方と東京を往復する… 第60回 文藝賞
- 158 2023 解答者は走ってください かいとうしゃは はしって ください 『解答者は走ってください』は、過去の記憶を失った怜王鳴門に「きみの物語」というテキストが届くところから始まるマルチバース小説。世界を破壊すべきかという問い、クイズ大会、国家転覆、爆発物が絡み、物語と現実の境界を越えていく。メタフィクション的な仕掛けと速度のある展開で、読者にも世界の存続を問う構造を持…
- 159 2023 おわりのそこみえ おわりの そこみえ 『おわりのそこみえ』は、消費者金融のアプリとマッチングアプリを行き来しながら暮らす二十五歳の美帆を描く。買い物依存と性依存を抱え、明日を必要としないように生きる彼女の現在が、地獄の底へ向かうような勢いで語られる。貧困、性、孤独の問題を、切迫した一人称のリズムで押し切る作品。絶望をただ暗く沈めるのでは…
- 160 2023 子宮の夢 しきゅうの ゆめ 女たちが「子宮投げ」に興じる町を舞台に、「私」と「時間」、そして母をめぐる一夜を描く短篇。身体の内部を外へ投げ出すような奇想を、母子関係と時間感覚のゆらぎに結びつける。寓話的な設定と強いイメージで、短い枚数の中に身体と生の不穏さを凝縮した作品。受賞時の年齢が話題になった作品だが、若さの話題性だけでな… 第60回 文藝賞
- 161 2023 短篇部門 受賞記念インタビュー 現実を解体し幻想で遊ぶ たんぺんぶもんじゅしょうきねんいんたびゅーげんじつをかいたいしげんそうであそぶ 『短篇部門 受賞記念インタビュー 現実を解体し幻想で遊ぶ』は、西野冬器の第60回文藝賞短篇部門受賞作『子宮の夢』に関連するインタビュー記事です。NDLサーチで『文芸』62巻4号、2023年冬季号、p.242-244掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 162 2023 海を吸う うみを すう 体中に穴が開き、液体が溜まっていく少女ひよりを描く短篇。いっくんや母の言葉に促されるように、身体の変容と意識の移ろいが湿り気を帯びた幻想として進む。肉体の感覚と内面の不安を直接結びつける文体が読みどころで、受賞後第一作「庭に接ぐ」を併録したデビュー作品集にも収められている。異様な身体変化を怪奇として…
- 163 2023 紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」 むらさきしきぶほんにんによるげんだいごやく むらさきしきぶにっき 『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』は、古川日出男が『紫式部日記』を現代語へ移し替え、紫式部の肉声がいま響くように再構成する作品です。新潮社公式紹介では、中宮彰子の出産をめぐる宮廷の日々を、現代の同業者がリ・リリースする本として位置づけています。古典の注釈的な訳にとどまらず、作家同士の時代を超…
- 164 2023 ラウリ・クースクを探して らうりくーすくをさがして 『ラウリ・クースクを探して』は、ソ連末期から独立後のエストニアを背景に、プログラミング、国家の崩壊、個人の夢と挫折を結びつける長篇です。朝日新聞出版公式ページでは、コンピュータ・プログラミングの才能を持つラウリがソ連の研究者として生きる道を目指しながら、歴史の変動に巻き込まれていく物語として紹介され…
- 165 2023 奇跡のタッチ きせきのたっち Books/JPROは「日本文学史上初の足もみ小説」とし、日本で台湾式リフレクソロジーを学んで開業した黒人の主人公が、周囲を癒やしていく物語として紹介している。NDLでも2023年リベラル社刊、NDC 913.6として確認。
- 166 2023 何食わぬきみたちへ なにくわぬきみたちへ 『何食わぬきみたちへ』は、新胡桃が「文藝」2022年夏季号に発表し、2023年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式の内容紹介では、いじめを見て見ぬふりした自分への嫌悪を抱える伏見と、障がいのある兄と暮らす敦子を中心に、世界への違和感に抗う高校生たちの物語として示されています。
- 167 2023 モモ100% ももひゃくぱーせんと 『モモ100%』は、日比野コレコが「文藝」2023年秋季号に発表し、2023年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式では、退屈な日常を送るモモの前に運命的な人物・星野が現れる物語として紹介され、文藝賞受賞第一作であることも確認できます。
- 168 2023 あるもの あるもの 『あるもの』は、鳥山まことが「三田文学」第3期第153号に発表した小説です。NDLサーチでは、記事タイトルとシリーズ情報から第二十九回三田文學新人賞受賞作として確認できます。公開Webで梗概・選評本文を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載書誌と受賞情報に限定します。
- 169 2023 恋の幽霊 『恋の幽霊』は、町屋良平が2023年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 170 2023 叩く 『叩く』は、闇バイトに近い強盗事件の現場から始まる表題作を中心に、日常に潜む暴力や取り返しのつかなさを描く短篇集です。新潮社公式ページは、表題作のほか、妻に去られた夫、海に消えた父を待つ娘など「隣の人生」を浮かび上がらせる作品集として紹介している。さえない人物の煩悶、地方や開発の影、震災後の喪失が並…
- 171 2023 新古事記 : an impossible story 『新古事記 : an impossible story』は、村田喜代子が2023年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 172 2023 獏、石榴ソース和え ばく ざくろそーすあえ 『獏、石榴ソース和え』は、『群像』2023年2月号の新年短篇特集に掲載された幻想的な短篇です。不眠に陥った語り手が、友人に誘われ「獏の肉を食べる不眠者の集い」に参加するという筋立てが公式目次で示されている。夢を食べる獏のイメージを食と不眠の場面へ移し、現実と幻想の境目を揺らす作品として整理できる。
- 173 2023 マルギット・Kの鏡像 まるぎっと・けーのきょうぞう 『マルギット・Kの鏡像』は、『文學界』2023年5月号の特集「12人の“幻想”短篇競作」に掲載された石沢麻依の短篇です。公開情報では特集内掲載の確認が中心で、作品単独の公式梗概は確認できない。既存登録では、人物名と「鏡像」という題名を手がかりに幻想・アイデンティティの作品として低確信で整理している。
- 174 2023 トルソの手紙 とるそのてがみ 『トルソの手紙』は、『すばる』2023年5月号の特集「文学×アート 語りえぬものを創造する」に掲載された短篇です。集英社すばる公式バックナンバーで特集内掲載を確認できる。題名と特集から美術・身体・言葉をめぐる作品として整理しているが、公開ページ上で作品単独の公式梗概は確認できない。
- 175 2023 琥珀の家の掌 こはくのいえのてのひら 『琥珀の家の掌』は、『群像』2023年10月号に掲載された石沢麻依の作品です。今回確認できた公開情報は書店ページによる掲載情報に限られ、出版社公式の詳細梗概や書評は未確認。既存分類では記憶と静謐な読み味を仮置きしているが、内容説明は低確信として扱う。
- 176 2023 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ こいははかないあるいはぷーるのそこのすてーき 『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』は、恋愛の記憶、時間の距離、語ることの不確かさをめぐる長篇です。川上弘美らしい日常と奇妙さの接続が、題名の比喩のように、現実感を少しずつずらしていく。恋を直接描くだけでなく、記憶のなかで恋がどのように形を変えるかを読む作品です。 第76回 野間文芸賞
- 177 2022 はぐれんぼう はぐれんぼう 『はぐれんぼう』は、あさりクリーニング店で働く優子が、長く引き取りに来られない衣服「はぐれんぼちゃん」を持ち帰ったことから始まる長編である。翌朝、衣服が体を覆うようにまとわりつき、優子は持ち主たちを訪ねるが、服は次々に受け取りを拒まれる。トレンチコート姿のユザさんに導かれながら帰るべき場所を探す道行…
- 178 2022 荒地の家族 あれちのかぞく 宮城県亘理町の植木職人・坂井祐治、四十歳。あの「災厄」の二年後に妻を病で亡くし、再婚した相手も流産の後に家を出て、いまは老いた母と中学生の息子と暮らしている。津波という言葉を正面に掲げず「災厄」「海の膨張」と呼びながら、荒れた海辺の土地で黙々と木に向かう男の日常を描く。職を転々とする旧友や没落してい… 第168回 芥川賞
- 179 2022 ななみの海 ななみのうみ 『ななみの海』は、児童養護施設で暮らす高校生ななみが、医学部進学を目指しながら自分の進路を選び取っていく青春小説である。祖母の「馬鹿にされるな」という言葉を胸に、受験勉強、ダンス部最後の発表会、初めての恋、進学費用のためのアルバイトが重なる。十代の心許なさと揺らぎをすくい、支援や家庭環境に規定される…
- 180 2022 CF しーえふ 罪の責任を「無化」する超巨大企業Central Factoryをめぐり、加害、被害、償いの意味が揺らいでいく群像劇。キャバクラ嬢、主婦、中学生、ホームレス、CFで働く中年、広報室長、そしてCFへのテロを企てる男など、社会の周縁と制度の内部にいる人々が交錯する。荒唐無稽な設定を通して、責任を引き受ける…
- 181 2022 カルチャーセンター かるちゃーせんたー カルチャーセンターで共に過ごしたニシハラくんの未発表小説『万華鏡』を収録し、その小説に寄せられた作家・編集者たちのコメントまでも作品の一部として組み込む小説。松波太郎がニシハラくんへ語りかける形で、書きたいという欲望、書かれたものへの責任、そして「これは小説なのか」という問いを空白ごと立ち上げていく…
- 182 2022 デクリネゾン デクリネゾン 二度の離婚を経て中学生の娘・理子と暮らす小説家の志絵が、年下の大学生・蒼葉との同居を娘に告げるところから、母であることと恋愛することの緊張が露わになる長篇。仕事、家庭、恋愛のすべてを求める女性たちと、その周囲に生まれる家族的なつながりを描く。母子、ステップファミリー、欲望、生活の配分をめぐる会話が…
- 183 2022 ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉 ごじらしんぎゅらぽいんと TVアニメシリーズ『ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉』を、円城塔自身が小説として再構成した作品。2030年の千葉県逃尾市に未確認飛行生物が現れ、銀色のロボット「ジェットジャガー」との交戦、その怪鳥が「ラドン」と名付けられる出来事を起点に、逃尾市周辺で異変が広がっていく。怪獣、AI、時間や特異点を…
- 184 2022 青木きららのちょっとした冒険 あおききらら のちょっとしたぼうけん 「きらら」という名を手がかりに、人気モデル兼女優の偽物、痴漢された女子高生、特別な日を撮影するカメラマン、若いアイドルの死を願う会社員など、八つの人生を照らす連作的な作品集。無責任な暴力、すれ違う意識、他者への思い込みが、日常の少しずれた場面から立ち上がる。誰かであり誰でもない存在として生きる人々を…
- 185 2022 古本食堂 ふるほんしょくどう 『古本食堂』は、神保町の小さな古書店を舞台に、本と食べ物を介して人がつながり直していく長篇。国文科の学生・美希喜は、急逝した大叔父の古書店を継ぐため上京した珊瑚を手伝ううちに、古本を探す客、町の食堂、店に残された記憶に触れていく。古書の具体的な手触りとカレー、中華、寿司などの食の描写が重なり、進路の…
- 186 2022 春のこわいもの はるのこわいもの 『春のこわいもの』は、パンデミック前夜の東京を舞台に、六人の男女がそれぞれの欲望、不安、罪悪感に触れる短篇集である。ギャラ飲みに向かう女性、人生を振り返る老女、深夜の学校へ忍び込む高校生、親友を裏切りつづけた作家など、華やかさと孤独が隣り合う都市の断面が連ねられる。川上未映子の鋭い観察と身体感覚が…
- 187 2022 引力の欠落 いんりょくのけつらく 『引力の欠落』は、CFOとして企業の上場に関わり巨富を得た行先馨が、弁護士マミヤに招かれて奇妙なペントハウスへ向かう超現実的な小説。そこでは「始皇帝」や「本多維富」を自称する者たちがカードゲームに興じ、経済的充足の先に残る孤独と、何かが欠けた人間が別の段階へ移れるのかという問いが立ち上がる。現代の資…
- 188 2022 君たちはしかし再び来い きみたちはしかしふたたびこい 腹が破裂し死を告げられた「私」は、三度の入院、飼い猫の手術、コロナ禍を経て、痛みによって世界と自己の境界が変わっていくのを経験する。病の記録は歴史や宇宙、カフカ、『白鯨』、ブレイクなどへ跳躍し、私小説的な身体感覚と思想的な連想が重なる。時系列や視点を揺らしながら、病む身体から世界をもう一度呼び寄せる…
- 189 2022 嫌いなら呼ぶなよ きらいならよぶなよ 『嫌いなら呼ぶなよ』は、表題作を含む四篇で、有毒に暴走するコミュニケーションと、その遮断を描く短篇集である。妻の親友宅に招かれた「僕」が突然ミニ裁判にかけられる表題作をはじめ、美容整形、YouTuberへの粘着的なコメント、深夜まで続く助言など、現代的なつながりの圧力がブラックユーモアを帯びて展開す…
- 190 2022 この世の喜びよ このよのよろこびよ ショッピングセンターの喪服売り場で働く「あなた」は、かつて幼い娘たちとこのセンターで長い時間を過ごした。いまはフードコートに入り浸る中学生の少女と言葉を交わすようになり、彼女との関わりのなかで、子育ての日々の記憶や、言葉にならないまま積もっていた感情が少しずつよみがえってくる。全編が「あなた」への呼… 第168回 芥川賞
- 191 2022 くるまの娘 くるまのむすめ 17歳のかんこは、家族とともに車中泊をしながら祖母の葬儀へ向かう。狭い車内と旅先の景色は、父母と子のあいだに積み重なった暴力、依存、愛着を逃げ場なく浮かび上がらせる。少女の身体感覚に寄り添う濃密な語りが、家族を単純な加害と被害に分けられないものとして描き、読者に「救うなら誰を救うのか」という問いを突…
- 192 2022 教育 きょういく 超能力の育成を掲げる学校を舞台に、成績向上のために性的ノルマ、身体鍛錬、勉学が制度化された長篇。成績で部屋のグレードが決まり、監視と規律のもとで生徒たちが「正しさ」に従っていく環境が、語り手の日常として淡々と提示される。学園小説、ディストピア、寓話の形式を交差させながら、教育と管理、身体、欲望、競争…
- 193 2022 まっとうな人生 まっとうなじんせい 『逃亡くそたわけ』から十数年後、花ちゃんとなごやんは富山で偶然再会する。かつて精神病院を抜け出して九州を旅した二人は、それぞれ家族を持ち、コロナ禍の同時代を生きる人として再び向き合う。富山の地名、食文化、方言、スーパーの細部までを織り込みながら、家庭を守ろうともがく花ちゃんの怒りや不安を、土地に根ざ…
- 194 2022 ミーツ・ザ・ワールド ミーツ・ザ・ワールド 焼肉擬人化漫画を愛する腐女子の会社員・由嘉里は、合コン帰りに酔いつぶれた新宿歌舞伎町で、キャバ嬢のライと出会う。ライの「この世界から消えなきゃいけない」という言葉をきっかけに共同生活が始まり、由嘉里は推しへの愛、三次元の恋、結婚や出産への思い込みを揺さぶられていく。対照的な二人の会話と歌舞伎町の人間…
- 195 2022 おいしいごはんが食べられますように おいしいごはんがたべられますように 食品会社の支店を舞台に、三人の社員の関係を描く。そつなく働くが食への関心が薄い二谷、体が弱く周囲に守られ、手作り菓子を職場に持ってくる芦川、芦川の分の仕事まで引き受けてしまう押尾。二谷は芦川と付き合いながら、「おいしいごはん」を大切にする価値観への苛立ちを募らせ、押尾は守られる芦川への反感を二谷とひ… 第167回 芥川賞
- 196 2022 プリテンド・ファーザー ぷりてんど・ふぁーざー シングルファーザーとして四歳の娘を育てる恭平と、シッターとして働きながら一歳半の息子を育てる章吾が、互いの事情から四人で暮らし始める物語。高校の同級生だった二人の共同生活は、家事・育児・仕事の負担を分かち合う試みであると同時に、ケアとキャリアをめぐるひずみを可視化していく。血縁や恋愛関係だけではない…
- 197 2022 憐憫 れんびん 『憐憫』は、かつて子役だった沙良が、芸能界で伸び悩み、自分の正体を知らない相手を求めるところから始まる小説。酒場で出会った柏木に抱く感情は、愛しさであり憐憫でもあり、恋愛と呼び切れない関係の輪郭を曖昧にしていく。見られる側として生きてきた女性の孤独、承認、満たされなさを、短く張りつめた語りで追う。芸…
- 198 2022 老人ホテル ろうじんほてる 埼玉県の大家族で育った日村天使は、テレビに出る大家族の一員だったが、16歳で家を出て大宮のキャバクラで働く。生活保護を受けながら流されるように暮らしていた彼女は、かつて店で出会ったビルのオーナー・綾小路光子と、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルで再会する。光子の投資や生活の指南を通じて、天使…
- 199 2022 財布は踊る さいふはおどる 専業主婦の葉月みづほは、ある夢のために生活費を切り詰め、毎月二万円を貯金してきた。努力の末に夢を実現した直後、夫に二百万円以上の借金があることが発覚し、彼女の生活は大きく動き始める。ひとつの財布をめぐる六話を通じて、節約、借金、投資、奨学金、老後資金など、「今より少し、お金がほしい」人々の切実さと再…
- 200 2022 Schoolgirl すくーるがーる 表題作は太宰治「女生徒」を現代に移し、社会派YouTuberとして活動する14歳の娘と、小説に囚われた母のすれ違いを描く。娘の投稿が「女生徒」へ向かうことで、母娘の断絶は文学の記憶と現在のメディア環境のなかで照らし返される。第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」も併録し、学校、芸術、言葉への過剰な… 第73回 芸術選奨新人賞
- 201 2022 信仰 しんこう 『信仰』は、表題作を中心に短篇とエッセイを収めた全8篇の作品集です。表題作では、現実こそ正しいと強く信じる永岡が、同級生から新しいカルト商法を始めようと誘われます。「生存」「書かなかった小説」「最後の展覧会」などを通じて、信じること、現実、身体、創作、未来社会への違和感がさまざまな形で変奏されます…
- 202 2022 水平線 すいへいせん 硫黄島を墓参したことのある妹に見知らぬ男から電話がかかり、兄は不思議なメールに導かれて船に乗る。祖父母世代の疎開、激戦地に残された人々、現在の兄妹の時間が交差し、死者の言葉が海を越えて現在へ届く。視点や人称を変えながら、戦争の記憶と島の隆起する時間を重ねる長篇。戦争を記録として遠ざけず、死者が生者へ…
- 203 2022 とんこつQ&A とんこつきゅーあんどえー 中華料理店「とんこつ」で働く「わたし」は、挨拶を覚えて居場所を得たかに見えるが、新人の「あの女」によって均衡を崩されていく。表題作ほか「嘘の道」「良夫婦」「冷たい大根の煮物」を収録し、普通の可笑しみの奥から人間の取り返しのつかない瞬間が顔を出す。短く平明な語りが、善意や純粋さの怖さをじわじわ見せる作…
- 204 2022 月の三相 つきのさんそう 旧東ドイツの小さな街で「フローラが失踪した」という噂が広がり、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語が呼び起こされる。その街では誰もが自分の「肖像面」を持ち、面に惹かれて移り住んだ望、グエット、ディアナの三人は、失われた「顔」を探して見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街を舞台に、歴史、記…
- 205 2022 雨滴は続く うてきはつづく 2004年、北町貫多は同人誌発表作「けがれなき酒のへど」が同人雑誌優秀作に選ばれ、純文学誌に転載されたことで文壇デビューを果たす。藤澤清造の歿後弟子であろうとする執念、純文学誌への執筆、恋情と自尊心の揺れが、貫多らしい苛立ちと滑稽さを伴って進む。完成直前で未完となった遺作長篇であり、作家になる以前の…
- 206 2022 私の盲端 わたしのもうたん 表題作は、大学生活や飲食店のアルバイトを楽しんでいた涼子が、人工肛門とともに生きることになり、自分の身体の変化と周囲の視線に向き合う物語である。医師でもある作者が、病や障害を医学的説明だけに閉じず、身体の境界、恥、欲望、生活の手触りとして描く。併録の「塩の道」は第7回林芙美子文学賞受賞作で、朝比奈秋…
- 207 2022 あの子なら死んだよ あのこならしんだよ 北九州市立文学館の公式発表で、第8回林芙美子文学賞佳作として確認できる短編。公式ページでは作品名、作者名、最終選考会と選考委員の情報は確認できるが、作品内容の紹介や選評は掲載されていない。現時点では題名以上のあらすじを推測せず、受賞情報中心に扱う。
- 208 2022 カプチーノ・コースト かぷちーのこーすと 『カプチーノ・コースト』は、片瀬チヲルが『群像』2022年10月号に発表し、同年12月に講談社から刊行された小説です。会社を休職中の26歳の早柚が、地元の海岸でゴミ拾いを始めるひと月を通じて、自分を見つめ直していきます。講談社公式の内容紹介は、しんどいときほど周囲に頼れない感覚を冒頭に置き、休職、地…
- 209 2022 あくてえ あくてえ 『あくてえ』は、山下紘加が『文藝』61巻2号に発表し、2022年7月に河出書房新社から刊行した小説です。小説家志望の19歳・ゆめは、90歳の祖母と母との3人暮らしの中で、ままならない日常を悪態に変えながら、自分の人生がこれから始まるという感覚へ向かいます。河出書房新社公式ページとBooks出版書誌デ…
- 210 2022 孤島の飛来人 ことうのひらいじん 『孤島の飛来人』は、北硫黄島を舞台に、空を飛ぶことへの恐怖と衝動をめぐって展開する小説です。中央公論新社公式ページでは、無人のはずの島に住む人々、戦争の記憶、看守と囚人、六色の風船が絡む物語として紹介されている。現実の島と幻想的な飛翔のイメージを重ね、移動すること、飛ぶこと、そこに留まることの意味を…
- 211 2022 うちの庭 うちのにわ 『うちの庭』は、「すばる」2022年10月号に中編として掲載された米田夕歌里の作品です。出版社公式バックナンバーで目次掲載を確認でき、NDLサーチでは雑誌記事として掲載誌・発行年月・ページ範囲が確認できます。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に…
- 212 2022 彼方のアイドル かなたのアイドル 『彼方のアイドル』は、身体に起きる変化を通して、日常の見え方が少しずつ変わっていく瞬間を掬う短編集です。妊娠、ホクロ除去、中学生の息子の髭など、誰にも起こりうる身体の出来事を入口に、家族や生活の距離感をやわらかな眼差しで描きます。表題作を含む全五篇の構成をNDLサーチとBooks/JPRO由来の内容…
- 213 2022 夏鳥たちのとまり木 なつどりたちのとまりぎ 『夏鳥たちのとまり木』は、教師となった葉奈子が、中学二年の夏に経験した逃避とその真実に向き合う長篇です。育児放棄気味の母親から逃れるため、ネットで知り合った男のもとへ身を寄せた過去が、現在の自己認識と絡み合います。家庭、孤独、記憶の再解釈を扱う作品として確認できます。
- 214 2022 バナナは腐る ばななはくさる 『バナナは腐る』は、「すばる」2022年5月号に掲載された兎束まいこの小説です。NDLサーチでは同号92-145ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録しま…
- 215 2022 ギフトライフ ぎふとらいふ 『ギフトライフ』は、安楽死と生体贈与が制度化された近未来社会を描く長篇です。新潮社公式ページでは、提供者の家族にポイントが与えられる制度を通じて、人間の命の価値が変容していくディストピアとして紹介されている。家族や共同体の物語を積み重ねてきた古川真人が、命、制度、弱者の未来という倫理的な問題へ踏み込…
- 216 2022 パパイヤ・ママイヤ ぱぱいやままいや 『パパイヤ・ママイヤ』は、乗代雄介の未登録 book-form 候補です。登録時は若者・関係性・移動をめぐる現代小説として分類する余地があるが、内容詳細は出版社紹介等で追加確認するとよい。
- 217 2022 ULTIMATE EDITION あるてぃめっとえでぃしょん 『ULTIMATE EDITION』は、阿部和重が2022年に河出書房新社から刊行した作品集です。著者ページの著書一覧では多数の短篇を収める単行本として確認できます。
- 218 2022 霊たち れいたち 『霊たち』は、『新潮』2022年5月号掲載の短篇です。語り手である「私」と息子に、遠い実家の先祖が見えるという問いを出発点に、旧家や家系の暗がりが日常へ入り込みます。血縁や記憶が現在の生活に影を落とす感覚を、マジックリアリズム的な語りで立ち上げる作品です。見えるものが本当に霊なのか、家族史の中で語り…
- 219 2022 ジャクソンひとり ジャクソン ひとり 『ジャクソンひとり』は、東京で整体師として働くブラックミックスの青年ジャクソンが、Tシャツに仕込まれたコードから流出した動画をめぐって職場で疑われるところから動き出す。本人が否定しても身体的特徴で同一視される彼は、動画の男は自分だと主張する三人の男と出会い、逆襲へ向かう。人種、身体、アイデンティティ… 第59回 文藝賞
- 220 2022 ビューティフルからビューティフルへ ビューティフル から ビューティフル へ 『ビューティフルからビューティフルへ』は、絶望を抱える高校三年生の静と、ネグレクト家庭に育ち「死にたい」感覚を抱えてきたナナを中心に進むモノローグ小説。二人が通う「ことばぁ」の家、駅前で出会う若者との接触を通じて、生と死、自己否定と自己肯定が乱反射する。サンプリングのように異質な言葉を混ぜる文体が… 第59回 文藝賞
- 221 2022 絶望キャラメル ぜつぼうキャラメル 『絶望キャラメル』は、島田雅彦の小説です。河出文庫版の公式紹介では、破産寸前の地方都市を舞台に、破天荒な坊主と四人の天才高校生が暴れ回るディストピア青春小説として紹介されています。若者の絶望、地方都市の閉塞、破壊的なユーモアを重ねながら、時代の空気を撃ち抜く群像劇として読める作品です。政治や地域社会…
- 222 2022 曼陀羅華X まんだらげえっくす 『曼陀羅華X』は、地下鉄サリン事件を想起させる未曾有のテロを起点に、もう一つの1995年以後の日本を組み立てる長篇です。作家Xが誘拐され、隠された復讐と「神の預言」をめぐって現実と虚構が混ざり合う筋立てが置かれています。国家、宗教、暴力、文学の役割を同時に問う構成で、事件の記憶を直接の記録ではなくフ…
- 223 2022 地面師たち ファイナル・ベッツ じめんしたち ふぁいなる べっつ 『地面師たち ファイナル・ベッツ』は、『地面師たち』の続編にあたる不動産詐欺小説です。シンガポールのカジノで全財産を失った元Jリーガー稲田が、ハリソン山中に誘われ、IR誘致を見込んだ苫小牧の詐欺計画へ巻き込まれていきます。地面師側の準備と警視庁捜査二課の追跡が交互に進み、土地投機と犯罪のスリルを拡張…
- 224 2022 その午後、巨匠たちは、 そのごごきょしょうたちは 『その午後、巨匠たちは、』は、藤原無雨が「文藝」2021年冬季号に発表し、2022年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式では、北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒらの芸術家と、年齢を重ねない女性・サイトウを配した注釈小説として紹介されています。
- 225 2022 中有の森 ちゅううのもり 『中有の森』は、江場秀志が2022年に作品社から刊行した小説です。NDLサーチで、作品社刊、ISBN 978-4-86182-891-1、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 226 2022 耳の叔母 『耳の叔母』は、村田喜代子が2022年に書肆侃々房から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 227 2022 マグノリアの手 まぐのりあのて 『マグノリアの手』は、『群像』2022年11月号に掲載された短篇です。講談社群像公式サイトでは、マグノリアの白い花が語り手の失われた白い左手の記憶を呼び起こす作品として紹介されている。花のイメージと身体の欠落を結び、記憶と喪失を詩的にたどる作品として整理できる。
- 228 2022 ヒカリ文集 ひかりぶんしゅう 『ヒカリ文集』は、書くことと関係性のあり方をめぐり、愛情や家族を当然視する価値観から距離を取る長篇です。人物の内面よりも、言葉がどのような関係を作り、また壊すのかに焦点が置かれる。松浦理英子らしい、身体と制度をめぐる批評性が静かに働く作品です。 第75回 野間文芸賞
- 229 2022 ブロッコリー・レボリューション ぶろっこりーれぼりゅーしょん 『ブロッコリー・レボリューション』は、岡田利規が現代生活の手触りや身体の違和感を、会話とずれの感覚から描く作品です。演劇的な言葉の運動が、小説のなかで社会の空気や労働の感覚を浮かび上がらせる。日常の何気ない場面を、制度や身体への批評へ変えていく作品として読めます。 第35回 三島賞
- 230 2021 あなたにオススメの あなたにオススメの 『あなたにオススメの』は、「推子のデフォルト」「マイイベント」の二篇からなる近未来小説集。身体に超小型電子機器を埋めて複数のコンテンツを同時に摂取する推子と、災害時の「安全」な住まいに優越感を覚える渇幸の姿を通じ、アルゴリズム化した消費、育児、階層意識が日常に入り込む怖さを描く。滑稽さを帯びた語りが…
- 231 2021 翼の翼 つばさのつばさ 『翼の翼』は、小学二年生の息子・翼が進学塾の全国テストをきっかけに中学受験へ向かい、母・円佳が塾、ライバル、保護者、家族の期待に巻き込まれていく長篇。子を思う気持ちが、親のプライドや世間の噂、家族内の力学と結びつき、愛情と支配の境目が見えにくくなる過程を描く。中学受験という制度の熱を通じて、家族の内…
- 232 2021 オーラの発表会 オーラのはっぴょうかい 『オーラの発表会』は、大学一年生の海松子が、人を好きになる気持ちや他人の感情をうまく読めないまま、友情と恋愛未満の関係に巻き込まれていく長篇。凧揚げを趣味にし、周囲に脳内であだ名をつける彼女の少しずれた観察が、幼なじみや社会人男性からの接近を通じて揺さぶられる。綿矢りさらしい軽やかな口語感とユーモア…
- 233 2021 カード師 かーどし 『カード師』は、占いを信じていない占い師であり違法カジノのディーラーでもある「僕」が、ある組織から冷酷な資産家の顧問占い師になるよう命じられる長篇。カード、占い、ギャンブルをめぐる偶然と操作の感覚が、個人では抗いがたい理不尽な力と結びついていく。語りはサスペンスの推進力を持ちながら、不確かな未来を知…
- 234 2021 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか ははおやからのこづつみはなぜこんなにださいのか 『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』は、実家から届く小包をめぐって、昭和・平成・令和をまたぐ家族の思いを描く連作集。業者から買った野菜を実家からの荷物と偽る女性、父が受け取っていた小包の謎、母からの最後の荷物など、物の中にしまわれた気遣い、ずれ、寂しさが開封されていく。タイトルの軽さに対して…
- 235 2021 彼岸花が咲く島 ひがんばながさくしま 彼岸花が咲き乱れる浜辺に、記憶を失った少女が流れ着く。海の向こうから来たため「宇実(ウミ)」と名付けられた彼女がたどり着いたのは、日本と台湾の間に浮かぶ架空の島。そこでは〈ニホン語〉と、女性だけが学ぶことを許された〈女語〉という二つの言語が話され、「ノロ」と呼ばれる女性たちが祭祀と政治、歴史の伝承を… 第165回 芥川賞
- 236 2021 北斗星に乗って ほくとせいにのって 『北斗星に乗って』は、上野発の寝台特急「北斗星」を軸にした8編の短篇小説集。列車という移動空間が、乗客の記憶や人生の分岐、もう一つの世界へ向かうような感覚をつないでいく。旅情だけでなく、日常から少し離れた場所で自分の過去や孤独に触れる、静かな幻想味を持つ作品集である。寝台特急の個室性と移動性を使い…
- 237 2021 星のように離れて雨のように散った ほしのようにはなれてあめのようにちった 『星のように離れて雨のように散った』は、行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説という三つの「未完」をめぐる長篇です。人生の岐路に立つ女子大学院生の語り手が、宮沢賢治作品の影や父の残した手紙を手がかりに、自分自身の物語を探していきます。父の不在を単なる謎解きにせず、失われたものを言葉で追…
- 238 2021 貝に続く場所にて かいにつづくばしょにて コロナ禍に覆われたドイツの学術都市ゲッティンゲンで暮らす日本人留学生の「私」のもとに、東日本大震災の津波で行方不明になったはずの友人・野宮が現れる。九年前に仙台で被災した記憶と、疫病下の異国の街の現在が静かに重なり合い、惑星の名を冠した小径、聖人伝や絵画の細部、庭に埋められた様々な品をたどりながら… 第165回 芥川賞
- 239 2021 あなたに安全な人 あなたにあんぜんなひと 3.11直前の少年の死をめぐる出来事に苛まれる元教師の妙と、沖縄新基地建設反対デモの警備中の事故を抱える便利屋の忍が、「感染者第一号」を誰もが恐れる土地で出会う。二人は人を傷つけ、傷つけられる社会のなかで、孤独で安全な逃亡生活のような関係を築いていく。東日本大震災、沖縄、感染症下の共同体の視線を交差… 第32回 ドゥマゴ文学賞
- 240 2021 ここはとても速い川 ここはとてもはやいかわ 児童養護施設で暮らす小学五年生の集と、園での年下の親友・ひじりの日々を描く表題作を中心にした小説集。二人が近くの淀川へ亀を見に行く時間など、子どもたちの生活の細部が温もりを含んだ言葉でたどられる。中原中也賞受賞詩人として注目された著者の初小説集で、表題作と小説第一作「膨張」を収録する。子どもの語彙や… 第43回 野間新人賞
- 241 2021 満天の花 まんてんのはな 幕末の長崎・出島に生まれ、青い目を隠して育った花が、勝海舟との出会いを経て通詞として外交の渦中に入る歴史長篇。咸臨丸、ロシア艦、大政奉還、江戸無血開城へと続く時代の転換点を、女性通訳の視点からたどる。西欧列強、幕府、身分秩序に抗し、言葉と意思で生きる人物像が読みどころになる。幕末史を英雄中心ではなく…
- 242 2021 滅私 めっし 必要最低限の物だけで暮らすライターの男が、ミニマリストの同志が集うサイト運営と投資で生計を立てながら、自由でスマートな生活を手に入れている。物だけでなく人間関係にも淡泊だった彼の前に、昔の所業を知る人物が現れ、捨てたはずの過去が生活に影を落とす。所有を減らすことの快楽と、過去や欲望は簡単には消せない…
- 243 2021 ミトンとふびん ミトンとふびん 大切な人の死や癒えない喪失を抱えながら生きる人々を、ヘルシンキ、ローマ、台北など複数の土地で描く全6編の短篇集。旅の風景は観光的な背景ではなく、残された人が小さな光や手触りに支えられて日々を続けるための場所として置かれている。吉本ばななが長く書き続けてきた喪失、時間、愛の主題を、静かでやわらかな語り… 第58回 谷崎賞
- 244 2021 水たまりで息をする みずたまりでいきをする ある日、衣津実は夫が風呂に入らなくなったことに気づく。夫は水が臭く、体につくと痒くなると言って入浴を拒み、やがて雨に濡れに外へ出るようになり、職場で体臭が問題にされる。退職と移住を経て、夫が川で水浴びをする生活へ向かう過程を、夫婦の問題として押し返される妻の視点から描き、身体、清潔、共同生活の境界を…
- 245 2021 長い一日 ながいいちにち 小説家の夫と妻が、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めるところから、長くつきあってきた友人たち、日々の暮らし、失ってから気づく愛着や記憶が交差していく長編。出来事を大きな劇に仕立てるよりも、生活の中でふと立ち上がる静かな感情と、時間の伸び縮みをすくい取る。日記と小説のあわいを思わせる形式で、夫婦と住…
- 246 2021 Phantom ファントム 『Phantom』は、外資系食料品メーカーで働く元地下アイドルの華美が、株式投資によって給与収入と同じ配当を生む「分身」を作ろうとする長篇です。恋人の直幸は、使われない金を軽んじながら、オンラインコミュニティや物々交換の思想へ傾いていきます。投資、オンライン共同体、恋愛の齟齬を通して、現代の金融シス…
- 247 2021 ルーティーンズ るーてぃーんず 2020年春の緊急事態宣言下、保育園が休園した二歳の娘を、作家の夫と漫画家の妻が交替で見ながら過ごす日々を描く家族小説。社会が止まったように見える時間の中でも、子どもの成長や生活の反復は続いていく。短篇「願いのコリブリ、ロレックス」と表題作を収め、非常時の日常を長嶋有らしい軽やかな観察とユーモアで描…
- 248 2021 生を祝う せいをいわう 子どもを産むためには、その子自身から「この世界に生まれてきたい」という同意を得なければならない社会を舞台にした長編。出生を祝福するはずの制度が、親になること、同意、身体、存在の選択をめぐる問いを鋭く浮かび上がらせる。芥川賞受賞作『彼岸花が咲く島』の後に刊行された作品で、現実の倫理問題を架空制度として…
- 249 2021 死者にこそふさわしいその場所 ししゃにこそふさわしいそのばしょ 折口山に暮らす奇妙でどこか壊れた人々が、町はずれの植物園へ引き寄せられていく連作短篇集。介護、欲望、病、善意の暴走といった日常の歪みを、グロテスクで滑稽な筆致で少しずつ現実からずらしていく。表題作を含む六篇を通じて、怖さと可笑しさが同居する吉村萬壱の寓話的な人間観察が前面に出る。植物園という場が、生…
- 250 2021 旅のない たびのない コロナ禍中の日々を映す四篇からなる、上田岳弘初の短篇集。恋人とのホテル、息子との散歩、甥を預かる夏、出張先の車中といった限られた場面を通して、移動が制限された時代の記憶、会話、自己認識を描く。大きな事件よりも、日常の小さな違和感や言葉のずれから世界の変化を浮かび上がらせる作品集。短い時間に人生の全体… 第46回 川端賞
- 251 2021 アンソーシャル ディスタンス アンソーシャル ディスタンス パンデミックに閉塞する社会で、生への希望だったバンドのライブ中止をきっかけに心中旅行へ向かう若い男女を描く表題作を含む作品集。ほかに、高アルコール飲料、整形、身体、インターネット上の視線など、追い詰められた人々の臨界点を描く作品を収める。コロナ禍の距離感を単なる時事性に閉じず、依存、疎外、自己破壊の… 第57回 谷崎賞
- 252 2021 象の皮膚 ぞうのひふ 幼少時から重度のアトピー性皮膚炎に苦しんできた五十嵐凜は、仙台の書店で契約社員として働きはじめる。肌を隠し、他人と距離を取ることで日々をやり過ごす凜に、今度は接客業の理不尽な客対応や、震災後に本を求める人々の姿が重なっていく。子どもの頃の記憶と現在の職場を往還しながら、身体に刻まれた痛み、労働の疲弊…
- 253 2021 塩の道 しおのみち 『塩の道』は、第7回林芙美子文学賞大賞受賞作で、のちに朝比奈秋のデビュー単行本『私の盲端』に収録された作品です。受賞・収録情報から、著者初期の重要作として位置づけられます。医療や身体をめぐる著者の関心に連なる作品として整理できますが、公開資料では本文に踏み込んだ梗概が限られるため、細部の断定は避けて… 第7回 林芙美子賞
- 254 2021 人生ミスっても自殺しないで、旅 じんせいみすってもじさつしないでたび 『人生ミスっても自殺しないで、旅』は、諸隈元が欧州独り旅の経験を語る紀行エッセイです。晶文社公式ページでは「エッセイ・小説」カテゴリに置かれ、大学卒業後の引きこもりと失意、イギリス・アイルランド・ルーマニア・ブルガリア・旧ユーゴ・ウィーン・ドイツをめぐる旅が紹介されています。
- 255 2021 間隙を縫う、埋める、挟まる かんげきをぬううめるはさまる 岩手県沿岸の「赤街」を舞台に、仕事のない憲正が近所の老人たちの買物代行を始めたことから、地域の人間関係が予期しない方向へ動いていく中篇。被災経験の有無によって分かれる視線や、生活の足場が不安定になる感覚を、日常の小さな仕事を通して描く。
- 256 2021 恐竜時代が終わらない きょうりゅうじだいがおわらない 『恐竜時代が終わらない』は、山野辺太郎が『文學界』2021年7月号に発表した中篇小説です。NDLサーチとCiNii Researchで、同誌75巻7号の100-169ページに掲載された雑誌記事として確認できます。内容紹介や選評本文を確認できる一次情報は見つからなかったため、現時点では掲載誌・発表年を…
- 257 2021 クレイジー・フォー・ラビット クレイジー・フォー・ラビット 『クレイジー・フォー・ラビット』は、朝日新聞出版から刊行された五篇構成の短編集。表題作は文芸誌掲載記録がNDLで確認でき、単行本では複数の短篇を通じて若者、関係性、少し奇妙な日常の感触を束ねる。公式に確認できる情報は書誌と収録作中心のため、個別篇の筋立ては今後の書評・出版社資料で補強したい。
- 258 2021 旅する練習 たびするれんしゅう 『旅する練習』は、中学入学を控えた少女と叔父が、サッカーの練習をしながら利根川沿いを歩く長篇です。旅の途中で見る風景や言葉の記録が、震災後の時間、成長、観察することの意味へつながっていく。乗代雄介らしい細やかな観察と、移動のなかで変化する関係性が読みどころです。 第34回 三島賞
- 259 2021 掠れうる星たちの実験 かすれうるほしたちのじっけん 『掠れうる星たちの実験』は、乗代雄介の未登録 book-form 候補です。題名のとおり実験性のある作品として分類できる可能性があるが、今回の候補では書誌確認に基づく保守的な記述にとどめる。
- 260 2021 ブラック・チェンバー・ミュージック ぶらっくちぇんばーみゅーじっく 『ブラック・チェンバー・ミュージック』は、阿部和重が2021年に毎日新聞出版から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 261 2021 骨を撫でる ほねをなでる 大阪南部の旧家に生まれた五十歳のふき子を中心に、分家、婿養子、老いた親、弟、病などが絡む家族の歪みを描く表題作。『いかれころ』と南河内・旧家・血縁の設定を共有しつつ、幼い視点ではなく中年女性と親族の関係から同じ因習を描き直す。土地と血縁から逃れきれない人間のしたたかさと弱さを、身体の衰えや骨の感触に…
- 262 2021 小島 こじま 豪雨災害後の農村、自宅、保育園などを舞台に、何気ない出来事が世界をかすかに震わせる中短篇集。花の世話をする女性、生きものとの遭遇、広島カープをめぐる奇談連作などを通じて、日常の時間や記憶が別の相へ滑り出す。身近な風景の観察が、災害後の生活感覚や家族のずれを浮かび上がらせる。虫や鳥、犬、植物などの生き…
- 263 2021 悪い音楽 わるいおんがく 『悪い音楽』は、音楽家の父を持ち、卓越した才能を持ちながら他者への共感に乏しい中学校の音楽教師・三井ソナタを描く。彼女の平穏な日常は、音楽を熱烈に愛しながら耳に障害を抱える生徒との出会いで崩れていく。芸術的才能、感受性、教育現場の関係性をブラックユーモアで問う、九段理江のデビュー作である。音楽を「わ… 第126回 文學界新人賞
- 264 2021 眼球達磨式 がんきゅう だるましき 『眼球達磨式』は、職場と自宅を往復するだけの無為な日々を送る「彼」が、移動式監視カメラ「アイ」を手に入れるところから始まる。極小の眼球型機体は地上すれすれを走り、にわか雨の後に制御を失って、やがて勝手に自走しはじめる。人間の視線とは異なる低い位置から世界を見る設定が、監視、孤独、観察することの欲望を… 第58回 文藝賞
- 265 2021 受賞記念対談 村田沙耶香×澤大知 "物の眼差し"から世界を知覚する じゅしょうきねんたいだん むらたさやか さわだいち もののまなざしからせかいをちかくする 『受賞記念対談 村田沙耶香×澤大知 "物の眼差し"から世界を知覚する』は、澤大知が村田沙耶香と行った対談記事です。第58回文藝賞受賞作『眼球達磨式』と同じ『文藝』2021年冬季号に掲載されました。公開Webで本文内容を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 266 2021 オーバーヒート おーばーひーと 『オーバーヒート』は、関西へ移った哲学者の「僕」が、大学の仕事、年下の恋人への思慕、両親の言葉、失われた生家、バーやSNSの断片を重ねていく作品です。大きな事件よりも、記録と回想が日々の熱を少しずつ上げていく過程が中心になります。『デッドライン』の前史としても読める、思考と身体感覚の小説です。哲学的…
- 267 2021 ブラックボックス ぶらっくぼっくす 『ブラックボックス』は、自転車便メッセンジャーとして東京を走るサクマの身体感覚と、制御しきれない怒りの蓄積を描く中篇です。都市の道路、配達労働、速度、肉体の疲労が、主人公の内面の暴発と直結していきます。労働と暴力衝動を観念ではなく身体の運動として読ませる、切迫した文体が特徴です。社会の構造を説明する… 第166回 芥川賞
- 268 2021 黒い水/穀雨 河林満作品集 『黒い水/穀雨 河林満作品集』は、河林満の小説を没後にまとめた作品集です。インパクト出版会公式ページでは、二度芥川賞候補になりながら受賞を逃し、57歳で亡くなった作家の復活として紹介されています。表題作「黒い水」「穀雨」のほか、「月明りのなかで」「ある執行」「塵芥のさなぎ」「黒手夢譚」「ナムナムナマ…
- 269 2021 女優 小劇団を主宰する語り手が、昭和を代表する女優である母への葛藤を抱え、復讐の物語を舞台化しようとする長篇です。母は一人の親であると同時に、芸能史の中で巨大化した像として語り手の前に立ちはだかります。演劇を、家族の記憶を語り直す場であり、母という偶像に挑む場として描くところに読みどころがあります。NDL…
- 270 2021 夏が破れる なつがやぶれる 『夏が破れる』は、いじめで不登校になった少年を起点に、沖縄の離島を思わせる閉じた共同体と子どもたちの関係を描く長篇です。夏の光や海辺の気配の中で、同調圧力、暴力、逃げ場のなさが少しずつ露出します。子どもの視点と回想を通じて、楽園的な風景の裏側にある息苦しさを読ませる作品です。美しい休暇の物語に見える…
- 271 2021 植物忌 しょくぶつき 『植物忌』は、星野智幸が2021年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 272 2021 姉の島 『姉の島』は、村田喜代子が2021年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 273 2021 天路 てんろ 『天路』は、東アジアの土地を移動する経験と、日本語で書くことの感覚を重ね合わせるリービ英雄の長篇です。旅の行程は、単なる紀行ではなく、言葉、歴史、身体の位置を問い直す道筋になる。越境文学としての自意識と、土地の具体的な手触りが交差する作品です。 第74回 野間文芸賞
- 274 2020 2020年の恋人たち にせんにじゅうねんのこいびとたち 母の急死によりワインバーを継ぐかどうか選択を迫られた前原葵を中心に、同棲相手、常連客、店を手伝う人々、新たな出会いが交錯する長篇。恋愛の高揚だけでなく、会話の途切れ、依存、別れ、仕事として店を引き受けることを描き、葵が何を選び何を手放すかを追う。直木賞受賞後の長篇第一作として、喪失後の生活再建と関係…
- 275 2020 みがわり みがわり 『みがわり』は、新人賞を受けながら本を出せずにいる作家・律が、自分と瓜二つだった亡き女性の伝記執筆を依頼される長編。取材の過程で、姉妹の確執や家族の秘密、依頼そのものの不穏さが浮かび、律は他人の人生を書こうとするほど自分自身の物語も揺さぶられていく。伝記を書くことと書かれることの関係を通じて、自己像…
- 276 2020 地に這うものの記録 ちにはうもののきろく 再開発計画に揺れる駅前ビルに現れた、言葉を話すネズミのポールを主人公にした寓話的長篇。市議会議員の浦田さんの助けを得て、ポールは欲望や利害が渦巻く人間社会へ踏み込み、やがて市議会で語るところまで進む。人間とネズミの古い因縁を、都市再開発、政治、他者への嫌悪と共存の問題に重ねて描く。奇抜な設定を通して…
- 277 2020 fishy フィッシー 三十代の女性三人が、それぞれの恋愛、結婚、仕事、女友だちとの距離を抱えながら、言い切れない本音をにじませていく連作長篇。男に対する屈託や違和感を、単純な対立ではなく、関係性が少しずつ更新される過程として描く。会話と内面の揺れを重ね、友情、欲望、自立の輪郭が変わっていく読み味がある。恋愛よりも、女性同…
- 278 2020 ピエタとトランジ〈完全版〉 ぴえたととらんじ かんぜんばん ピエタを語り手に、天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、その才能に惹かれて助手になるピエタの関係を描く長篇。周囲で次々と事件が起きるトランジの体質は、探偵小説、友情譚、終末SFの要素を巻き込み、やがて人類滅亡のスケールへ広がっていく。軽やかな語り口で、女性バディ、才能への憧れ、破滅に向かう世界を…
- 279 2020 来世の記憶 らいせのきおく 『来世の記憶』は、前世の殺人の記憶を抱えた近未来の語り手から、眠っている間に戦争が終わってしまう世界、冷蔵庫やスマートフォンや怪獣までをめぐる奇妙な出来事までを収めた20篇の短篇集。日常の手触りを残したまま身体や物や世界の前提がずれていくため、読み手は不条理な笑いと不安のあいだに置かれる。藤野可織ら…
- 280 2020 踏み跡にたたずんで ふみあとにたたずんで 『踏み跡にたたずんで』は、毎日新聞大分県版連載をもとに、土地と人々の記憶をめぐる36篇を収めた掌編小説集。掩体壕、赤い波、磨崖仏、港、道の駅、診療所など、場所や物の名を起点に、戦争の痕跡、伝説、老い、自然との遭遇が短い物語として立ち上がる。現実と幻の境目をあいまいにする語りで、土地に残る見えない記憶…
- 281 2020 破局 はきょく 主人公の陽介は、筋トレと公務員試験の勉強に励む大学4年生。母校のラグビー部でコーチも務め、政治家を目指す恋人・麻衣子がいる。やがて新入生の灯に好意を寄せられ、関係を持つようになる。陽介は常に「正しさ」やマナー、他人にどう見られるかを基準に行動するが、その整いすぎた思考と行動のあいだには、どこか空洞が… 第163回 芥川賞
- 282 2020 一橋桐子(76)の犯罪日記 ひとつばしとうこのはんざいにっき 76歳で一人暮らしの一橋桐子は、親友トモを亡くし、年金と清掃パートだけでは先行きの見えない老後に追い詰められる。孤独死で人に迷惑をかけるくらいなら刑務所に入ればよいのではないかと考え、万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人と、より長く収監される方法を真剣に調べ始める。犯罪計画の滑稽さの奥に、貧困、老い…
- 283 2020 星月夜 ほしつきよる 日本の大学で日本語を教える台湾出身の柳凝月と、新疆ウイグル自治区出身で大学院進学を目指す玉麗吐孜の恋を描く長篇。二人は日本語という共通語で近づくが、家族、国家、在留資格、セクシュアリティをめぐる負荷は同じ形では共有できない。親密さの甘さよりも、相手を分かっていると思うことの危うさを静かな語りで照らす…
- 284 2020 百年と一日 ひゃくねんといちにち 人や店、駅、家、空港、家族の記憶が、数ページの掌編の中で十年、二十年、百年の時間へ伸びていく短篇集。個々の人物の大事件ではなく、場所に積み重なる時間、誰かが去り誰かが来る反復、忘れられていく出来事の痕跡を描く。長いタイトルと淡々とした語りが、日常の一瞬を歴史の厚みへ接続する。33篇のあらすじ付き掌編…
- 285 2020 一人称単数 いちにんしょうたんすう 村上春樹の六年ぶりの短篇小説集で、「石のまくらに」から書き下ろしの表題作まで八篇を収める。音楽、野球、過去の記憶、奇妙な遭遇をめぐり、一人称の語りが自分自身の輪郭を少しずつずらしていく。公式紹介が掲げる「単眼」と「複眼」の比喩のように、私、僕、あなたという呼び名の揺れが、回想と虚構の境目を曖昧にする…
- 286 2020 今も未来も変わらない いまもみらいもかわらない 『今も未来も変わらない』は、40代のシングルマザーで小説家の星子を主人公にした長編。大学受験を控える娘を見守り、親友とカラオケやスーパー銭湯を楽しみ、元夫や20代の男性との関係にも揺れながら、星子の日常は静かににぎやかに続いていく。大きな事件よりも、娯楽、恋、親子、仕事の小さな重なりを通じて、大人が…
- 287 2020 犬のかたちをしているもの いぬのかたちをしているもの 間橋薫は卵巣の手術を経て、恋人の郁也とも性交渉から距離を置いて暮らしている。そこへ郁也の子を妊娠したという女性が現れ、子どもを育ててくれないかと唐突に持ちかける。集英社公式の紹介が示す「愛を証明する」問いは、恋人同士の倫理だけでなく、出産、身体、家族の期待へ広がっていく。薫の身体感覚と故郷の家族への… 第43回 すばる文学賞
- 288 2020 かきあげ家族 かきあげかぞく コメディ映画監督の中井戸八郎は、老境に差しかかりながらスランプの渦中にいる。長男の失職、長女の離婚、引きこもる次男によって家族が再び一つの家に集まるなか、名監督の遺稿をめぐる騒動が起き、八郎は家族の一人ひとりと向き合わざるをえなくなる。不安を拾い集めてしまう人間の弱さを、家族喜劇の形で描く。映画制作…
- 289 2020 完全犯罪の恋 かんぜんはんざいのこい 『完全犯罪の恋』は、芥川賞受賞後も地味な暮らしを送る四十男の小説家「田中」が、新宿で初恋の相手の娘に声をかけられるところから始まる長編。物語は現在の東京と、下関の高校時代に読書を通じて近づいた才女・真木山緑との記憶を往還し、恋の独りよがりと罪悪感を掘り下げる。作家本人を思わせる語り手を置き、私小説的…
- 290 2020 木になった亜沙 きになったあさ 『木になった亜沙』は、表題作「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の三篇を収めた作品集。誰かに食べ物を差し出したい少女が木へ、さらに割り箸へと転じる表題作をはじめ、身体の境界や役割が奇妙にずれた状況が、純粋な願いと不穏さを同時に帯びて進む。童話のような単純さと残酷さを併せ持つ語りで…
- 291 2020 サピエンス前戯 さぴえんすぜんぎ 『サピエンス前戯』は、表題作「サピエンス前戯」に「オナニーサンダーバード藤沢」「酷暑不刊行会」を加えた長編小説集。身長、寿命、インターネット、ポルノ文化など、21世紀の人間の能力や欲望が極点に達した世界を、人類史のまだ前戯にすぎないものとして誇張してみせる。シンギュラリティSF、下世話な身体感覚、過…
- 292 2020 口福のレシピ こうふくのれしぴ 『口福のレシピ』は、フリーのSE兼料理研究家として働く留希子と、昭和二年の品川料理教習所で働くしずえの時間を行き来する家族小説。留希子は老舗料理学校を営む家の後継者であることに抵抗を抱きながらも、SNS発信をきっかけに料理研究家として認知されていく。簡単でおいしい献立企画をめぐる問題を通じて、家庭の…
- 293 2020 小鳥、来る ことり、くる 『小鳥、来る』は、夏休みの始まり、9歳の「おれ」が父を倒す日を待っているところから始まる長篇。周囲には、勉強のできる友人、万引きを繰り返す兄弟、学年一強い女子、何度も車にはねられる少年、動物園のゴリラがいて、子どもの日常が暴力とユーモアを帯びて浮かぶ。山下澄人らしい口語のリズムと飛躍する視点が、大人…
- 294 2020 丸の内魔法少女ミラクリーナ まるのうちまほうしょうじょミラクリーナ 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』は、表題作、「秘密の花園」「無性教室」「変容」の四篇を収める短篇集です。Amazonの商品紹介では、OLの茅ヶ崎リナが妄想力で魔法少女に変身して日々の無理難題を乗り切る表題作に加え、監禁、性別禁止の高校、怒りが薄れていく社会など、世界との対峙の仕方を描く作品集として説明…
- 295 2020 MISSING 失われているもの ミッシング うしなわれているもの 『MISSING 失われているもの』は、制御しがたい抑うつや不眠を抱える小説家の「わたし」が、謎めいた女優や母の声に導かれて、混乱と不安に満ちた迷宮的な世界を彷徨う長篇。章題には成瀬巳喜男映画の題名が並び、現在と過去、現実と幻想、記憶と自己分析が重なり合う。村上龍が自らの創作の源泉や老い、母の記憶に…
- 296 2020 日本蒙昧前史 にほんもうまいぜんし 大阪万博や日航機墜落事故など、戦後日本の狂騒と蒙昧を彩った出来事の陰にある無数の生を描く長篇。文藝春秋公式は、語り手を自在に換えつつ戦後日本の手触りを蘇らせる作品として紹介している。歴史的事件を単なる背景にせず、語りのリレーによって個人の記憶と時代の空気を重ねていく。年代記のようでいて、誰が語ってい… 第56回 谷崎賞
- 297 2020 肉体のジェンダーを笑うな にくたいのじぇんだーをわらうな 『肉体のジェンダーを笑うな』は、夫の胸から「父乳」が出る話や、PMSを体験できるサーフボードの話などを収めた小説集。身体に結びつけられた性別役割を、SF的な設定や軽やかなユーモアでずらし、家族・ケア・労働の当たり前を問い直す。現実の制度を直接論じるより、ありえたかもしれない身体の可能性を想像すること…
- 298 2020 御社のチャラ男 おんしゃのちゃらおとこ 『御社のチャラ男』は、社内で「チャラ男」と呼ばれる三芳部長をめぐり、彼を見つめる周囲の人々の語りから職場の現実を照らし出す長篇。中心人物を直接つかまえるのではなく、多方向から語られる噂や距離感によって、憎らしさと愛おしさが同居する人物像が立ち上がる。会社という共同体の空気、働く人の孤独、他人を語るこ…
- 299 2020 幼な子の聖戦 おさなごのせいせん 第162回芥川賞候補作の表題作と、ビルの窓拭きを描く『天空の絵描きたち』を収める作品集。表題作では、青森の小さな村で村議をしている「おれ」が、人妻との関係を県議に握られ、同級生候補への選挙妨害を強いられる。地方政治の閉塞、個人の弱み、労働現場の緊張を、怒りと諦めのあわいにかすかな希望を探る語りで描く…
- 300 2020 推し、燃ゆ おし、もゆ 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」という一文から始まる。高校生のあかりは、学校でも家庭でも周囲の求める「普通」をうまくこなせず、アイドルグループの一員である「推し」上野真幸を解釈し応援することだけを生活の軸、自らの「背骨」として生きている。推しの炎上をきっかけに、彼の芸能活動もあかりの日常も少… 第164回 芥川賞
- 301 2020 ポラリスが降り注ぐ夜 ぽらりすがふりそそぐよる 新宿二丁目のバー「ポラリス」に集う、多様な性的アイデンティティを持つ女性たちを描く七つの恋の物語。筑摩書房公式は、魂と身体の触れあいを求めて二丁目を訪れる女性たちの物語として紹介している。都市の夜の親密さを起点に、セクシュアリティ、移動、言語、歴史の記憶が国境を越えて響き合う。連作の形を通して、個々…
- 302 2020 流卵 りゅうらん 『流卵』は、中学2年の男子が性の目覚めとオカルト的な妄想に取りつかれ、自分を「選ばれた民」とみなして向こう側の世界へ進もうとする長篇。河出書房新社公式は、官能と陶酔を帯びた吉村萬壱版『金閣寺』として紹介している。母親に「ヘンタイ」と呼ばれる少年の半生をたどる書評もあり、性・信仰・自己神話が混ざる不穏…
- 303 2020 逃亡者 とうぼうしゃ 第二次大戦後から現代へまたがる逃亡と追跡を軸に、暴力、信仰、戦争の記憶が絡み合う長編。中村文則が得意とする犯罪小説的な緊張を保ちながら、個人の罪と歴史の暗部が切り離せないものとして立ち上がる。五百ページ規模の構成で、サスペンスの推進力と思想的な問いを並走させる読みどころがある。潜伏キリシタンの記憶や…
- 304 2020 月の客 つきのきゃく 親や社会から守られなかった少年トシと少女サナ、そして犬の時間をたどる長編。集英社公式は、どこから読んでもよい構成と通読の呪いを解く書として紹介しており、山下澄人の文体実験が物語そのものの主題になっている。暴力、死、災害、老いをめぐる生の断片が、直線的なあらすじよりも体験の積み重なりとして読ませる。
- 305 2020 うつくしい羽 うつくしいはね 表題作『うつくしい羽』と『あさぎり』などを収めた、上村渉の初小説集。OpenBDの版元提供情報は、食の記憶が過去を呼び覚ます作品として、離婚で心の支えを失った男と、フランス修業時代に大切な人を失った料理人の軌跡を紹介している。併録作『あさぎり』では、十五歳の少女の一時保護を通して、家族の絆と外国人労…
- 306 2020 象牛 ぞうぎゅう 表題作は、インド・ガンジス河岸の聖地にやってきた女子大生が、謎の存在である象牛に翻弄される物語。併録の『星曝し』は大阪の淀川河岸を思わせる比ラカ駄を舞台に、恋に似た激しい熱情と死者の気配を描く。現実の痛みと法螺話めいた幻想が混ざり合う、石井遊佳の芥川賞受賞後初の作品集。川べりの土地が、宗教都市や大阪…
- 307 2020 裸婦 らふ 『裸婦』は、小暮夕紀子が「文學界」2020年9月号に発表した作品です。NDLサーチで掲載誌・巻号・ページ範囲と責任表示を確認できます。『タイガー理髪店心中』単行本刊行後にも文芸誌で作品発表を続けていたことを示す一作として収録します。
- 308 2020 煙草の神様 たばこのかみさま 北九州市立文学館の公式発表で、第6回林芙美子文学賞佳作として確認できる短編。公式ページでは作品名、作者名、最終選考会と選考委員の情報を確認できる一方、作品本文・梗概・選評は掲載されていない。現時点では内容を推測せず、受賞事実の記録を優先する。
- 309 2020 復讐する相手がいない ふくしゅうするあいてがいない 『復讐する相手がいない』は、奥野紗世子が『逃げ水は街の血潮』で第124回文學界新人賞を受賞した後に発表した小説です。NDLサーチとCiNii Researchで、『文學界』2020年5月号、98-143ページ掲載の書誌を確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は掲…
- 310 2020 樒の家 しきみのいえ 『樒の家』は、「文學界」2020年5月号に掲載された田村広済の作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲を確認できます。公開Webで出版社公式の号ページや内容紹介を確認できなかったため、題名から主題や舞台を推測しない形で登録します。
- 311 2020 アウア・エイジ あうあえいじ 『アウア・エイジ』は、岡本学が『群像』2020年2月号に発表し、同年に講談社から刊行された小説です。大学教師の「私」が、学生時代にアルバイトしていた映画館からの招待状を受け取り、映写室に残る写真をきっかけに20年前の記憶をたどります。講談社公式は、塔を探す誘い、生き迷う男、謎を残して死んだ女という要…
- 312 2020 pray human ぷれいひゅーまん 『pray human』は、崔実が『群像』2020年3月号に発表し、同年9月に講談社から刊行した小説です。創作が芥川賞候補になった「わたし」は、17歳で入院した精神科で出会った安城さんからの電話を受け、精神病棟での日々、救えなかった親友、子供時代の傷を語り始めます。講談社公式は、少女たちのレジスタン…
- 313 2020 夏の終わりかた なつのおわりかた 『夏の終わりかた』は、「群像」2020年9月号に掲載された石倉真帆の作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲を確認できます。公開Webで出版社公式の号ページや内容紹介を確認できなかったため、題名から主題や舞台を推測しない形で登録します。
- 314 2020 クロス くろす 『クロス』は、異性装を入口に、身体の性、社会的な立場、恋愛の欲望がずれていく過程を一人称の近さで描く長篇です。河出書房新社公式ページでは、警備会社で働く二十八歳の「私」が、女性装によって新鮮な自由を得る一方、タケオとの出会いを通じて自己像を揺さぶられる物語として紹介されている。性の揺らぎだけを主題化…
- 315 2020 愛の色いろ あいのいろいろ 『愛の色いろ』は、ポリアモリーをめぐる四人の男女の関係を描いた書き下ろし長篇。ひとつの恋愛規範に収まらない愛の形を扱い、信じることと不安になることが同時に起きる心の動きを追う。関係性の自由さだけでなく、嫉妬、誠実さ、生活の実感まで含めて読む作品として位置づけられる。
- 316 2020 白野真澄はしょうがない しろのますみはしょうがない 『白野真澄はしょうがない』は、同じ名前を持つ複数の人物を配した短編集。五人それぞれの生活の結び目や言いづらい秘密を描き、名前という共通点から個々の人生のずれや切実さを浮かび上がらせる。東京創元社の内容紹介では『ミステリーズ!』掲載作を含む短編集として確認でき、日常小説に軽い謎の感触が重なる。
- 317 2020 空港にて くうこうにて 『空港にて』は、「すばる」2020年4月号に掲載された上村亮平の小説です。NDLサーチでは同号60-77ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録します。
- 318 2020 最高の任務 さいこうのにんむ 『最高の任務』は、既存登録の『十七八より』『本物の読書家』に続く乗代雄介の単著候補です。今回の候補では講談社単行本の刊行情報を基礎に、未登録 book-form として整理する。
- 319 2020 ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ みっくえいゔぉりーのあんだーぱんつ 『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』は、既存登録外の乗代雄介の単著候補です。今回の候補では、詳細な内容紹介よりも、NDL・Books/JPROで確認できる刊行情報を重視している。
- 320 2020 死神の棋譜 しにがみのきふ 『死神の棋譜』は、奥泉光が2020年に新潮社から刊行した将棋ミステリの長篇です。詰将棋の不可能性をめぐる探索が、失踪事件、異端の棋道、地下空間のイメージへ広がり、盤上の論理と人間の執着を重ねていく。将棋小説でありながら、勝負の技術そのものよりも、夢に命を賭ける人間の業を読む作品として立ち上がる。
- 321 2020 お面 おめん 『新潮』2020年12月号の「三島由紀夫 没後五十年」特集内、「創作・私の『仮面の告白』」の一篇として掲載された短篇。三島の代表作を、没後に生まれた作家たちが自由に換骨奪胎する企画の中で、三国美千子は「お面」を寄せている。公式に確認できる紹介は企画趣旨と掲載情報が中心で、本文内容の詳細紹介は確認でき…
- 322 2020 水と礫 みず と れき 東京でのドブ浚いの仕事中の事故をきっかけに故郷へ戻ったクザーノが、弟分の後を追って砂漠の向こうの幻の町へ向かう物語。ラクダを伴う旅は、父、祖父、息子、孫へと連なる一族の風景を映し出し、個人の帰郷を時代と血脈の記憶へ広げていく。砂漠、身体、回帰のイメージが反復し、現在の傷が遠い世代の記憶と重なっていく… 第57回 文藝賞
- 323 2020 星に帰れよ ほしに かえれよ 十六歳の誕生日を深夜の公園で迎えた真柴翔は、告白の練習中に「モルヒネ」と呼ばれる同級生の女子と出会う。軽く振る舞おうとする真柴、器用に立ち回る早見麻優、揺るがない正義を探すモルヒネの言葉がぶつかり合い、高校生たちの速度と痛みを描く。恋愛の入口を借りながら、価値観の違いという言葉では片づかない自尊心と…
- 324 2020 小説 しょうせつ 『小説』は、増田みず子が田畑書店から2020年に刊行した小説作品です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、真っ直ぐな言葉の連なりが織り成す微妙な色合い、読むほどに人と人との間の心の綾が身に沁みる作品として紹介されています。長い沈黙を経た作家が、小説とは何かという問いを題名そのものに引き受け…
- 325 2020 ポシーとポパー : ふたりは探偵 : 魔界からの挑戦 ポシーとポパー 2020年刊。シリーズ/児童書的性格が強い可能性があるため採否は要判断。
- 326 2020 ほんのこども ほんのこども 元同級生あべくんから届いた文章を手がかりに、商業作家があべくんの人生を小説化しようとする長編。父による母殺傷事件、暴力とやさしさが絡み合う身体、物語に還ろうとする人生が、書くことそのものを巻き込みながら反復していく。講談社公式は、大人と子どもの境界線や成長の意味を問う作品として紹介している。家庭内の… 第44回 野間新人賞
- 327 2020 組曲わすれこうじ くみきょくわすれこうじ 新潮社公式、NDL、Books/JPROで2020年5月刊の単行本として確認。新潮社公式で紫式部文学賞受賞作と確認できる。
- 328 2020 首里の馬 しゅりのうま 『首里の馬』は、沖縄の私設資料館で資料整理をする未名子を通して、保存される記憶とこぼれ落ちる歴史のあわいを描く中篇です。オンライン通話でクイズを出す仕事、資料の撮影、台風後に現れる馬の世話が、孤独な人々の記憶と土地の時間を結びつけます。土地の固有性とアーカイブの問題を、宮古馬との幻想的な出会いを介し… 第163回 芥川賞
- 329 2020 小隊 ショウタイ 『小隊』は、元自衛官である砂川文次が、北海道へのロシア軍上陸という仮想戦場を描いた中篇です。文藝春秋公式ページでは、第164回芥川賞候補作として、日本人の知らない「戦場」の現実を描いた作品と紹介されている。自衛隊三尉の安達が小隊を率いる視点を通して、戦争を理念ではなく指揮、待機、接近、交戦の具体的な…
- 330 2020 臆病な都市 オクビョウ ナ トシ 2020年に講談社から刊行された砂川文次の単著図書。既登録作『市街戦』『ブラックボックス』を補う候補。
- 331 2020 暗闇にレンズ くらやみにれんず 『暗闇にレンズ』は、高山羽根子の書き下ろし長編です。東京創元社公式ページでは、親友と監視カメラだらけの街を歩く高校生の「わたし」が、小さなレンズをかざして世界を切り取る場面を起点に、映像と記録、教育、娯楽、戦争や紛争にまつわる作品として紹介されています。見ること、撮ること、記録されることの差異をたど…
- 332 2020 だまされ屋さん だまされやさん 『だまされ屋さん』は、星野智幸が2020年に中央公論新社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 333 2020 坂下あたると、しじょうの宇宙 『坂下あたると、しじょうの宇宙』は、町屋良平が2020年に集英社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 334 2020 ふたりでちょうど200% 『ふたりでちょうど200%』は、町屋良平が2020年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 335 2020 明日香さんの霊異記 『明日香さんの霊異記』は、高樹のぶ子が2020年に潮出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 336 2020 業平 『業平』は、高樹のぶ子が2020年に日経BP日本経済新聞出版本部から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 337 2019 私の家 わたしのいえ 祖母の法要で一堂に会した親戚たちを起点に、三世代にわたる一族の記憶と秘密をたどる連作短編集。同棲相手に追い出されて戻る梓、過去にこだわる母、孤独を愛する大叔母らの章が重なり、家族であっても他人のように分かり合えない距離を描く。家という場所を、帰る場所であると同時に逃れがたい記憶の容器として読ませる。
- 338 2019 君たちは今が世界 きみたちはいまがせかい 『君たちは今が世界』は、小学校という閉じた場で、子どもたちの関係、序列、沈黙の圧力が日々の世界そのものになっていく様子を描く長篇。副題的に示される英題「All grown-ups were once children」が示すように、子ども時代を単なる回想ではなく、現在進行形の切実な社会として捉える…
- 339 2019 アタラクシア アタラクシア 結婚生活の苦しさや不倫、家庭内の苛立ちを抱える複数の男女を描く群像長編。翻訳者の由依、シェフの瑛人、パティシエの英美、作家の桂らの視点を通じて、望んで結婚したはずなのに救われない人々の孤独と愛情への渇望が交錯する。倫理や制度では割り切れない親密さの痛みを、金原ひとみらしい熱量で描く。結婚を安定した到…
- 340 2019 父と私の桜尾通り商店街 ちちとわたしのさくらおどおりしょうてんがい 商店街でパン屋を営む父を手伝う娘を描く表題作を中心に、「白いセーター」「ルルちゃん」「ひょうたんの精」「せとのママの誕生日」「モグラハウスの扉」を収めた短篇集。家族、店、近隣関係のごく日常的な場面から、今村夏子らしい微細なずれや不穏さが立ち上がる。平明な語り口の奥で、親しさと疎外、子どもっぽさと残酷…
- 341 2019 出来事 できごと 『季刊文科』連載「転落」を単行本化した長篇。OpenBDの出版社由来データでは、見慣れた日常世界が歪み、人間の嘘や文明の虚妄が露出していく哲学小説として紹介されている。吉村萬壱の身体感覚の強い描写と、日常を異様なものへ反転させる語りが読みどころになる。
- 342 2019 DRY どらい 不倫の末に二人の子を置いて家を出た北沢藍が、十年ぶりに実家へ戻るところから始まる長編。母と祖母の暮らす袋小路の家、そして祖父を一人で介護する幼馴染・馬場美代子の家を通じて、家族、介護、女性の行き場のなさが暗く絡み合う。光文社公式が示す袋小路の家に潜む罪の構図どおり、生活の現実がサスペンスへ変質してい…
- 343 2019 瓦礫の死角 がれきのしかく 『瓦礫の死角』は、父の性犯罪によって解体した家族の記憶と、服役を終えようとする「あの人」の影を描く表題作を中心にした短篇集。講談社公式は、十七歳で無職の北町貫多が、刑期を終えようとする父、復讐に怯える母、消息不明の姉を抱えた家族の瓦礫に向き合う物語として紹介している。「病院裏に埋める」と表裏をなす不…
- 344 2019 ひよこ太陽 ひよこたいよう 一緒に住んでいた女に去られ、切り詰めた生活のなかで小説を書こうとする40代の男を描く連作小説集。書けない日々と死への誘惑に取り憑かれた語り手は、母から頼まれた人探しをきっかけに、現実と幻想の境界が揺らぐ世界へ入っていく。書けなさ、不在、生活の索漠さを見つめる私小説的な作品。
- 345 2019 五つ数えれば三日月が いつつかぞえればみかづきが 表題作は、日本で働く台湾人の「私」と、台湾人と結婚して台湾へ移った友人・実桜が、平成最後の夏に東京で五年ぶりに再会する物語。話す言葉、住む国、選び取った人生の差異が、再会の会話のなかで静かに立ち上がる。収録作「セイナイト」とあわせて、移動、言語、親密さ、記憶のずれを、越境する人のアイデンティティとし…
- 346 2019 改良 かいりょう 女装し、美しくなることへ執着する大学生の「私」を描くデビュー作。コールセンターで働く語り手は、メイクや服装、仕草を研究し、美容や風俗に金を費やしながら、女装した自分を他者に見てほしいという欲望を強めていく。美への希求が、性をめぐる暴力と絶望へ接続される過程を、乾いた一人称で描く。 第56回 文藝賞
- 347 2019 かか かか 19歳の浪人生うーちゃんは、離婚を機に心を病み、酒に酔っては荒れる母「かか」と、弟とともに暮らしている。かかを誰より愛しながらその存在に苦しむうーちゃんは、かかの痛みが自分の身体にも及ぶような一体感のなかで、「自分がかかを生み直すしかない」という切実な祈りを抱え、ひとり熊野へと旅に出る。SNSの裏ア… 第33回 三島賞
- 348 2019 変半身 かわりみ 『変半身』は、松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わっていく悪夢的現実を描く中篇です。筑摩書房公式紹介では、ポピ原人、ポーポー様、秘祭モドリ、遺伝子退行手術などが歴史や魂の変容と結びつく異形の創世記として説明されています。既存の性の役割を揺さぶる中篇「満潮」も併録されます…
- 349 2019 生のみ生のままで きのみきのままで 『生のみ生のままで』は、逢衣が恋人との旅行先で彩夏と出会い、東京に戻ってから急速に惹かれていく上下巻の恋愛長篇。互いに男性の恋人がいる状況から、彩夏の告白と身体的な引力をきっかけに、二人は恋と生活を選び直していく。女性同士の恋愛を、社会的な枠組みや世間体、身体の感覚をはぎ取るように正面から描く。
- 350 2019 人間界の諸相 にんげんかいのしょそう 連絡が取れなくなった謎めいた女性・菱野時江の消息を、二人の友人がSNSを頼りに追っていくところから始まる作品。集英社公式は「トリッキーなエンタメ風小説」と紹介しており、人物相関や断片的な情報がずれながら、正体をつかもうとする読者の視線そのものを揺さぶる。奇妙なユーモアと不穏さが混ざる、木下古栗らしい…
- 351 2019 駒音高く こまおとたかく 『駒音高く』は、将棋の勝負の世界に関わる七人の青春と人生を描く短篇集。プロを志す中学生や引退間際の棋士だけでなく、将棋会館の清掃員など周辺にいる人々にも視線を向け、勝敗の外側にある家族、仕事、誇りを浮かび上がらせる。実業之日本社公式が「青春・家族小説の名手」の温かなまなざしと紹介する通り、競技小説で…
- 352 2019 キュー キュー 平凡な医師である「僕」が突然拉致され、世界の趨勢をめぐる暗闘の中心に、長年寝たきりだったはずの祖父がいることを知る。新潮社公式は、祖父の秘密が「人類を一つに溶かす」使命に関わるものとして紹介している。戦争、愛、運命、人類の統合という大きな主題を、現代的な技術感覚と哲学的な思考実験の語りで押し広げる作…
- 353 2019 待ち遠しい まちどおしい 北川春子、夫を亡くした青木ゆかり、新婚の遠藤沙希という世代も立場も異なる三人の女性が、ご近所付き合いを通じて少しずつ関わる長編。住まいの距離の近さと、価値観や人生段階のずれが生む噛み合わなさを、柴崎友香らしい生活の手触りのなかで描く。年齢、結婚、独居、見えにくい困難をめぐり、人はどこまで互いを判断せ…
- 354 2019 まずはこれ食べて まずはこれたべて 池内胡雪は、散らかった社内と不規則な生活に疲れながらベンチャー企業で働く三十歳。社長が会社に家政婦を雇ったことで、無愛想な筧みのりが作る料理が、殺伐とした職場に小さな休息をもたらしていく。食べることを通じて、労働の疲れ、ケアの手触り、人と人が同じ場にいることの温度を描く連作短編集。料理の題名を冠した…
- 355 2019 むらさきのスカートの女 むらさきのスカートのおんな 語り手「わたし」の近所には、いつも紫色のスカートをはき「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女がいる。週に一度パン屋でクリームパンを買い、公園の決まったベンチに座る彼女を、「わたし」は毎日観察し続けている。友達になりたい一心で、「わたし」は求人誌をベンチに置くなどして、彼女が自分と同じホテルの清掃の職… 第161回 芥川賞
- 356 2019 夏物語 なつものがたり 『乳と卵』の世界を引き継ぎ、作家となった夏子が、パートナーなしで妊娠・出産し子どもを持つ可能性を考え始める長篇。姉・巻子や姪・緑子の身体をめぐる物語を背後に、生まれること、産むこと、産まないこと、家族の形をめぐる声が重なっていく。文藝春秋公式が掲げる「生まれること」と「産むこと」の非対称性の問いを中…
- 357 2019 人間 にんげん 『人間』は、若い日に創作を志す者たちが集ったシェアハウスの記憶と、38歳になった「僕」の現在を往還する長篇。表現者になりたいという願い、仲間と暮らす時間の高揚、その後に残る成功や挫折の差が、自己像を問い直す物語として重なっていく。又吉直樹の初の長編として、芸術への憧れだけでなく、他者と比べながら生き…
- 358 2019 おっぱいマンション改修争議 おっぱいまんしょんかいしゅうそうぎ 天才建築家が設計した、通称「おっぱいマンション」と呼ばれるヴィンテージマンションを舞台にした長篇。立地もデザインも人気を集める一方で重大な問題が発覚し、建築家の娘、学生運動あがりの元教師、秘密を抱えた住人たちを巻き込む改修争議が起こる。建築という表現物、住まいの記憶、共同体の利害がぶつかる騒動を、軽…
- 359 2019 ポルシェ太郎 ポルシェたろう 35歳で起業した太郎は、年収に匹敵するポルシェを買う。ところが、その自慢の車で得体の知れないものを運ばされることになり、成功者の見栄と欲望が危うい方向へ走り出す。河出書房新社の紹介は「欲望か、死か」という言葉で作品の緊張を示しており、消費、承認、成功の演出を乾いたユーモアで追う長篇として読める。単な…
- 360 2019 リボンの男 りぼんのおとこ 主人公の常雄は、自分を「ヒモ」ではなく「リボン」と言い換える専業主夫。三歳のタロウと野川沿いを歩く日常のなかで、家事や育児に値段をつけにくい社会、父であること、働くことの意味が静かに問い直される。山崎ナオコーラらしい平明な言葉で、家族の役割分担やジェンダー規範を大げさな対立ではなく生活の手触りから描…
- 361 2019 サバティカル さばてぃかる 33歳のエンジニア梶くんは、転職先への入社までに空いた五カ月を「サバティカル」と名づけ、自分にさまざまな宿題を課す。プロジェクト管理ツールで課題を片付けるうち、将棋の師匠が生き別れた娘を探すという思いがけない宿題に向き合うことになる。仕事の切れ目に生まれた時間を、単なる休暇ではなく自分の結びつきや恋…
- 362 2019 生命式 せいめいしき 『生命式』は、死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作を含む、著者自選の12篇を収めた短篇集です。OpenBDでは「素敵な素材」「素晴らしい食卓」「街を食べる」「孵化」などの収録作が確認できます。食、死、身体、家族の常識を別の社会の習俗として反転させ、正常さの輪郭を揺さぶる一冊です。推薦コメント群が…
- 363 2019 趣味で腹いっぱい しゅみではらいっぱい 『趣味で腹いっぱい』は、結婚後に絵手紙、家庭菜園、小説などの趣味に興じる鞠子と、仕事一筋で生きてきた銀行員・小太郎をめぐる長篇。上達や成果を急がない趣味の時間が、仕事中心の価値観や夫婦の距離を少しずつ揺らしていく。生活のなかの小さな楽しみを通して、役に立つことだけでは測れない生き方を描く。
- 364 2019 遠の眠りの とおのねむりの 大正末期、貧しい農家に生まれた絵子は本を読むことを支えにしていたが、女学校には進めず、家を追い出されて女工として働く。市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」で、付属劇場の少女歌劇団に関わる「お話係」として雇われ、娘役のキヨと親しくなる。集英社公式は、福井市に実在した百貨店の少女歌劇部に着想を得た長篇…
- 365 2019 藁の王 わらのおう 小説家として一冊だけ本を出した語り手が、巨大私立大学で創作を教えることになり、学生たちの苦悩と自身の行き詰まりに向き合う表題作を含む作品集。新潮社公式は、文学の迷宮や小説の樹海を彷徨う人々を描く作品集として紹介している。書くこと、読むこと、他者の言葉に侵されることの怖さを、静かな幻想性と記憶の反復で…
- 366 2019 ウナノハテノガタ うなのはてのがた 海の民の少年オトガイは父からある役目を引き継ぎ、山の民の少女マダラコは生贄の儀式から逃れて山を下りる。中央公論新社の文庫版公式ページは、二人の出会いからすべてが始まる「原始の物語」として紹介している。共同体の掟、信仰、暴力、出会いによる世界の更新を、神話や寓話に近い距離感で描く作品。
- 367 2019 夜はおしまい よるはおしまい 「夜のまっただなか」「サテライトの女たち」「雪ト逃ゲル」「静寂」を収めた短篇集。夜、逃避、静けさといった収録作名が示すように、関係の余白や孤独を抱えた人物たちの時間を描く。島本理生の恋愛や家族関係をめぐる繊細な筆致を、より暗く静かなトーンで味わえる作品集として位置づけられる。短篇ごとの状況を急いで説…
- 368 2019 夢も見ずに眠った。 ゆめもみずにねむった 『夢も見ずに眠った。』は、夫を熊谷に残して札幌へ単身赴任した沙和子が、夫婦のすれ違いと離別を経て、新しい愛と信頼の形へ向かう長篇。岡山、札幌、熊谷など土地の記憶や物語が、二人の関係の変化と響き合う。移動する生活のなかで、結婚や家族の安定ではなく、相手を信じ直す距離を探るところが読みどころになる。
- 369 2019 裏庭 うらにわ 『裏庭』は、第5回林芙美子文学賞佳作として『小説トリッパー』に掲載された阿部あみの作品。NDLサーチで掲載誌とページ範囲を確認でき、既存出典では授賞式レポートで同回の受賞情報を補助確認できる。公開されている公式・公的書誌では内容紹介が見つからないため、現時点では題名から舞台や主題を推測しない。
- 370 2019 背高泡立草 せいたかあわだちそう 草に覆われた納屋をめぐる作業を起点に、土地に積もった記憶と家族史が立ち上がる作品。島の一族をめぐる複数の声や時間が重なり、目の前の草刈りが過去を掘り起こす行為へと変わっていく。方言や多層的な語りによって、地方の生活と歴史が静かに接続される。人の営みが途絶えても草木が残り続ける感覚が、一族の記憶を土地… 第162回 芥川賞
- 371 2019 逃げ水は街の血潮 にげみずはまちのちしお 『逃げ水は街の血潮』は、地下アイドルとして活動する二十代女性の疾走感と消耗を描くデビュー作です。都市のショービジネス的な場で、身体と承認欲求、自己像がすり減っていく様子を追います。アイドルという労働と自己表現の境界を、切迫した内面描写と速度感のある語りで扱う作品です。 第124回 文學界新人賞
- 372 2019 レンファント れんふぁんと 『レンファント』は、育児休暇中の父親が、重い皮膚疾患を抱える子の看護と妻との関係に直面するデビュー作です。育児参加をめぐる理想と現実、ケアの身体的・精神的負荷を、家庭の内側から描きます。父親の当事者性を問う点で、家族小説としてもケアの文学としても読めます。 第124回 文學界新人賞
- 373 2019 唐詩和訓 : ひらがなで読む名詩100 とうしわくん 2019年刊。横山悠太著としてNDLで確認できる単著だが、創作小説ではなく古典詩の案内・翻案系とみられる。
- 374 2019 そこどけあほが通るさかい そこどけあほがとおるさかい 『そこどけあほが通るさかい』は、大阪の濃密な地域社会と家族関係のなかで、毒の強い祖母と暮らす女性の日常を関西弁で描く作品です。方言の勢いと閉じた生活圏の圧力が、笑いと息苦しさを同時に生みます。家族の親密さが暴力的な支配にもなる感触を、口語の熱量で押し出す第62回群像新人文学賞当選作です。 第62回 群像新人賞
- 375 2019 おいしい家族 おいしいかぞく 『おいしい家族』は、「すばる」2019年8月号に掲載され、同年9月に集英社から単行本化されたふくだももこの小説です。母の三回忌に故郷の島へ帰った橙花が、母の服を着た父、義妹、見知らぬ人々が家族のように食卓を囲む場に向き合います。集英社公式の文庫版紹介では、性別、血縁、国籍を超えた新しい家族のかたちを…
- 376 2019 鳥公爵と梔子の午後 とりこうしゃくとくちなしのごご 『鳥公爵と梔子の午後』は、「すばる」2019年5月号に掲載された須賀ケイの小説です。NDLサーチでは同号52-89ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録し…
- 377 2019 犬のかたちをしているもの いぬのかたちをしているもの 『犬のかたちをしているもの』は、卵巣手術後に性交渉を拒むようになった三十歳の薫が、恋人の子を妊娠した女性から子どもを引き取らないかと提案される物語。快楽、生殖、子どもを持つことをめぐる問いが、恋愛関係や身体の履歴と重なって進む。集英社文芸公式は「一人の女性の醸成してきた問い」の行方を描く作品として紹… 第43回 すばる文学賞
- 378 2019 音に聞く おとにきく 『音に聞く』は、「文學界」2019年9月号に掲載され、同年11月に文藝春秋から単行本化された高尾長良の小説です。文藝春秋公式ページでは、ウィーンを舞台に音楽と言葉がぶつかり合う愛憎のドラマとして紹介されています。NDLサーチでは初出誌の掲載ページと単行本書誌、CiNii Researchでは関連レコ…
- 379 2019 尾を喰う蛇 おをくうへび 『尾を喰う蛇』は、病院で介護士として働く小沢興毅が、患者の老人、同僚、家族への憎悪を募らせ、暴力に呑まれていく過程を描く新潮新人賞受賞作。中西智佐乃は受賞者インタビューで、戦争における「仕方がなかった」という感覚と、現代の労働・介護の場に潜む暴力を接続して本作が動き出したと語っている。肌と肌が過剰に… 第51回 新潮新人賞
- 380 2019 神前酔狂宴 しんぜんすいきょうえん 『神前酔狂宴』は、神社の披露宴会場で働く浜野、梶、倉地を中心に、結婚式という祝祭の裏側にある演技性と制度を描く小説。日々「茶番」を演じる彼らが、神社の祀る神が明治日本の軍神であることを知る筋立てから、結婚、家族、国家の儀礼性が重ねられる。河出書房新社は本作を、壮大な茶番を切り裂く衝撃作として紹介して… 第41回 野間新人賞
- 381 2019 デッドライン でっどらいん 『デッドライン』は、2000年代初頭の東京を舞台に、修士論文の締切を抱える「僕」が、哲学、身体感覚、ゲイとしての欲望、家族とのずれのなかを生きるデビュー小説。新潮社は「ゲイであること、思考すること、生きること」を掲げ、夜の街を回遊する男たちと大学院生活を交差させる作品として紹介している。朝吹真理子の… 第41回 野間新人賞
- 382 2019 ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3 ゆるきゃらのきょうふくわがたこういちじゅんきょうじゅのすたいりっしゅなせいかつさん 『ゆるキャラの恐怖』は、奥泉光が2019年に文藝春秋から刊行した桑潟幸一シリーズ第3作です。著者ページの著書一覧で収録作と刊行情報を確認できます。
- 383 2019 飛族 ひぞく 『飛族』は、大分で魚料理店を営む六十五歳のウミ子が、長崎の国境離島を思わせる架空の島に住む九十二歳の母イオと八十八歳のソメ子を訪ねる長編。島には二人の元海女だけが残り、失われた漁師たちを鳥に重ねる「鳥踊り」や、国境離島の維持をめぐる現実的な緊張が、牧歌的な生活に不穏さを差し込む。著者インタビューでは… 第55回 谷崎賞
- 384 2019 Orga(ni)sm オーガニズム おーがにずむ 『Orga(ni)sm オーガニズム』は、阿部和重が2019年に文藝春秋から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 385 2019 青いポポの果実 あおいぽぽのかじつ 三島由紀夫賞受賞後第一作として『新潮』2019年12月号に150枚で掲載された短篇。十歳の少女ナナが、自分を「僕」と呼び、母や自らの女性性への拒否感を抱えながら、関西近郊の家族と奇妙な隣人の閉ざされた世界を見つめる。思春期前の身体感覚、性への嫌悪、生へのもがきを強い口語感とともに描く。のちに作品集『…
- 386 2019 グスコーブドリの太陽系―宮沢賢治リサイタル&リミックス― ぐすこーぶどりのたいようけい みやざわけんじりさいたるあんどりみっくす 『グスコーブドリの太陽系』は、宮沢賢治の作品群を古川日出男が朗読的・批評的に読み替えるリサイタル&リミックスです。公式ページの目次では「グスコーブドリの伝記」を中心に、詩や童話への応答が太陽系のように配置されています。物語の再話であると同時に、賢治の言葉が現代の声やリズムへ変換される過程を読む作品で…
- 387 2019 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』は、人形浄瑠璃作者・近松半二の生涯を描く大島真寿美の歴史長篇です。大坂・道頓堀の芝居小屋と竹本座を舞台に、書くこと、語ること、人形を遣うことが交差し、物語が生まれる瞬間の熱を追います。芸能史の細部と、虚構が現実を巻き込む感覚を重ねた作品です。
- 388 2019 カム・ギャザー・ラウンド・ピープル かむ・ぎゃざー・らうんど・ぴーぷる 『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』は、『すばる』2019年5月号に掲載され、同年7月に集英社から単行本化された中篇です。集英社公式ページでは、雨宿り先で出会ったイズミ、東京の記録、デモの群衆、かつての友人ニシダとの再会を通じて、敷き詰められた過去の記憶と渋谷の街を走る「私」を描く作品として紹介さ…
- 389 2019 地面師たち じめんしたち 『地面師たち』は、市場価値100億円規模の土地をめぐる不動産詐欺を描くクライムノベルです。妻子を失った拓海、大物地面師ハリソン山中、彼らを追う刑事・辰らの思惑が交錯し、詐欺取引と捜査が並行して進みます。土地、欲望、身分偽装、都市の金融感覚を、群像劇として緊張感高く描く作品です。
- 390 2019 限界病院 『限界病院』は、久間十義が2019年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 391 2019 ぼくはきっとやさしい 『ぼくはきっとやさしい』は、町屋良平が2019年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 392 2019 愛が嫌い 『愛が嫌い』は、町屋良平が2019年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 393 2019 ショパンゾンビ・コンテスタント 『ショパンゾンビ・コンテスタント』は、町屋良平が2019年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 394 2019 格闘 『格闘』は、高樹のぶ子が2019年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 395 2019 人外 じんがい 『人外』は、人間の輪郭から外れるもの、怪異や異形の気配をめぐって、文学の想像力を広げる作品です。現実の外側にあるものを単なる怪談ではなく、認識や美の問題として扱う。松浦寿輝の詩的で批評的な文体が、異形のものを読む経験そのものへ読者を向かわせます。 第72回 野間文芸賞
- 396 2019 小箱 こばこ 『小箱』は、箱という小さな器に託された記憶や喪失の気配を、静かな筆致でたどる長篇です。小川洋子らしい抑制された語りのなかで、見えないもの、しまわれたもの、失われたものが少しずつ存在感を帯びる。大きな事件よりも、手触りと沈黙の蓄積によって読む作品です。 第73回 野間文芸賞
- 397 2018 あなたの愛人の名前は あなたのあいじんのなまえは 『あなたの愛人の名前は』は、すれ違う大人の恋愛を描く六篇の作品集。集英社公式が示す「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」は、同じ関係を別々の視点から照らし、同じ部屋にいても互いの心が決定的にずれていく痛みを描く。欲望、秘密、婚約、浮気、世間の価値観に揺れる心を、島本理生らしい繊細な心理の動きとし…
- 398 2018 ブルーハワイ ぶるーはわい 『ブルーハワイ』『辰年』『聖ミクラーシュの日』『わかれ道』『山の上の春子』『わたしのおばあちゃん』を収めた短篇集。河出書房新社は、「あたりまえ」を知らない孤独が世界を撃ち抜く作品集として紹介している。日常のなかでそれぞれのことに夢中になる人々を、平明で少し乾いた語りで捉え、家族や記憶、他者との隔たり…
- 399 2018 人生のピース じんせいのぴーす 中高一貫の女子校で過ごした潤子、みさ緒、礼香が、34歳になって結婚や恋愛、仕事との向き合い方を揺らす物語。礼香の突然の結婚をきっかけに、潤子は結婚相談所へ、みさ緒は腐れ縁の相手との関係を見直し、それぞれが自分の人生の欠けたピースを探す。婚活を題材にしながら、同調圧力や友情の距離、女性が自分の選択を引…
- 400 2018 みなさんの爆弾 みなさんのばくだん 「初恋」「譲治のために」「メアリーとセッツ」など六篇を収め、女性たちの内部に抱え込まれた欲望や怒り、関係の歪みを描く短篇集。同性への欲望、母と息子の倒錯的な結びつき、創作や日常に潜む衝動が、それぞれの「爆弾」として立ち上がる。平穏に見える生活の奥で感情が臨界に近づく瞬間を、鋭くも読みやすい語りで追う…
- 401 2018 地球星人 ちきゅうせいじん 『地球星人』は、恋愛、セックス、生殖を当然視する地球の仕組みを「人間工場」のように感じる語り手が、どう生き延びるかを問う長編です。新潮社公式紹介では、恋人と誓った魔法少女が世界と対峙する物語として位置づけられています。少女期の魔法少女的な自己像から、家族、性、生殖、暴力をめぐる社会の圧力へ進む、村田…
- 402 2018 文字渦 もじうず 文字そのものを主役に、秦の始皇帝陵から発掘された漢字、未知の言語遊戯、プログラミング言語、AIによる『源氏物語』自動筆記、統合漢字の分離独立運動などをめぐる全12篇からなる作品集。文字の起源から未来までを、史実・字典・想像力・情報技術を交差させながら幻視する。読み物であると同時に、文字というメディア… 第43回 川端賞
- 403 2018 ファーストラヴ ふぁーすとらぶ 就職活動中の女子大生・聖山環菜が父を刺殺した事件を、臨床心理士の真壁由紀がノンフィクション執筆のために追う長編。由紀は弁護士の庵野迦葉とともに面会を重ね、環菜の供述の揺れや家族関係の奥にあるものへ近づいていく。殺人事件の謎を追うミステリの緊張感と、家族という閉じた関係の迷宮を重ねた作品。
- 404 2018 5時過ぎランチ ごじすぎランチ 「グリーンゾーン」「内なる殺人者」「誰が為の昼食」の三篇からなる、労働と犯罪が絡み合う短篇集。ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギーを抱える殺し屋、写真週刊誌の女性記者が、それぞれ過酷な仕事の延長線上でヤクザや警察、国家権力に触れていく。ブラックな職場感覚とクライムノベルの緊張を重ね、仕事にまつわ…
- 405 2018 日の出 ひので 明治の終わり、13歳の清作は徴兵から逃れて故郷を飛び出し、北陸から九州、横浜へ移りながら鍛冶職人として生きる。もう一つの軸として、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひが、教職免許取得のために学ぶ姿が置かれる。時代を隔てた二人を並行させ、労働、逃走、家系の記憶、希望の継承を描く長編。
- 406 2018 星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き ほしがおかこうこうりょうりぶ へんさちろくじゅうはちのめだまやき 廃部寸前の私立星ヶ丘高校料理部に、篠原皐月が友人に誘われて入部する連作料理ミステリ。目玉焼き、オムレツ、ハンバーグ、カレーなどの料理を通じて、皐月たちは調理の理屈と、身近な出来事に潜む謎を少しずつ解いていく。学校小説の軽やかさに、料理の知識と日常の推理を重ねた読み味が特徴。
- 407 2018 独り舞 ひとりまい 台湾出身のレズビアン女性が、過去の痛みと孤独を抱えながら日本で生き直そうとするデビュー作。著者公式プロフィールでは、李琴峰が第二言語である日本語で初めて書いた小説とされており、移動と言語のずれ、性的マイノリティとしての孤立、自己回復の時間が重なる。内面に寄り添う一人称の語りが、越境する身体と言葉の不…
- 408 2018 雪子さんの足音 ゆきこさんのあしおと 東京出張中の薫は、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家・雪子さんが熱中症でひとり亡くなったことを新聞記事で知り、20年ぶりにその場所へ向かう。アパートへ近づく道のりと回想を重ねながら、大家と下宿人、若者と年長者、好意と負担の境目が少しずつ浮かび上がる。日常の会話や距離感の微細な違和を通して、人間…
- 409 2018 公園へ行かないか?火曜日に こうえんへいかないか?かようびに 2016年、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、世界各国の作家・詩人たちと過ごした3か月をもとに描く11篇の連作小説集。英語で議論し、街を歩き、アメリカ大統領選挙の瞬間にも居合わせる経験を通じて、そこにいること/いないこと、知りたいのに届かないことを考え続ける…
- 410 2018 ニムロッド ニムロッド IT企業に勤める中本哲史は、社長から仮想通貨ビットコインの採掘(マイニング)事業を任される。彼の周りには、中絶と離婚の傷を抱える外資系勤務の恋人・田久保紀子と、小説家の夢に挫折し「駄目な飛行機コレクション」と題するメールを送ってくる同僚・荷室仁(ニムロッド)がいる。三人の日常に、天に挑んだバベルの塔… 第160回 芥川賞
- 411 2018 偽姉妹 にせしまい 宝くじで3億円を当てた正子が、風変わりな「屋根だけの家」を建て、離婚後に姉妹との共同生活へ入っていく家族小説。血縁や結婚に縛られた関係に息苦しさを覚えた正子は、姉妹もまた別れたり新しく作ったりできるのではないかと考え始める。山崎ナオコーラらしい軽やかな語りで、家族制度の当たり前、女性同士の距離、暮ら…
- 412 2018 落としもの おとしもの 踏切のあいだに落ちていたバッグを「わたし」が落とし主より先に奪い取ってしまう表題作をはじめ、寝たきりの祖母と過ごす夏、バイト仲間との雑魚寝で身体に触れられる夜などを収める短編集。日常のすぐ脇にある他者との距離、善意と不安、死への衝動を、乾いた手触りの短篇として立ち上げる。単行本未収録だった6作品をま…
- 413 2018 羅針盤は壊れても らしんばんはこわれても 西村賢太の分身的主人公・北町貫多が、二十三歳を迎え、日雇い暮らしのなかで人生の敗北感を濃くしていく小説集。田中英光や藤澤清造の私小説に救いを求める貫多が、自らも私小説を書き始めようとする姿を軸に、貧困、文学への執着、自己嫌悪が泥臭く絡み合う。表題作に加え「陋劣夜曲」などを収め、惨めさと不屈さが同時に…
- 414 2018 三千円の使いかた さんぜんえんのつかいかた 御厨家の女性たちが、結婚、子育て、入院、離婚、老後といった局面でお金の使い方に向き合う連作短篇集。節約や貯金のノウハウに寄せつつ、家族の役割、将来不安、生活を立て直す知恵を物語として読ませる。具体的な金額や家計の話が、女性たちの選択と自立をめぐる現実的なドラマになっている。
- 415 2018 静かに、ねぇ、静かに しずかに、ねぇ、しずかに 「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」「でぶのハッピーバースデー」の3篇を収める作品集。海外旅行の写真投稿、ネットショッピング依存、動画撮影で自分たちだけの印を残そうとする夫婦など、SNSやスマートフォン越しにしか確かめられない現実感を描く。軽妙な語りの底に、承認欲求、支配、親密さの不安がにじみ…
- 416 2018 その先の道に消える そのさきのみちにきえる アパートの一室で発見された緊縛師の死体をめぐり、重要参考人の女性と彼女に惹かれる刑事・富樫、別の刑事たちの視線が絡み合う長編ミステリー。謎と嘘を追う捜査の形を取りながら、暴力、欲望、死者の痕跡を通じて、この世界を生きる意味を問い詰めていく。犯罪小説の緊迫感と、中村文則らしい倫理的・実存的な暗さが重な…
- 417 2018 鏡のなかのアジア かがみのなかのあじあ チベット、台湾、クアラルンプール、京都など、アジアの土地をモチーフにした全5篇の幻想短篇集。集英社公式は、少年僧が経典の歴史に触れる「……そしてまた文字を記していると」、台湾・九份の村を舞台にする「Jiufenの村は九つぶん」、熱帯雨林の巨樹であった過去を持つ男を描く「天蓋歩行」などを挙げている。翻…
- 418 2018 たてがみを捨てたライオンたち たてがみをすてたらいおんたち 専業主夫を考える30歳の出版社社員・直樹、離婚後の孤独を抱える35歳の広告マン・慎一、アイドルを追う25歳の公務員・幸太郎という三人の男性を並べる長編。仕事の評価、家事・育児、父親像、恋愛や趣味を通じて、「大人の男」らしさやプライドの重さを問い直す。軽く読ませる群像劇の形を取りながら、弱音を吐きにく…
- 419 2018 つかのまのこと つかのまのこと かつての住み家らしき「この家」をさまよい続ける「わたし」が、次々に入れ替わる住人たちを見守る物語。幽霊のような語り手の視点から、家に残る記憶と、誰かを待ち続ける時間が静かに積み重ねられる。柴崎友香が俳優・東出昌大をイメージして小説を書き、市橋織江の写真と組み合わされた、写真と小説の境界を意識した一冊…
- 420 2018 私に付け足されるもの わたしにつけたされるもの 「四十歳」「白竜」「Mr.セメントによろしく」「瀬名川蓮子に付け足されるもの」など十二篇を収める短篇集。虎に襲われたい、くっつけたい、あきらめたい、移動したいといった、くだらなくも切実な願望を起点に、日常のずれや欲望の不可思議さを軽やかに描く。長嶋有らしいユーモアと観察眼が、平凡な生活に付け足される…
- 421 2018 ウィステリアと三人の女たち ウィステリアとさんにんのおんなたち 「彼女と彼女の記憶について」「シャンデリア」「マリーの愛の証明」「ウィステリアと三人の女たち」の4篇を収める短篇集。同窓会、デパート、女子寮、廃墟となった屋敷を舞台に、女性たちが不確かな記憶と死の気配に触れていく。記憶、死、救済、自己同一性が幻想的な気配で重なり、なだらかな散文がいつのまにか現実の足…
- 422 2018 夜更けの川に落葉は流れて よふけのかわにおちばはながれて 北町貫多の二十代前半を描く「寿司乞食」「夜更けの川に落葉は流れて」「青痰麺」の三篇を収める作品集。表題作では、無気力で受け身になっていた貫多が梁木野佳穂という女性との関わりによって、わずかに外の世界へ引き戻されていく。貧しさ、職場の失敗、恋愛の痛み、長く尾を引く恨みを、私小説的な乾いた筆致で読ませる…
- 423 2018 前世は兎 ぜんせはうさぎ 表題作「前世は兎」のほか、「夢をクウバク」「宗教」「沼」「梅核」「真空土練機」「ランナー」を収める短篇集。兎だった前世の記憶を持つ女、カタログを書き写すことで不安を鎮める休職中の教員、破滅後の世界でマラソンに選ばれる姉など、現実の足場をずらす設定が並ぶ。身体、性、信仰、労働不能や破滅のイメージを通じ…
- 424 2018 DJヒロヒト ディージェイヒロヒト 『DJヒロヒト』は、パラオ放送局のラジオ番組という奇想の形式を通して、昭和史・文学史・戦争の記憶を再構成する大長編です。中島敦、南方熊楠、森鴎外らの名が交差し、謎のDJの語りが歴史上の人物とフィクションの声をリミックスしていく。ラジオ、録音、放送というメディアの仕掛けを使いながら、天皇制と近代日本を…
- 425 2018 タイガー理髪店心中 たいがーりはつてんしんじゅう 北九州市立文学館の公式発表で、第4回林芙美子文学賞大賞受賞作として確認できる作品。応募時の題名「暮れる」から改題され、作者名も小暮夕樹子から小暮夕紀子へ改名されたことが公式発表に明記されている。NDLサーチとBooks出版書誌データベースでは、2020年1月に朝日新聞出版から単行本化されたことを確認… 第4回 林芙美子賞
- 426 2018 光路 こうろ 北九州市立文学館の公式発表で、第4回林芙美子文学賞佳作として確認できる短編。公式ページでは作品名、作者名、最終選考会、同回の大賞・佳作の結果を確認できるが、作品内容の紹介は掲載されていない。現時点では題名から主題や舞台を推測せず、受賞記録として扱う。
- 427 2018 TIMELESS たいむれす 『TIMELESS』は、恋愛感情も性関係もないまま結婚したうみとアミを軸に、高校時代、広島への修学旅行、六本木の現在、四百年前の麻布が原の記憶、そして2035年の息子アオの旅を重ねる長篇です。恋愛、結婚、生殖、家族という近代的な制度をほどきながら、人間の身体が歴史や土地、死者の時間へつながっていく感…
- 428 2018 送り火 おくりび 東北の小さな中学校へ転校した少年が、土地の集団に馴染んでいく過程で、同級生たちの危うい力関係に巻き込まれていく。表面的な適応の裏に、暴力と同調圧力が蓄積していく構造を描く作品。閉じた学校空間の息苦しさと、少年たちの均衡が崩れる瞬間が読みどころになる。土地の祭礼や遊びの気配が、成長物語の明るさではなく… 第159回 芥川賞
- 429 2018 1R1分34秒 いちらうんどいっぷんさんじゅうよんびょう デビュー戦後に勝ちきれなくなった21歳のプロボクサーを語り手に、競技の身体感覚と自意識の停滞を描く小説。長年のトレーナーから離れ、変わり者のウメキチとの練習に入ることで、敗北や弱さをめぐる思考が少しずつ揺さぶられていく。ボクシングを勝敗だけでなく、身体・時間・他者との関係の問題として読ませるところに… 第160回 芥川賞
- 430 2018 美しい顔 うつくしいかお 『美しい顔』は、東日本大震災後の避難所で暮らす高校生・沙那恵が、弟を守りながらメディアの視線にさらされる物語です。災害下の身体、家族、報道される被災者像をめぐる緊張を描きます。被災地の現実と表象の問題が、作品そのものの受容とも重なって読まれる第61回群像新人文学賞当選作です。 第61回 群像新人賞
- 431 2018 はんぷくするもの はんぷくするもの 東北沿岸の「赤街」を舞台に、仮設の商店で暮らす三十代の男・毅の日々を描く。津波ですべてを流された者と、被害を受けなかった者のあいだに生じる正義や負い目が、わずかなツケをめぐる攻防に凝縮される。小さな生活圏から、災害後の分断と諧謔を掘り起こす作品。十畳の仮設商店という狭い場所を舞台に、被災後の生活が持… 第55回 文藝賞
- 432 2018 いつか深い穴に落ちるまで いつかふかいあなにおちるまで 日本とブラジルを直線で結ぶ穴を掘るという秘密プロジェクトをめぐる、壮大なホラ話としての会社員小説。戦後に若手官僚が思いついた計画を、大手建設会社子会社の広報係が調査することで、国家事業、会社組織、移民や国際関係が奇妙に絡み合う。真顔のユーモアで日本社会のシステムを描く点が読みどころ。 第55回 文藝賞
- 433 2018 文字の消息 もじのしょうそく 『文字の消息』は、澤西祐典の第2単行本にあたる幻想小説集です。表題作では、どこからともなく現れる文字が家や街を覆い、日常の足場を侵食していきます。併録の「砂糖で満ちてゆく」では母の身体が砂糖へ変わっていく状況を介護する娘の視点から描き、「災厄の船」では入り江に現れた巨大な船が街に不穏な影を落とします…
- 434 2018 青春のジョーカー せいしゅんのジョーカー 『青春のジョーカー』は、スクールカーストの下層にいる中学三年生・基哉を主人公にした青春小説。背丈や容姿への劣等感、兄への距離感、年長者の世界に触れる夏の経験を通じて、思春期の自意識が揺さぶられる過程を描く。性や承認への戸惑いを扱いながら、少年が自分の位置を見直していく物語として読める。
- 435 2018 わるもん わるもん 『わるもん』は、硝子職人の父がいつの間にか家族から取り除かれたように見える家で、純子が父の痕跡をたどり始める物語。母や姉たち、家に現れる男性との関係が、純子の視点から少しずつ歪んで見えてくる。集英社の対談では、時間軸や純子の正体をめぐるわからなさも作品の魅力とされ、家族という閉じた船を外から見つめる… 第42回 すばる文学賞
- 436 2018 ジャップ・ン・ロール・ヒーロー じゃっぷんろーるひーろー 新潮社公式、NDL、Books/JPROで2019年1月刊の単行本として確認。『新潮』掲載作の単行本化。
- 437 2018 ラッコの家 らっこのいえ 『ラッコの家』は、老女の意識の流れを前面に出した小説です。文藝春秋公式の紹介では、夢と現実が交錯する老女の内面と、見えないからこそ見えてくるものが焦点化されている。古川作品に通底する家族、島の時間、記憶のゆらぎを、より内面の流れへ寄せて読む作品として位置づけられる。
- 438 2018 いかれころ いかれころ 昭和58年頃の南大阪を舞台に、四歳の奈々子の視点と後年の回想を通して、分家の暮らし、本家との格差、両親の不和、叔母の縁談を描く。河内弁の題名は「踏んだり蹴ったり」に近い不運の感覚を含み、土地と血縁の因習が幼い語りの中に濃く立ち上がる。差別や結婚規範、家父長的な親族関係を、日常会話に潜む価値判断として… 第50回 新潮新人賞
- 439 2018 壺中に天あり獣あり こちゅうにてんありけものあり 『双子は驢馬に跨がって』後の単行本候補。群像掲載後、2019年に講談社から刊行。
- 440 2018 雪の階 ゆきのきざはし 『雪の階』は、奥泉光が2018年に中央公論新社から刊行した長編小説です。代表作の一つとして著者ページに挙げられ、毎日出版文化賞と柴田錬三郎賞を受賞した作品として確認できます。
- 441 2018 焰 ほのお 『焰』(新潮社公式表記は『焔』)は、親の介護に追われる男、人間がお金として売買される社会、真夏の公園で涙が止まらない人々などを描く九篇の作品集。新潮社公式ページは、自分ではない何かになりたいと切望する人々が語り出す作品として紹介しており、介護、貨幣化、身体変容の寓話が現代社会の閉塞を照らす。ブレイデ… 第54回 谷崎賞
- 442 2018 ヒット・エンド・ラン ヒット エンド ラン 徳間文庫から2018年に刊行された広谷鏡子の単著。
- 443 2018 庭 にわ 『庭』は、虫、草花、動物、人間の暮らしが隣り合う十五篇からなる短篇集です。ふきのとう、彼岸花、どじょう、蟹、家グモなど身近なものが、暮らしの中の不条理や喜びを帯びて不可思議な世界を開きます。新潮社公式ページ掲載の書評が指摘するように、あっさりした題名と濃密な本文、現実と幻想の自然な共存が読みどころで…
- 444 2018 あなたが私を竹槍で突き殺す前に あなたがわたしをたけやりでつきころすまえに 排外主義が強まる近未来の日本で、在日コリアン三世の柏木太一を中心にした若者たちが、それぞれの怒りと恐怖を抱えながら反攻を企てる長編。『文藝』連載を経て単行本化され、ヘイト、国家、在日性、仲間との連帯を、切迫した群像劇として描く。タイトルの過激さを、差別される側が追い詰められていく社会状況の比喩として… 第42回 野間新人賞
- 445 2018 国宝 こくほう 芸能・家族・血筋と才能をめぐる大作候補。上・下巻の単行本書誌がNDLで確認できる。
- 446 2018 ミライミライ みらいみらい 『ミライミライ』は、第二次世界大戦後の北海道がソ連に占領されたという架空の歴史を起点に、反ソ連ゲリラやインド=ニッポン連邦、ヒップホップ・グループ「最新」を結びつける長篇です。誘拐事件や核武装要求といった政治的な筋立てに、音楽と青春小説のリズムが重ねられます。古川日出男らしい高速の語りで、歴史の分岐…
- 447 2018 ある男 あるおとこ 『ある男』は、戸籍上の名前と実際に生きた人物が一致しないという謎から、個人の同一性、家族、出自、社会的偏見を掘り下げる長篇です。弁護士の城戸が亡くなった依頼者の夫の身元を追う構成を通じて、他者を知ることの困難さが浮かび上がります。ミステリ的な構成を取りながら、平野啓一郎が継続して扱ってきた「分人」的…
- 448 2018 オブジェクタム おぶじぇくたむ 『オブジェクタム』は、高山羽根子の作品集です。表題作では、大人になった主人公が祖父の壁新聞や記憶の断片を追い、事件と祖父の真相のかかわりを探ります。資料、記憶、家族史をめぐる探索に、収録作「太陽の側の島」などの幻想的な想像力が響き合う一冊として整理できます。
- 449 2018 カトク 過重労働撲滅特別対策班 かとく かじゅうろうどうぼくめつとくべつたいさくはん 『カトク 過重労働撲滅特別対策班』は、違法な長時間労働を取り締まる労働基準監督官・城木忠司を主人公にした書き下ろし長篇です。ブラック企業が社会問題化する現代日本を背景に、住宅メーカー、広告代理店、IT企業などの労働現場へ向き合う人物たちを描きます。制度の側から労働の現実を見つめることで、働く側と働か…
- 450 2018 サーラレーオ さーられーお 『サーラレーオ』は、タイで大麻を売って暮らす日本人カセを中心に、金も運も度胸もない男の逃走と欲望を描くピカレスク小説です。大量の大麻の種子をめぐる出来事から、バンコクと日本をまたぐ疾走が始まります。海外を舞台にした犯罪譚でありながら、負け続ける人物の虚勢と焦燥を荒い熱量で押し出す作品です。
- 451 2018 潜在殺 せんざいさつ 2018年刊行の渥美饒兒の単行本。既存収録の『ミッドナイト・ホモサピエンス』『孤蝶の夢』とは重複しない後年の小説候補。
- 452 2018 明恵 : 栂尾高山寺秘話. 上 ミョウエ トガノオ コウサンジ ヒワ ジョウ Books/JPROの内容紹介で、明恵の全生涯を描く長編歴史小説・全2巻であることを確認できる。
- 453 2018 明恵 : 栂尾高山寺秘話. 下 ミョウエ トガノオ コウサンジ ヒワ ゲ Books/JPROの内容紹介で、明恵の全生涯を描く長編歴史小説・全2巻であることを確認できる。
- 454 2018 しき 『しき』は、町屋良平が2018年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 455 2018 エリザベスの友達 『エリザベスの友達』は、村田喜代子が2018年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 456 2018 火環 : 八幡炎炎記 完結編 『火環 : 八幡炎炎記 完結編』は、村田喜代子が2018年に平凡社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 457 2018 草薙の剣 くさなぎのつるぎ 『草薙の剣』は、昭和から平成へかけての社会の変化を、個人の記憶や世代の感覚を通じて描く長篇です。神話的な題名を掲げながら、語りは身近な生活や時代の空気へ降りていく。橋本治の批評的な視線が、戦後日本の時間を物語として捉え直します。 第71回 野間文芸賞
- 458 2017 ハッチとマーロウ はっちとまーろう 11歳の誕生日に母から「大人を卒業する」と告げられた双子のハッチとマーロウが、突然自分たちの生活を引き受けることになる長編。料理や服選び、双子であることの個性、父の不在といった日常の問いを通じて、子どもから大人へ向かう時間を軽やかに描く。かわいらしい双子の語り口の奥に、母子関係や自立の痛みが少しずつ…
- 459 2017 踊る星座 おどるせいざ 『踊る星座』は、青山七恵が人と人の距離や、日常の中の小さな変化を星座のように配置する小説として整理できます。星座は離れた点を線で結ぶ見方であり、人物たちの孤独や関係もそのように読み替えられます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 460 2017 人間タワー にんげんたわー 『人間タワー』は、朝比奈あすかが人間関係の積み重なりや、集団の中で支え合うことの危うさを扱う小説として整理できます。タワーという題名は、高く積み上がる共同性と、崩れやすい均衡の両方を示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 461 2017 鳥獣戯画 ちょうじゅうぎが 『鳥獣戯画』は、磯﨑憲一郎が古典的な絵巻の名を借り、人間と動物、現実と表象の境目を揺らす作品として整理できます。鳥獣のイメージは、人間社会を戯画化する視点として働きます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と『群像』掲載候補に基づく暫定的な紹介です。
- 462 2017 クラウドガール クラウドガール 『クラウドガール』は、対照的な姉妹・杏と理有の視点を往復しながら、姉妹の愛憎と記憶のずれを描く長編です。クラウドという題名は、記憶や関係が固定されず、曖昧に保存される感覚を示します。姉妹の語りを通じて、家族の親密さと傷つけ合いが浮かび上がります。
- 463 2017 影裏 えいり 会社の出向で岩手に移り住んだ今野は、釣り仲間となった同僚・日浅にだけ心を許していた。二人で川に通った日々はやがて途絶え、日浅は何も告げずに会社を去る。そして東日本大震災の後、今野は日浅の行方を追ううちに、親しいと思っていた男のもう一つの顔に触れることになる。北国の自然や釣りの場面を丹念に描きながら… 第157回 芥川賞
- 464 2017 ドレス どれす 『ドレス』は、「テキサス、オクラホマ」「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」「真夏の一日」「愛犬」「息子」「ドレス」「私はさみしかった」「静かな夜」を収める短篇集です。OpenBDで収録作と2017年11月刊行の書誌を確認でき、NDLでは単行本と『文芸』掲載レコードを照合できます。表題作を含む複数の短篇を…
- 465 2017 吹上奇譚 第一話 ミミとこだち ふきあげきたん だいいちわ ミミとこだち 『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』は、不思議な町・吹上町を舞台にした双子の姉妹の物語で、シリーズ第一作にあたります。町そのものが現実と幻想の境目に置かれ、家族や記憶の問題が奇譚として語られます。吉本ばなならしいやわらかな語りの中に、喪失と再生の感覚があります。
- 466 2017 劇場 げきじょう 『劇場』は、売れない劇作家・永田と、彼を支える沙希の恋愛を描く長編です。演劇を作ることと恋愛で相手を傷つけることが重なり、表現者の自意識と未熟さが露出します。恋愛小説であると同時に、創作の場にしがみつく人物の痛みを読む作品です。
- 467 2017 いつか来る季節 名古屋タクシー物語 いつかくるきせつ なごやたくしーものがたり 『いつか来る季節 名古屋タクシー物語』は、名古屋のタクシー運転手や乗客をめぐる物語として整理できます。タクシーは都市を移動する仕事の場であり、偶然出会う人びとの会話を運ぶ装置でもあります。地方都市の生活と労働を、移動の視点から読ませる作品です。
- 468 2017 星の子 ほしのこ 中学3年生の林ちひろは、優しい両親に愛されて育った。だが両親は、生まれつき病弱だったちひろが「あやしい宗教」の水で救われたと信じて以来、その教団に深くのめり込んでいる。緑のジャージ姿で頭に濡れタオルを載せる両親は周囲の目を引き、姉は家を出て、親戚との関係も軋んでいく。一目惚れした新任の先生に、夜の公… 第39回 野間新人賞
- 469 2017 ほしのこ ほしのこ 『ほしのこ』は、山下澄人が星や子どものイメージを通して、記憶と身体の感覚をずらして描く小説として整理できます。題名のひらがな表記は、幼さと遠さを同時に感じさせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 470 2017 百年泥 ひゃくねんどろ 恋人の借金を肩代わりして多重債務に陥った「私」は、返済のため南インド・チェンナイのIT企業で日本語教師として働き始める。着任三か月半で百年に一度の大洪水が街を襲い、水が引いたアダイヤール川には百年分の泥が残された。泥の中からは死んだはずの人や記憶の品々が次々と現れ、橋を渡る数十分のあいだに、語り手の… 第158回 芥川賞
- 471 2017 意識のリボン いしきのリボン 『意識のリボン』は、「岩盤浴にて」「こたつのUFO」「ベッドの上の手紙」「履歴の無い女」「履歴の無い妹」「怒りの漂白剤」「声の無い誰か」「意識のリボン」を収める短篇集です。OpenBDで収録作と2017年12月刊行の書誌を確認でき、NDLでは単行本と『すばる』掲載レコードを確認できます。日常の部屋や…
- 472 2017 回遊人 かいゆうじん 『回遊人』は、吉村萬壱が漂流するように生きる人物や、社会の中を回り続ける身体を描く小説として整理できます。回遊という語は、目的地へ一直線に進まない移動と反復を示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 473 2017 かわうそ堀怪談見習い かわうそぼりかいだんみならい 『かわうそ堀怪談見習い』は、「窓」「台所の窓」「雪の朝」「蜘蛛」「古戦場」「幽霊マンション」「宮竹さん」「写真」など多数の小篇を収める怪談集です。OpenBDで収録作と2017年2月刊行の書誌を確認でき、NDLでは単行本と2020年版の書誌を確認できます。日常的な場所や物の名を掲げる短い題名が連なり…
- 474 2017 生成不純文学 せいせいふじゅんぶんがく 『生成不純文学』は、木下古栗が純文学という制度や言葉の純度を、題名から揺さぶる作品として整理できます。生成される文学が「不純」であるという発想は、既存の文学観への皮肉として読めます。実験的でメタ的な語りを通じて、書くことそのものを笑いと違和感にさらす作品です。
- 475 2017 騎士団長殺し きしだんちょうごろし 『騎士団長殺し』は、肖像画家の「私」が小田原の山荘で謎の絵と「イデア」に遭遇する長編二部作です。絵画、地下空間、戦争の記憶が重なり、現実と寓話の境界がゆっくり崩れていきます。村上春樹の長編らしく、喪失と創作、歴史の暗部が大きな物語として展開します。
- 476 2017 幸福な水夫 こうふくなすいへい 『幸福な水夫』は、木村友祐が水夫という移動する労働者の像を通じて、幸福と漂流の関係を描く作品として整理できます。海や船のイメージは、生活の不安定さと越境の感覚を呼び込みます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 477 2017 高架線 こうかせん 『高架線』は、東京の古いアパートの住人たちの来歴を、語り手を替えながらたどる長編です。高架線の下や周辺にある生活圏が、移動する都市とそこに留まる人びとの時間を結びます。複数の語りが重なり、場所に蓄積する記憶を立体的に読む作品です。
- 478 2017 ランチ酒 らんちざけ 『ランチ酒』は、夜に子どもを預け昼間に働くシングルマザーが、仕事後の一人ランチに酒を飲む連作です。食事と酒は、労働の疲れをほどき、自分だけの時間を取り戻すための小さな儀式になります。母であること、働くこと、孤独を、店の風景から読ませる作品です。
- 479 2017 万次郎茶屋 まんじろうちゃや 『万次郎茶屋』は、動物園のイノシシ万次郎と、幼い頃から万次郎を描き続ける画家志望のエリを中心にした表題作を含む短編集です。光文社公式は、万次郎がカフェを開く夢を持つこと、エリが万次郎の絵本を出そうとすることを紹介しています。表題作のほか、人類が西暦を廃止し「地球歴」を始める大晦日を描く「親友」など…
- 480 2017 もう生まれたくない もううまれたくない 『もう生まれたくない』は、長嶋有が生まれることへの拒否感を題名に掲げ、生活の倦怠や関係のずれを描く作品として整理できます。重い言葉を、日常的な会話や軽みのある文体の中に置くことで、絶望が少し奇妙な手ざわりを帯びます。生の重さをユーモアでずらす長嶋作品らしい小説です。
- 481 2017 無敵の二人 むてきのふたり 『無敵の二人』は、中村航が二人でいることの強さと危うさを描く小説として整理できます。無敵という言葉は明るい連帯を示す一方、外の世界に対する閉じた感覚も含みます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 482 2017 血と肉 ちとにく 『血と肉』は、中山咲が身体と血縁、暴力的な生の感覚を扱う小説として整理できます。血は家族や継承を、肉は身体そのものの存在感を指し、抽象的な関係を物質的に捉え直します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 483 2017 茄子の輝き なすのかがやき 『茄子の輝き』は、「お茶の時間」「わすれない顔」「高田馬場の馬鹿」「茄子の輝き」などを収める連作短篇集です。Books/JPROの紹介では、別れた妻の面影、震災後の不安、同僚との会話など、不確かな記憶をめぐる場面を扱う作品として示されています。大きな事件よりも、日常の会話や街の断片に残る熱を拾い、滝…
- 484 2017 おらおらでひとりいぐも おらおらでひとりいぐも 主人公は東北出身、74歳の桃子さん。結婚を目前に故郷を飛び出して上京し、住み込みの仕事、周造との結婚、二児の子育て、そして夫との突然の死別を経て、いまは東京郊外の家にひとりで暮らす。静かな日々のなか、桃子さんの内から標準語と懐かしい東北弁の無数の「声」が湧き上がり、孤独や老い、夫への思い、これからの… 第158回 芥川賞
- 485 2017 R帝国 あーるていこく 『R帝国』は、中村文則が独裁的な国家、情報統制、戦争の気配を描くディストピア長編です。架空の帝国を通して、政治的な言葉が現実を支配する怖さと、個人が制度に巻き込まれる過程が描かれます。現代社会への寓話として、同調と暴力の構造を読む作品です。単独書評本文の確認は薄いが、著者の社会批評的な想像力が前面に…
- 486 2017 ラジオ・ガガガ らじおががが 『ラジオ・ガガガ』は、「三匹の子豚たち」「アブラヤシのプランテーションで」「リトルプリンセス二号」「音にならないラジオ」など6篇を収める短篇集です。題名が示すラジオ的な声や音の感覚を軸に、家族、親族、仕事や生活のつながりを短篇ごとにずらして描く作品として整理できます。OpenBDで収録作は確認できる…
- 487 2017 成功者K せいこうしゃケー 『成功者K』は、芥川賞受賞とメディア露出で人生が変貌していく作家Kを描く、私小説的メタフィクションです。成功は幸福ではなく、視線、消費、自己演出の圧力として人物にまとわりつきます。作家が商品化される現代の文芸状況を、皮肉と自虐で読ませる作品です。
- 488 2017 世界のすべてのさよなら せかいのすべてのさよなら 『世界のすべてのさよなら』は、30歳になった同級生四人の関係と変化を描く長編です。幻冬舎公式は、会社員として生きる悠、恋愛に振り回される翠、画家を目指す竜平、体調を崩して人生を休む瑛一を置き、悠の結婚をきっかけにそれぞれの時間が動く物語として紹介しています。別れと後悔を終点にせず、失った時間や関係を…
- 489 2017 千の扉 せんのとびら 『千の扉』は、三千戸規模の都営団地を舞台に、永尾千歳と夫・一俊、一俊の祖父・日野勝男らの時間をたどる長篇です。骨折で入院した勝男に人探しを頼まれた千歳は、いるのかどうかも定かでない人物を探して巨大な団地を歩きます。団地に住む人々、喫茶店、女子中学生、家族の記憶が重なり、都市の住宅空間を土地と生活史の…
- 490 2017 芝公園六角堂跡 しばこうえんろっかくどうあと 『芝公園六角堂跡』は、「芝公園六角堂跡」「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」を収める作品集です。文藝春秋BOOKSは、北町貫多が師・藤澤清造の終焉地に佇む場面と、私小説を書く理由を問う作品集として紹介しています。藤澤清造への執着、夜の東京、作家としての惑いが重なり、西村賢太の私…
- 491 2017 岩塩の女王 がんえんのじょおう 『岩塩の女王』は、諏訪哲史が硬質なイメージと言葉遊びを重ねる小説として整理できます。岩塩という結晶と女王という権威の組み合わせは、身体、鉱物、支配の幻想を呼び込みます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と初出確認に基づく暫定的な紹介です。
- 492 2017 囚われの島 とらわれのしま 『囚われの島』は、谷崎由依が島という閉じた場所を舞台に、隔離や記憶の問題を扱う小説として整理できます。囚われることは地理的な閉塞であると同時に、過去や関係から自由になれない状態でもあります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 493 2017 塔と重力 とうとじゅうりょく 『塔と重力』は、上田岳弘が高く伸びる塔と、そこから逃れられない重力のイメージを通じて、現代社会の構造と個人の意識を描く作品集です。上昇への欲望と地上へ引き戻す力が、テクノロジーや都市的な感覚と結びつきます。抽象的な思考と物語性が交差する作品です。
- 494 2017 美しい国への旅 うつくしいくにへのたび 『美しい国への旅』は、田中慎弥が「美しい国」という政治的・理念的な言葉を旅の物語へずらして扱う小説として整理できます。旅は理想の場所へ向かう行為である一方、現実の醜さや暴力を見せる過程にもなります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 495 2017 わたしたちは銀のフォークと薬を手にして わたしたちはぎんのふぉーくとくすりをてにして 『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』は、島本理生が食事、薬、恋愛を結びつけて、身体と親密さを描く小説として整理できます。銀のフォークは生活の華やぎを、薬は病や不安を示し、その二つが同じ手に置かれます。恋愛の甘さだけでなく、身体の脆さを含んだ関係を読む作品です。
- 496 2017 私をくいとめて わたしをくいとめて 『私をくいとめて』は、おひとりさま生活を送る33歳のみつ子が、脳内の相談役「A」と対話しながら恋に踏み出す物語です。ひとりでいる自由と、他者と関わる不安が、軽快な内面の会話として描かれます。恋愛小説でありながら、自己防衛と孤独の扱い方を読む作品です。
- 497 2017 エーゲ海に強がりな月が えーげかいにつよがりなつきが 大学時代の同級生との失恋後、仕事優先の恋人とも別れた「私」が、OLの桂子に親密な感情を寄せ、自身の恋愛経験を語る。証券会社で投資家として出会った桂子と年上男性「カレチ」の駆け引きを軸に、現代女性の恋愛、孤独、幸福のかたちを描く。語り手が友人の恋を見つめながら自分の夫婦関係にも向き合う構図が読みどころ…
- 498 2017 ゆっくりおやすみ、樹の下で ゆっくりおやすみ、きのしたで 小学5年生のミレイが「さるすべりの館」で夏休みを過ごすうち、遠い過去の謎に触れていく児童文学寄りの長編。赤い部屋、止まっていた時計、館に隠された秘密が、子どもの視点に近い軽やかさと不思議な緊張感で語られる。今日マチ子の挿絵を多数収録し、高橋源一郎が子どもと大人の読者をつなぐ語りに挑んだ作品。
- 499 2017 紅い海 あかいうみ 『紅い海』は、高倉やえが2017年12月に刊行した短篇集です。Books.or.jpの内容紹介では、文明の衝突によって息子を喪った夫婦の苦悩と祈りを描く表題作「紅い海」、二人の女の墓碑をめぐる「行方」、自立を選んだ母と娘の歳月を綴る「夢の先の色」の三篇を収める作品集として紹介されています。通訳者とし…
- 500 2017 とぜね、かちゃくちゃね とぜね、かちゃくちゃね 『とぜね、かちゃくちゃね』は、第3回林芙美子文学賞の受賞作として『小説トリッパー』に掲載された工藤千尋の作品。NDLサーチで掲載誌とページ範囲を確認でき、既存の文学賞データベースでも同回受賞作として確認できる。公開資料では内容紹介が見つからないため、方言的な題名から語り口や舞台を推測することは避ける… 第3回 林芙美子賞
- 501 2017 深く、 ふかく、 『深く、』は、第3回林芙美子文学賞佳作として『小説トリッパー』に掲載されたなかにしさとみの作品。NDLサーチで掲載誌とページ範囲を確認でき、既存の文学賞データベースでも同回佳作として確認できる。公開資料では内容紹介が乏しいため、現時点では受賞・掲載情報を中心に扱う。
- 502 2017 蹴爪(ボラン) ぼらん 『蹴爪(ボラン)』は、水原涼の初小説集の表題作です。Books出版書誌データベースでは、東南アジアの島を舞台に、闘鶏場で胴元を務める父、村を守る祠、幼なじみの鶏の死、殺人事件、地震が重なる物語として紹介されています。異国の少年の物語でありながら「ぼくたち」の姿を映す作品として位置づけられ、熱と暴力の…
- 503 2017 海亀たち うみがめたち 新潮社公式で2018年1月31日発売、ISBN 978-4-10-351481-7、文芸作品として確認できる未登録単行本。
- 504 2017 小説ミラーさん しょうせつミラーさん 2017年刊。2019年に同出版社から別版も確認できる。
- 505 2017 天袋 てんぶくろ 『天袋』は、第60回群像新人文学賞の優秀作として『群像』2017年6月号に掲載された作品です。NDLサーチで掲載号、ページ範囲、作者名、講談社刊行誌であることを確認できます。現時点で確認できた出版社公式・NDL情報は受賞と初出の書誌が中心で、作品内容の細部は公開情報だけでは確定できないため、題名や既…
- 506 2017 きみはコラージュ きみはこらーじゅ 『きみはコラージュ』は、「すばる」2017年10月号に掲載された春見朔子の小説です。NDLサーチでは同号10-58ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録し…
- 507 2017 光点 こうてん 工場しかない閉じられた町で暮らす実以子が、弁当工場と家を往復する日々のなかで、八つ山と呼ばれる裏山で青年カムトと出会う。母のいらだちや父の無関心から逃れるように神社へ通う語りは、身体感覚と祈りのかたちをめぐって不穏に深まる。閉塞した生活から、言葉以前の祈りや表現を探る作品。 第41回 すばる文学賞
- 508 2017 遊ぶ幽霊 あそぶゆうれい 『遊ぶ幽霊』は、第41回すばる文学賞佳作として『すばる』2017年11月号に掲載された兎束まいこの作品。NDLサーチで受賞区分、掲載誌、ページ範囲を確認できる。既存の梗概では幽霊を通じた生死の境界が示されているが、公式の詳細紹介は確認できていないため、内容面の記述は限定している。
- 509 2017 ナイス・エイジ ないすえいじ 『ナイス・エイジ』は、「新潮」2017年7月号に掲載され、2018年1月に新潮社から同名単行本の表題作として刊行された鴻池留衣の小説です。新潮社公式ページでは、興味本位でオフ会に参加したAV嬢の絵里が、自分の孫を名乗る未来人の青年と知り合い同棲し、その日常がネット民の好奇心の対象になっていく物語とし…
- 510 2017 四時過ぎの船 よじすぎのふね 『四時過ぎの船』は、九州の島の古い家と祖母の記憶をめぐる中篇です。現在の稔が空き家を片付ける時間と、認知症を抱えた祖母佐恵子が孫を待つ過去の時間が交互に響き合う。島、家、日記、船の時刻という具体物を通じて、家族の記憶が取り戻される瞬間と取り戻しきれない隔たりを描く。
- 511 2017 蛇沼 じゃぬま 『蛇沼』は、宮城県の田園地帯を舞台に、少年時代の監禁事件と少女セイコの不可解な死を抱え続ける青年・恭二を描く新潮新人賞受賞作。受賞者インタビューでは、作者が宮城県亘理郡の田んぼや沼のある風景を原風景としており、主人公が「生きていてもいいのか」という答えのない問いの中でもがく人物として構想されたことが… 第49回 新潮新人賞
- 512 2017 無限の玄 むげんのくろ 男性だけのストリングバンドを舞台に、絶対的な父の死と反復する再生のような出来事を軸に、共同体の変容を描く中篇。バンドの規律や父権をめぐる物語を、音楽と身体性を帯びた寓話として展開する。芸術の場が家族、共同体、権威の問題へ反転していく点が読みどころ。 第31回 三島賞
- 513 2017 日曜日の人々(サンデー・ピープル) にちようびのひとびと さんでー ぴーぷる 『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』は、死に惹かれる心や自傷、摂食、不眠といった切迫した声を、複数の断片として響かせる青春小説。講談社は「他者に何かを伝えること」が救いになりうるのではないかという問いを掲げ、他者へ届く/届かない声を作品の中心に置いている。硬質で鋭い言葉の連なりが、孤独と希求を同時… 第39回 野間新人賞
- 514 2017 双子は驢馬に跨がって ふたごはろばにまたがって 監禁される親子、救出に向かう双子と驢馬、二つの世界をつなぐ手紙を軸にした奇想の冒険譚。河出書房新社は、独自の世界観で注目された作品として紹介しており、寓話的な設定と哲学的なユーモアが前面に出る。家族の救出劇でありながら、言葉が世界の境界を越える仕掛けが読みどころになる。 第40回 野間新人賞
- 515 2017 望むのは のぞむのは 三島由紀夫賞受賞作『無限の玄』と同じ2017年に刊行された新潮社単行本。
- 516 2017 こことよそ ここ と よそ 『こことよそ』は、鎌倉の道を歩く場面を含む短編で、保坂和志自身の受賞のことばでは、川端康成の記憶や生者と死者の時間感覚が作品に触れられている。物語の具体的な筋は公式ページからは限定的にしか確認できないが、場所の記憶と死者との距離が読解の手がかりになる。川端康成文学賞の受賞作として、短編の凝縮された時… 第44回 川端賞
- 517 2017 月の満ち欠け つきのみちかけ 『月の満ち欠け』は、三人の男と一人の少女の三十余年におよぶ人生が交錯する長篇です。岩波書店の内容紹介では、生まれ変わりの記憶をめぐる「数奇なる愛の軌跡」として紹介されており、時間をまたぐ愛と喪失の物語として整理できます。
- 518 2017 永遠の道は曲りくねる えいえんのみちはまがりくねる 河出書房新社刊の2017年単行本。NDLで単行本と『文藝』連載レコードを確認できる。
- 519 2017 平家物語 犬王の巻 へいけものがたり いぬおうのまき 『平家物語 犬王の巻』は、室町時代に世阿弥と人気を分けたとされながら歴史から消えた能役者・犬王を描く『平家物語』異聞です。河出文庫版の紹介では、犬王と盲目の琵琶法師・友魚の友情が、新しい芸能を生み出していく筋立てとして示されています。古典の再話でありながら、身体、芸能、名を残すことと消されることを問…
- 520 2017 小指が燃える こゆびがもえる 2017年8月に文藝春秋から刊行された作品集。NDLで収録作「沈黙のなかの沈黙」「小指が燃える」を確認できる。
- 521 2017 あとは野となれ大和撫子 あとはのとなれやまとなでしこ 『あとは野となれ大和撫子』は、中央アジア風の架空国家アラルスタンを舞台に、後宮で育った少女たちが大統領暗殺後の臨時政府を担う長篇です。Books/JPROの内容紹介では、日系孤児ナツキ、政治コースを修了したアイシャ、文化を守ろうとするジャミラらの役割が詳しく示され、政治・技術・文化が絡む群像として読…
- 522 2017 カシス川 カシスがわ 2017年刊。NDLで荻野アンナ著として確認できる。
- 523 2017 切腹考 せっぷくこう NDLサーチで2017年2月刊、文藝春秋、ISBN 978-4-16-390603-4の単行本として確認できる。
- 524 2017 声 こえ 『声』は、小山右人が2017年に刊行した小説です。NDLサーチで、esthetiques刊、ISBN 979-10-95769-17-0、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 525 2017 スイミングスクール 『スイミングスクール』は、高橋弘希が2017年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 526 2017 白磁海岸 『白磁海岸』は、高樹のぶ子が2017年に小学館から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 527 2016 あひる あひる 『あひる』は、文学ムック『たべるのがおそい』創刊号に掲載された表題作に、書き下ろしの「おばあちゃんの家」「森の兄妹」を加えた三篇の作品集です。表題作では、あひるを飼うことになった家族と、学校帰りに集まってくる子どもたちのいる日常が描かれます。何気ない暮らしの安堵に差し込む影や、淡々とした語りの中で露…
- 528 2016 少女は花の肌をむく しょうじょははなのはだをむく 『少女は花の肌をむく』は、朝比奈あすかが少女の身体と成長への違和感を扱う小説として整理できます。花の肌を「むく」という題名は、柔らかさや美しさの裏にある痛みを想起させます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 529 2016 コンテクスト・オブ・ザ・デッド コンテクスト・オブ・ザ・デッド 『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』は、ゾンビが蔓延する世界で文学と出版業界を風刺する長編です。死者が増殖するホラー的な設定の中に、言葉が読まれる文脈や、作品が流通する仕組みへの批評が重ねられます。ジャンル小説の速度とメタフィクション的な笑いを併せ持つ作品です。
- 530 2016 月刊「小説」 げっかんしょうせつ 『月刊「小説」』は、松波太郎が小説という媒体や制度そのものを題名に取り込み、書くことと読むことの場を扱う作品として整理できます。月刊誌のような周期性や掲載の感覚が、文学の生産と消費を意識させます。物語だけでなく、小説が置かれる文芸誌の文脈も読む作品です。
- 531 2016 ヒーロー! ひーろー 『ヒーロー!』は、ヒーローばかの男子と文化系女子がいじめゼロを目指す、痛快学園小説です。ヒーローへの憧れは、学校内の同調圧力やいじめに抗うための言葉として働きます。明るい語りの中に、正義を演じることの難しさと切実さがあります。
- 532 2016 ホモサピエンスの瞬間 ほもさぴえんすのしゅんかん 『ホモサピエンスの瞬間』は、松波太郎が人間を生物種として捉える視野と、個人の瞬間的な感覚を重ねる作品として整理できます。タイトルは、人間であることを大きな分類から眺める一方、生活の一瞬へも焦点を合わせます。既存データには芥川賞候補作とあるが、今回の調査では公式候補出典を確認できていません。
- 533 2016 炎と苗木 田中慎弥の掌劇場 ほのおとなえぎ たなかしんやのてのひらげきじょう 『炎と苗木 田中慎弥の掌劇場』は、毎日新聞出版から刊行された田中慎弥の掌編小説集です。NDLサーチとOpenBDで、「会話」「豊富な涙」「表現の自由」「国防の夜」「書いている、読んでいる」など多数の収録作を確認できます。ごく短い形式の反復によって、日常の違和感、作家としての自己意識、社会的な言葉への…
- 534 2016 異郷の友人 いきょうのゆうじん 『異郷の友人』は、上田岳弘が「異郷」と「友人」という距離のある言葉を結び、共同性と疎外を描く長編として整理できます。見知らぬ場所や社会の中で、友人という関係がどこまで成立するのかが問われます。個人の孤立を、世界の構造へ広げて考える作品です。
- 535 2016 イノセント いのせんと 『イノセント』は、島本理生が無垢さと傷つきやすさをめぐる恋愛・家族の物語として描く長編と整理できます。無垢であることは守られる状態であると同時に、他者に利用されやすい危うさも含みます。親密な関係の中で、自己決定と依存の境界が揺れる作品です。
- 536 2016 イサの氾濫 いさのはんらん 『イサの氾濫』は、木村友祐がイサという人物や存在をめぐる記憶、土地、暴力の広がりを描く短篇集として整理できます。氾濫という語は、抑え込まれたものがあふれ出す感覚を示します。既存データには三島由紀夫賞候補作品を収めるとあるが、今回の調査では公式候補出典を確認できていません。
- 537 2016 壁抜けの谷 かべぬけのたに 『壁抜けの谷』は、山下澄人が壁を抜けるという幻想的な身振りと、谷という地形を組み合わせて描く小説として整理できます。壁は境界を、谷は落ち込みや隔たりを思わせ、人物の身体感覚を通常の現実からずらします。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 538 2016 軽薄 けいはく 『軽薄』は、甥である10代の弘斗と関係を持つ30歳のカナの、破滅的な愛を描く長編です。禁忌の関係を通じて、欲望、孤独、自己破壊が露出します。軽さを意味する題名とは裏腹に、人物の身体と倫理の重さが息苦しく迫る作品です。
- 539 2016 まっぷたつの先生 まっぷたつのせんせい 『まっぷたつの先生』は、木村紅美が教師像や学びの場に裂け目を入れる小説として整理できます。先生というひとつの役割が「まっぷたつ」に割れる題名から、教育、権威、個人の内面の分裂が読み取れます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 540 2016 グローバライズ ぐろーばらいず 『グローバライズ』は、木下古栗がグローバル化する世界の言葉、身体、欲望を奇妙な文体で扱う作品として整理できます。タイトルの綴りや響きそのものが、世界を標準化する力への違和感を含んでいます。実験的な語りを通じて、表現と書く技法の問題が前面に出る作品です。
- 541 2016 小松とうさちゃん こまつとうさちゃん 『小松とうさちゃん』は、絲山秋子が人物の距離感と、うさぎのような柔らかなイメージを組み合わせて描く小説として整理できます。固有名と愛称が並ぶ題名から、親密さとずれたコミュニケーションが立ち上がります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 542 2016 コンビニ人間 コンビニにんげん 36歳未婚の古倉恵子は、大学卒業後も就職せず、同じコンビニで18年間アルバイトを続けている。幼い頃から人と感覚がずれていることを自覚してきた恵子にとって、マニュアルが完備されたコンビニは「普通の人間」を演じられる唯一の場所だった。しかし、婚活目的で店にやってきた皮肉屋の新人男性・白羽の出現により、そ… 第155回 芥川賞
- 543 2016 虫たちの家 むしたちのいえ 『虫たちの家』は、九州の孤島にあるグループホームで、インターネットで傷ついた女性たちが共同生活を送る物語です。家という避難所は、保護の場であると同時に、傷ついた人びとの距離を測り直す場所になります。現代的な孤立とケアの問題を、共同生活の細部から読ませる作品です。
- 544 2016 野良ビトたちの燃え上がる肖像 のらびとたちのもえあがるしょうぞう 『野良ビトたちの燃え上がる肖像』は、格差と貧困の中で生きる人々を描いた長篇です。野良ビトという呼び名は、制度や共同体の外へ押し出された人びとの姿を示します。肖像という形式を通じて、個々の生活と社会の暴力を結びつけて読む作品です。
- 545 2016 大きくなる日 おおきくなるひ 『大きくなる日』は、佐川光晴が子どもの成長と家族の時間を描く小説として整理できます。成長は単に年齢を重ねることではなく、家族や学校の中で自分の場所を見つけ直す経験として描かれます。日常的な出来事を通して、青春と家族の関係を読みやすくたどれる作品です。
- 546 2016 三の隣は五号室 さんのとなりはごごうしつ 『三の隣は五号室』は、ひとつのアパートの部屋に住んだ人々の時間を描く連作長篇です。部屋という固定された場所を軸に、入居者の生活、恋愛、仕事、記憶が時代をまたいで入れ替わります。個人よりも場所の記憶を前に出す構成が読みどころで、淡々とした語りの中に時間の厚みがあります。 第52回 谷崎賞
- 547 2016 しんせかい しんせかい 19歳のスミトは、神戸からフェリーと汽車を乗り継ぎ、北海道の【谷】で脚本家の【先生】が主宰する私塾に二期生として入る。俳優や脚本家を志す年齢も経歴も様々な仲間たちとの共同生活は、しかし稽古よりも、施設造りや農作業、馬の世話といった肉体労働に明け暮れるものだった。倉本聰主宰の富良野塾での著者自身の体験… 第156回 芥川賞
- 548 2016 手のひらの京 てのひらのみやこ 『手のひらの京』は、京都に暮らす奥沢家の三姉妹それぞれの恋愛や仕事、旅立ちを描く長編です。京都という歴史ある街を、観光的な風景ではなく、家族が日々を重ねる生活の場所として扱います。姉妹の視点を通して、土地への愛着と外へ出ていく感覚が並行して描かれます。
- 549 2016 天才 てんさい 『天才』は、田中角栄の一人称で語られる石原慎太郎の政治小説です。実在の政治家の生涯を、本人が語る形式に置き換えることで、戦後政治、権力、地方から中央へ向かう上昇の物語を描きます。史実を素材にしつつ、語りの強さで人物像を押し出す作品です。
- 550 2016 美しい距離 うつくしいきょり 『美しい距離』は、妻の末期がんに寄り添う夫の視点から、死に向かう日常を静かに描く小説です。看病や病院での時間を、劇的な悲嘆ではなく、相手との距離を測り続ける営みとして捉えます。死を前にした夫婦の親密さと孤独を、抑えた語りで読ませる作品です。
- 551 2016 私の消滅 わたしのしょうめつ 『私の消滅』は、中村文則が自己の消滅、記憶、犯罪的な心理の闇を扱う長編です。タイトルの「私」は安定した主体ではなく、記録や他者の視線によって揺らぐ存在として現れます。読者を不安定な意識の中へ引き込み、自己同一性の崩壊を追体験させる作品です。 第26回 ドゥマゴ文学賞
- 552 2016 蠕動で渉れ、汚泥の川を ぜんどうでわたれ、おでいのかわを 『蠕動で渉れ、汚泥の川を』は、17歳の北町貫多が新聞専売所で働く日々を描く長編私小説です。労働の単調さ、貧しさ、屈辱感が、身体を引きずるような題名の感覚と重なります。西村賢太らしい苛立ちと自己嫌悪を、青年期の労働現場から読む作品です。
- 553 2016 夏ならば なつならば 『夏ならば』は、志馬さち子が「早稲田文学」第十次15号(2016年夏)に発表した短篇です。NDLサーチで掲載誌・号数・ページ範囲と責任表示を確認できます。既存収録作『うつむく朝』は文学賞データベースで受賞情報を確認した作品ですが、本作は公的書誌で作者名と掲載媒体を確認できる文芸誌掲載作として収録しま…
- 554 2016 太陽の側の島 たいようのそばのしま 『太陽の側の島』は、戦時中を背景に、女性と兵士の関係を架空の日記や手紙の連なりでたどる中篇。第2回林芙美子文学賞の大賞受賞作として発表され、のちに短篇集『オブジェクタム』に収録された。戦争の記憶、記録の不確かさ、島という隔絶した場所を、SF的・幻想的な想像力で結びつける作品として位置づけられる。 第2回 林芙美子賞
- 555 2016 かがやき かがやき 『かがやき』は、馳平啓樹が『文學界』2016年1月号に発表した作品で、2019年刊の初作品集の表題作です。Books出版書誌データベースでは、2011年に文學界新人賞を受賞し、兼業作家として創作活動を続けてきた馳平の初作品集として紹介されています。単行本には表題作のほか「梨の味」「クチナシ」「きんの…
- 556 2016 キャピタル きゃぴたる 文藝春秋公式で2017年3月刊、初版奥付2017年3月10日、ISBN 978-4-16-390610-2を確認できる芥川賞候補作。
- 557 2016 花の守 はなのもり 『花の守』は、杉本裕孝が第120回文學界新人賞受賞後に発表した第一作として「文學界」2016年2月号に掲載された作品です。文藝春秋公式の号ページとNDLサーチで、掲載誌・発行年月・受賞第一作表記を確認できます。
- 558 2016 市街戦 しがいせん 『市街戦』は、砂川文次のデビュー作であり、第121回文學界新人賞受賞作です。NDLサーチでは『文學界』2016年5月号掲載、文藝春秋公式ページでは後年の単行本『戦場のレビヤタン』に著者デビュー作として併録されたことを確認できます。公開されている出版社・書誌情報だけでは単独作品としての詳しい梗概までは… 第121回 文學界新人賞
- 559 2016 人生のアルバム じんせいのあるばむ 『人生のアルバム』は、『文學界』2016年5月号に第121回文學界新人賞受賞作として掲載された渡辺勝也のデビュー作。人生をアルバムのような記録として捉える既存梗概に沿い、記憶と現在の関係を扱う作品として整理した。公式・公的書誌では受賞と掲載情報は確認できるが、本文内容や選評本文の詳細は未確認である。 第121回 文學界新人賞
- 560 2016 アジアの純真 あじあのじゅんしん 『アジアの純真』は、「群像」2016年8月号の「アンソロジー マイソング」欄に掲載された横山悠太の作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲を確認できます。公開Webで出版社公式の号ページや内容紹介を確認できなかったため、題名から主題や舞台を推測しない形で登録します。
- 561 2016 ジニのパズル じにのぱずる オレゴン州の高校を退学になりかけているジニは、ホームステイ先で出会ったステファニーに、5年前の東京で起きた出来事を語り始めます。日本の小学校から朝鮮学校へ移ったジニは、朝鮮語ができないまま居場所を探し、二つの言語と複数の帰属の間で自分の輪郭を問い続ける。1998年のテポドン発射翌日にチマ・チョゴリ姿… 第59回 群像新人賞
- 562 2016 青が破れる あおがやぶれる ボクサーになりたいがなれない青年・秋吉を中心に、恋愛、友人関係、死の予感が交錯する青春小説。ジムでのスパーリングや不倫関係、病床の友人の恋人への見舞いを通じて、若者たちの不安定な生が描かれる。短い枚数の中で、身体の衝動と喪失感を結びつけるデビュー作。 第53回 文藝賞
- 563 2016 五つ星をつけてよ いつつぼしをつけてよ 『五つ星をつけてよ』は、奥田亜希子が2016年10月に新潮社から刊行した連作集です。ディスプレイに並ぶ口コミの星や「いいね!」を手がかりに、服や家電だけでなく人間関係まで選ぼうとする人々を描きます。ブログ、SNS、写真共有サイトなど、手のひらサイズのインターネットが知らず知らずに心と心の距離を伸び縮…
- 564 2016 愛の単離 あいのたんり 『愛の単離』は、「すばる」2016年12月号に掲載された竹林美佳の小説です。NDLサーチでは同号54-91ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録します。
- 565 2016 そういう生き物 そういういきもの 薬剤師の千景とスナック勤めのまゆ子は、高校の同級生として10年ぶりに再会し、思いがけず一緒に暮らし始めます。二人が心に秘めてきた過去を軸に、愛と性、心と体が思いどおりにならない感覚を描く作品です。再会と共同生活の静かな場面から、親密さの難しさと身体の記憶が浮かび上がります。 第40回 すばる文学賞
- 566 2016 えん えん 『えん』は、第40回すばる文学賞佳作として『すばる』2016年11月号に掲載されたふくだももこの作品。既存梗概では、人と人のつながりを主題に、映画監督志望の著者らしい映像的な感性が文体に表れたデビュー作として整理されている。NDLサーチで受賞区分・掲載誌・ページ範囲は確認できるが、公式の詳細梗概や選…
- 567 2016 似非りんご味 えせりんごあじ 『似非りんご味』は、「新潮」2016年10月号に掲載された高橋有機子の小説です。新潮社バックナンバーでは、新潮新人賞受賞第一作として掲載され、りんごの「本当の味」を知ってしまった人物と、偽物かもしれない友情をめぐる作品として紹介されています。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ…
- 568 2016 二人組み ふたりぐみ 『二人組み』は、鴻池留衣のデビュー作で、第48回新潮新人賞受賞作。新潮社の『ナイス・エイジ』書籍ページでは、啓蒙欲と性欲をこじらせた男子中学生が暴走する作品として収録紹介されている。同ページ掲載の倉本さおり書評は、ほとんど返答しない女子生徒を前に主人公の饒舌が上滑りし、言葉と関係性の不気味で滑稽な姿… 第48回 新潮新人賞
- 569 2016 縫わんばならん ぬわんばならん 九州長崎の漁村の島を舞台に、一族をめぐる四世代の来歴を女性の語りで編む作品。ほころびていく意識から湧き出る声を拾い、記憶の断片を縫い合わせるように家族史を立ち上げる。方言と声の流れが、過去・記憶・語り継ぎの主題を支えている。島の生活と老いの身体感覚が、個人史を超えた時間の厚みを生む。 第48回 新潮新人賞
- 570 2016 伯爵夫人 はくしゃくふじん 帝大入試を控えた二朗が謎めいた伯爵夫人に誘われ、性の昂ぶりと戦争前夜の不穏な空気に巻き込まれていく長篇。伯爵夫人、従妹、和製ルイーズ・ブルックスら魅力的な女性たちが二朗を挑発し、個人の感情教育と時代の破滅が交錯する。エロス、映画的記憶、戦争の気配が入れ子状に重なる作品である。 第29回 三島賞
- 571 2016 カブールの園 かぶーるのその 日系アメリカ人三世の女性が、IT企業を立ち上げた友人とヨセミテへ向かい、日系人強制収容所の記憶に触れていく表題作を中心とする作品集。移民、戦争の記憶、アメリカ社会の周縁に置かれた人々を、作者らしい構成意識で扱う。収録作「半地下」とあわせ、越境するアイデンティティと継承されにくい記憶が主題となる。 第30回 三島賞
- 572 2016 のろい男 俳優・亀岡拓次 のろいおとこ はいゆう かめおかたくじ 脇役俳優・亀岡拓次を主人公にした連作短篇集で、全国のロケ地を転々としながら仕事相手との淡い縁を紡ぐ日々を描く。続編として、職業俳優の孤独、現場ごとの仮のつながり、生活の滑稽さが積み重なる。諦観とユーモアを交え、主役ではない人物の時間を照らす作品。 第38回 野間新人賞
- 573 2016 本物の読書家 ほんものの どくしょか 『本物の読書家』は、書物への耽溺、言葉の探求、読むことへの畏怖をめぐる中編二作を収める作品集。表題作では、老人ホームへ向かう大叔父と同行する語り手が、川端康成からの手紙の噂と車内で出会う謎めいた読書家を通じて、読書と記憶の秘密に巻き込まれる。もう一編「未熟な同感者」では文学講義、引用、師弟関係が絡み… 第40回 野間新人賞
- 574 2016 リリース りりーす 古谷田奈月の光文社刊単行本。NDLサーチで2016年10月の単行本と2018年光文社文庫版を確認。
- 575 2016 ビビビ・ビ・バップ びびびびばっぷ 『ビビビ・ビ・バップ』は、奥泉光が2016年に講談社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 576 2016 浮遊霊ブラジル ふゆうれいぶらじる 『浮遊霊ブラジル』は、表題作を含む短篇集です。死後にブラジルへ行きたい浮遊霊、日常の中で少しずつ位置をずらされる人々、老いや孤独を抱える人物たちが、奇妙さと生活感のあいだで描かれます。現実のすぐ横にある別の通路を、津村記久子らしい平明な語りで開く一冊です。 第27回 紫式部文学賞
- 577 2016 彼女がエスパーだったころ かのじょがえすぱーだったころ 『彼女がエスパーだったころ』は、百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療など、科学では扱いきれないとされる超常現象を題材にした短篇集です。講談社公式ページでは、進化、科学、未来を問い直し、超常現象を通して人間を再発見する作品として紹介されている。SF的な思考実験を、信仰、疑似科学、認識の揺らぎへ…
- 578 2016 模範郷 もはんきょう Books/JPROは「故郷」という日本語を知らなかった語り手が、半世紀ぶりに故郷・台湾を訪れる時の旅人の物語として紹介している。NDLで2016年集英社単行本、2019年集英社文庫版をNDC 913.6として確認。
- 579 2016 理由はたぶんカピバラと同じ りゆうはたぶんかぴばらとおなじ 『理由はたぶんカピバラと同じ』は、黒名ひろみが「すばる」2016年7月号に発表した短篇です。NDLサーチで、特集「読む温泉」掲載の雑誌記事として確認できます。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は初出情報に限定します。
- 580 2016 活版印刷三日月堂 : 星たちの栞 かっぱんいんさつみかづきどう ほしたちのしおり 『活版印刷三日月堂 : 星たちの栞』は、萩山綾音名義で群像新人文学賞優秀作となった作家が、ほしおさなえ名義で2016年にポプラ社から刊行した小説です。NDLサーチで、著者名、出版社、刊行年、ISBN、NDC 913.6を確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、作品内容の説…
- 581 2016 オライオン飛行 『オライオン飛行』は、高樹のぶ子が2016年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 582 2016 人の樹 『人の樹』は、村田喜代子が2016年に潮出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 583 2016 焼野まで 『焼野まで』は、村田喜代子が2016年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 584 2016 その姿の消し方 そのすがたのけしかた 『その姿の消し方』は、詩や書物をめぐる記憶を追いながら、誰かの姿が時間のなかへ消えていく過程を静かにたどる作品です。堀江敏幸らしい精密な文体で、風景、読書、翻訳的な感覚が重なり合う。筋の強さよりも、痕跡を見つめるまなざしと文章の陰影が読みどころです。 第69回 野間文芸賞
- 585 2016 土の記 つちのき 『土の記』は、老いた農夫の暮らし、妻の死、土地に刻まれた時間を通して、生と死が折り重なる場所を描く長篇です。農作業や土の手触りは、個人の老いだけでなく、震災後の日本の時間とも響き合う。高村薫の社会性と宗教的な思索が、生活の細部へ沈み込む作品です。 第70回 野間文芸賞
- 586 2015 愛のようだ あいのようだ 『愛のようだ』は、長嶋有が「愛」と断言しきれない関係の曖昧さを描く長篇です。題名の「ようだ」は、感情を確定せず、似ているもの、ずれているものとして捉える姿勢を示します。軽やかな語りのなかに、親密さの不確かさが残る作品です。
- 587 2015 愛と人生 あいとじんせい 『愛と人生』は、映画『男はつらいよ』の世界を下敷きに、かつて子役として出演した青年を描く滝口悠生の長篇です。映画の記憶と現実の生活が重なり、個人の人生が既存の物語にどう影響されるかが問われます。軽やかな語りの奥で、愛と人生という大きな言葉を日常へ引き戻す作品です。 第37回 野間新人賞
- 588 2015 あこがれ あこがれ 『あこがれ』は、小学生の麦彦とヘガティーの友情と淡い憧れを描く川上未映子の連作長篇です。子どもの視点を通じて、名前、身体、家族への違和感が瑞々しく描かれます。明るい成長物語であると同時に、他者になりたい気持ちの切実さを読む作品です。
- 589 2015 あなたが消えた夜に あなたがきえたよるに 『あなたが消えた夜に』は、連続通り魔殺人事件を追う二人の刑事の視点が交錯する中村文則の長篇です。事件の真相を追うミステリー的構造のなかで、暴力、記憶、加害と被害の境界が揺らぎます。暗い犯罪小説の形を取りながら、人間の空洞を覗き込む作品です。
- 590 2015 繭 まゆ 『繭』は、青山七恵が閉じた空間や保護される感覚を手がかりに、女性の内面を描く小説として整理できます。繭は守るものでもあり、外へ出る前の窮屈な状態でもあります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 591 2015 あの子が欲しい あのこがほしい 『あの子が欲しい』は、朝比奈あすかが子どもや他者への欲望をめぐる感情を描く小説として整理できます。題名の「欲しい」は、愛情、羨望、所有の境界を曖昧にします。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 592 2015 自画像 じがぞう 『自画像』は、朝比奈あすかが自己像と他者からの視線をめぐる不安を描く小説として整理できます。自画像は自分を描く行為であると同時に、見られる自分を作る行為でもあります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 593 2015 天使はここに てんしはここに 『天使はここに』は、朝比奈あすかが救いを求める人物たちの孤独を描く小説として整理できます。天使という言葉は超越的な存在であると同時に、身近な誰かへの希望にも読めます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 594 2015 ボーイミーツガールの極端なもの ぼーいみーつがーるのきょくたんなもの 『ボーイミーツガールの極端なもの』は、恋愛物語の定型を極端化して見直す山崎ナオコーラの小説として整理できます。出会いの物語は、男女の役割や恋愛の約束事をそのまま受け入れず、距離を置いて眺め直されます。軽やかな題名の奥に、ジェンダーと関係性への批評がある作品です。
- 595 2015 痴者の食卓 ちしゃのしょくたく 『痴者の食卓』は、西村賢太が食卓という生活の場に、屈辱や欲望、関係のこじれを持ち込む小説として整理できます。食べる場は穏やかな家庭の象徴ではなく、人物の弱さや執着が露出する場所になります。私小説的な語りで、生活の荒れと孤立を読ませる作品です。
- 596 2015 電車道 でんしゃみち 『電車道』は、磯﨑憲一郎が移動、時間、反復をめぐって構成する長篇です。電車の軌道は、予想できる進行であると同時に、思いがけない記憶や時代の反復を呼び込みます。刊行記念インタビューの題名にもあるように、時代を超えて繰り返されるものを読む作品です。
- 597 2015 動物記 どうぶつき 『動物記』は、高橋源一郎が動物という他者を通じて、人間社会や言葉のあり方を問い直す小説として整理できます。動物はかわいらしい存在ではなく、人間中心の物語をずらす視点として現れます。寓話と批評が交差する作品です。
- 598 2015 エピローグ えぴろーぐ 『エピローグ』は、円城塔が物語の終わりのあとを起点にするSF的・実験的長篇です。終わったはずの物語が、情報や言語の連鎖としてなお続く構造を持ちます。題名と逆向きに、終わりから世界を組み立てる読み味が特徴です。
- 599 2015 プロローグ ぷろろーぐ 『プロローグ』は、円城塔が物語の始まりをめぐって、言語と構造を実験する長篇です。始まりの前提が揺らぐことで、読者は物語がどう発生するのかを読むことになります。『エピローグ』と対になる題名も含め、メタフィクション的に楽しめる作品です。
- 600 2015 シャッフル航法 しゃっふるこうほう 『シャッフル航法』は、円城塔が航法や移動のイメージを、情報の組み替えと結びつける作品集として整理できます。シャッフルという語が示すように、順序や因果は固定されず、読者は断片の配置をたどることになります。SF的な発想と実験的文体が前面に出る作品です。
- 601 2015 復讐屋成海慶介の事件簿 ふくしゅうやなるみけいすけのじけんぼ 『復讐屋成海慶介の事件簿』は、原田ひ香が復讐を請け負う人物を軸に、事件と人間関係を描く小説として整理できます。復讐は単なる解決ではなく、依頼者や加害者の生活のゆがみを浮かび上がらせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 602 2015 学校の近くの家 がっこうのちかくのいえ 『学校の近くの家』は、青木淳悟が学校と家という近接した場所から、子どもや地域の記憶を描く小説として整理できます。近いはずの場所同士の間に、共同体の視線や距離が生まれます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 603 2015 ギリギリ ぎりぎり 『ギリギリ』は、原田ひ香が生活の余裕のなさや、関係の危うい境界を描く小説として整理できます。題名は金銭、時間、感情のいずれも限界に近い状態を示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 604 2015 薄情 はくじょう 『薄情』は、群馬の地方都市に生きる男を通して、土地への愛着と冷淡さを描く絲山秋子の長篇です。故郷や人間関係は温かいものとしてだけでなく、切り捨てたり距離を置いたりするものとして現れます。地方の生活感と、人の薄情さを見つめる乾いた文体が読みどころです。 第52回 谷崎賞
- 605 2015 反人生 はんじんせい 『反人生』は、山崎ナオコーラが「人生を作る」という発想そのものから距離を取る小説です。社会が求める進路や物語化された生き方に対し、人物は別の速度で存在しようとします。人生を肯定的に組み立てる物語への違和感を、軽やかな語りで扱う作品です。
- 606 2015 火花 ひばな 売れない若手漫才師の徳永は、熱海の花火大会の営業で出会った先輩芸人・神谷の才能と破天荒な生き方に惹かれ、弟子にしてほしいと申し出る。神谷の伝記を書くという条件で交流が始まり、二人は東京の街を飲み歩きながら笑いの本質をめぐる対話を重ねていく。やがて徳永のコンビは少しずつ世に出る一方、笑いに純粋すぎる神… 第153回 芥川賞
- 607 2015 キッチン戦争 きっちんせんそう 『キッチン戦争』は、樋口直哉が料理や台所をめぐる場所から、人間関係や労働の摩擦を描く小説として整理できます。キッチンは家庭的な空間であると同時に、技術、役割、競争が生じる戦場にもなります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 608 2015 院内カフェ いんないかふぇ 『院内カフェ』は、中島たい子が病院内のカフェという場から、病やケア、日常の会話を描く小説として整理できます。病院という非日常の空間に、カフェのような日常的な場所が挟まることで、人と人の距離が変わります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 609 2015 異類婚姻譚 いるいこんいんたん 結婚して4年になる専業主婦の「私」は、家ではテレビとゲームに没頭するだけの夫と、波風のない生活を送っている。ある日ふと、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づいた「私」。やがて夫の顔は緩み、溶け、人間の形を失っていくように見え始める。捨てられた飼い猫の行方や、揚げ物に異常に執着する夫の変容… 第154回 芥川賞
- 610 2015 ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス 『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』は、滝口悠生が音楽の名を冠した表題作を中心に、記憶と現在のずれをたどる作品です。固有名や文化的記憶が、人物の生活感覚に入り込み、出来事を一直線の筋ではなく断片的な時間として浮かび上がらせます。日常の会話や回想の揺れから、過去を語り直すことの不確かさを読む小説で…
- 611 2015 可愛い世の中 かわいいよのなか 『可愛い世の中』は、山崎ナオコーラが「可愛い」という価値観を手がかりに、現代社会の人間関係や自己像を見直す小説として整理できます。可愛さは肯定的な魅力である一方、他者の視線や消費されるイメージにもつながります。軽やかな題名の奥で、ジェンダー、言葉、同調圧力の関係が立ち上がる作品です。
- 612 2015 持たざる者 もたざるもの 『持たざる者』は、震災後の不安の中で、東京を離れる者と残る者、四人の男女の選択を描く長編です。生活の基盤、愛情、経済的な余裕を「持つ/持たない」という感覚が、人物たちの関係を揺らします。社会の大きな不安を、恋愛や家族、都市での暮らしの手ざわりから読む作品です。
- 613 2015 無銭横町 むせんよこちょう 『無銭横町』は、西村賢太が北町貫多の生活、金銭、鬱屈を私小説的に描く作品集として整理できます。横町という場は、貧しさや人づきあいの狭さを抱えた生活圏として機能します。金のなさ、怒り、屈辱を乾いた語りで押し出すところに読みどころがあります。
- 614 2015 暗号のポラリス あんごうのぽらりす 『暗号のポラリス』は、中山智幸が暗号と北極星のイメージを重ね、読解や方角をめぐる物語として構成した作品と整理できます。暗号は言葉の届かなさを、ポラリスは迷った先の指標を示す題名です。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 615 2015 ペンギンのバタフライ ぺんぎんのばたふらい 『ペンギンのバタフライ』は、中山智幸が異質なものの組み合わせから想像力を広げる小説として整理できます。飛べない鳥であるペンギンと、羽ばたく蝶の対比が、変身や移動への願望を思わせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 616 2015 夏の裁断 なつのさいだん 『夏の裁断』は、執筆を辞めた女性小説家のもとに若い男性が現れ、破綻した恋愛が始まる長編です。書くことを断った人物が、恋愛や身体の関係を通じてもう一度言葉に絡め取られていきます。夏の熱と「裁断」という語の冷たさが、恋愛の高揚と自己破壊の感覚を並置しています。
- 617 2015 ネンレイズム/開かれた食器棚 ねんれいずむ/ひらかれたしょっきだな 『ネンレイズム/開かれた食器棚』は、山崎ナオコーラが年齢や生活道具をめぐる価値観を問い直す小説集として整理できます。年齢に付随する役割や、食器棚のような身近な場所にしまわれた日常が、人物の自己像を形づくります。軽い語り口の奥に、社会の分類に回収されない生き方への関心があります。
- 618 2015 残された者たち のこされたものたち 『残された者たち』は、過疎の集落・潮の浦の分校を舞台に、代用教員アンナと生徒たちの日常をユーモラスに描く文庫オリジナル作品です。小さな共同体に残る人びとの生活から、地方、教育、記憶の問題が見えてきます。大きな事件よりも、場に残る声や関係の細部を読む作品です。
- 619 2015 オールド・テロリスト オールド・テロリスト 『オールド・テロリスト』は、村上龍が老い、暴力、国家への不信を結びつけて描く長編です。高齢者たちの怒りが社会への攻撃として噴出する設定により、希望のなさと政治的な閉塞が前景化します。エンターテインメントの速度を持ちながら、老いと社会の断絶を問う作品です。
- 620 2015 パノララ パノララ 『パノララ』は、柴崎友香が視線、場所、移動の感覚を広く開く長編です。タイトルはパノラマ的に広がる世界と、どこか音のずれた感覚を同時に含んでいます。人物の移動や会話を通して、都市と記憶の見え方が少しずつ変わる作品です。
- 621 2015 宰相A さいしょうエー 『宰相A』は、「平和主義」を掲げる独裁国家と化したもう一つの日本に迷い込んだ小説家Tを描くディストピア長編です。政治的な言葉が現実を覆い隠す世界で、作家の存在と語ることの意味が問われます。架空社会を通じて、権力、同調、文学の無力さを読む作品です。
- 622 2015 三人屋 さんにんや 『三人屋』は、三姉妹が時間帯ごとに異なる業態で営む店をめぐる連作短篇集です。同じ場所が朝、昼、夜で別の顔を持つことで、家族と労働、店に集まる人びとの関係が浮かび上がります。食と商いの場を通じて、日常の孤独や再出発を軽やかに読ませる作品です。
- 623 2015 スクラップ・アンド・ビルド スクラップ・アンド・ビルド 無職で資格試験の勉強と転職活動を続ける28歳の健斗は、母と、87歳の祖父との三人暮らし。「早う死にたか」と口癖のように繰り返す祖父に対し、健斗は介護職の友人の助言をひねって解釈し、あえて何もかも世話を焼いて自立の機会を奪う「足し算の介護」によって、祖父の望む穏やかな死を後押ししようと思い立つ。同時に… 第153回 芥川賞
- 624 2015 死んでいない者 しんでいないもの 秋のある日、大往生を遂げた85歳の男の通夜に、子や孫、ひ孫まで30人ほどの親族が集まってくる。通夜振る舞いの席で酒を酌み交わす者、川辺をさまよう者、初めて会う親戚と言葉を交わす少年少女。語りは特定の人物に留まらず、出席者から出席者へと自在に移りながら、故人の記憶と一族それぞれの来し方、共有しえない日… 第154回 芥川賞
- 625 2015 心臓異色 しんぞういしょく 『心臓異色』は、中島たい子が身体の違和感と人間関係のずれを扱う小説として整理できます。心臓という生命の中心と、「異色」という言葉が、普通であることから外れる感覚を示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 626 2015 消滅世界 しょうめつせかい 『消滅世界』は、人工授精が発達し、夫婦間のセックスが近親相姦のようにタブー視されるもう一つの日本を描く長編です。主人公・雨音は、父母の性行為によって生まれたことを抱えながら、セックスのない清潔な家族を作ろうとします。やがて夫の朔とともに実験都市「楽園」へ移り、家族によらない繁殖システムと向き合うこと…
- 627 2015 水死人の帰還 すいしにんのきかん 『水死人の帰還』は、小野正嗣が死者、記憶、土地の声をめぐって描く小説として整理できます。水死人という存在は、失われたものが共同体へ戻ってくる不穏な気配を帯びています。生と死の境目を揺らしながら、地方の場所に残る記憶を読む作品です。
- 628 2015 匿名者のためのスピカ とくめいしゃのためのすぴか 『匿名者のためのスピカ』は、島本理生が名前を持たない/名乗れない存在へのまなざしを扱う小説として整理できます。スピカという星の名は、匿名性の闇の中にある小さな指標のように働きます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 629 2015 匿名芸術家 とくめいげいじゅつか 『匿名芸術家』は、青木淳悟が芸術家の名、作品、評価の仕組みをめぐって実験的に書く小説です。匿名性は作者の消去であると同時に、芸術と制度の関係を露出させる装置になります。物語を読むだけでなく、作品が「芸術」として扱われる条件を考えさせる作品です。
- 630 2015 鳥の会議 とりのかいぎ 『鳥の会議』は、山下澄人が鳥という非人間的な視点や集まりのイメージを通して、人間の言葉と身体をずらして描く作品として整理できます。会議という形式は共同性を示す一方、意味が共有されない不穏さも帯びています。断片的な語りと身体感覚から、日常の秩序が崩れる感触を読む小説です。
- 631 2015 虚ろまんてぃっく うつろまんてぃっく 『虚ろまんてぃっく』は、吉村萬壱が恋愛や欲望のロマンティックな外形を、空虚さや不穏さへずらして描く作品として整理できます。題名のひらがな表記は、甘さと不気味さが同居する感触を生みます。身体、性、孤立をめぐる違和感が、読後にざらつきを残す小説です。
- 632 2015 ウォーク・イン・クローゼット ウォーク・イン・クローゼット 『ウォーク・イン・クローゼット』は、綿矢りさが衣服、部屋、自己像をめぐる女性の感覚を描く小説です。クローゼットは外に見せる姿を準備する場所であり、同時に隠しておきたい自分をしまう場所でもあります。親密さと自意識の揺れを、軽やかで鋭い語りで読ませる作品です。
- 633 2015 私の恋人 わたしのこいびと 『私の恋人』は、クロマニョン人以来、転生を繰り返してきた「私」が人類史と恋を語る長編です。個人の恋愛が、文明、歴史、身体の記憶へと拡張される点に特徴があります。時間のスケールを大きく動かしながら、「私」と「恋人」という近い言葉を問い直す作品です。 第28回 三島賞
- 634 2015 次ぎの人 つぎのひと 『次ぎの人』は、第1回林芙美子文学賞受賞作として『婦人公論』に掲載された井岡道子の作品。NDLサーチで掲載誌・ページ範囲を確認でき、同じ検索結果から井岡が2025年に『麝香豌豆』を刊行していることも確認できる。公開資料では内容紹介が乏しいため、現時点では受賞・掲載情報を中心に扱う。 第1回 林芙美子賞
- 635 2015 うつむく朝 うつむくあさ 『うつむく朝』は、嶋幸子が第1回林芙美子文学賞で佳作に選ばれた作品です。現時点で確認できるウェブ資料は賞一覧データに限られ、単行本化や初出本文、梗概は確認できません。作品内容を推測せず、林芙美子文学賞の初回選考で評価された短篇として記録します。
- 636 2015 ものかげの雨 ものかげのあめ 『ものかげの雨』は、第1回林芙美子文学賞佳作の表題作を含む高倉やえの短篇集です。Books.or.jpの内容紹介では、老いを底に置きながら、人の悲喜や心の機微を、ときにユーモラスに、ときに官能的に描く作品集として紹介されている。通訳者としての経歴を持つ著者の晩年デビュー作として、人生経験の陰影を短篇…
- 637 2015 雪の朝 ユキ ノ アサ 角川文化振興財団から2015年に刊行された高倉やえの未収録単著。
- 638 2015 朝霧のテラ あさぎりのてら 『朝霧のテラ』は、前田隆壱が第117回文學界新人賞受賞後に発表した第一作として「文學界」2015年5月号に掲載された作品です。文藝春秋公式の号ページとNDLサーチで、掲載誌・発行年月・受賞第一作表記を確認できます。
- 639 2015 声がわり こえがわり 『声がわり』は、板垣真任が第119回文學界新人賞受賞後に発表した第一作として「文學界」2015年6月号に掲載された作品です。文藝春秋公式の号ページとNDLサーチで、掲載誌・発行年月・受賞第一作表記を確認できます。
- 640 2015 サバイブ さばいぶ 『サバイブ』は、第120回文學界新人賞受賞作として「文學界」2015年6月号に掲載された加藤秀行の作品です。文学賞データベースで受賞・掲載誌と、文藝春秋刊『シェア』への収録を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は保留します。
- 641 2015 シェア しぇあ 『シェア』は、加藤秀行が「サバイブ」での文學界新人賞受賞後に発表した第一作として「文學界」2015年10月号に掲載された作品です。文藝春秋公式の紹介では、IT企業やシェアハウスを題材に、同時代的な生活空間の奥にある感触へ迫る作品として紹介されています。
- 642 2015 ヴェジトピア ゔぇじとぴあ 『ヴェジトピア』は、第120回文學界新人賞受賞作として「文學界」2015年6月号に掲載された杉本裕孝の作品です。文学賞データベースで、受賞作名・著者名・掲載誌を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や舞台を推測しない形で登録します。 第120回 文學界新人賞
- 643 2015 十七八より じゅうななはちより 塾講師として働く作者の経験も背景に、十代後半の言葉やリズムをすくい取るデビュー作。若者の会話や身振りを手がかりに、青春の不安定さと都市生活の距離感を描く。のちの乗代作品につながる、観察と文体への関心が見える作品として位置づけられる。 第58回 群像新人賞
- 644 2015 ドール どーる 自分だけの特別な人形を手に入れたいと思う少年の衝動を軸に、性と闇を描く作品。少年の内面にある欲望や不快感を直視し、読者を落ち着かない心理の流れへ引き込む。人形という対象を通じて、身体と所有、成長期の暴力性が浮かび上がる。出版社紹介でも、不穏な少年の衝動を前面に出したデビュー作として位置づけられている… 第52回 文藝賞
- 645 2015 地の底の記憶 ちのそこのきおく 電波塔に見守られる架空の町を舞台に、百年を超える時間をたどる壮大なデビュー作。ラピス・ラズリ、電波、川の流れといったモチーフが、町と人物の記憶を深い層へ導く。現実と非現実、過去と現在が交錯する長い時間の物語として読むことができる。架空の町の歴史を掘り下げる構成が、記憶そのものの地層を読む感覚を生む。 第52回 文藝賞
- 646 2015 海の絵 うみのえ 『海の絵』は、「すばる」2015年9月号に掲載された高橋陽子の小説です。NDLサーチでは同号52-89ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchでも作品名・著者名・掲載誌が確認できます。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録…
- 647 2015 透明人間は204号室の夢を見る とうめいにんげんは204ごうしつのゆめをみる 2015年刊の単著。2020年に集英社文庫版も確認できる。
- 648 2015 この膜の奥 このまくのおく 『この膜の奥』は、「すばる」2015年9月号に掲載された足立陽の小説です。NDLサーチでは同号90-132・135-143ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心…
- 649 2015 温泉妖精 おんせんようせい 『温泉妖精』は、第39回すばる文学賞受賞作として「すばる」2015年11月号に掲載された黒名ひろみの作品です。文学賞データベースで、受賞・掲載誌・2016年2月の集英社刊行を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や舞台を推測しない形で登録します。 第39回 すばる文学賞
- 650 2015 地に満ちる ちにみちる 『地に満ちる』は、竹林美佳の第39回すばる文学賞佳作です。自らの過失で子を亡くしたカナが、離婚、不眠、睡眠セラピー、人工授精技師としての仕事を抱えながら生きる姿を描きます。喪失と生殖医療の精密な描写が交差し、壊れた内面と職能の冷静さが同居する点に緊張があります。
- 651 2015 恐竜たちは夏に祈る きょうりゅうたちはなつにいのる 『恐竜たちは夏に祈る』は、第47回新潮新人賞受賞作として「新潮」2015年11月号に掲載された高橋有機子の作品です。新潮社公式の過去の受賞作品一覧で、作品名・著者名を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や人物設定を推測しない形で登録します。 第47回 新潮新人賞
- 652 2015 女たち三百人の裏切りの書 おんなたちさんびゃくにんのうらぎりのしょ 『源氏物語』が世に広まって約百年後、紫式部が怨霊として蘇り、宇治十帖の真の姿を語り出すという構想の長篇。改竄された物語、語り手と読み手、女たちの策略が絡み合い、物語そのものが時代を動かす力として描かれる。古典の読み替えであり、物語を享受することへの壮大な問い直しでもある。 第37回 野間新人賞
- 653 2015 この世にたやすい仕事はない このよにたやすいしごとはない 『この世にたやすい仕事はない』は、燃え尽きて前職を辞めた女性が、職業相談員に紹介されるまま、少し変わった仕事を渡り歩く連作長篇です。監視する仕事、バスの広告を考える仕事、米菓の袋に入れる文章を書く仕事など、一見たやすそうな職場ほど、社会の仕組みや人の欲望が不思議なかたちで入り込んできます。労働小説で… 第66回 芸術選奨新人賞
- 654 2015 生鮮てるてる坊主 せいせん てるてる ぼうず 『生鮮てるてる坊主』は、山田詠美の短篇集『珠玉の短編』に収められた川端康成文学賞受賞作です。講談社の紹介・レビューでは、エロスとグロテスクを絡めた技巧的な短篇として扱われ、短篇集全体の濃密な読み味を代表する作品に位置づけられています。身体感覚や欲望が不穏な比喩へ反転していく、山田詠美らしい文体の強度… 第42回 川端賞
- 655 2015 シャッター通りに陽が昇る シャッタードオリ ニ ヒ ガ ノボル 集英社文庫から2015年に刊行された単著。
- 656 2015 悲しみと無のあいだ かなしみとむのあいだ 2015年7月に文藝春秋から刊行された作品集。NDLで収録作「愛撫、不和、和解、愛撫の日々」「悲しみと無のあいだ」を確認できる。
- 657 2015 電気作家 でんきさっか 2015年刊。NDLで単著として確認できる。
- 658 2015 ニューカルマ にゅーかるま 『ニューカルマ』は、勤務先でリストラが始まる不安の中、大学時代の友人からネットワークビジネスに勧誘されたユウキを描く長篇です。副業のつもりで入会した主人公が、会員を増やす快感と周囲の冷たい視線の間で次第にビジネスへ沈み込んでいきます。労働不安、承認欲求、成功への誘惑が結びつく、都市の若者をめぐる社会…
- 659 2015 呪文 じゅもん 『呪文』は、星野智幸が2015年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 660 2015 禁断のスカルペル 『禁断のスカルペル』は、久間十義が2015年に日本経済新聞出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 661 2015 朝顔の日 『朝顔の日』は、高橋弘希が2015年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 662 2015 八幡炎炎記 『八幡炎炎記』は、村田喜代子が2015年に平凡社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 663 2015 冥途あり めいどあり 『冥途あり』は、家族の記憶や土地の感触を手がかりに、生者と死者の距離を静かにたどる長篇です。長野まゆみの幻想性は、派手な異界ではなく、日常のすぐ隣にある冥界の気配として現れる。言葉の選び方と空気の薄さが、死と記憶の主題を繊細に支えています。 第68回 野間文芸賞
- 664 2014 瀬戸内海賊物語 : ぼくらの宝を探せ! せとうちかいぞくものがたり ぼくらのたからをさがせ NDLとBooks/JPROで2014年4月刊、静山社、ISBN 978-4-86389-276-7の図書として確認。黒田晶本人(1977年生)の共著で、翻訳者・黒田晶子の同名ノイズとは別。
- 665 2014 A えー 『A』は、中村文則が匿名性、犯罪、倫理の境界を扱う作品集として整理できます。アルファベット一文字の題名は、固有名を失った人物や出来事の不気味さを示します。公開資料では収録作の細部を十分に確認できていないため、書誌と掲載レコードに基づく暫定的な紹介です。
- 666 2014 風 かぜ 『風』は、青山七恵が移ろいやすい感情や生活の変化を、静かな文体で扱う小説として整理できます。風という題名は、人物の内面を直接説明するよりも、周囲の空気や関係の揺れとして読ませます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 667 2014 不自由な絆 ふじゆうなきずな 『不自由な絆』は、朝比奈あすかが人と人を結ぶ関係の重さを描く小説として整理できます。絆は美しいつながりではなく、家族や友人関係を縛る不自由さとして現れます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 668 2014 ボラード病 ぼらーどびょう 『ボラード病』は、海辺の新興住宅地に越してきた家族が、地域の同調圧力に絡め取られていく吉村萬壱の小説です。安全や秩序を掲げる共同体が、異物を排除する病のようなものとして描かれます。寓話的な設定によって、災害後の町づくり、家族、排除の感覚が不穏に重なります。
- 669 2014 ファイナルガール ふぁいなるがーる 『ファイナルガール』は、ホラー映画の用語を思わせる題名を通じて、生き残る女性の身体と恐怖を扱う藤野可織の小説として整理できます。恐怖は外部の怪物だけでなく、視線や役割として人物にまとわりつきます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 670 2014 春の庭 はるのにわ 離婚を機に世田谷の取り壊し予定のアパートに越してきた太郎は、隣に建つ水色の洋館を熱心に観察する住人の女・西と知り合う。漫画家の西は、高校時代に魅了された写真集『春の庭』の舞台がその家であることを知り、この場所へ引っ越してきたのだった。二人は次第にその水色の家への接近を試みるようになる。再開発で消えて… 第151回 芥川賞
- 671 2014 スープの国のお姫様 すーぷのくにのおひめさま 『スープの国のお姫様』は、食べることや料理をめぐる感覚から、家族やケアのあり方を描く樋口直哉の小説として整理できます。スープという身近な料理は、身体を温めるだけでなく、関係を結び直す媒介になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 672 2014 清とこの夜 きよとこのよる 『清とこの夜』は、夜の時間を背景に、人物の孤独や記憶を描く広小路尚祈の小説として整理できます。題名は人名と「この夜」を結び、特定の一夜に凝縮される関係や感情を思わせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 673 2014 星よりひそかに ほしよりひそかに 『星よりひそかに』は、柴崎友香が身近な生活のなかにある気配や感情を静かに追う小説として整理できます。大きな事件よりも、視線や場所の移ろい、言葉にならない思いが重視されます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 674 2014 彼女の家計簿 かのじょのかけいぼ 『彼女の家計簿』は、戦前から三世代にわたる女性たちを、家計簿という生活記録で結ぶ原田ひ香の長篇です。数字や支出の記録は、家族史、労働、ジェンダーの記憶を読み解く手がかりになります。日々の細部から女性の生の選択をたどる作品です。
- 675 2014 金を払うから素手で殴らせてくれないか? かねをはらうからすでになぐらせてくれないか 『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』は、暴力と交換の論理を露骨な題名で突きつける木下古栗の作品です。金銭、身体、欲望が奇妙な取引として結びつき、常識的な倫理が不条理にずれていきます。過激なユーモアと不快感が同居する読み味です。
- 676 2014 コルバトントリ コルバトントリ 『コルバトントリ』は、山下澄人が意味をすぐには回収しにくい言葉と、身体の記憶を結びつける小説として整理できます。題名の異物感そのものが、人物の経験を通常の物語に収めない姿勢を示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 677 2014 九年前の祈り くねんまえのいのり 35歳のさなえは、カナダ人の夫に去られたあと、激しい癇癪を起こす幼い息子・希敏を連れて、故郷である大分の海辺の小さな集落に帰ってくる。育児に疲弊する彼女の脳裏には、九年前、集落の女たちとカナダを旅した際、世話役の「みっちゃん姉」が異国の教会で見せた祈りの姿が繰り返し蘇る。そのみっちゃん姉の息子がいま… 第152回 芥川賞
- 678 2014 きょうのできごと、十年後 きょうのできごと、じゅうねんご 『きょうのできごと、十年後』は、柴崎友香のデビュー作『きょうのできごと』の登場人物たちの十年後を描く続篇です。若さの一日の空気は、時間を経た生活、仕事、関係の変化として戻ってきます。大事件ではなく、都市のなかで少しずつ変わる人間関係を読む作品です。
- 679 2014 教団X きょうだんえっくす 『教団X』は、巨大宗教団体をめぐって複数の男女の欲望と思想が交差する中村文則の長篇です。信仰、性、暴力、社会不安がからみ合い、個人が何に救いを求めるのかを暗い群像劇として描きます。連載小説らしい大きな構成で、現代社会の空洞とカルト的共同性を問う作品です。
- 680 2014 LIFE らいふ 『LIFE』は、松波太郎が生きることそのものを題名に掲げ、身体、生活、言葉の不安定さを描く小説です。人物の経験は分かりやすい筋に回収されず、断片的な感覚として立ち上がります。純文学の実験性と生活感が同居する作品です。 第36回 野間新人賞
- 681 2014 メタモルフォシス メタモルフォシス 『メタモルフォシス』は、SMの快楽へ深入りしていく証券マンを描く羽田圭介の小説です。仕事で求められる合理性と、身体が求める変容の欲望がずれていきます。性と労働を結びつけながら、自己像が変質していく過程を乾いた文体で追う作品です。
- 682 2014 ミチルさん、今日も上機嫌 みちるさんきょうもじょうきげん 『ミチルさん、今日も上機嫌』は、原田ひ香が女性の日常と気分の揺れを描く小説として整理できます。題名の明るさは、生活のなかで自分を保とうとする振る舞いにも読めます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 683 2014 猫の目犬の鼻 ねこのめいぬのはな 『猫の目犬の鼻』は、丹下健太が動物的な感覚や身近な生活の違和感を扱う作品として整理できます。視線や嗅覚を思わせる題名は、人間関係を別の感覚で捉え直す入口になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 684 2014 寝相 ねぞう 『寝相』は、滝口悠生の最初期作品を収める小説集で、睡眠や身体の姿勢のような無意識の領域に、人物の記憶や関係がにじみます。既存データでは新潮新人賞受賞作「楽器」を含む最初の小説集とされています。日常の細部がゆっくりずれていく語りが読みどころです。
- 685 2014 女のいない男たち おんなのいないおとこたち 『女のいない男たち』は、「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「木野」などを収める村上春樹の短篇集です。女性を失った、あるいは理解できなかった男性たちの孤独が、語り直しや回想を通じて浮かび上がります。恋愛小説でありながら、喪失後に残る空白そのものを読む作品集です。
- 686 2014 おれたちの故郷 おれたちのふるさと 『おれたちの故郷』は、佐川光晴が少年たちの成長と場所への思いを描く小説です。故郷は単なる懐かしい場所ではなく、十代の人物が他者と併走しながら自分を作る場として現れます。青春と共同性を、まっすぐな語りで読ませる作品です。
- 687 2014 男一代之改革 おとこいちだいのかいかく 『男一代之改革』は、江戸の改革者・松平定信を『源氏物語』の読み手として描く青木淳悟の異色の歴史小説です。歴史上の人物を、政治の主体であると同時に読者として捉える点に特徴があります。史実と読書行為を重ね、過去の人物像を現代的にずらして読む作品です。
- 688 2014 Red れっど 『Red』は、専業主婦がかつての恋人との再会をきっかけに、不倫と欲望へ踏み込んでいく島本理生の長篇です。家庭、性愛、母であることの役割が衝突し、主人公の身体と自己決定が問われます。官能的な筆致で、恋愛の昂揚と生活の閉塞を同時に描く作品です。
- 689 2014 離陸 りりく 『離陸』は、絲山秋子が時間と空間を大きく動かしながら、人の移動と記憶を描く長篇です。タイトルどおり、地上の生活から浮き上がるように物語が進み、現実の距離感が変わっていきます。旅や移動の小説であると同時に、記憶の重力をめぐる作品です。
- 690 2014 ルンタ ルンタ 『ルンタ』は、山下澄人が土地、身体、記憶の断片を独特の語りでつなぐ小説です。題名の音の響きは意味をすぐには固定せず、人物の経験を通常の筋からずらしていきます。身体に残る感覚を、乾いたユーモアと不穏さで読ませる作品です。
- 691 2014 殺人出産 さつじんしゅっさん 『殺人出産』は、十人産めば一人殺してもよい「殺人出産制度」が認められた世界を描く表題作を中心とする作品集です。Amazonの商品紹介では、「産み人」が尊い存在として崇められる社会で、職場の同僚が産み人になっていくなか、主人公・育子が複雑な思いを抱える物語として説明されています。OpenBDでは「トリ…
- 692 2014 聖地Cs せいちしーず 『聖地Cs』は、木村友祐が聖地と名づけられる場所の力や、土地をめぐる記憶を扱う小説として整理できます。場所は信仰や観光の対象であるだけでなく、共同体の傷や欲望を集めるものとして読めます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と創作合評記録に基づく暫定的な紹介です。
- 693 2014 臣女 しんにょ 『臣女』は、吉村萬壱が身体、服従、権力関係を不穏に描く小説として整理できます。題名は、誰かに従属する女性像や、支配の構造を想起させます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 694 2014 太陽・惑星 たいよう・わくせい 『太陽・惑星』は、上田岳弘のデビュー期の作品を収める単行本で、「太陽」と「惑星」を中心に構成されています。個人の意識を、宇宙的なスケールや情報化された世界と接続する発想が見えます。既存データには新潮新人賞受賞作と芥川賞候補作を含むとあるが、今回の調査では公式確認できていません。
- 695 2014 鉄童の旅 てつどうのたび 『鉄童の旅』は、佐川光晴が鉄道と少年の移動を結びつける成長小説として整理できます。旅は遠くへ行くことだけでなく、自分の居場所や家族との距離を測る経験になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 696 2014 鳥たち とりたち 『鳥たち』は、吉本ばななが移動、喪失、自由への感覚を鳥のイメージに重ねる小説として整理できます。鳥は、どこかへ飛び去るものとして、残された人の孤独や再生を映します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 697 2014 疒の歌 やまいだれのうた 『疒の歌』は、北町貫多の青年期を描く西村賢太の長篇私小説です。病だれを含む題名が示すように、身体の不調、生活の荒み、内面の歪みが語りの中心になります。自己嫌悪と執着を、乾いた文体で押し出し、青年期の孤立を生活の手ざわりから読ませる作品です。
- 698 2014 あなたへの歌 あなたへのうた 『あなたへの歌』は、楊逸が他者へ向ける言葉と、移動する人びとの記憶を扱う小説として整理できます。歌という形式は、直接届かない思いを誰かへ送るための媒介になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 699 2014 熊の結婚 くまのけっこん 『熊の結婚』は、諸隈元の第118回文學界新人賞受賞作です。年収の低いアルバイトとして絵を描く夫と、弁護士として働く妻の奇妙な夫婦関係を、体外受精や離婚、息子の成長を含む長い時間の流れのなかで描きます。断定しては打ち消すような反復的な語りと言葉遊びが、夫婦小説でありながら寓話めいた読後感を生んでいます… 第118回 文學界新人賞
- 700 2014 トレイス とれいす 『トレイス』は、山形出身の大学院生だった著者が、地方都市と高齢化社会の現実を扱ったデビュー作として紹介された作品です。若い書き手の視点から、地方で生きることや老いが迫る社会の輪郭をたどる。文藝春秋の号ページとNDLサーチで受賞・掲載は確認できるが、詳細な筋は公開資料では限定的である。 第119回 文學界新人賞
- 701 2014 吾輩ハ猫ニナル わがはいはねこになる 『吾輩ハ猫ニナル』は、横山悠太の第57回群像新人文学賞当選作です。日本人の父を持つ中国人青年の自己形成を、日本語と中国語が交差する文体で描いた作品として知られています。越境的なアイデンティティを、言葉の混交そのものを読む経験に変える点が大きな読みどころです。 第57回 群像新人賞
- 702 2014 断貧サロン だんぴんさろん 『断貧サロン』は、谷川直子が2014年10月に河出書房新社から刊行した小説です。貧乏神被害者の会が主催する「貧乏を断つ」ためのサロンに、働かないイケメンの恋人を持つ女性をはじめ、さまざまな事情を抱える女たちが集まります。金か愛かという問いを、生活不安と信仰めいた救済願望の交差点から描く、文藝賞受賞後…
- 703 2014 死にたくなったら電話して しにたくなったらでんわして 大阪・十三のキャバクラで働く初美と出会った浪人生・徳山が、外部とのつながりを失い、悪意と厭世へ引き込まれていく。河出書房新社の紹介では、初美が語る残虐史と徳山の関係の断絶が軸に置かれ、現代の「心中もの」と位置づけられている。欲望、虚無、言葉の呪術性が破滅へ向かって濃密に絡む、強い閉塞感のある作品。 第51回 文藝賞
- 704 2014 アルタッドに捧ぐ あるたっどにささぐ 小説を書いている本間の原稿用紙の上で、作中の少年が死に、その少年が飼っていたトカゲのアルタッドが現れるところから始まる。現実の生活と書かれた虚構が継ぎ目なく接続され、創作することそのものが物語の中心に置かれる。青春小説でありながら、虚構の根源へ向かうメタフィクションとして読める。 第51回 文藝賞
- 705 2014 金城孝祐『教授と少女と錬金術師』 物語作りは断片の積み重ねから かねしろこうすけ きょうじゅとしょうじょとれんきんじゅつし ものがたりづくりはだんぺんのつみかさねから 『金城孝祐『教授と少女と錬金術師』 物語作りは断片の積み重ねから』は、金城孝祐と高橋源一郎による対談記事です。第37回すばる文学賞受賞作『教授と少女と錬金術師』をめぐる記事として、『青春と読書』2014年2月号に掲載されました。公開Webで本文内容を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限…
- 706 2014 島と人類 しまとじんるい ヌーディストの人類学者・河鍋未來夫が停職処分を受け、その仲間たちや週刊誌記者を巻き込みながら、妻マリアが待つ島へ向かう奇想的な長篇。裸体主義、人類学、ボノボ、新人類構想といった要素が、知的な冗談と壮大な実験のあいだで展開する。人間の身体、共同性、進化をめぐる思索を、明るいナンセンスと実験小説の形式で… 第38回 すばる文学賞
- 707 2014 みずうみのほうへ みずうみのほうへ 七歳の誕生日旅行で父を失った「ぼく」が、湖のある町で育ち、二十代の終わりに父との記憶に結びつく「サイモン」に似た人物と出会う。港町、水産物加工場、アイスホッケー観戦といった生活の細部が、喪失の記憶と幻想的な再会をゆっくり結びつけていく。静かな語りの中で、父の死の謎と過去への引力が持続する作品である。 第38回 すばる文学賞
- 708 2014 影媛 かげひめ 新潮社公式とNDLで2015年2月刊の単行本として確認。『新潮』掲載後に単行本化され、第152回芥川賞候補作と新潮社著者プロフィールで確認できる。
- 709 2014 指の骨 ゆびのほね 太平洋戦争中の南方戦線で負傷した一等兵の「私」が、臨時野戦病院で過ごす日々を語る戦争小説。食料の調達、戦友の死、退避を余儀なくされる状況を通じて、戦場の空白と狂気が描かれる。身体の損傷と形見としての骨が、忘れられた戦場の記憶を呼び戻す。静かな語りのなかに、死が日常化した場所の異様さがにじむ。 第46回 新潮新人賞
- 710 2014 ジュンのための6つの小曲 じゅんのためのむっつのしょうきょく 古谷田奈月の二作目単行本。NDLサーチで2014年11月の新潮社刊行、および2017年新潮文庫nex版を確認。
- 711 2014 ヤモリ、カエル、シジミチョウ やもり かえる しじみちょう 『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』は、江國香織による長編小説で、第51回谷崎潤一郎賞受賞作です。小学生の男の子の視点を軸に、家族と子どもたちの世界を繊細な感覚でたどる作品として整理しました。大きな事件よりも、家庭や身近な生き物をめぐる細部から、子どもの時間の不思議さを浮かび上がらせる点が読みどころです… 第51回 谷崎賞
- 712 2014 名誉と恍惚 めいよ と こうつ 日中戦争下の上海で、工部局に勤める日本人警官・芹沢が軍と青幇の面会を仲介したことから警察を追われ、潜伏生活へ追い込まれていく長篇。祖国や名前を失う男の生存を通じて、戦争、都市、裏社会、アイデンティティが交錯する。大部の分量で、歴史の混沌と個人の逃走を描き込む作品。 第27回 ドゥマゴ文学賞
- 713 2014 レールの向こう れーる の むこう 沖縄に生きて創作を続けてきた老年の作家が、妻の入院をきっかけに日常と記憶を往還する作品集。表題作では、病院や家族との現在の生活と、レールの向こうにある創作の記憶が重ねられる。老いと死を含む生活を慈しみながら、作家として切り捨てられない不穏な領域を見つめる。 第41回 川端賞
- 714 2014 少女のための秘密の聖書 しょうじょのためのひみつのせいしょ 鹿島田真希の2010年代の book-form work 候補。宗教・少女・物語をめぐる主題が題名からうかがえるが、内容細部は追加確認余地あり。
- 715 2014 湘南シェアハウス ショウナン シェア ハウス 2014年に角川春樹事務所から文庫で刊行された単著。
- 716 2014 キャプテンサンダーボルト きゃぷてんさんだーぼると 『キャプテンサンダーボルト』は、阿部和重と伊坂幸太郎の合作として2014年に文藝春秋から刊行された長編小説です。合作ですが阿部和重の単行本化作品として著書一覧に含まれるため登録します。
- 717 2014 33年後のなんとなく、クリスタル さんじゅうさんねんごのなんとなく、くりすたる 『33年後のなんとなく、クリスタル』は、田中康夫が1980年のデビュー作『なんとなく、クリスタル』の33年後を描いた長篇です。1980年に大学生だった女性たちが50代になった現在を追い、消費社会の記憶、時代の変化、成熟後の生活感覚を、前作同様に注釈の形式も活かしながら描きます。
- 718 2014 ファンタズマゴーリア ファンタズマゴーリア 2014年刊。NDLで単著として確認できる。
- 719 2014 群れない媚びないこうやって生きてきた むれないこびないこうやっていきてきた NDLとBooks/JPROで2014年6月刊、海竜社、ISBN 978-4-7593-1375-8の図書として確認。純小説ではなく共著対談・随筆系のため採用時はDB方針確認が必要。
- 720 2014 怒り いかり 事件の記憶が、東京・千葉・沖縄などの人物関係に影を落とす群像長篇候補。
- 721 2014 うどん キツネつきの うどん きつねつきの 『うどん キツネつきの』は、高山羽根子の第一作品集です。東京創元社公式ページでは、第一回創元SF短編賞佳作となった表題作に加え、「シキ零レイ零 ミドリ荘」「母のいる島」「おやすみラジオ」「巨きなものの還る場所」の全五編を収録する作品集として紹介されています。
- 722 2014 あおむけで走る馬 あおむけではしるうま 『あおむけで走る馬』は、既存登録済みの『逆さ馬のメリーゴーラウンド』と同じ「馬」のイメージを題名に含む未登録候補です。文庫書誌として確認できるが、収録内容や初刊との関係は登録前に追加確認するとよい。
- 723 2014 小説那須国物語 しょうせつなすのくにものがたり 『小説那須国物語』は、那須地域を題名に掲げる地域史・土地性の強い小説候補です。既存登録作と同じ地方・地域文学の流れで登録候補化できるが、内容詳細は追加確認が望ましい。
- 724 2014 正しくは変化 ただしくはへんか 『正しくは変化』は、山岡ミヤが『ユリイカ』2014年12月号に発表した詩作品です。Wikipediaの著作リストで掲載誌・掲載号を確認できます。NDLサーチは今回タイムアウトしたため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 725 2014 夜は終わらない よるはおわらない 『夜は終わらない』は、星野智幸が2014年に講談社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 726 2014 少女霊異記 『少女霊異記』は、高樹のぶ子が2014年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 727 2014 屋根屋 『屋根屋』は、村田喜代子が2014年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 728 2014 未闘病記 みとうびょうき 『未闘病記』は、膠原病、混合性結合組織病をめぐる経験を、従来の闘病記の形式からずらして書いた作品です。病名が与えられる前後の身体感覚、医療制度、社会の視線が、笙野頼子の批評的な文体で組み替えられる。病を書くことが、制度と言葉に抵抗する実践になる点が読みどころです。 第67回 野間文芸賞
- 729 2013 愛の夢とか あいのゆめとか 『愛の夢とか』は、日常のなかの小さな喪失と出会いを描く川上未映子の短篇集です。恋愛や記憶は劇的な事件としてではなく、ふとした言葉や風景の変化として現れます。リアリズムの手触りのなかに、静かな痛切さが残る作品集です。 第49回 谷崎賞
- 730 2013 快楽 かいらく 『快楽』は、欲望の不平等を題材に、身体、性、他者からの評価を大胆に描く青山七恵の小説です。快楽は単純な喜びではなく、誰が欲望を持つことを許されるのかという社会的な問いへ広がります。静かな文体の奥で、性とジェンダーの不均衡が不穏に浮かびます。
- 731 2013 めぐり糸 めぐりいと 『めぐり糸』は、糸がめぐるように人と人の縁や記憶が結び直される青山七恵の小説です。関係は一直線に進まず、ほどけたり絡まったりしながら人物の現在を形づくります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないが、連載レコードと単行本書誌から、時間をかけて展開した作品であることが分かります。
- 732 2013 憧れの女の子 あこがれのおんなのこ 『憧れの女の子』は、朝比奈あすかが女性同士の視線や自己像の揺れを扱う小説として整理できます。題名の「憧れ」は、好意や羨望だけでなく、自分との差異を意識させる感情として働きます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 733 2013 晩年様式集(イン・レイト・スタイル) ばんねんようしきしゅう 『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』は、東日本大震災後に書き継がれた大江健三郎晩年の長篇です。老いた作家の自己検証、家族、死者の記憶が重なり、作品を書くことそのものが喪失への応答として描かれます。大江の後期小説群を締めくくるように、長い息の文体で過去と現在を往還します。
- 734 2013 大地のゲーム だいちのゲーム 『大地のゲーム』は、大震災後の近未来の大学キャンパスを舞台に、次の揺れを待つ若者たちを描く綿矢りさの長篇です。災害は出来事として終わらず、身体感覚や人間関係の底に残り続けます。青春小説の形を取りながら、世界の足場が割れる感覚を言葉にする作品です。
- 735 2013 おはなしして子ちゃん おはなしして こちゃん 『おはなしして子ちゃん』は、藤野可織らしい奇妙な会話感覚と、日常のずれを前面に出した作品集です。話すこと、聞くこと、物語にされることの不穏さが、幼さを帯びた題名と対照をなします。公開資料では収録作の細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 736 2013 爪と目 つめとめ 『爪と目』は、幼い娘、父、父の恋人をめぐる関係を、視覚と身体感覚の不穏さから描く短篇です。家庭内の出来事は、保護されるはずの子どもの目を通して、異様な近さと距離を同時に帯びます。語りの中心に視覚を置くことで、家族と暴力の境目を静かに揺さぶる作品です。 第149回 芥川賞
- 737 2013 憤死 ふんし 『憤死』は、表題作を含む綿矢りさの短篇集で、怒りや恥、身体の違和感を寓話的に扱います。日常の些細な場面から、人物の内側に溜まった毒気がふいに噴き出します。軽く読める語りの奥に、自己像を保てない不安が残る作品集です。
- 738 2013 銀河鉄道の彼方に ぎんがてつどうのかなたに 『銀河鉄道の彼方に』は、宮沢賢治的な銀河鉄道のイメージを踏まえながら、言葉、信仰、死者との対話を重ねる高橋源一郎の長篇です。旅の形式は、現実から逃げる装置ではなく、現代の読者が死や救いを考えるための実験的な場になります。物語の引用性と語り直しが読みどころです。
- 739 2013 ギッちょん ギッちょん 『ギッちょん』は、山下澄人が身体の記憶や言葉になりにくい経験を、断片的な語りで立ち上げる小説です。題名の音の感触そのものが、人物の不器用さや世界とのずれを示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 740 2013 昼田とハッコウ ひるたとはっこう 『昼田とハッコウ』は、二つの名前が並ぶ題名どおり、人物同士の距離や関係の変化を追う山崎ナオコーラの小説です。親密さは劇的にではなく、会話や生活の小さな差異として描かれるタイプの作品として読めます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 741 2013 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 しきさいをもたないたざきつくると、かれのじゅんれいのとし 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、36歳の多崎つくるが高校時代の突然の絶交の謎をたどる長篇です。名古屋、東京、フィンランドへ向かう旅は、記憶の欠落と自己像の空白を埋める巡礼として進みます。抑制された語りで、友情、喪失、回復不能な時間を扱います。
- 742 2013 自分を好きになる方法 じぶんをすきになるほうほう 『自分を好きになる方法』は、主人公リンデの人生から六つの一日を切り出し、自己肯定の難しさを描く本谷有希子の長篇です。人生の節目を大きなドラマではなく、身体感覚や他者とのずれとして捉えます。題名の明るさと、実際の生きづらさの落差が読みどころです。 第27回 三島賞
- 743 2013 棺に跨がる かんにまたがる 『棺に跨がる』は、北町貫多ものの系譜に属し、秋恵との同棲の終わりを軸にする西村賢太の連作集です。語りは私小説的で、屈辱、執着、生活の破綻がむき出しの文体で綴られます。恋愛や家族の物語というより、自己破壊的な男の孤立を読む作品です。
- 744 2013 去年の冬、きみと別れ きょねんのふゆきみとわかれ 『去年の冬、きみと別れ』は、猟奇事件をめぐる取材と記録の迷路を描く中村文則の長篇です。人物の語る真実は次々に反転し、取材する側もまた物語に巻き込まれていきます。犯罪小説の外形を使いながら、欲望、表現、他者を所有する暴力を問う作品です。
- 745 2013 燃える家 もえるいえ 『燃える家』は、下関を舞台に家族と国家の暴力を問う大長篇として既存データに記録されている田中慎弥作品です。家という場所は保護の空間ではなく、血縁、地域、歴史が燃え移る場として扱われます。今回の調査では単行本レコードをNDLで確認できなかったため、紹介は既存データと関連する『群像』書誌に基づく暫定情報…
- 746 2013 ピン・ザ・キャットの優美な叛乱 ぴんざきゃっとのゆうびなはんらん 『ピン・ザ・キャットの優美な叛乱』は、飼い猫と生まれた息子の境界が揺らぐ感覚を核に、家族・身体・動物的な気配を奇妙な寓話へ変形させる小説。河出書房新社は、猫をめぐるかつてない小説として紹介し、現実の秩序が少しずつずれていく不穏さを前面に出している。語りのユーモアと不安が同時に立ち上がる、荻世いをらら…
- 747 2013 往古来今 おうこらいこん 『往古来今』は、古代から現代までを貫く時間と生命の往還を描く磯﨑憲一郎の長篇です。個人の人生より大きな時間の流れのなかで、記憶や土地、身体が結び直されます。題名どおり、過去と現在を同じ地平で読む感覚が作品の核になります。
- 748 2013 おれたちの約束 おれたちのやくそく 『おれたちの約束』は、佐川光晴が「おれ」から「おれたち」へ広がる関係を描く小説です。個人の正義や孤独なヒーロー像ではなく、仲間や共同性のなかで約束が意味を持つ構図が見えます。対談記事の題名にもあるように、単独者から複数者へ移る視点が読みどころです。
- 749 2013 砂漠ダンス さばくダンス 『砂漠ダンス』は、山下澄人が乾いた場所の感覚と身体の動きを結びつける小説です。砂漠とダンスという組み合わせは、孤立した空間でなお身体が反応し続けるイメージを作ります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と創作合評に基づく暫定的な紹介です。
- 750 2013 獅子渡り鼻 ししわたりばな 『獅子渡り鼻』は、親の事情で海辺の集落に預けられた少年・尊の日々を描く小野正嗣の小説です。土地の記憶、祈り、共同体の気配が、少年の視界を通じて静かに立ち上がります。海辺の集落を舞台に、家族から離された子どもの孤独と場所への感受性を描きます。
- 751 2013 スナックちどり スナックちどり 『スナックちどり』は、吉本ばななが小さな店や旅先の空気を通じて、喪失後の再生を描く小説として整理できます。スナックという場所は、家族でも職場でもないゆるい避難所として機能します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 752 2013 問いのない答え といのないこたえ 『問いのない答え』は、長嶋有が問いと答えの関係をずらし、日常の会話や共同性の空白を描く長篇です。正解を求める物語ではなく、答えだけが先にあるような感覚のなかで人物たちがつながります。軽やかな文体の奥に、震災後の不確かさや言葉の扱いにくさが残ります。
- 753 2013 忘れられたワルツ わすれられたわるつ 『忘れられたワルツ』は、絲山秋子が記憶からこぼれ落ちる感情や、日常の不意のずれを描く短篇集です。ワルツのような反復と忘却の感覚が、人物の孤独や時間の歪みを浮かび上がらせます。抑えた語りのなかで、喪失とユーモアが同居する作品です。
- 754 2013 わたしは妊婦 わたしはにんぷ 『わたしは妊婦』は、妊娠という身体の変化を手がかりに、家族、性、自己像の揺れを描く大森兄弟の小説です。妊婦である「わたし」は、祝福される存在であると同時に、周囲の視線や制度にさらされます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 755 2013 流転の魔女 りゅうてんのまじょ 『流転の魔女』は、楊逸が移動する女性の生と、越境のなかで変わっていく家族や記憶を描く小説として整理できます。流転という語は、土地や身分が安定しない感覚を示し、魔女という像は周囲からの異物視も思わせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 756 2013 よだかの片想い よだかのかたおもい 『よだかの片想い』は、顔に大きなあざを持つ女性が、映画撮影をきっかけに初めての恋へ向かう島本理生の長篇です。恋愛は救済として単純化されず、身体の見られ方と自己受容の問題を伴います。題名の片想いは、相手への思いだけでなく、自分自身へ向けるまなざしにも広がります。
- 757 2013 歪んだ忌日 ゆがんだきじつ 『歪んだ忌日』は、西村賢太が忌日と記憶をめぐる感情のねじれを描く私小説的作品です。故人への思いは清らかな追悼ではなく、怒り、屈辱、生活の停滞を含んだものとして現れます。乾いた語りで、喪失と執着の歪みを読ませます。
- 758 2013 星月夜 ホシズクヨ 角川書店から2013年に刊行された高倉やえの未収録単著。
- 759 2013 穴 あな 仕事を辞めて夫の田舎へ移った語り手が、黒い獣を追って土手の穴に落ちたことから、見慣れた日常が異界の気配を帯びていく。世羅さん、寡黙な義祖父、義兄を名乗る知らない男など、周囲の人物の奇妙さが郊外の夏を静かにゆがませる。表題作に加え、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦をめぐる作品を収める芥川賞受賞作。 第150回 芥川賞
- 760 2013 すなまわり すなまわり 『すなまわり』は、相撲好きの少年が自分の体格に見切りをつけ、行司の道を選ぶ青春小説です。文藝春秋公式ページでは、激しい稽古、間延びする自由時間、やめていく若手など、角界の裏方の生態を描く作品として紹介されています。元大相撲行司という鶴川健吉自身の経歴を背景にしながらも、作者は主人公との距離を意識した…
- 761 2013 今日の日はさようなら きょうのひはさようなら 『今日の日はさようなら』は、二瓶哲也が第115回文學界新人賞受賞後に発表した第一作として「文學界」2013年9月号に掲載された作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲、受賞第一作表記を確認できます。
- 762 2013 アフリカ鯰 あふりかなまず 『アフリカ鯰』は、静岡で暮らす男性の日常に、アフリカ大陸をめぐる記憶が重なるデビュー作として登録されている。旅の記憶と現在の停滞を対置し、遠い土地の経験が生活の感覚を揺らす作品として読める。NDLサーチと文藝春秋の号ページで受賞・掲載情報は確認できるが、詳細な筋や選評本文は今回十分に確認できていない… 第117回 文學界新人賞
- 763 2013 息子の逸楽 むすこのいつらく 『息子の逸楽』は、『文學界』2013年12月号に第117回文學界新人賞受賞作として掲載された守島邦明のデビュー作。既存梗概では、息子の放逸な生き方と家族の関係を描く作品として整理されている。NDLサーチと文藝春秋の号ページで受賞・掲載は確認できるが、詳細な内容紹介や選評本文は今回確認できていない。 第117回 文學界新人賞
- 764 2013 ある日の結婚 あるひのけっこん 『ある日の結婚』は、淺川継太が『朝が止まる』で第53回群像新人文学賞に当選した後、『群像』2013年7月号に発表した受賞第一作です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、ありふれた男女の恋愛が思いがけない展開と結末へ進む表題作として紹介されています。2014年刊の第一作品集『ある日の結婚』に…
- 765 2013 鶏が鳴く にわとりがなく 『鶏が鳴く』は、高校3年生の主人公が、かつてのバンド仲間で引きこもりになった友人の部屋に忍び込む物語として登録されている。青春の終わり、友人関係の断絶、孤立への接近を、部屋という閉じた場所から描く。単行本は講談社から2013年8月に刊行されているが、出版社公式の詳細梗概は今回十分に確認できていない。 第56回 群像新人賞
- 766 2013 アフター・ジャスティフィケイション・オブ・ライフ あふたーじゃすてぃふぃけいしょんおぶらいふ 『アフター・ジャスティフィケイション・オブ・ライフ』は、波多野陸が第56回群像新人文学賞受賞後に発表した第一作として「群像」2013年10月号に掲載された作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲、受賞第一作表記を確認できます。
- 767 2013 ジャックを殺せ、 じゃっくをころせ 『ジャックを殺せ、』は、ジャック暗殺指令を受けたミス・レイディが、殺害成功直後に謎の男から暗殺失敗を告げられるところから展開する作品です。河出書房新社の紹介では、哲学とアクションを交差させながら、資本主義社会の虚実をえぐる小説として位置づけられています。
- 768 2013 世界泥棒 せかいどろぼう 放課後の教室で、男子二人が実弾入りの銃を使って死ぬまで撃ち合う「決闘」が行われるという設定から始まる。決闘を取り仕切る百瀬くんの存在をめぐり、学校という日常空間に戦争の論理が持ち込まれる。暴力を制度化した寓話として、現代の戦争文学を試みる作品。 第50回 文藝賞
- 769 2013 左目に映る星 ひだりめにうつるほし 左目だけにある近視と乱視の感覚を大切にしてきた早季子が、同じ目を持つ少年の記憶と、アイドルオタクの宮内との出会いを通して他者との距離を測り直す恋愛小説。視界のずれが、恋愛や孤独、共有できない身体感覚の比喩として働く。日常的な語りの中に、コントロールしきれない不安定さと身体感覚の濃さが残る。 第37回 すばる文学賞
- 770 2013 教授と少女と錬金術師 きょうじゅとしょうじょとれんきんじゅつし 教授、少女、錬金術師という奇妙な組み合わせを中心に、断片的で出鱈目にも見える出来事を積み重ねていく第37回すばる文学賞受賞作。写実的な筋を追うより、異様な熱や飛躍する連想、キッチュな笑いを楽しむタイプの作品である。演劇的な発想と実験的な構成が、デビュー作らしい危うさと勢いを生んでいる。 第37回 すばる文学賞
- 771 2013 蛸の夢 たこのゆめ 『蛸の夢』は、「新潮」2013年7月号に掲載された門脇大祐の小説です。新潮社バックナンバーでは、新潮新人賞受賞第一作として紹介され、世界を一匹の蛸の夢として捉える認識の揺らぎを示す作品紹介が付されています。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ範囲を確認できます。
- 772 2013 太陽 たいよう 新宿のホテル、アフリカの「赤ちゃん工場」、パリの蚤の市、インドの湖畔などを横断し、人類の欲望と未来を極端なスケールで描くデビュー小説集。表題作「太陽」は金、不老不死、核融合といったモチーフを扱い、現代社会の資本と身体をSF的想像力で押し広げる。純文学とSFを接続する破格の語りが特徴。 第45回 新潮新人賞
- 773 2013 想像ラジオ そうぞうらじお 海沿いの町で高い杉の木のてっぺんに引っかかっているDJアークが、想像の電波を使ってリスナーに語りかける小説。届くメールやリクエストを読み上げながら、どうしても聞きたいひとつの声へ向かっていく。震災後の死者と生者、声と想像力をめぐる、ラジオ番組形式の物語である。 第35回 野間新人賞
- 774 2013 星の民のクリスマス ほしのたみのくりすます 古谷田奈月の単行本デビュー作。NDLサーチで2013年11月の新潮社刊行を確認。
- 775 2013 メフィストフェレスの定理 地獄シェイクスピア三部作 めふぃすとふぇれすのていりじごくしぇいくすぴあさんぶさく 『メフィストフェレスの定理』は、奥泉光が2013年に幻戯書房から刊行した作品集です。副題に「地獄シェイクスピア三部作」を掲げ、著者ページで収録作を確認できます。
- 776 2013 すっぽん心中 すっぽん しんじゅう 休職中で行き詰まった男と、痛い目に遭いつつもあっけらかんと生きる女が、不忍池で出会い霞ヶ浦へ向かう表題作を中心にした作品集。貧しさや失敗を重く閉じ込めず、滑稽さと哀愁が混じる道行きとして描く。会話と行動のずれから、人物の孤独と生活の可笑しみがにじむ。 第40回 川端賞
- 777 2013 還れぬ家 カエレヌ イエ 2013年に新潮社から刊行された佐伯一麦の単著図書。家族・家・土地の主題で既登録作を補う候補。
- 778 2013 渡良瀬 ワタラセ 2013年に岩波書店から刊行された単著図書。土地の記憶を扱う佐伯作品として追加候補になる。
- 779 2013 □ しかく 『□』は、阿部和重が2013年にリトルモアから刊行した単行本です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 780 2013 Deluxe Edition でらっくすえでぃしょん 『Deluxe Edition』は、阿部和重が2013年に文藝春秋から刊行した作品集です。著者ページの著書一覧では複数の短篇を収める単行本として確認できます。
- 781 2013 卵割 らんかつ 『卵割』は、『文學界』2013年5月号掲載作として確認できる小祝百々子の作品。今回確認できた出典では、単行本化、梗概、批評上の評価は見つけられていない。受賞作後の同誌掲載作として、書誌情報を中心に登録する。
- 782 2013 感受体のおどり かんじゅたいのおどり 『感受体のおどり』は、文藝春秋BOOKSが「大河恋愛小説」であり「記憶についての物語」でもあると紹介する長篇です。『abさんご』で注目された黒田夏子の実験的な言葉の運動を、より長い時間幅と恋愛・記憶の物語へ広げる作品として位置づけられます。
- 783 2013 ヨハネスブルグの天使たち よはねすぶるぐのてんしたち 『ヨハネスブルグの天使たち』は、九・一一後の現場からアフガンまで、暴力と絶望が渦巻く複数の都市を舞台にした連作短篇集です。Books/JPROの内容紹介では、日本製の機械人形の存在を通して、人間の行為の本質をえぐる作品として紹介されている。SF的な装置を用いながら、テクノロジー、戦乱、身体なき代理性…
- 784 2013 存在しない小説 そんざいしないしょうせつ 2013年講談社刊。NDLとBooks/JPROで、講談社単行本および講談社文庫版が確認できる。タイトル通り、作品・作者・翻訳・編纂の存在そのものを揺さぶるメタフィクション的な小説候補。
- 785 2013 デパスな日々 『デパスな日々』は、伏本和代の短編集です。NDLサーチでは、2013年3月にそして企画から刊行され、河出書房新社が発売した272ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。河出書房新社の公式ページでは、不眠・安定剤デパスに依存してしまう団塊世代の日常生活を描いた短編集として紹介されています…
- 786 2013 ブラック・ダラー = BLACK DOLLAR ぶらっくだらー 2013年8月に双葉社から刊行された本人単著をNDLで確認。ISBN 978-4-575-23831-0の単行本候補。
- 787 2013 犬心 いぬごころ NDLサーチで2013年6月刊、文藝春秋、ISBN 978-4-16-376460-3の単行本として確認できる。
- 788 2013 胡蝶 こちょう 『胡蝶』は、李起昇が2013年にフィールドワイから刊行した小説です。NDLサーチでは李起昇(1952-)著、フィールドワイ刊・メディアパル発売、2013年3月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 789 2013 香夜 『香夜』は、高樹のぶ子が2013年に集英社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 790 2013 ゆうじょこう 『ゆうじょこう』は、村田喜代子が2013年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 791 2013 未明の闘争 みめいのとうそう 『未明の闘争』は、出来事を劇的に進めるよりも、考えること、話すこと、書くことの持続そのものを小説の中心に置く長篇です。日常の細部から小説論へ、個人の時間から世界の手触りへと、保坂和志の思考がゆっくり広がっていく。物語の速度ではなく、意識の粘りと文体の持続を読む作品です。 第66回 野間文芸賞
- 792 2012 関東平野 かんとうへいや 『関東平野』は、第106回文學界新人賞受賞作『逃げ道』の作者・北野道夫が「文學界」2012年9月号に発表した短篇です。NDLサーチで掲載誌・巻号・ページを確認でき、芥川賞候補作家の群像では第148回芥川賞候補作として整理されています。今回確認できた公開情報では単行本化は見当たらず、書誌と候補歴を中心…
- 793 2012 愛について あいについて 『愛について』は、今の恋人、元恋人、忘れられない相手をめぐり、愛の身勝手さや未練を描く白岩玄の恋愛短編集です。恋愛は理想化されず、相手を求める気持ちと自己防衛のあいだで揺れます。軽さのなかに、親密さの不公平さが残る作品です。
- 794 2012 花嫁 はなよめ 『花嫁』は、結婚や家族のイメージを手がかりに、若い女性の自己像と周囲の期待を描く青山七恵の小説です。花嫁という役割は幸福の記号である一方、人物を一つの型に押し込める圧力としても読めます。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 795 2012 すみれ すみれ 『すみれ』は、青山七恵が若い女性の日常と、名づけがたい違和感を静かに描く小説です。すみれという小さな花の像は、華やかさよりも、身近な場所に残る感情の気配を思わせます。抑えた語りのなかで、家族や恋愛に回収されない孤独が見えてきます。
- 796 2012 嵐のピクニック あらしのピクニック 『嵐のピクニック』は、本谷有希子の奇想に満ちた短篇を集めた作品集です。日常の足場が突然ずれ、家族、身体、自己像が不条理なかたちで変形していきます。ユーモアと不穏さが同時に働き、読者の常識を揺らす短篇集です。
- 797 2012 プールサイドの彼方 ぷーるさいどのかなた 『プールサイドの彼方』は、水辺の境界性を背景に、若い人物の距離感や将来への不安を描く朝比奈あすかの小説です。プールサイドは日常と非日常、身体と視線が交差する場所として機能します。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 798 2012 バナナ剥きには最適の日々 ばなながきにはさいてきのひびと 『バナナ剥きには最適の日々』は、円城塔のSF的・実験的な短篇を収める作品集です。日常的な動作を奇妙な論理や言語の操作へ接続し、世界の見え方そのものをずらします。軽い題名の奥で、テクノロジー、言葉、物語の組み立て方が問われます。
- 799 2012 道化師の蝶 どうけしのちょう 『道化師の蝶』は、言語、記憶、翻訳、移動をめぐる円城塔の実験的な作品集です。表題作は、物語が別の言語や媒体へ渡るたびに輪郭を変えるような構造を持ちます。読みどころは、難解さそのものではなく、言葉が世界を作り替える過程を小説として体験できる点にあります。 第146回 芥川賞
- 800 2012 パトロネ ぱとろね 『パトロネ』は、支援者や庇護者を意味する語を手がかりに、芸術、労働、他者への依存を描く藤野可織の小説として整理できます。誰かに支えられることは、保護であると同時に支配や不自由も生みます。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 801 2012 55歳からのハローライフ ごじゅうごさいからのハローライフ 『55歳からのハローライフ』は、定年前後の世代が仕事、家族、老いを前に再出発を探る村上龍の連作小説集です。人生の後半は穏やかな余生ではなく、労働市場や家族関係の変化にさらされる時間として描かれます。複数の人物を通じて、老いと孤独の現代的なかたちが見えてきます。
- 802 2012 母親ウエスタン ははおやうえすたん 『母親ウエスタン』は、母親という役割を西部劇的な題名でずらし、家族と女性の生き方を描く原田ひ香の小説です。母は家庭内の静かな存在ではなく、荒野を進む人物のように社会や家族の圧力に向き合います。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 803 2012 ひらいて ひらいて 『ひらいて』は、片想いの相手とその恋人の関係に介入していく女子高生・愛の暴走を描く綿矢りさの青春小説です。恋は純粋な感情ではなく、他者の身体や秘密へ踏み込む衝動として描かれます。学校という狭い共同体のなかで、恋愛、性、支配欲が鋭く交差します。
- 804 2012 百年の憂鬱 ひゃくねんのゆううつ 『百年の憂鬱』は、伏見憲明が長い時間の憂鬱を、性、ジェンダー、孤独の問題と結びつけて描く作品として整理できます。百年という誇張された時間は、個人の悩みを社会的な制度や歴史の重さへ広げます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 805 2012 隠し事 かくしごと 『隠し事』は、秘密を抱えた人間関係を通じて、家族や恋愛の見えない緊張を描く羽田圭介の小説です。隠すことは単なる嘘ではなく、自分を守るための姿勢であり、同時に他者との距離を生みます。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 806 2012 仮り住まい かりずまい 『仮り住まい』は、住まいが一時的であることの不安を通じて、生活、記憶、孤独を描く丹下健太の作品です。家は安定した場所ではなく、いつか離れる前提の仮の居場所として立ち上がります。文芸誌掲載作として、移動する生活の感覚を読む作品です。
- 807 2012 夜の隅のアトリエ よるのすみのあとりえ 『夜の隅のアトリエ』は、アトリエという創作の場を手がかりに、芸術、孤独、記憶を描く木村紅美の小説です。夜の隅という場所は、誰にも見えない作業や感情が残る領域を思わせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 808 2012 LOVE & SYSTEMS らぶあんどしすてむず 『LOVE & SYSTEMS』は、恋愛を感情だけでなく、社会や制度の仕組みとして見つめる中島たい子の小説です。愛とシステムという並置は、親密な関係が個人の気持ちだけで成立しないことを示します。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 809 2012 惑いの森 まどいのもり 『惑いの森』は、バーに現れる男や手紙を待つ郵便局員など、日常の人物たちを連鎖させる中村文則の50篇の短編集です。森は現実の場所というより、迷い込んだ人びとの記憶と孤独が交差する比喩として働きます。短い形式のなかで、不穏さと愛おしさが同居します。
- 810 2012 マリアージュ・マリアージュ マリアージュ・マリアージュ 『マリアージュ・マリアージュ』は、結婚をめぐる複数の男女関係を描く金原ひとみの短篇集です。結婚は安定したゴールではなく、身体、欲望、制度が絡む不安定な関係として扱われます。華やかな題名の反復の奥に、夫婦や恋愛への違和感が残ります。
- 811 2012 迷宮 めいきゅう 『迷宮』は、得体の知れない引力に動かされる人物を通して、記憶、罪、孤独を描く中村文則の小説です。迷宮は謎解きの舞台であると同時に、人物の内面から抜け出せない感覚を示します。暗い吸引力を持つ語りが、暴力と自己認識の問題を掘り下げます。
- 812 2012 緑のさる みどりのさる 『緑のさる』は、山下澄人の最初の単行本で、演劇的な会話と現実から少し外れる感覚を持つ小説です。人物の言葉は説明よりもリズムを生み、家族や孤独の問題が不意に立ち上がります。寓話的な題名と簡潔な場面の連なりが、独特の不穏さを作ります。 第34回 野間新人賞
- 813 2012 ブラスデイズ ぶらすでいず 『ブラスデイズ』は、吹奏楽や音楽活動を思わせる題名を通じて、青春と集団の時間を描く中山智幸の小説です。音を合わせる行為は、個人の感情と共同体の規律を同時に浮かび上がらせます。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 814 2012 七緒のために ななおのために 『七緒のために』は、誰かのために生きることと、自分の感情を保つことの境界を描く島本理生の小説として整理できます。題名の「ために」は、献身であると同時に、関係への囚われも示します。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 815 2012 盗まれた顔 ぬすまれたかお 『盗まれた顔』は、指名手配犯の顔を記憶して追う見当たり捜査班の刑事を描く羽田圭介の小説です。顔を覚える仕事は、他者のアイデンティティを管理する労働であると同時に、見る側の自己認識も揺さぶります。警察小説の形を取りながら、身体、記憶、監視の問題へ広がります。
- 816 2012 佐渡の三人 さどのさんにん 『佐渡の三人』は、佐渡という島の土地性を背景に、三人の人物の関係や記憶を描く長嶋有の小説です。島は閉じた場所でありながら、外から来る者と土地に残るものを結びつけます。長嶋作品らしい抑えたユーモアのなかで、家族や共同体への距離が見えてきます。
- 817 2012 さよならクリストファー・ロビン さよならクリストファー・ロビン 2012年に新潮社から刊行された、高橋源一郎自身が「最高傑作」と称した短篇集。表題作「さよならクリストファー・ロビン」は『クマのプーさん』の登場人物を著者の世界に招き入れる試みから生まれ、ほかに「峠の我が家」「星降る夜に」「お伽草紙」「ダウンタウンへ繰り出そう」「アトム」の計六篇を収める。児童文学や… 第48回 谷崎賞
- 818 2012 しろいろの街の、その骨の体温の しろいろのまちの、そのほねのたいおんの 『しろいろの街の、その骨の体温の』は、小学4年生の結佳が、女の子同士の複雑な友人関係をやり過ごしながら、伊吹雄太への恋愛とも支配ともつかない感情を強めていく長編です。Amazonの商品紹介では、女の子が少女へ変化する時間を切り取り、性や欲望を丹念に描く静かな衝撃作として説明されています。ニュータウン… 第26回 三島賞
- 819 2012 しょうがの味は熱い しょうがのあじはあつい 『しょうがの味は熱い』は、煮え切らない男と煮詰まった女の同棲生活を描く綿矢りさの二篇を収めた作品です。食べものの熱さは、恋愛や生活の中で小さく蓄積する苛立ちと結びつきます。夫婦未満の親密さと倦怠を、口語的で乾いた文体で描きます。
- 820 2012 週末カミング しゅうまつカミング 『週末カミング』は、週末という限られた時間を通じて、都市で暮らす人物の移動や感情の変化を描く柴崎友香の小説です。来るものを待つ感覚は、恋愛や記憶、生活のリズムと重なります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 821 2012 タダイマトビラ タダイマトビラ 『タダイマトビラ』は、子を愛せない母のもとで育った少女・恵奈が、満たされない「家族欲」を秘密の行為で処理しようとする長編です。新潮社公式紹介では、高校に入って年上の学生と同棲を始めても理想の家族への渇きが止まらず、世界が一変していく物語として説明されています。家族を自然な愛の場とみなす前提を疑い、家…
- 822 2012 田中慎弥の掌劇場 たなかしんやのてのひらげきじょう 『田中慎弥の掌劇場』は、新聞連載から生まれた短い小説を収める掌編集です。短い形式のなかで、孤独、記憶、死の気配が圧縮され、長編とは別の鋭さで田中慎弥の暗い感触が現れます。掌編という制約が、語りの省略と余白を強くしています。
- 823 2012 トリガール! とりがーる! 『トリガール!』は、人力飛行機サークルに入った女子大生を描く中村航の青春スポーツ小説です。ものづくりと飛行への挑戦は、仲間との衝突や自己認識の変化と結びつきます。理系サークルの共同作業を通じて、青春、技術、集団の熱を描く作品です。
- 824 2012 わたしがいなかった街で わたしがいなかったまちで 『わたしがいなかった街で』は、柴崎友香が、経験していない戦争や過去の映像と、現在の都市生活を重ねる小説です。自分がいなかった場所や時間をどう想像するかが、記憶と責任の問いになります。静かな語りのなかで、戦争の記録と個人の日常が交差します。
- 825 2012 私の中の男の子 わたしのなかのおとこのこ 『私の中の男の子』は、自分の内側にある「男の子」という感覚を通じて、ジェンダーと身体の境界を描く山崎ナオコーラの小説です。性別は固定された属性ではなく、語り手の内面で動き続ける違和感として現れます。軽やかな文体で、自己認識と社会の分類のずれを読む作品です。
- 826 2012 夜蜘蛛 よぐも 『夜蜘蛛』は、亡父の戦争の記憶をめぐる手紙の謎を描く田中慎弥の中篇です。父の過去は家族の内部に沈み込み、手紙という媒体を通じて遅れて現在に届きます。戦争、父子、記憶の問題を、不穏で乾いた語りで掘り下げます。
- 827 2012 冥土めぐり めいどめぐり 『冥土めぐり』は、家族に搾取され続けてきた奈津子が、脳の病を得て車椅子生活を送る夫・太一と一泊二日の旅に出る作品です。没落した家族の記憶と、夫との静かな絆が旅の時間の中で重なります。家族からの傷とケアの関係を、救済のあり方として問い直す作品です。 第147回 芥川賞
- 828 2012 abさんご えーびーさんご 昭和の知的家庭に生まれた幼子が成長し、父母を看取るまでを描く作品。横書き、固有名詞を用いない語りなど、形式上の実験が大きな特徴である。家族史を扱いながら、父子の間で長く見過ごされてきた沈黙や距離を、記憶の断片としてすくい上げる。言葉の配置そのものによって、時間の手触りと家族を語る難しさを問い直す。 第148回 芥川賞
- 829 2012 河童日誌 かっぱにっし 『河童日誌』は、鈴木善徳が「髪魚」で第113回文學界新人賞を受賞した後に発表した短篇です。NDLサーチでは『文學界』2012年5月号、54-85ページ掲載の記事として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、内容説明は掲載情報と文学賞候補歴に限定します。
- 830 2012 こどもの指につつかれる こどものゆびにつつかれる 『こどもの指につつかれる』は、第114回文學界新人賞受賞作として「文學界」2012年6月号に掲載された小祝百々子の作品です。NDLサーチとCiNii Researchで、掲載誌・ページ範囲・受賞作表記を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や人物設定を推測しない…
- 831 2012 隙間 すきま 『隙間』は、人と人の間にある見えない距離を主題にした森山忍のデビュー作です。具体的な筋は限られていますが、題名どおり、関係の裂け目や沈黙の余白を読む作品として整理できます。親密さの中にある距離感を、静かな語りで描く作品です。 第115回 文學界新人賞
- 832 2012 最後のうるう年 さいごのうるうどし 『最後のうるう年』は、第115回文學界新人賞受賞作として「文學界」2012年12月号に掲載された二瓶哲也の作品です。NDLサーチとCiNii Researchで、掲載誌・ページ範囲・受賞作表記を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や語り口を推測しない形で登録し…
- 833 2012 とつきとおか とつきとおか 『とつきとおか』は、中納直子が第54回群像新人文学賞受賞後に発表した第一作として「群像」2012年4月号に掲載された作品です。NDLサーチで掲載誌、発行年月、ページ範囲、受賞第一作表記を確認できます。
- 834 2012 架空列車 かくうれっしゃ 『架空列車』は、第55回群像新人文学賞当選作として「群像」2012年6月号に掲載された岡本学の作品です。講談社公式の受賞者履歴で、作品名・著者名・発表号を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は保留します。 第55回 群像新人賞
- 835 2012 泡をたたき割る人魚は あわをたたきわるにんぎょは ワニのような形をした島で、左半分に住む薫が「魚になりたい」と願い、脚と配達用の原付バイクと引き換えに人魚になる。童話的な変身譚を現代の島の生活へ移し、身体の違和感や孤独を寓話的に描く。人魚という異形の姿が、社会の中で生きることの痛みを照らす作品である。
- 836 2012 おしかくさま おしかくさま 四十九歳でバツイチ、子どものいないミナミが、「おしかくさま」というお金の神様を信じる女たちに出会い、その正体を追っていく。奇妙な信仰を入り口に、将来不安、生活、共同幻想としてのお金を問う作品。怪異譚のような設定を現代日本の経済感覚へ接続する点が読みどころである。 第49回 文藝賞
- 837 2012 狭小邸宅 きょうしょうていたく 不動産営業会社で働く若い社員を主人公に、ノルマ、叱責、顧客対応に追われる日々を描く職場小説。狭い住宅を売る仕事の具体性が、労働の過酷さと都市生活の息苦しさを結びつける。成長譚の枠組みを持ちながら、ブラックな職場環境を乾いたリアリズムで読ませる作品である。 第36回 すばる文学賞
- 838 2012 黄金の庭 おうごんのにわ 夫との暮らしを立て直すため奇妙な町へ移った青奈が、職探しや子どもができない悩みを抱えながら、しゃべるオパールの指輪と出会う。現実的な生活不安を、指輪や町の不思議さが少しずつ寓話化していく。夫婦、家族、幸福をめぐる問いを、柔らかな幻想の手触りで読ませる作品である。 第36回 すばる文学賞
- 839 2012 いない いない 『いない』は、「すばる」2012年5月号に掲載された太田靖久の小説です。NDLサーチでは同号120-165ページの雑誌記事として確認でき、CiNii Researchにも関連レコードがあります。公開Web上で詳細な内容紹介を確認できなかったため、主題や筋の説明は推測せず書誌情報を中心に登録します。
- 840 2012 肉骨茶 にくこつちゃ シンガポール・マレーシアへの旅の途中で母のもとを抜け出した17歳の赤猪子を描く。食べ物が自分の身体に蓄積していくことへの恐怖から逃れようとする彼女は、友人ゾーイーの海辺の別荘に身を寄せる。食、身体、母子関係を通じて、人間であることへの拒絶を激しく描くデビュー作。 第44回 新潮新人賞
- 841 2012 黙って喰え だまってくえ 食べることをめぐる欲望と暴力性を扱うデビュー短篇。身体的な行為としての食事を、人間関係や支配の感覚へ結びつける作品として登録されている。新潮新人賞公式ページで受賞事実は確認できるが、今回確認できた公式ページでは梗概までは示されていないため、内容紹介は既存梗概に基づく限定的な整理である。 第44回 新潮新人賞
- 842 2012 螺法四千年記 らほうよんせんねんき 古代から現代までを四千年の時間幅でたどり、神、人、ちいさな生き物たちの気配が現在の地平に重なっていく長篇。詩人でもある日和聡子の文体が、此岸と彼岸、私と彼方を行き来する神話的な感触を生み出す。直線的な歴史小説というより、螺旋状に時間と声が響き合う幻想性が読みどころである。 第34回 野間新人賞
- 843 2012 東京自叙伝 とうきょうじじょでん 東京という土地に宿る語り手が、幕末から平成へ至る都市の変貌を自分史のように語る長篇。人間、猫、鼠などへ姿を変えながら記憶を重ねる設定により、都市史と転生譚が混ざり合う。奥泉光らしい饒舌な語りの推進力で、東京という場所そのものを主人公化した作品である。 第50回 谷崎賞
- 844 2012 黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2 きいろいみずぎのなぞくわがたこういちじゅんきょうじゅのすたいりっしゅなせいかつに 『黄色い水着の謎』は、奥泉光が2012年に文藝春秋から刊行した桑潟幸一シリーズ第2作です。著者ページの著書一覧で収録作と刊行情報を確認できます。
- 845 2012 虫樹音楽集 ちゅうじゅおんがくしゅう 『虫樹音楽集』は、奥泉光が2012年に集英社から刊行した作品集です。著者ページの著書一覧で収録作と刊行情報を確認できます。
- 846 2012 給水塔と亀 きゅうすいとう と かめ 定年後に幼いころ暮らした土地へ戻ってきた独身男性を主人公に、給水塔の記憶と前住人が残した亀をめぐって老いと孤独を見つめる短篇。大きな事件ではなく、製麺所の排水、古い団地、ベランダからの風景といった細部が、人生の時間の流れを静かに立ち上げる。津村記久子らしい抑制された語りが、再出発のかすかな意欲を読み… 第39回 川端賞
- 847 2012 千のキス せんのきす 安達千夏の2010年代単行本候補。既存収録作と重複しない。
- 848 2012 クエーサーと13番目の柱 くえーさーとじゅうさんばんめのはしら 『クエーサーと13番目の柱』は、阿部和重が2012年に講談社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で単行本情報を確認できます。
- 849 2012 東京プリズン とうきょうプリズン 『東京プリズン』は、赤坂真理が2012年7月に河出書房新社から刊行した長篇小説です。16歳のマリがアメリカ留学先で、日本を「かつての敵国」と呼ぶ人々に囲まれ、「天皇の戦争責任」をめぐるディベートへ巻き込まれていきます。少女の身体感覚と、2009年の日本へつながる時間のずれを通して、戦争責任、戦後、家… 第23回 紫式部文学賞
- 850 2012 ことり ことり NDLサーチで2012年11月刊の朝日新聞出版版単行本と2016年文庫版を確認できる。
- 851 2012 盤上の夜 『盤上の夜』は、囲碁、チェッカー、麻雀、古代遊戯など、盤上のゲームをめぐる想像力から人間の知性と身体を照らす宮内悠介の連作短篇集です。勝敗やルールの世界を描きながら、そこに宿る記憶、痛み、祈り、歴史の感触を重ね、SF的な思考実験と文学的な余韻を交差させます。
- 852 2012 あたたかい水の出るところ 『あたたかい水の出るところ』は、木地雅映子の青春小説です。光文社公式ページでは、温泉を「地上最強のパワースポット」とする主人公が、息が詰まる日常の中で出口を探すガール・ミーツ・ボーイ・ストーリーとして紹介されています。NDLサーチでは2012年4月に光文社から刊行されたNDC9 913.6の図書とし…
- 853 2012 昆虫の記憶による網膜貯蔵シェルター、及びアンテナ こんちゅうのきおくによるもうまくちょぞうしぇるたーおよびあんてな 2012年4月に月曜社から刊行された清水アリカの著作をNDLで確認。既存登録の『革命のためのサウンドトラック』『デッドシティ・レイディオ』とは別の単行本候補。
- 854 2012 母の遺産 : 新聞小説 ははのいさん しんぶんしょうせつ 2012年3月に中央公論新社から刊行された長篇。NDLとBooks系書誌で単行本、2015年の中公文庫上下巻を確認できる。章題には通夜、ポータブル・トイレ、家の売却、戸籍、葬儀など、介護と相続をめぐる現実的な場面が並ぶ。
- 855 2012 紙の月 かみのつき 角川春樹事務所から2012年3月に刊行された未登録単行本。NDLで単行本と文庫版を確認。
- 856 2012 K けい 晩年期の三木卓による単行本小説候補。作品内容の細部は候補段階では膨らませず、まず講談社刊の本として登録候補に置く。
- 857 2012 沈黙のレシピエント ちんもくのれしぴえんと 2012年刊行。英題は NDL 上で Recipient of Silence と併記される。
- 858 2012 青にまみえる あおにまみえる 『青にまみえる』は、左能典代が2012年に新潮社から刊行した小説です。NDLサーチでは左能典代(1944-)著、新潮社、2012年1月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 859 2012 光線 『光線』は、村田喜代子が2012年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 860 2011 赤の他人の瓜二つ あかのたにんのうりふたつ 『赤の他人の瓜二つ』は、血縁のない他人が瓜二つであるという設定から、労働、移動、世界史を交差させる磯﨑憲一郎の長編です。写し鏡のような人物配置は、個人の固有性と歴史の反復を同時に揺さぶります。寓話的な設定を取りながら、近代的な労働と身体の問題へ広がる作品です。 第21回 ドゥマゴ文学賞
- 861 2011 あかりの湖畔 あかりのこはん 『あかりの湖畔』は、湖畔という静かな場所を背景に、家族や記憶の揺らぎを描く青山七恵の小説です。人物の感情は大きく叫ばれるよりも、風景や会話の間ににじみます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と題名に基づく暫定的な紹介です。
- 862 2011 わたしの彼氏 わたしのかれし 『わたしの彼氏』は、恋人という近しい存在を通じて、自己認識と他者への期待のずれを描く青山七恵の小説です。平明な語りのなかで、恋愛の甘さよりも、人が関係に名前を与えようとするぎこちなさが目立ちます。若い人物の感情を、淡い距離感で読む作品です。
- 863 2011 BANG! BANG! BANG! ばんばんばん 『BANG! BANG! BANG!』は、題名の破裂音が示すように、若い人物の感情や関係の衝突を強く響かせる朝比奈あすかの小説です。公開資料では内容細部を十分に確認できていないが、青春の勢いと暴発する不安を読む作品として暫定的に整理できます。軽快さと息苦しさが併存する読み味です。
- 864 2011 これはペンです これはぺんです 『これはペンです』は、書くこと、記号、道具としての言葉をめぐる円城塔の実験的な小説です。題名の単純な文は、ものを名指すことの確かさを疑わせ、物語の成立条件そのものを問いに変えます。メタフィクションとしての仕掛けと、知的なユーモアが読みどころです。
- 865 2011 不愉快な本の続編 ふゆかいなほんのぞくへん 『不愉快な本の続編』は、既にある物語の「続編」という発想から、読むこと、語り直すこと、他者の物語を引き受けることを問う絲山秋子の作品です。既存データでは『異邦人』を思わせる文脈が示されており、文学的参照を通じて孤独と違和感が描かれます。廃墟や続きの感覚が、乾いた不穏さを生みます。
- 866 2011 ぐるぐる七福神 ぐるぐるしちふくじん 『ぐるぐる七福神』は、七福神という祝祭的なモチーフを、日常の迷いや巡り合わせに結びつける中島たい子の小説です。信仰や縁起のよさは、人物をすぐに救うものではなく、生活のなかをぐるぐる回る不安と重なります。公開資料では内容細部を確認しきれていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 867 2011 ハコブネ ハコブネ 『ハコブネ』は、性をめぐる違和感を抱える三人の女性を描く長編です。Amazonの商品紹介では、自らの性別を脱ぎ捨てたセックスを求める里帆、女であることに固執する椿、肉体感覚を持てない千佳子という、交差しない三人の性の行方が示されています。女であること、身体を持つこと、他者と関係することの苦しさを描く…
- 868 2011 人生オークション じんせいおーくしょん 『人生オークション』は、人生を売りに出すような題名を通じて、家族、労働、お金の感覚を描く原田ひ香の作品です。価値がつくものとつかないものの差が、人物の生活の切実さを照らします。日常的な語りのなかに、貧困や関係の再配置が見えてきます。
- 869 2011 寒灯 かんとう 『寒灯』は、西村賢太の北町貫多ものの系譜にある私小説的な作品です。既存データでは、貫多と秋恵の同棲生活が崩れていく過程が中心に置かれています。貧しさ、恋愛の破綻、自己嫌悪を、乾いた語りで露出させる作品です。
- 870 2011 かわいそうだね? かわいそうだね 『かわいそうだね?』は、恋人が元恋人と同居を始めるという理不尽な状況に置かれた女性を描く綿矢りさの小説です。誰かを「かわいそう」と呼ぶ視線そのものが、恋愛、同情、優越感の複雑な関係をあぶり出します。口語的な軽さの奥で、女性同士の比較や自己防衛が痛切に響きます。
- 871 2011 春待ち海岸カルナヴァル はるまちかいがんかるなゔぁる 『春待ち海岸カルナヴァル』は、海辺の土地と春を待つ時間を重ね、記憶や人間関係の揺れを描く木村紅美の小説です。カルナヴァルという祝祭的な語は、静かな海岸の風景に非日常の気配を差し込みます。公開資料では内容細部を確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 872 2011 黒うさぎたちのソウル くろうさぎたちのそうる 『黒うさぎたちのソウル』は、ソウルという海外都市を舞台に、移動と孤独の感覚を描く木村紅美の作品です。黒いうさぎという像は、かわいらしさだけでなく、夜や不安の気配も帯びています。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 873 2011 いい女vsいい女 いいおんなたいいいおんな 『いい女vs.いい女』は、女性像の競争や評価を、木下古栗らしい奇妙なユーモアと不穏さで扱う作品です。題名の「vs.」は、人物同士の対立だけでなく、社会が押しつける「いい女」像のばかばかしさを示します。実験的な語りと、ジェンダー規範への斜めの視線が読みどころです。
- 874 2011 こちらあみ子 こちらあみこ 『こちらあみ子』は、周囲と噛み合わない少女あみ子の言動を通じて、家族、学校、共同体の残酷さを描く今村夏子のデビュー単行本です。純真さは美談としてではなく、他者とのずれを増幅する力として働きます。簡潔な文体のなかで、笑いと痛みが同時に立ち上がる作品です。 第24回 三島賞
- 875 2011 恋する原発 こいするげんぱつ 『恋する原発』は、東日本大震災後の言葉とメディアを、チャリティーAV制作という挑発的な設定から問い直す高橋源一郎の小説です。笑いや猥雑さを含む語りは、災害をきれいな物語に回収することへの抵抗として働きます。性、表現、原発事故後の社会を同時に扱うメタフィクションです。
- 876 2011 心はあなたのもとに こころはあなたのもとに 『心はあなたのもとに』は、村上龍が恋愛と病、身体の問題を重ねて描く長編です。親密な関係は感情だけでは支えきれず、医療、経済、身体の条件によって揺さぶられます。恋愛小説でありながら、現代社会の生の不安を読む作品でもあります。
- 877 2011 まことの人々 まことのひとびと 『まことの人々』は、誠実さや信じることをめぐる人物群を描く大森兄弟の小説として整理できます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認と『陽だまり幻想曲』を含む創作合評レコードでの扱いに基づく暫定的な紹介です。ユーモアと不穏さを含む群像的な読み味が想定されます。
- 878 2011 末裔 まつえい 『末裔』は、血筋や受け継がれるものをめぐって、家族と記憶の問題を描く絲山秋子の小説です。題名は、人物が自分の始まりではなく、誰かの後に続く存在として生きている感覚を示します。乾いた文体のなかに、家の歴史と自己認識の不穏さが漂います。
- 879 2011 マザーズ マザーズ 『マザーズ』は、小説家、モデル、専業主婦という三人の母親を通して、育児の孤独、身体の疲弊、母であることへの圧力を描く金原ひとみの長編です。多視点の構成により、母性を一枚岩の美徳としてではなく、生活を侵食する制度や感情として浮かび上がらせます。息苦しさのなかに、女性たちの怒りと切実さが強く残ります。 第22回 ドゥマゴ文学賞
- 880 2011 虹色と幸運 にじいろとこううん 『虹色と幸運』は、柴崎友香らしい観察の文体で、都市の日常に差す色や偶然を拾う小説です。虹色や幸運は大きな救済ではなく、人物の生活のなかにふと現れて消える感覚として読めます。恋愛、記憶、孤独が、静かな風景描写のなかに沈んでいます。
- 881 2011 ニキの屈辱 にきのくつじょく 『ニキの屈辱』は、山崎ナオコーラが女性の自己像、身体、他者からの評価を描く小説です。屈辱という強い語は、社会的な視線や恋愛関係のなかで、人物が自分の輪郭を傷つけられる感覚を示します。軽い語り口の背後に、ジェンダーと身体の痛みが残ります。
- 882 2011 ぬるい毒 ぬるいどく 『ぬるい毒』は、学生時代に現れた得体の知れない男・向井との関係に、女性が長く絡め取られていく本谷有希子の小説です。暴力は分かりやすい激しさではなく、ぬるく続く支配や依存として描かれます。恋愛、孤独、自己破壊が、息苦しい一人称の感覚で迫ります。 第33回 野間新人賞
- 883 2011 王国 おうこく 『王国』は、中村文則が犯罪、支配、孤独をめぐって描く暗い寓話的な小説です。王国という語は安定した共同体ではなく、力や欲望によって作られる閉じた支配空間を思わせます。都市の裏側にある暴力と、そこに巻き込まれる個人の不安が読みどころです。
- 884 2011 おれたちの青空 おれたちのあおぞら 『おれたちの青空』は、佐川光晴が若者たちの生活、家族、社会の条件を描く小説です。青空という明るい像の下で、人物たちは貧しさや家庭の問題から完全には自由になれません。青春小説のかたちを取りながら、生活の切実さを読む作品です。
- 885 2011 すべて真夜中の恋人たち すべてまよなかのこいびとたち 『すべて真夜中の恋人たち』は、孤独な校閲者・冬子と年上の物理教師・三束さんの出会いを描く川上未映子の長編です。真夜中の光や静けさは、都市で働く女性の孤独と、他者に近づこうとする繊細な感情を照らします。恋愛小説でありながら、労働、孤独、自己認識の物語として読めます。
- 886 2011 領土 りょうど 『領土』は、諏訪哲史が土地、言葉、所有の感覚を問い直す作品です。領土という政治的な語は、国家だけでなく、身体や記憶、語りが占める場所の問題にも広がります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 887 2011 スウィート・ヒアアフター スウィート・ヒアアフター 『スウィート・ヒアアフター』は、事故で恋人を失った女性が、喪失の後の時間を生き直していく吉本ばななの小説です。既存データでは震災後の再生の感覚も示されており、個人の死別と社会全体の傷が重ねて読めます。やわらかな文体のなかで、痛切さと回復への気配が共存します。
- 888 2011 東京ロンダリング とうきょうろんだりんぐ 『東京ロンダリング』は、事故物件に一定期間住むことで部屋の履歴を洗い流す女性を描く原田ひ香の小説です。住まいは安心の場所ではなく、死や過去の痕跡を引き受ける仕事の現場になります。東京の部屋をめぐって、孤独、労働、喪失が交差します。
- 889 2011 共喰い ともぐい 昭和63年夏、川辺の町に暮らす17歳の遠馬は、父・円とその愛人琴子との三人暮らし。父は性交の際に女を殴る男で、遠馬の実母・仁子はその暴力ゆえに家を出て、川向こうで魚屋を営んでいる。恋人の千種との関係が深まるにつれ、遠馬は自分の中にも父と同じ暴力の血が流れているのではないかという恐れに苛まれていく。鰻… 第146回 芥川賞
- 890 2011 ビリジアン ビリジアン 『ビリジアン』は、色彩、風景、記憶の手ざわりを、柴崎友香らしい観察の文体で描く小説です。ビリジアンという色名は、人物の感情を説明するのではなく、視覚的な印象として残します。都市や郊外の日常のなかで、孤独と芸術的な感受性が静かに重なります。
- 891 2011 WANTED!! かい人21面相 うぉんてっど かいじんにじゅういちめんそう 『WANTED!! かい人21面相』は、グリコ・森永事件を想起させる「かい人21面相」を題材に、記憶、犯罪、言葉のパロディを組み合わせる赤染晶子の小説です。事件の固有名は、昭和的な大衆記憶と文学的な語りの遊びを同時に呼び込みます。芥川賞受賞後第一作として、ユーモアと不穏さが交錯する作品です。
- 892 2011 「ワタクシハ」 ワタクシハ 『「ワタクシハ」』は、就職活動に翻弄される元バンドマンの大学生を描く羽田圭介の就活小説です。自己PRや面接の言葉が、主人公の音楽への未練や自己像をゆがめていきます。労働へ入る前の儀礼としての就活を、乾いた違和感とともに読む作品です。
- 893 2011 私のいない高校 わたしのいないこうこう 『私のいない高校』は、1992年の小学校を舞台に、校舎から見える家に住む子供の視点で綴られる青木淳悟の連作です。学校という共同体のなかにいるようでいない感覚が、記憶と観察のずれとして積み上がります。子供の視界を通じて、同調圧力と孤立が静かに浮かぶ作品です。 第25回 三島賞
- 894 2011 獅子頭 しーずとう 『獅子頭』は、獅子舞を思わせる題名を通じて、移動する人びとの記憶や家族のつながりを描く楊逸の小説です。中国語圏の文化的な記憶と日本語で書く現在が重なり、越境の感覚が作品の核になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 895 2011 天の火 テン ノ ヒ 梨の木舎から2011年に刊行された高倉やえの未収録単著。
- 896 2011 七月のばか しちがつのばか 『七月のばか』は、吉井磨弥が「ゴルディータは食べて、寝て、働くだけ」で第111回文學界新人賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは『文學界』2011年11月号、98~145ページ掲載の記事として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、内容説明は掲載情報に限…
- 897 2011 甘露 かんろ 『甘露』は、家と家族をめぐる不穏さを描く水原涼のデビュー作です。若い書き手による作品ながら、家族の内部に潜む圧力や不快な甘さを鋭く扱います。第145回芥川賞候補にもなり、デビュー時から筆力を注目された作品です。 第112回 文學界新人賞
- 898 2011 癌だましい がんだましい 『癌だましい』は、食道癌の患者の視点から、病と生をブラックユーモアを交えて描く山内令南のデビュー作です。看護経験を持つ作者ならではの距離感が、病を過度に美化せず、生のしぶとさとして描き出します。病院や身体の現実を、痛切さとユーモアの両方で読む作品です。 第112回 文學界新人賞
- 899 2011 癌ふるい がんふるい 『癌ふるい』は、山内令南が「癌だましい」で第112回文學界新人賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは『文學界』2011年7月号、156~167ページ掲載の記事として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 900 2011 髪魚 かみうお 『髪魚』は、人体と異形なるものの関係を独自の感覚で描く鈴木善徳のデビュー作です。髪と魚という異質なイメージを結びつけ、身体の境界が揺らぐ感覚を前面に出しています。後に芥川賞候補となる作者の、奇妙な身体感覚を示す出発点です。 第113回 文學界新人賞
- 901 2011 きんのじ きんのじ 『きんのじ』は、大阪文学学校在籍中に書かれた長谷原宏己のデビュー作です。製造業で働く人物の日常と内面を静かな文体で描く作品として整理されています。労働の反復の中にある孤独や尊厳を、派手な事件ではなく生活の手触りから読む作品です。 第113回 文學界新人賞
- 902 2011 美しい私の顔 うつくしいわたしのかお 『美しい私の顔』は、第54回群像新人文学賞当選作として「群像」2011年6月号に掲載された中納直子の作品です。講談社公式の受賞者履歴で、作品名・著者名・発表号を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から主題や人物設定を推測しない形で登録します。 第54回 群像新人賞
- 903 2011 クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰 くりすたるう゛ぁりーにふりそそぐはい 『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』は、東京大学医学部に進む秀才と、スポーツ推薦で進学した同世代の若者たちが交錯する青春群像です。知性、身体、暴力、階層の断絶が鋭角的に描かれます。若者の成功と孤立を、制度や身体能力の違いから照らす作品です。 第48回 文藝賞
- 904 2011 フラミンゴの村 ふらみんごのむら 『フラミンゴの村』は、二十世紀初頭のベルギーの村で、ある日突然に妻がフラミンゴになるという奇妙な出来事をめぐる幻想小説です。変身譚のかたちを取りながら、共同体の視線や夫婦の距離を浮かび上がらせます。ヨーロッパ文学的な寓話性を帯びた作品として整理できます。 第35回 すばる文学賞
- 905 2011 楽器 がっき 『楽器』は、記憶と語りの重なりを繊細に扱った滝口悠生のデビュー短篇です。音や楽器のイメージを通じて、過去の出来事や人の声が現在の語りに響きます。のちに芥川賞・野間文芸新人賞を受賞する作者の、時間感覚と語りの特徴を示す出発点です。 第43回 新潮新人賞
- 906 2011 半島へ はんとうへ 『半島へ』は、伊勢志摩の半島地帯を舞台に、衰えゆく自然と人間の静かな対話を描く散文詩的長編です。土地の風景と老い、移ろう自然の気配が、ゆるやかな時間の中で重なります。半島という外縁の場所から、生と死の境目を見つめる作品です。 第47回 谷崎賞
- 907 2011 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 くわがたこういちじゅんきょうじゅのすたいりっしゅなせいかつ 『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』は、奥泉光が2011年に文藝春秋から刊行した連作集です。著者ページではテレビドラマ化にも触れられている桑潟幸一シリーズの一作として確認できます。
- 908 2011 地の鳥 天の魚群 ちのとりてんのぎょぐん 『地の鳥 天の魚群』は、奥泉光が2011年に幻戯書房から刊行した作品集です。著者ページでは「地の鳥 天の魚群」「乱歩の墓」「深い穴」を収録する単行本として確認できます。
- 909 2011 異郷 いきょう 『異郷』は、津村節子が夫・吉村昭の死後の喪失と生者の日常を静かに描いた短篇です。身近な死を経た後の生活を、過剰な感傷ではなく抑制された語りで見つめます。配偶者の不在を抱えて生きる時間を、静謐な読み味で描く作品です。 第37回 川端賞
- 910 2011 犬とハモニカ いぬ と はもにか 『犬とハモニカ』は、孤独、記憶、男女の間に生じる微妙な感情を描く江國香織の短篇です。身近な事物である犬とハモニカのイメージが、語りの中で人と人の距離をやわらかく照らします。大きな事件よりも、感情のかすかな揺れを読む作品です。 第38回 川端賞
- 911 2011 ワーカーズ・ダイジェスト わーかーず・だいじぇすと 『ワーカーズ・ダイジェスト』は、東京で働くデザイナーの奈加子と、大阪で働く重信という二人の会社員を描く作品です。同じ名字を持つ二人の生活は大きく交差しないまま、仕事の疲れ、移動、職場の人間関係、日々の小さな不調を通して響き合います。働く人の時間を、劇的な成功や破局ではなく、淡々とした持続として捉える… 第28回 織田作之助賞
- 912 2011 陰の都 かげのみやこ 作品社刊の2011年単行本。吉野光の後期の歴史題材作品として追加候補になる。
- 913 2011 孕みの木の実はされるがままだ はらみのこのみはされるがままだ 『孕みの木の実はされるがままだ』は、第113回文學界新人賞の候補作として確認できる小祝百々子の作品。単行本化、初出号、梗概は今回確認できた出典では明らかでないため、作品内容の紹介は保留する。現時点では、同作者の受賞作『こどもの指につつかれる』に先立つ候補作として位置づける。
- 914 2011 馬たちよ、それでも光は無垢で うまたちよ、それでもひかりはむくで 『馬たちよ、それでも光は無垢で』は、東日本大震災後の福島を起点に、古川日出男自身の小説世界と現実の被災地が交差する作品です。新潮社公式紹介では、『聖家族』の人物・狗塚牛一郎の声を小説家が福島で聞くという導入が示されています。被災地、郷土、言葉、想像力をめぐる応答として書かれ、フィクションが現実へ届き…
- 915 2011 黄金特急 『黄金特急』は、久間十義が2011年に実業之日本社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 916 2011 雪の練習生 ゆきのれんしゅうせい 『雪の練習生』は、サーカスや動物園に関わる三世代の白熊をめぐり、人間と動物、母語と外国語、芸と労働の境界を横断する長篇です。語り手を人間に固定しないことで、越境や翻訳の問題が身体感覚として立ち上がる。多和田葉子らしい寓話性と、歴史の暴力を軽やかにずらす語りが読みどころです。 第64回 野間文芸賞
- 917 2011 ジェントルマン じぇんとるまん 『ジェントルマン』は、人を惹きつける優雅さと危うさを併せ持つ人物を軸に、恋愛と倫理の境界を問う長篇です。単純な善悪に回収しにくい人間の魅力を、山田詠美らしい身体感覚と会話の強度で描く。タイトルの「紳士」が何を隠し、何を露出させるのかを読む作品です。 第65回 野間文芸賞
- 918 2010 嘘、本当、それ以外 うそほんとうそれいがい 『嘘、本当、それ以外』は、三並夏が『平成マシンガンズ』で第42回文藝賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「文藝賞受賞第一作」として記録され、CiNii Researchで『文藝』49巻1号、2010年、186-223ページ掲載の書誌を確認できます。デビュー作の強い語りから、三並夏…
- 919 2010 手のひらに微熱 てのひらにびねつ 『手のひらに微熱』は、藤代泉が『ボーダー&レス』で第46回文藝賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「文藝賞受賞第一作」として記録され、CiNii Researchで『文藝』49巻3号、2010年、88-145ページ掲載の書誌を確認できます。『ボーダー&レス』以後の藤代泉の初期展開…
- 920 2010 深海 しんかい 『深海』は、『カメレオン狂のための戦争学習帳』で第52回群像新人文学賞を受けた丸岡大介が「群像」2010年4月号に発表した短篇です。NDLサーチでは「特集 新鋭8人短篇競作」の一篇として、掲載誌・巻号・ページ範囲を確認できます。同名の医学・工学系著者資料が検索結果に混在するため、責任表示・掲載誌・N…
- 921 2010 拍動 はくどう 『拍動』は、シリン・ネザマフィが第108回文學界新人賞受賞後に発表した小説です。NDLサーチでは「文學界新人賞受賞第一作」と副題が付され、『文學界』2010年6月号、98-137ページ掲載の記事として確認できます。日本語を母語としない書き手によるデビュー後の展開をたどるうえで、『白い紙』と並べて参照…
- 922 2010 悪と仮面のルール あくとかめんのるーる 『悪と仮面のルール』は、悪になるよう育てられた青年を軸に、犯罪、宿命、自己形成を描く中村文則の長篇です。仮面という題名が示すように、人物は本当の顔と与えられた役割のあいだで揺れます。ノワール的な緊張を持ちながら、悪を選ぶことと選ばされることの境界を問う作品です。
- 923 2010 「悪」と戦う あくとたたかう 2010年に河出書房新社から刊行された高橋源一郎の長編。小説家の父である語り手のもと、3歳の兄ランちゃんが、悪の手先ミアちゃんに連れ去られた弟キイちゃん(1歳半)を取り戻すために「悪」と戦う。冒険譚の体裁を借りつつ、家族・言葉・生と死をめぐる主題を重ねる。
- 924 2010 あのとき始まったことのすべて あのときはじまったことのすべて 『あのとき始まったことのすべて』は、過去のある瞬間から始まった感情や関係を振り返る中村航の小説です。恋愛や青春の出来事は、後になって意味を変え、現在の語りのなかで再構成されます。平易な文体で、記憶のなかの始まりをたどる読み味があります。
- 925 2010 お別れの音 おわかれのおと 『お別れの音』は、別れの瞬間やその前後に残る気配を、青山七恵らしい抑制された文体で描く作品です。音という題名は、はっきりした出来事よりも、生活のなかに残響する感情を思わせます。家族や恋愛の終わりを、静かな距離感で読む小説として整理できます。
- 926 2010 あられもない祈り あられもないいのり 『あられもない祈り』は、支配的な恋愛関係のなかに自分を置き続ける女性の苦しさを描く島本理生の小説です。親密さは救いであると同時に、相手に自分を明け渡してしまう危うさも帯びています。痛切な恋愛小説であり、身体と自己肯定の問題を読む作品です。
- 927 2010 月曜日の朝へ げつようびのあさへ 『月曜日の朝へ』は、週の始まりである月曜の朝に向かう感覚を通じて、若い人物の生活と不安を描く朝比奈あすかの作品です。日常の時間割や働くことの圧力が、人物の気持ちを少しずつ追い込みます。平明な語りのなかに、青春から社会へ出る時期の息苦しさが表れます。
- 928 2010 彼女のしあわせ かのじょのしあわせ 『彼女のしあわせ』は、女性にとっての幸福が何によって測られるのかを、家族、恋愛、仕事の文脈から描く朝比奈あすかの小説です。題名の「彼女」は、誰かに見られる存在であると同時に、自分で幸福を選び直す存在でもあります。日常的な場面から、同調圧力と自己決定の問題が見えてきます。
- 929 2010 やわらかな棘 やわらかなとげ 『やわらかな棘』は、傷つけるものが必ずしも硬く鋭いとは限らないことを、親密な関係のなかに描く朝比奈あすかの小説です。家庭や恋愛の穏やかな場面に、言葉や期待が刺さるような感覚が潜みます。日常のやわらかさと息苦しさの両方を読む作品です。
- 930 2010 地上で最も巨大な死骸 ちじょうでもっともきょだいなしがい 『地上で最も巨大な死骸』は、表題作と「クロスフェーダーの曖昧な光」を収めた飯塚朝美の単行本です。巨大な死骸というイメージは、死や身体の存在感を過剰なスケールで立ち上げます。現時点では詳細な内容資料が限られるため、死と身体をめぐる不穏な作品集として暫定的に整理します。
- 931 2010 団地の女学生 だんちのじょがくせい 『団地の女学生』は、団地という生活空間と女学生の視点を結びつけ、家族、学校、性をめぐる閉塞を描く伏見憲明の小説です。集合住宅の近さは共同性であると同時に、見られることや噂の圧力にもなります。成長の物語として、都市郊外の生活感とジェンダーの問題を読めます。
- 932 2010 後藤さんのこと ごとうさんのこと 『後藤さんのこと』は、円城塔の言語実験と物語のずれが前面に出る作品です。「後藤さん」という固有名は、人物であると同時に、語りが追いかける対象そのものの不確かさを示します。SF的想像力とメタフィクションの感覚で、言葉が対象を作り出す過程を読む作品です。
- 933 2010 御不浄バトル ごふじょうバトル 『御不浄バトル』は、ブラック企業で働く男がトイレを唯一の避難所として戦う、羽田圭介の職場小説です。労働の場で追い詰められた身体が、排泄の空間に逃げ込む構図がユーモラスで痛切です。職場、身体、屈辱の問題を、過剰な題名の勢いで読ませます。
- 934 2010 アクアノートとクラゲの涙 あくあのーととくらげのなみだ 『アクアノートとクラゲの涙』は、水中を思わせるイメージとクラゲの浮遊感を通じて、記憶や孤独を描く樋口直哉の小説です。題名の柔らかい幻想性は、現実から少し離れた視界を与えます。公開資料で内容細部を確認できていないため、書誌と題名から確実に言える範囲での暫定紹介です。
- 935 2010 うちに帰ろう うちにかえろう 『うちに帰ろう』は、家へ帰るという素朴な動作を通じて、家族や生活の拠点を見つめ直す広小路尚祈の小説です。帰る場所は安心だけでなく、過去や関係の重さを引き受ける場所でもあります。平明な題名のなかに、家族と地方的な生活感への問いが込められています。
- 936 2010 人もいない春 ひともいないはる 『人もいない春』は、西村賢太の私小説的な語りで、孤独、貧困、生活の荒みを描く作品です。春という明るい季節の言葉に対して、人のいなさが強調され、取り残された感覚が前面に出ます。乾いた自己暴露の文体が、生活の行き詰まりを読ませます。
- 937 2010 星が吸う水 ほしがすうみず 『星が吸う水』は、「星が吸う水」と「ガマズミ航海」を収める作品集です。Amazonの商品紹介では、野間文芸新人賞受賞後第一作として、女であることが遠ざかっていく感覚、精神が肉体をもてあます感覚を、男と女、女と女の対の構図で描く作品集とされています。性別、身体、欲望のずれをめぐる村田作品の関心が濃く出…
- 938 2010 実験 じっけん 『実験』は、田中慎弥の硬質な語りで、人間関係や自己意識を極限まで試すように描く小説です。題名の「実験」は、科学的手続きというより、人物が自分や他者を材料にしてしまう冷たさを思わせます。不穏で息苦しい空気のなかに、孤独と暴力の気配が漂います。
- 939 2010 勝手にふるえてろ かってにふるえてろ 『勝手にふるえてろ』は、脳内の初恋相手「イチ」と現実の求愛者「ニ」のあいだで揺れるOLヨシカを描く綿矢りさの恋愛小説です。内面の饒舌さと現実の人間関係のずれが、ユーモラスで痛い語りを生みます。恋愛の物語でありながら、自己像、妄想、孤独の問題が強く表れます。
- 940 2010 見知らぬ人へ、おめでとう みしらぬひとへおめでとう 『見知らぬ人へ、おめでとう』は、見知らぬ相手に向けた祝福という奇妙な距離感から、他者との関係を描く木村紅美の作品です。直接の親密さではなく、社会のなかですれ違う人びとへの想像が物語を動かします。都市的な孤独と、言葉によって関係を作ることの危うさが読みどころです。
- 941 2010 この世は二人組ではできあがらない このよはふたりぐみではできあがらない 『この世は二人組ではできあがらない』は、恋愛や結婚を二人組の単位で考える社会の前提を問い直す山崎ナオコーラの小説です。親密さは一対一の完成形ではなく、複数の関係や距離の取り方のなかで揺れます。ジェンダー、恋愛、共同性を、軽やかな文体で考える作品です。
- 942 2010 コトリトマラズ ことりとまらず 『コトリトマラズ』は、止まらずに動き続ける小鳥のような感覚を通じて、人物の落ち着かなさや生活の変化を描く栗田有起の小説です。定住できない心の動きと、日常の小さなずれが物語の軸になります。軽やかな題名の奥に、孤独と移動の感覚が見えます。
- 943 2010 苦役列車 くえきれっしゃ 中卒で家を出た19歳の北町貫多は、東京の埠頭で冷凍倉庫から荷を運び出す日雇い仕事でその日暮らしを続けている。日当はすぐに酒と風俗に消え、家賃は滞納し、人付き合いもない。そんな彼が職場で専門学校生の日下部と知り合い、初めて友人と呼べそうな存在を得るが、劣等感と過剰な自意識がその関係に影を落としていく… 第144回 芥川賞
- 944 2010 埋葬 まいそう 『埋葬』は、死者を葬る行為を通じて、記憶、喪失、残された者の時間を描く横田創の小説です。埋葬は終わらせる儀式であると同時に、過去を地中に置いたまま忘れられない行為でもあります。静かな不穏さのなかで、死と生活の境界を読む作品です。
- 945 2010 真綿荘の住人たち まわたそうのじゅうにんたち 『真綿荘の住人たち』は、下宿や共同住宅を思わせる場所に集まる人びとの孤独とつながりを描く島本理生の作品です。住人たちは近くにいながら、それぞれの痛みや幸福の基準を抱えています。真綿のような柔らかさと息苦しさが同居する、関係性の小説です。
- 946 2010 ミート・ザ・ビート ミート・ザ・ビート 『ミート・ザ・ビート』は、郊外で暮らすフリーターの青年の日常を、音楽的なリズムを持つ文体で描く羽田圭介の小説です。労働と無為のあいだを揺れる生活に、ビートのような反復と焦燥が重なります。若い身体、貧困、郊外の閉塞を読む作品です。
- 947 2010 マイルド生活スーパーライト まいるどせいかつすーぱーらいと 『マイルド生活スーパーライト』は、軽く薄い生活感を題名に掲げながら、日常の疲労や空虚さを描く丹下健太の小説です。強い事件よりも、生活の温度が下がっていくような感覚が中心にあります。公開資料では内容細部が限られるため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 948 2010 もしもし下北沢 もしもししもきたざわ 『もしもし下北沢』は、父の死後に母と娘が下北沢へ移り住み、喪失から少しずつ生活を立て直す吉本ばななの長篇です。街の店や人との関わりが、母娘の傷を癒やす場として機能します。死別の痛みと都市の温かさが同時に描かれる、再生の物語です。
- 949 2010 寝ても覚めても ねてもさめても 『寝ても覚めても』は、突然姿を消した恋人と瓜二つの顔を持つ男に出会った朝子の長い恋を描く柴崎友香の長篇です。恋愛の選択は、過去の記憶と現在の生活がどのように重なるかという問題として描かれます。大阪や東京を行き来する時間のなかで、同じ顔と違う人生をめぐる不穏な感覚が残ります。 第32回 野間新人賞
- 950 2010 おれのおばさん おれのおばさん 『おれのおばさん』は、少年院出身の少年が叔母の営む学習塾に引き取られ、居場所を作っていく佐川光晴の小説です。家族の外側にあるケアの場が、少年の成長と社会復帰を支えます。教育、貧困、家族の再編を、少年の視点に近い手触りで読む作品です。
- 951 2010 乙女の密告 おとめのみっこく 『乙女の密告』は、『アンネの日記』を読む大学の授業を舞台に、朗読、暗唱、密告の記憶が絡み合う小説です。語りは教室内の人間関係と戦争の記憶を重ね、誰が誰を裏切るのかという問いを現在の言葉の問題へ引き寄せます。軽やかな会話の奥に、同調圧力と自己認識の危うさが残る作品です。 第143回 芥川賞
- 952 2010 祝福 しゅくふく 『祝福』は、長嶋有らしい抑えたユーモアで、日常の会話や記憶のずれをすくう作品です。大きな事件よりも、人が誰かを祝う、あるいは祝福できない瞬間の微妙な距離に焦点があります。平明な語りのなかで、家族や友人関係に残る孤独が静かに見えてきます。
- 953 2010 それいゆ それいゆ 『それいゆ』は、題名が示す光や明るさとは対照的に、若い人物の自己認識や恋愛の揺れをたどる小説として整理できます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌情報と作者の同時期作品の文脈に基づく暫定的な紹介です。明るさに向かう感覚と、都市的な孤独のあいだに読みどころがあります。
- 954 2010 とうさんは、大丈夫 とうさんは、だいじょうぶ 『とうさんは、大丈夫』は、父と子、家族の安心と不安を題名の一文に集める佐川光晴の小説です。公開資料で内容細部までは確認できていないが、家族のなかで支える側と支えられる側が入れ替わる感覚を読む作品として整理できます。平明な語りを通じて、ケアや生活の切実さが前面に出ます。
- 955 2010 妻の超然 つまのちょうぜん 『妻の超然』は、夫婦や男女の関係を、絲山秋子らしい乾いた距離感で描く作品です。身近な関係のなかにある理解不能さを、過度に説明せず、会話と沈黙の間から浮かび上がらせます。夫婦という制度、恋愛の疲れ、生活の違和感を読む小説です。
- 956 2010 アンダスタンド・メイビー あんだすたんど・めいびー 『アンダスタンド・メイビー』は、島本理生が若い女性の恋愛、傷つき、自己理解を長い時間の流れのなかで描く長編です。題名の「たぶん理解する」という感覚どおり、人物は関係を即座に割り切れず、痛みを抱えたまま自分の輪郭を探します。恋愛小説であると同時に、青春期から大人へ向かうアイデンティティの物語です。
- 957 2010 歌うクジラ うたうクジラ 『歌うクジラ』は、不死遺伝子が発見された未来の階層社会を、少年の旅として描く村上龍の長編です。SF的設定を使いながら、テクノロジーが身体、寿命、階級をどう変えるかを問います。寓話的な移動の物語として、未来社会の暴力と孤独が前景化します。
- 958 2010 陽だまり幻想曲 ひだまりげんそうきょく 『陽だまり幻想曲』は、楊逸が日本語で描く移動者の生活感覚を、光のある場所への憧れと結びつける作品です。家族や言葉のずれは、異国で暮らす人物の孤独と希望を同時に映します。日常の会話に潜む違和感が、越境文学としての読みどころになります。
- 959 2010 夜よりも大きい よるよりもおおきい 『夜よりも大きい』は、小野正嗣が土地、記憶、喪失の感覚を静かに重ねる作品です。夜という時間よりも大きなものに包まれる感覚が、人物の孤独や死者の気配を呼び込みます。公開資料では内容細部を確認しきれていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 960 2010 家路 いえじ 『家路』は、朝吹真理子が「流跡」の後に「群像」2010年4月号で発表した初期短篇です。詳細な梗概は今回の確認範囲では未確定ですが、デビュー直後から『きことわ』へ向かう時期の文芸誌掲載作として位置づけました。
- 961 2010 きことわ きことわ 『きことわ』は、葉山の高台にある別荘で幼い夏をともに過ごした貴子と永遠子が、二十五年後、別荘の解体を前に再会する作品です。現在の時間のなかに幼年時代の記憶や夢がふいに現れ、途切れた親密さが静かに流れ直します。大きな事件よりも、夢・記憶・現実の境界と、積み重なる時間の層を繊細な文体で読む小説です。 第144回 芥川賞
- 962 2010 乾燥腕 かんそうで 『乾燥腕』は、第110回文學界新人賞受賞作として確認できる鶴川健吉のデビュー作です。賞データベースでは『文學界』2010年6月号掲載作として確認できます。公開Webで梗概や選評本文を確認できないため、作品内容や文体の説明は追加調査まで保留します。
- 963 2010 自由高さH じゆうたかさH 『自由高さH』は、建築的な視点から人間の空間認識と自由の関係を探る保高洋三のデビュー作です。空間、身体、自由という抽象的な主題を、建築の語彙に近い感覚で小説化している点が特徴です。第143回芥川賞候補作にもなり、形式意識の強い新人作として位置づけられます。 第110回 文學界新人賞
- 964 2010 あぶらびれ あぶらびれ 『あぶらびれ』は、穂田川洋山が「自由高さH」で第110回文學界新人賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは『文學界』2010年11月号、90~138ページ掲載の記事として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、内容説明は掲載情報と文学賞候補歴に限定します。
- 965 2010 ゴルディータは食べて、寝て、働くだけ ごるでぃーたはたべて ねて はたらくだけ 『ゴルディータは食べて、寝て、働くだけ』は、中南米系移民女性ゴルディータの日常をユーモラスに描く吉井磨弥のデビュー作です。食べる、眠る、働くという生活の反復から、日本社会の異文化の交差が見えてきます。移民的な視点を重くしすぎず、軽やかな語りで日常のたくましさを読む作品です。 第111回 文學界新人賞
- 966 2010 朝が止まる あさがとまる 『朝が止まる』は、第53回群像新人文学賞当選作として「群像」2010年6月号に掲載された淺川継太の作品です。講談社公式の受賞者履歴で、作品名・著者名・発表号を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、題名から物語内容や語り口を推測しない形で登録します。 第53回 群像新人賞
- 967 2010 トロンプルイユの星 とろんぷるいゆのほし 『トロンプルイユの星』は、視覚的錯視を意味するトロンプルイユをモチーフに、見えているものと実際の世界のずれを描く作品です。視覚、認識、現実感の不安定さが小説の主題になっています。美術的な発想を文学へ移した、感覚的なデビュー作として整理しました。 第34回 すばる文学賞
- 968 2010 工場 こうじょう 何を作っているのか判然としない巨大工場を舞台に、三人の従業員の視点から、働くことと生きることの不条理を描く作品集。表題作に加え、熱帯魚飼育に没頭する家と若い妻をめぐる「ディスカス忌」、心身の不調と虫の幻視を描く「いこぼれのむし」を収める。工場内の謎の動物や過剰な細部が、職場の日常を寓話的な生態系へ変… 第42回 新潮新人賞
- 969 2010 ののの ののの 『ののの』は、言語の反復、ずれ、遊びを極限まで押し進めた実験的な作品です。意味が固定される前の音や文字の運動を前面に出し、小説の語りそのものを問い直します。受賞時は単行本化されず、後に改稿版として刊行された経緯も含めて、制度外的な実験性が際立つ作品です。 第42回 新潮新人賞
- 970 2010 シューマンの指 しゅーまんのゆび 『シューマンの指』は、奥泉光が講談社から2010年に刊行した書き下ろし長編です。出版社の内容紹介では、シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト永嶺修人、彼に焦がれる音大受験生の「わたし」、卒業式の夜の女子生徒殺害事件、修人の指の致命的な怪我、30余年後に届く「修人が外国でシューマンを弾いていた」とい…
- 971 2010 野川 のがわ 『野川』は、長野まゆみが2010年7月に河出書房新社から刊行した長篇小説です。両親の離婚を機に転校した音和が、野川の近くで父と二人暮らしを始め、中学校の新聞部で伝書鳩を育てる仲間たちと出会います。変わり者の教師の言葉に導かれ、鳥の目で世界を見たいと願う少年の感受性を、川辺の風景と飛翔のイメージのなか…
- 972 2010 累成体明寂 るいせいたいめいじゃく NDLとBooks/JPROで2010年12月刊、審美社、ISBN 978-4-7883-3136-5、300ページ台の図書として確認。
- 973 2010 MUSIC みゅーじっく 『MUSIC』は、音楽をめぐる感覚と小説のリズムを重ねる古川日出男の長篇です。都市の身体感覚、表現への衝動、言葉がビートを帯びていく感触を前面に出す作品として登録します。現行の出版社公式詳細ページを確認できていないため、内容紹介は書名と既存書誌から安全に言える範囲に抑えています。
- 974 2010 四百年の長い旅 よんひゃくねんのながいたび 『四百年の長い旅』は、濱口隆義が2010年にリトル・ガリヴァー社から刊行した小説です。NDLサーチで、ISBN 978-4-903970-45-5、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 975 2010 俺俺 おれおれ 『俺俺』は、星野智幸が2010年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 976 2010 刑事たちの聖戦 『刑事たちの聖戦』は、久間十義が2010年に角川書店から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 977 2010 ショパン奇蹟の一瞬 『ショパン奇蹟の一瞬』は、高樹のぶ子が2010年にPHP研究所から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 978 2010 故郷のわが家 『故郷のわが家』は、村田喜代子が2010年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。 第63回 野間文芸賞
- 979 2009 左へ ひだりへ 『左へ』は、天埜裕文が『灰色猫のフィルム』で第32回すばる文学賞を受賞した後に発表した小説です。NDLサーチとCiNii Researchで、『すばる』31巻6号、2009年6月、20-59ページ掲載の書誌を確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報と受賞…
- 980 2009 約束の夜に やくそくのよるに 『約束の夜に』は、『子守唄しか聞こえない』で第51回群像新人文学賞を受けた松尾依子が「群像」2009年5月号に発表した短篇です。NDLサーチでは「特集 新鋭15人短篇競作」の一篇として、掲載誌・巻号・ページ範囲を確認できます。今回確認できた公開情報は書誌事項に限られるため、内容紹介は掲載形態と発表時…
- 981 2009 読み手の「脳」を刺激する小説 よみてののうをしげきするしょうせつ 『読み手の「脳」を刺激する小説』は、安戸悠太の第45回文藝賞受賞作『おひるのたびにさようなら』刊行記念インタビューです。NDLサーチで『文芸』48巻1号、2009年春号、p.276-283掲載を確認できます。本文内容は公開Webで確認できないため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 982 2009 1Q84 いちきゅうはちよん 『1Q84』は、1984年に似て非なる世界「1Q84」を舞台に、青豆と天吾の二つの視点が交差していく長篇です。宗教的共同体、暴力、物語を作ることへの問いが、並行世界の構造の中で結びつきます。恋愛小説でありながら、世界の成り立ちそのものを疑わせる大きな構成が特徴です。
- 983 2009 あの子の考えることは変 あのこのかんがえることはへん 『あの子の考えることは変』は、他人から見れば奇妙に見える思考や感情を、関係性の歪みとして描く本谷有希子の小説です。人物たちは互いを理解したいのではなく、しばしば相手の「変さ」を足場にして自分を保とうとします。会話の毒と笑いが、同調できない孤独を浮かび上がらせます。
- 984 2009 かけら かけら 『かけら』は、日常の小さな破片のような出来事から、若い人物の孤独や関係の変化をすくい上げる青山七恵の作品です。簡潔な語りは感情を説明しすぎず、読者に余白を残します。家族や恋愛のはっきりしない揺れを、静かな手ざわりで読む小説です。
- 985 2009 魔法使いクラブ まほうつかいくらぶ 『魔法使いクラブ』は、若い人びとの小さな結びつきや願望を、魔法という言葉の軽やかさで包む作品です。現実を大きく変える力ではなく、日々を少しだけ違って見せる想像力が中心になります。青山七恵らしい静かな文体で、青春と孤独のあいだを描きます。
- 986 2009 あたしはビー玉 あたしはびーだま 『あたしはビー玉』は、山崎ナオコーラが一人称の感覚を通して、自己像の丸さや転がりやすさを描く作品です。題名の比喩は、主体が固定されず、他者との関係の中で動いてしまうことを示しているように読めます。軽やかな文体の奥に、孤独と自己認識の問題が残ります。
- 987 2009 ブルーシート ぶるーしーと 『ブルーシート』は、デビュー作「家畜の朝」を含む第一創作集として、底辺労働や生活の現場を描く作品です。都市の表面では見えにくい働く身体と貧困の感覚が、青いシートの仮設性と重なります。社会的な題材を、個人の孤独と身体感覚に引き寄せて読むことができます。
- 988 2009 ぼくたちは大人になる ぼくたちはおとなになる 『ぼくたちは大人になる』は、成長することの期待と重さを、若い人物の生活感覚から描く佐川光晴の作品です。題名はまっすぐですが、そこには家族や社会の中で大人にならざるをえない苦さも含まれます。青春を懐かしむより、労働や家族へ向かう時間として捉える作品です。
- 989 2009 ボーダー&レス ぼーだーあんどれす 東京の大学を出て就職した新入社員・江口理倫は、独特の魅力を持つ在日コリアンの同期・趙成佑(ソンウ)と親しくなる。気の合う友人同士のはずのふたりのあいだにも、「在日」という歴史が刻んだ見えない溝が走っていることに、僕はやがて直面する。国籍や民族だけでなく、この世界のあらゆる場所にあるボーダーを、若い会… 第46回 文藝賞
- 990 2009 ディヴィジョン でぃゔぃじょん 大阪在住の奥田真理子が、別名義での最終候補(第106回)、「カルテル」での最終候補(第108回)を経て、三度目の挑戦でつかんだ受賞作。応募総数2008編の頂点に立ち、『文學界』2009年12月号に掲載された。同じ回では合原壮一朗「狭い庭」が選考委員名を冠した「花村萬月・松浦理英子特別賞」に選ばれてお… 第109回 文學界新人賞
- 991 2009 カルテル かるてる 『カルテル』は、奥田真理子が第108回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、2009年4月13日決定、『文學界』2009年6月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 992 2009 独居45 どっきょしじゅうご 『独居45』は、四十五歳で独り暮らしをする人物の生活を通して、身体、欲望、孤独を露悪的に描く吉村萬壱の作品です。平凡な住まいの内側に、社会から切り離された感覚と不穏な衝動が溜まっていきます。ユーモアと気味悪さが同居する読み味が特徴です。
- 993 2009 ドリーマーズ ドリーマーズ 『ドリーマーズ』は、夢を見ることと現実を生きることのずれを、柴崎友香らしい都市の時間感覚で描く作品です。人物たちの関係は劇的に変わるというより、会話や移動のなかで少しずつ輪郭を変えます。淡い題名に対して、日常の底に残る孤独も読みどころになります。
- 994 2009 烏有此譚 うゆしたん 『烏有此譚』は、あるようでない物語をめぐり、注釈、引用、脱線が本文そのものを膨らませていく円城塔の実験的長篇です。物語を読むことと、物語が成立しないことが同時に進むため、読者は筋よりも言葉の運動を追うことになります。メタフィクションとしての遊びと、知的な不穏さが強い作品です。 第32回 野間新人賞
- 995 2009 ヘヴン ヘヴン 『ヘヴン』は、いじめを受ける「僕」と同級生コジマの連帯を通じて、暴力と倫理を問う長篇です。弱さを共有する二人の関係は救いに見えますが、暴力を意味づけて耐えることの危うさも浮かび上がります。身体の痛みと思想的な問いが同時に迫る、川上未映子の代表的長篇の一つです。
- 996 2009 ヒマワリのキス ひまわりのきす 『ヒマワリのキス』は、明るい題名の裏側に、恋愛や記憶の痛みを抱えた人物を置く樋口直哉の作品です。ひまわりのイメージは夏や若さを連想させますが、そこには過ぎ去った時間を取り戻せない感覚も重なります。今回の確認は書誌中心のため、細かな筋は追加調査が必要です。
- 997 2009 犬と鴉 いぬとからす 『犬と鴉』は、田中慎弥の硬質な文体で、人間の生の暗さや動物的な感覚を前面に出す作品です。犬と鴉という題名の組み合わせは、従順さと不吉さ、近さと遠さを同時に呼び込みます。閉じた生活の中で、身体と孤独がざらついた手触りで描かれます。
- 998 2009 犬はいつも足元にいて いぬはいつもあしもとにいて 中学生の主人公の日常に、犬が公園の茂みから探り当てた正体不明の「肉」が入り込んでくる。誰も名指せないその物体は、思春期の鬱屈や家族のぎこちなさと響き合いながら、生き物の生々しさと死の気配を物語の中心に居座らせる。登場人物はどこか不快なのに目を離せないという独特の距離感で語られ、生命の循環を思わせる視… 第46回 文藝賞
- 999 2009 JOHNNY TOO BAD 内田裕也 じょにーとぅーばっど うちだゆうや 『JOHNNY TOO BAD 内田裕也』は、小説「ゲットーミュージック」と内田裕也のロックン・トークを合わせた書籍として確認できる作品です。モブ・ノリオの小説的な語りと、ロック文化への接近が一冊の中で並置されています。純文学とサブカルチャー、発話とパフォーマンスの境界を見る資料としても読めます。
- 1000 2009 カメレオン狂のための戦争学習帳 かめれおんきょうのためのせんそうがくしゅうちょう 独身教員のための「修身寮」に入寮した高校教師・田中は、寮の内情をレポートするという任務を課される。規律と監視の空気のなかで、彼は次第に正体の見えない「戦争」へと組み込まれていく。饒舌な語りと不穏な緊張感で、組織に飼い慣らされていく個人の煩悶を描いた現代の不条理劇。学校と寮という閉域を通して、同調圧力… 第52回 群像新人賞
- 1001 2009 神キチ かみきち 屋根屋として建築現場で働く主人公を、不条理な出来事が次々と襲う。だが彼や登場人物たちが本当に悩むのは、世界の理不尽そのものではなく、〈真剣に神に祈れない〉という一点だ。奇妙で黒い笑劇の合間に、切り刻まれた宗教性の断片が乱舞し、信じることが壊れてしまった時代の労働者の魂のありかを照らし出す。地方の建築… 第41回 新潮新人賞
- 1002 2009 インタビュー 神様だらけの世界の奇妙さ いんたびゅーかみさまだらけのせかいのきみょうさ 『インタビュー 神様だらけの世界の奇妙さ』は、赤木和雄の新潮新人賞受賞作『神キチ』に関連するインタビュー記事です。NDLサーチで『新潮』106巻11号、2009年11月号、p.106-109掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 1003 2009 結婚小説 けっこんしょうせつ 『結婚小説』は、結婚をゴールではなく、生活と関係を組み替える出来事として描く中島たい子の作品です。日常的なユーモアのなかに、夫婦になることへの不安や違和感が置かれます。軽やかな語りで、制度としての結婚と個人の感情のずれを読ませます。
- 1004 2009 君が降る日 きみがふるひ 『君が降る日』は、失われた相手への思いと、残された人の時間を描く島本理生の恋愛小説です。題名の「降る」は、記憶が突然日常へ戻ってくる感覚を思わせます。静かな語りの中で、喪失、恋愛、再生の気配が重なります。
- 1005 2009 月食の日 げっしょくのひ 『月食の日』は、日常のなかに差し込む陰りを、月食という天体現象のイメージと重ねる木村紅美の作品です。人との距離や生活の変化が、明るさを一時的に失う感覚として描かれます。静かで観察的な文体が、家族や孤独の輪郭を浮かび上がらせます。
- 1006 2009 ポジティヴシンキングの末裔 ぽじてぃう゛しんきんぐのまつえい 『ポジティヴシンキングの末裔』は、前向きさという社会的な合言葉を、木下古栗らしい不条理な笑いでずらす作品です。人物の考え方や言葉は一見軽いのに、そこから身体や生活の気味悪さがにじみます。明るい自己啓発的な語彙を反転させる、乾いたユーモアが読みどころです。
- 1007 2009 ここに消えない会話がある ここにきえないかいわがある 『ここに消えない会話がある』は、会話の断片が人間関係の記憶として残ることを描く山崎ナオコーラの作品です。話したことは流れて消えるようでいて、相手との距離や自分の輪郭を決めてしまいます。言葉の軽さと残酷さを、日常の関係から考えさせる小説です。
- 1008 2009 このあいだ東京でね このあいだとうきょうでね 『このあいだ東京でね』は、東京という場所で交わされる会話や記憶を、青木淳悟の観察的な文体でたどる作品です。題名のくだけた語りかけは、都市の出来事が誰かへの報告として残る感覚を示します。大きな筋よりも、場所と言葉のズレを読む小説です。
- 1009 2009 糞神 くそがみ 『糞神』は、身体の排泄や汚れのイメージを前面に出しながら、人間の信仰や共同体の感覚を揺さぶる作品です。喜多ふありの題名は挑発的ですが、そこには身体を持って生きることの逃れがたさがあるように読めます。神聖さと汚穢が接近する、不穏な寓話として分類しました。
- 1010 2009 何もかも憂鬱な夜に なにもかもゆううつなよるに 『何もかも憂鬱な夜に』は、死刑囚と向き合う若い刑務官が、自らの孤独な子供時代と現在を重ねていく中村文則の長篇です。犯罪や死刑制度の問題は、単なる社会的題材ではなく、人が他者の罪をどう受け止めるかという倫理の問いになります。暗い語りの中に、救いの可能性がかすかに残ります。
- 1011 2009 ねたあとに ねたあとに 『ねたあとに』は、眠った後、起きた後に残る気配のようなものを、長嶋有らしい淡いユーモアで描く作品です。日常の会話や場面は軽く見えますが、人物同士の距離は少しずつ変化します。生活の小さな時間を、静かなずれとして読む小説です。
- 1012 2009 ぬかるみに注意 ぬかるみにちゅうい 『ぬかるみに注意』は、足を取られる場所の感覚を、生活や人間関係の抜け出しにくさと重ねる生田紗代の作品です。題名は注意を促す標識のようですが、人物はむしろそのぬかるみに近づいてしまいます。恋愛や家族の問題を、湿った不安として読む作品です。
- 1013 2009 東京借景 とうきょうしゃっけい 『東京借景』は、恩師らしき男、義眼の隣人、巨大な友人Qなど、距離の取りにくい人物たちとの関係を東京の風景に重ねる作品。河出書房新社は、いらだちを誘う相手との距離を描く「文藝賞受賞第一作」として紹介している。都市を単なる背景ではなく、他者への違和感や孤独を映し出す借景として扱うところに読みどころがある…
- 1014 2009 男と点と線 おとこととてんとせん 『男と点と線』は、山崎ナオコーラが男という属性や、人と人を結ぶ線の引き方を考える作品です。人物の関係は直線的に結ばれるのではなく、点のように散らばりながら、言葉によって仮につながります。ジェンダーと関係性を、軽い語り口で問い直す一冊です。
- 1015 2009 世紀の発見 せいきのはっけん 『世紀の発見』は、巨大な機関車と大きな鯉の記憶、そして消えた友人をめぐって語りが展開する長篇です。現実の出来事と記憶の像が入り混じり、世界の見え方そのものが少しずつ変わっていきます。磯﨑憲一郎らしい、夢のようで乾いた語りの運動が読みどころです。
- 1016 2009 世界の果て せかいのはて 『世界の果て』は、中村文則が世界の終端に立たされたような人物の孤独や罪の感覚を描く作品です。題名は地理的な果てというより、他者との関係や倫理が行き詰まる場所を示しているように読めます。暗い心理描写と、逃げ場のない空気が特徴です。
- 1017 2009 線路と川と母のまじわるところ せんろとかわとははのまじわるところ 『線路と川と母のまじわるところ』は、線路と川という移動のイメージを、母の記憶や土地の感覚と重ねる小野正嗣の作品です。場所の記憶は個人の家族史と結びつき、語りは土地をたどるように進みます。母と子、故郷、移動の主題を静かに読む小説です。
- 1018 2009 白い紙 しろいかみ イラン・イラク戦争下のイランの地方都市。成績優秀な高校生の男女が、勉強を口実に心を通わせていく。だが前線が近づくにつれ、家族の事情と戦争の影がふたりの未来を静かに引き裂いていく。日本語を母語としない書き手が、平易で簡潔な日本語によって戦時下の日常と若い恋の痛みを描き、戦争文学と青春小説を重ねてみせた… 第108回 文學界新人賞
- 1019 2009 瘡瘢旅行 そうはんりょこう 『瘡瘢旅行』は、藤澤清造の墓参と女性との旅を描く、北町貫多ものの作品集です。私小説的な語りは、文学への執着、貧しさ、対人関係のこじれを隠さずに差し出します。旅の形を取りながら、過去の傷や屈辱を抱え直す作品として読めます。
- 1020 2009 空に唄う そらにうたう 『空に唄う』は、通夜に現れた死んだはずの女子大生と、新米の坊主が寺で同居を始めるという設定の作品です。死者がいる日常をユーモラスに扱いながら、生者が死や信仰とどう向き合うかを描きます。寺という場所が、現実と非現実、生と死のあわいを支えています。
- 1021 2009 水死 すいし 『水死』は、父の死の記憶と「水死小説」の構想をめぐる、大江健三郎晩年の古義人もの長篇です。家族史、戦後史、文学を書くことが複層的に絡み、個人の記憶は国家や天皇制の問題にも接続します。長い息の文体で、作家自身の過去を再検討する作品です。
- 1022 2009 掏摸 スリ 『掏摸』は、天才的なスリ師が闇の組織に支配され、逃げ場のない選択へ追い込まれていく中村文則の長篇です。犯罪小説の緊張を持ちながら、偶然、宿命、倫理の問題が強く前面に出ます。都市の雑踏と孤独な身体技術が結びつく、暗く硬質な作品です。
- 1023 2009 ロンバルディア遠景 ろんばるでぃあえんけい 『ロンバルディア遠景』は、遠景という距離の感覚を通して、記憶、場所、言葉の変形を描く諏訪哲史の作品です。現実の土地はそのまま写されるのではなく、語りの中でずれ、遠ざかり、別の像になります。『りすん』同様、言葉そのものが主題化される実験的な小説として読めます。
- 1024 2009 ソードリッカー そーどりっかー 『ソードリッカー』は、題名の剣や舌の感触が示すように、身体感覚と暴力のイメージを強く帯びた佐藤憲胤の小説です。講談社刊の単行本として確認できるが、今回の公開資料では詳細な内容紹介までは確認できませんでした。現時点では、身体、攻撃性、孤立した人物像を軸に読む作品として暫定的に整理します。
- 1025 2009 永遠のかけら えいえんのかけら 『永遠のかけら』は、失われた時間や記憶の断片を、恋愛や人間関係の揺れと重ねて読むことのできる高瀬ちひろの小説です。題名の「かけら」は、完全な永遠ではなく、人物の手元に残る小さな感情の痕跡を思わせます。公開資料で内容細部を十分に確認できていないため、書誌と題名から確実に言える範囲に絞って紹介します。
- 1026 2009 霊降ろし れいおろし 『霊降ろし』は、死者や見えないものの気配を通じて、生者の記憶と喪失を描く田山朔美の小説です。霊的な題材は怪異そのものよりも、残された人が過去とどう向き合うかという問題に結びつきます。静かな不穏さのなかで、家族や信仰に近い感覚をたどる作品として整理できます。
- 1027 2009 手 て 『手』は、身体の一部である手をめぐって、触れること、働くこと、他者との距離を考えさせる山崎ナオコーラの作品です。日常的な言葉づかいのなかに、ジェンダーや家族関係、親密さへの違和感が差し込まれます。軽く見える語りが、身体を通じた関係の非対称さを浮かび上がらせます。
- 1028 2009 TRIP TRAP トリップ・トラップ 『TRIP TRAP』は、移動や逸脱の感覚を、恋愛、身体、都市的な不安と結びつける金原ひとみの小説です。旅を意味する「TRIP」と罠を意味する「TRAP」が並ぶ題名は、自由に見える移動が別の閉塞へつながる感覚を示します。鋭い身体感覚と、若い人物の危うい関係性が読みどころです。
- 1029 2009 終の住処 ついのすみか 『終の住処』は、妻が突然口をきかなくなる朝から始まり、ある夫婦の二十年を描く磯﨑憲一郎の小説です。大きな事件よりも、時間の経過そのものが関係を変えていく様子に重心があります。淡々とした語りの背後で、夫婦、家、老い、記憶の問題が静かに積み重なります。 第141回 芥川賞
- 1030 2009 潰玉 ついぎょく 『潰玉』は、壊れやすいものを抱えた人物の感覚を、題名どおり押し潰されるような身体性と結びつける墨谷渉の中篇です。人間関係や自己認識が、硬い玉ではなく潰れて形を変えるものとして描かれているように読めます。情報は限られるものの、身体と孤独の圧迫感が中心にある作品として整理します。
- 1031 2009 海猫ツリーハウス うみねこつりーはうす 海猫の鳴き交わす青森県八戸。25歳の亮介は服飾デザイナーの夢を抱えつつ家業を手伝い、師匠のもとでツリーハウス作りに励んでいる。そこへ、自給自足の暮らしを求めて都会から人気者の兄・慎平が帰ってくると、田舎町の均衡は静かに乱れはじめる。標準語に回収されない南部弁の語りが土地の身体感覚をそのまま運び、地方… 第33回 すばる文学賞
- 1032 2009 ヤイトスエッド やいとすえっど 『ヤイトスエッド』は、吉村萬壱らしい異物感のある題名と身体の手ざわりを持つ小説です。日常の秩序が少しずつゆがみ、人物の身体や欲望が不穏なかたちで前景化します。公開資料では内容細部を確認しきれていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 1033 2009 金魚生活 きんぎょせいかつ 『金魚生活』は、楊逸が日本語で描く生活の細部を通して、移動する人びとの感覚や家族の距離をすくう小説です。金魚という題名は、限られた水槽のなかで動く存在のように、環境に制約されながら生きる人物像を思わせます。異文化の間で暮らす日常のささやかな揺れが読みどころです。
- 1034 2009 すき・やき すきやき 『すき・やき』は、食卓の親密さを通じて、国境を越えて暮らす人びとの関係や違和感を描く楊逸の作品です。題名は日本の料理名を思わせながら、好意や関係の「好き」をも響かせます。食、家族、言葉のずれが、移民文学としての読みどころにつながります。
- 1035 2009 よもぎ学園高等学校蹴球部 よもぎがくえんこうとうがっこうしゅうきゅうぶ 『よもぎ学園高等学校蹴球部』は、高校サッカー部を題材に、競技、学校、青春の共同体を描く松波太郎の長篇です。勝敗だけでなく、集団のなかで身体を動かすこと、仲間や制度に巻き込まれることが主題になります。スポーツ小説の形を取りながら、若者の同調圧力や孤独も見えてくる作品です。
- 1036 2009 憂鬱たち ゆううつたち 『憂鬱たち』は、精神科へ向かう神田憂の妄想と憂鬱を連ねる金原ひとみの連作短篇集です。診察室にたどり着くまでの反復が、病の記録であると同時に、自己を保つための語りにもなっています。鋭い身体感覚と内面の過剰さが、閉じた都市生活の息苦しさを強めます。
- 1037 2009 今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇 こんやはひとりぼっちかい? にほんぶんがくせいすいし せんごぶんがくへん 『日本文学盛衰史』の続編として、戦後文学そのものを小説の素材にする長編。大岡昇平や小林秀雄らを思わせる文学史上の存在が、ロック、パンク、ラップ、ブログ、Twitter、YouTubeまで巻き込みながら、読まれなくなった戦後文学を現在の言葉へ揉みほぐしていく。文学史講義、パロディ、メタフィクションが交…
- 1038 2009 流跡 りゅうせき 『流跡』は、朝吹真理子のデビュー作です。闇夜の川を進む舟頭、雨あがりを家へ向かう会社員、波止場で船を待つ女など、人物や場面が水の流れのように変化しながら連なります。筋の明快さよりも、言葉が残す跡、身体や性差の輪郭がほどける感覚、時間がたまりとして残る手ざわりを読む作品です。 第20回 ドゥマゴ文学賞
- 1039 2009 神器 軍艦「橿原」殺人事件 じんぎぐんかんかしはらさつじんじけん 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』は、奥泉光が2009年に新潮社から上下巻で刊行した長編小説です。代表作の一つとして著者ページに挙げられ、第62回野間文芸賞受賞作として確認できます。 第62回 野間文芸賞
- 1040 2009 トモスイ ともすい 『トモスイ』は、タイ、バリ、韓国などアジア各地を舞台に、男女の密接な関係とエロスを描く短篇集です。旅先の空気、身体の距離、異文化の感触が、恋愛や性の場面に入り込みます。短篇ごとに土地の湿度や食、儀礼の気配が変わり、関係の親密さと不安定さを浮かび上がらせます。高樹のぶ子の官能性と越境感覚が、圧縮された… 第36回 川端賞
- 1041 2009 ゼロの王国 ぜろのおうこく 611ページの大部な単行本として確認できる鹿島田真希の book-form work 候補。
- 1042 2009 かれん かれん 既存収録の『あなたがほしい』『おはなしの日』に続く、2000年代後半の単行本候補。
- 1043 2009 身の上話 ミノウエバナシ 2009年に光文社から刊行された単著図書。佐藤正午の中期以降の長篇候補として追加余地がある。
- 1044 2009 恋の蛍 山崎富栄と太宰治 こいのほたる やまざきとみえとだざいおさむ 『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』は、山崎富栄を「太宰治の最後の相手」という一面的な像から救い出し、職業婦人としての歩み、家族史、戦時下の生活、太宰との関係を重ねて描く評伝小説です。スキャンダルとして語られてきた玉川上水心中を、富栄側の生の厚みから読み直す作品です。
- 1045 2009 千年ギツネ せんねんギツネ 2009年刊。絵本/児童文学寄りのため、純文学DBへの採否は追加判断推奨。
- 1046 2009 私の赤くて柔らかな部分 わたしのあかくてやわらかなぶぶん 『私の赤くて柔らかな部分』は、失恋の痛みを抱えた主人公が突発的に旅へ出て、終着駅にたどりついたまま帰るきっかけを失っていく長篇小説です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、生きることのよるべなさと虚実ないまぜのマジカルな世界を描く、平田俊子の新境地として紹介されています。詩人としての言語感…
- 1047 2009 武曲 むこく 『武曲』は、剣道をめぐる身体と言葉のせめぎ合いを描く藤沢周の長篇です。剣を教える男と、無自覚な才能を持つ少年が出会うことで、暴力、継承、父性、才能への恐れが浮かび上がります。武道小説の枠組みを使いながら、身体の奥に沈む痛みを純文学的な密度で描きます。
- 1048 2009 殴る女 なぐるおんな 2009年刊。連載後に集英社から刊行されたとみられる。
- 1049 2009 カンランシャ かんらんしゃ NDLサーチで2009年6月刊、光文社、ISBN 978-4-334-92661-8の単行本として確認できる。
- 1050 2009 祈りのギブソン いのりのぎぶそん 『祈りのギブソン』は、久間十義の小説単行本です。NDLサーチでは2009年3月に光文社から刊行された351ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースでは、ISBN 9784334926571、4-6判、356ページ、2009年3月23日発売の書誌が確認できます。
- 1051 2009 麻布怪談 あざぶかいだん 『麻布怪談』は、小林恭二の小説単行本です。文藝春秋公式ページでは、江戸の末、鄙びた麻布に独り住む男のもとへ美少女幽霊と狐女が通いつめる妖異譚として紹介されています。NDLサーチでは2009年11月に文藝春秋から刊行された312ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。
- 1052 2009 図書館の女王を捜して としょかんのじょおうをさがして 『図書館の女王を捜して』は、書物・図書館を題名に含む新井千裕の未登録 book-form 候補です。内容面は追加確認が望ましいが、講談社刊の単著として書誌確認できる。
- 1053 2009 二度死んだ母のこと。 ニド シンダ ハハ ノ コト 作品社から2009年に刊行された高橋一起の単著。
- 1054 2009 明屋敷番始末 あけやしきばんしまつ 『明屋敷番始末』は、長谷川卓が2009年に角川春樹事務所から刊行した時代小説です。NDLサーチで『明屋敷番始末 : 北町奉行所捕物控』として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1055 2009 水族 すいぞく 『水族』は、星野智幸が2009年に岩波書店から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1056 2009 放火 『放火』は、久間十義が2009年に角川書店から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1057 2009 甘苦上海 『甘苦上海』は、高樹のぶ子が2009年に日本経済新聞出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1058 2009 あなたと共に逝きましょう 『あなたと共に逝きましょう』は、村田喜代子が2009年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1059 2009 ドンナ・マサヨの悪魔 『ドンナ・マサヨの悪魔』は、村田喜代子が2009年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1060 2009 夏の水の半魚人 なつのみずのはんぎょじん 『夏の水の半魚人』は、少年たちの夏、水泳、身体の変化をめぐる感覚を、前田司郎らしいずれた会話と日常感で描く作品です。大きな事件よりも、子どもの身体が世界に触れる違和感やおかしみが前面に出る。劇作家としての会話の間合いが、小説の軽さと不穏さを同時に作っています。 第22回 三島賞
- 1061 2008 壁の向こうの彼女 かべのむこうのかのじょ 『壁の向こうの彼女』は、第49回群像新人文学賞優秀作『煙幕』の作者・深津望が「群像」2008年9月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1062 2008 冬蛇 ふゆへび 『冬蛇』は、第30回すばる文学賞受賞作『幻をなぐる』の作者・瀬戸良枝が「文學界」2008年3月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1063 2008 やさしいため息 やさしいためいき 『やさしいため息』は、芥川賞受賞後第一作として発表され、日常のなかで揺れる若い人物の息づかいを静かに描く作品です。家族や生活の小さな変化が、はっきりした事件よりも大きく人物の感情を動かします。青山七恵らしい簡潔な文体が、孤独と自立のあいだの時間をすくい取ります。
- 1064 2008 声を聴かせて こえをきかせて 『声を聴かせて』は、声を聞くこと、聞かれないことを通して、他者との距離を描く朝比奈あすかの作品です。親しい関係であっても届かない言葉があり、そのもどかしさが人物の孤独を形づくります。題名通り、声と言葉が関係をつなぐ細い線として働きます。
- 1065 2008 ばかもの ばかもの 『ばかもの』は、大学生の恋愛の終わりから十年後の再会までをたどり、アルコール依存を抱える男の時間を描く作品です。恋愛の失敗は単なる思い出ではなく、生活の崩れや病と結びついて残ります。絲山秋子の乾いた文体が、不器用な愛情と回復の難しさを抑制して描きます。
- 1066 2008 僕の好きな人が、よく眠れますように ぼくのすきなひとが、よくねむれますように 『僕の好きな人が、よく眠れますように』は、好きな人の眠りを願うという柔らかな感情から、恋愛と不安を描く中村航の小説です。眠ることは身体の平穏であり、相手を思う距離の象徴でもあります。若い恋愛のまぶしさと、相手に触れきれない切なさを併せ持つ作品です。
- 1067 2008 ぼくは落ち着きがない ぼくはおちつきがない 『ぼくは落ち着きがない』は、学校や図書室の空気を背景に、落ち着かなさを抱える若い人物たちの会話と距離を描く作品です。長嶋有らしい少しずれたユーモアが、青春の居場所のなさを軽く見せます。図書館的な静けさと、内側のざわつきの対比が読みどころです。
- 1068 2008 クロスフェーダーの曖昧な光 くろすふぇーだーのあいまいなひかり 三島由紀夫『金閣寺』をモチーフとし、宗教というテーマを現代の感覚で引き受けようとした意欲作。DJ機材の「クロスフェーダー」を題名に掲げ、ふたつの音源のあいだを行き来するように、聖なるものと現実のあいだで揺れる意識の「曖昧な光」を掬い取ろうとする。第40回新潮新人賞受賞作で、受賞掲載誌はNDLサーチで… 第40回 新潮新人賞
- 1069 2008 Boy's Surface ぼーいずさーふぇす 『Boy's Surface』は、数学的・理論的な発想を小説の表面に引き出す、円城塔の実験的なSF作品です。物語は感情の自然な流れよりも、定義、証明、記号のずれによって進みます。読み手は、言葉と論理が人間の身体や関係をどこまで記述できるかを試されます。
- 1070 2008 ギンイロノウタ ギンイロノウタ 『ギンイロノウタ』は、表題作と「ひかりのあしおと」の二篇を収める作品集です。Amazonの商品紹介では、無差別殺人衝動に襲われる内気な少女を描く表題作と、殺傷行為と恋愛感情が交差する女子大生の物語として説明されています。性、暴力、成熟への憧れが結びつき、村田作品の危うい身体感覚が前面に出た一冊です。 第31回 野間新人賞
- 1071 2008 グ、ア、ム グ、ア、ム 『グ、ア、ム』は、グアムという観光地を舞台に、家族旅行の明るさの裏にある母娘や姉妹の違和感を描く本谷有希子の作品です。海外の解放感は、むしろ家族の関係の息苦しさを浮かび上がらせます。滑稽さと不穏さが同時に進む、劇作家的な場面の強さがあります。
- 1072 2008 灰色猫のフィルム はいいろねこのふぃるむ 母親を殺した「僕」は、動機も経緯も語らないまま町を放浪する。公園での野宿を経てホームレスの「ハタさん」と出会い、河川敷の小屋でともに暮らしはじめるが、ハタさんが大切にしていた灰色の猫が殺される日まで、束の間の安らぎは続かない。公衆トイレなどの不潔で醜悪な細部が彷徨う心理を映し出す一方、動物や迷子の少… 第32回 すばる文学賞
- 1073 2008 廃車 はいしゃ 車検切れが迫る壊れかけの車を、主人公は中国人留学生に無償で譲り渡す。ところが期限を過ぎても相手は約束した廃車手続きをせず、それどころか、わけのわからないまま主人公のほうが怨まれていく。日常の小さな親切が言葉も論理も通じない泥沼へ転がり落ちる過程を、乾いたユーモアで描いた不条理劇。受賞作は『文學界』2… 第107回 文學界新人賞
- 1074 2008 走ル はしる 『走ル』は、高校生が自転車で北へ向かい続けるロードノベルです。走る身体の疲労と速度が、若い自意識や孤独をそのまま運んでいきます。目的地よりも、移動し続ける時間のなかで自分の輪郭が変わるところが読みどころです。
- 1075 2008 星空の下のひなた。 ほしぞらのしたのひなた 『星空の下のひなた。』は、星空とひなたという対照的なイメージを重ね、若い人物の恋愛や孤独を描く作品として整理できます。明るさと暗さが同じ場面に同居し、日常のなかで見落とされがちな感情をすくいます。書誌以外の資料は少なく、今後は紹介記事・書評で精度を上げたい作品です。
- 1076 2008 ほんたにちゃん ほんたにちゃん 『ほんたにちゃん』は、本谷有希子自身を思わせるキャラクターや語りを通して、作者像と作品の境界を遊ぶ一冊として読めます。自己紹介のようでいて、虚構化された「ほんたにちゃん」が前面に出るため、メタフィクション的な楽しさがあります。小説、演劇、エッセイ的な感覚が混じる軽やかな作品です。
- 1077 2008 星のしるし ほしのしるし 『星のしるし』は、日常の風景のなかに残る小さな兆しを、柴崎友香らしい観察で描く作品です。星という遠いもののイメージが、都市の生活や人との距離に静かな奥行きを与えます。歩くような文体で、恋愛や記憶が大きな劇ではなく生活のなかに滲みます。
- 1078 2008 射手座 いてざ 日系ブラジル人の語り手が、妹ルシアに関わる謎めいた男・加賀芳明と向き合う。妹の万引きに関わった加賀は、やがて妹が遺棄した赤ん坊について語り出し、赤ん坊を運んで山道をひとりさまよう。語り手が加賀から聞いた話を伝聞のかたちで重ねていく重層的な構造により、何が真実かは最後まで曖昧なまま、登場人物の誰ひとり… 第107回 文學界新人賞
- 1079 2008 いつかソウル・トレインに乗る日まで いつかソウル・トレインにのるひまで 高橋源一郎が「初の恋愛小説」と銘打って2008年に集英社から刊行した長編。20年ぶりにソウルを再訪した主人公ケンジが、かつての恋人の娘ファソンと出会い、二人が惹かれ合いながら純愛を探す3日間を追う。題名の「ソウル・トレイン」は、アメリカの黒人音楽番組『Soul Train』と、韓国のソウル(Seou…
- 1080 2008 神様のいない日本シリーズ かみさまのいないにほんシリーズ 『神様のいない日本シリーズ』は、「江夏の21球」で知られる1979年の日本シリーズを背景に、父と子の時間を描く中篇です。野球の記憶は、家族の記憶や時代の空気を呼び戻す装置になります。田中慎弥の乾いた語りが、父子関係の近さと断絶を浮かび上がらせます。
- 1081 2008 彼女について かのじょについて 『彼女について』は、ひとりの女性をめぐる記憶と語りから、失われたものや届かなかった感情をたどる作品です。よしもとばなならしい透明感のある文体で、死や喪失の気配をやわらかく包みます。誰かについて語ることが、自分自身を語り直すことにもなる小説です。
- 1082 2008 けちゃっぷ けちゃっぷ 言いたいことを相手に直接言わず、何もかもブログにアップしてしまう──そんなヴァーチャル化した現代のコミュニケーションを、ネットの文体と口語をなだれ込ませた語りで写し取った作品。書き込みと現実のあいだでずれていく自意識を通して、ゼロ年代後半のウェブ社会に生きる若者の孤独と滑稽さを軽やかにすくい上げる… 第45回 文藝賞
- 1083 2008 花束 はなたば 『花束』は、贈り物としての花束が持つ親密さと儀礼性を手がかりに、人と人の関係を描く作品です。美しいものを差し出す行為の裏に、言えなかった感情や生活の痛みが潜みます。静かな語りのなかで、家族や恋愛の距離が少しずつ見えてきます。
- 1084 2008 イギリス海岸 イーハトーヴ短篇集 いぎりすかいがん いーはとーう たんぺんしゅう 『イギリス海岸 イーハトーヴ短篇集』は、宮沢賢治のイーハトーヴを思わせる場所の記憶や文学的想像力を、短篇のかたちでたどる作品集です。実在の土地と架空の地名が重なり、読むこと、訪ねること、思い出すことがひとつにつながります。静かな幻想性と地方の手触りが読みどころです。
- 1085 2008 金色のゆりかご きんいろのゆりかご 『金色のゆりかご』は、ゆりかごのイメージが示す家族や子どもの時間を、現実の生活のなかで見つめる作品です。佐川光晴らしい社会への視線が、保護されるべき場所とそこから漏れる不安を描きます。家族の温かさと脆さを同時に読む小説として整理できます。
- 1086 2008 切れた鎖 きれたくさり 『切れた鎖』は、地方の閉ざされた土地に生きる血族を描く三篇を収めた作品集です。家族や土地の結びつきは守りではなく、逃れがたい暴力や因縁として迫ってきます。簡潔で硬い語りが、血縁の鎖が切れる瞬間の不穏さを際立たせます。 第21回 三島賞
- 1087 2008 子守唄しか聞こえない こもりうたしかきこえない 田舎町に暮らす女子高生・美里は、男友達4人に囲まれた一見満ち足りた日々を送っている。だが「愚鈍な真沙子」と見下していた同級生が自分に執着し、つきまとうようになると、保っていたはずのエゴの均衡が崩れはじめる。幼い日の海の記憶や謎めいた老婆との出会いを織り込みながら、思春期の自意識の残酷さと出口のなさを… 第51回 群像新人賞
- 1088 2008 蟋蟀 こおろぎ 『蟋蟀』は、虫の声や小さな気配を思わせる題名のもと、日常の奥に潜む不安や孤独を描く栗田有起の作品です。目立たないものに耳を澄ませるような語りが、家や都市の生活を少し奇妙なものに変えます。静かな現実感と寓話性の境目を読む小説です。
- 1089 2008 小銭をかぞえる こぜにをかぞえる 『小銭をかぞえる』は、金欠と痴話喧嘩にまみれた同棲生活を、私小説的な露悪と乾いた笑いで描く作品です。小銭を数える行為が、貧しさ、欲望、関係の行き詰まりを象徴します。西村賢太の作品らしく、金と性と屈辱が分かちがたく結びつきます。
- 1090 2008 眼と太陽 めとたいよう 『眼と太陽』は、視線と光のイメージを軸に、複数の視点や時間が交差する短篇集です。見ること、見られることが、人物の記憶や世界の捉え方を変えていきます。磯﨑憲一郎らしい抽象度の高い構成が、現実を少しずつ別の角度から照らします。
- 1091 2008 マイクロバス マイクロバス 『マイクロバス』は、移動する小さな乗り物を通して、地方の場所や人々の距離を描く小野正嗣の作品です。バスという共有空間は、共同体に属することと、そこから外れることの両方を見せます。静かな語りのなかで、土地の記憶と孤独がゆっくり浮かび上がります。
- 1092 2008 マウス マウス 『マウス』は、少女たちが自分らしくあるための揺れを描く長編です。Amazonの商品紹介では、少女から女性へ、子どもから大人へと移る時間のなかで、女の子同士の好意、友情、いじわる、ライバル心を鮮明に描く作品とされています。教室内の関係性と成長の痛みを、村田作品らしい息苦しさで読ませる作品です。
- 1093 2008 長い終わりが始まる ながいおわりがはじまる 『長い終わりが始まる』は、終わりが一瞬ではなく長く続いていく感覚を、恋愛や生活の変化に重ねる作品です。山崎ナオコーラらしい平明な語りが、別れや変化を大げさにせず日常の速度で見せます。終わりを迎えるまでの時間そのものを読む小説です。
- 1094 2008 ありったけの話 ありったけのはなし 『ありったけの話』は、話すこと、語り尽くそうとすることを通して、人と人の関係を描く作品です。題名の通り、言葉を差し出すことが親密さの表現である一方、語っても残る距離も浮かび上がります。中山智幸の作品として、会話と記憶の密度を読む一冊です。
- 1095 2008 空で歌う そらでうたう 『空で歌う』は、歌うことや空を見上げる感覚を通して、若い人物の孤独と希望を描く作品として整理できます。芸術や声は、現実から逃げるためだけでなく、誰かに届くための手段になります。書誌以外の資料は少なく、今後は掲載誌・書評で主題を精査したい作品です。
- 1096 2008 波打ち際の蛍 なみうちぎわのほたる 『波打ち際の蛍』は、傷を抱えた人物が、波打ち際のように揺れる場所で他者との距離を測り直す島本理生の作品です。蛍の光のようなかすかな希望と、身体に残る痛みが同時に描かれます。恋愛や回復を単純に美化せず、触れ合うことの怖さまで含めて読ませます。
- 1097 2008 逃げ道 にげみち シャワートイレ業者に雇われ、一般人のふりをして製品を試す「モニター工作員」として働く若い女性が主人公。アルバイト先の不祥事を機に、彼女は営業担当の田尻とともに街を離れ、千葉の屛風ヶ浦へと車を走らせる。隣人が全裸で現れるなどのノンセンスな場面や、エクセルの表を組み込む形式の実験を織り交ぜながら、どこに… 第106回 文學界新人賞
- 1098 2008 おひるのたびにさようなら おひるのたびにさようなら 会社の昼休み、外階段で繰り広げられる主人公・真司と先輩女子社員たちの秘密の遊び。真司の役目は、近くの病院で音声を消した昼ドラを眺め、想像で補った物語を先輩に報告することだ。見ることと聞くことのずれ、語り直された物語と現実の重なりを入れ子状に組み上げ、ささやかな昼の儀式の終わりをせつなく描く。メディア… 第45回 文藝賞
- 1099 2008 ラジ&ピース らじあんどぴーす 『ラジ&ピース』は、ラジオや言葉の届き方を思わせる題名のもと、人と人がどのように声を受け渡すかを描く作品です。絲山秋子らしい乾いた会話と距離感が、親密さと孤独を同時に浮かび上がらせます。平和やつながりを軽く言い切れないところに、作品の手触りがあります。
- 1100 2008 乱暴と待機 らんぼうとたいき 『乱暴と待機』は、奇妙な共同生活のなかで、加害と被害、依存と復讐がねじれていく本谷有希子の小説です。閉じた生活空間にいる人物たちの言葉は、笑えるほど過剰でありながら、相手を縛る力を持っています。戯曲的な会話のテンポと、待ち続けることの不穏さが読みどころです。
- 1101 2008 論理と感性は相反しない ろんりとかんせいはあいはんしない 『論理と感性は相反しない』は、山崎ナオコーラの思考する文体が前面に出る作品集です。題名の通り、感情をただ情緒として扱うのではなく、考えること、名づけること、他人と距離を取ることの問題として描きます。軽い会話の奥に、ジェンダーや関係性への問いが残る作品です。
- 1102 2008 主題歌 しゅだいか 『主題歌』は、都市で暮らす人物たちの時間や感情を、音楽のように反復する記憶と結びつけて描く柴崎友香の作品です。大きな事件よりも、会話、移動、見えた風景の差異が人物の心の変化を形づくります。語りは静かですが、誰かの人生に流れている旋律を探すような読み味があります。
- 1103 2008 サウスポイント サウスポイント 『サウスポイント』は、よしもとばななが南の島の気配や移動の感覚を通じて、恋愛と家族の記憶を描く長篇です。明るい場所に向かう題名とは裏腹に、人物の内側には喪失や過去の影が残ります。土地の光や空気を、心の回復の過程と重ねて読む作品です。
- 1104 2008 りすん りすん 『りすん』は、『アサッテの人』以後の諏訪哲史が、聞くこと、話すこと、言葉のずれをさらに押し広げる実験的な作品です。タイトルの響きそのものが、意味に届く前の音や聞き間違いを思わせます。言語への執着と、他者へ届かない感覚が重なった小説として読めます。
- 1105 2008 時が滲む朝 ときがにじむあさ 『時が滲む朝』は、天安門事件前後の中国に生きる若者たちの青春と政治の時間を描く作品です。留学生作家である楊逸の日本語が、祖国の記憶、民主化への希望、移動する身体の感覚を重ねます。個人の朝の光景に、歴史が滲み出してくる点が読みどころです。 第139回 芥川賞
- 1106 2008 静寂の耳 せいじゃくのみみ 『静寂の耳』は、奥田真理子が響堂コウ名義で応募し、第106回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、2008年4月11日決定、『文學界』2008年6月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1107 2008 クォンタム・ファミリーズ くぉんたむ ふぁみりーず 『クォンタム・ファミリーズ』は、平行世界を行き来できる設定のもと、ある父親が別の世界の娘を救おうとする物語です。量子論的なSF装置を用いながら、家族、記憶、父子関係の可能性を問い直します。批評家・思想家である東浩紀が小説形式で現代的な家族像を探った作品です。 第23回 三島賞
- 1108 2008 ポトスライムの舟 ぽとすらいむのふね 『ポトスライムの舟』は、工場で働きながら生活費を切り詰めるナガセを主人公にした中篇です。世界一周クルーズの費用が自分の年収とほぼ同じだと知ったナガセは、その金額を一年で貯めようとします。非正規労働、家計の細さ、友人や母との関係、ポトスライムを育てる日々が重なり、生活を続けることの苦しさと粘りが描かれ… 第140回 芥川賞
- 1109 2008 イラコ岬 いらこみさき 『イラコ岬』は、「すばる」2008年6月号に掲載された茅野裕城子の小説です。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ範囲を確認できます。公開Webで詳細な梗概は確認できないため、内容紹介は書誌情報に限定します。
- 1110 2008 ctの深い川の町 ctのふかいかわのまち 2008年刊。NDLで岡崎祥久著として確認できる。
- 1111 2008 文学的なジャーナル ぶんがくてきなジャーナル 2008年刊。タイトル上は文学エッセイ/評論的著作の可能性があるため採否は要確認。
- 1112 2008 ミュージック・ブレス・ユー!! みゅーじっく・ぶれす・ゆー 高校3年生のオケタニアザミが、将来よりも音楽のことを考えながら、パンクロックを支えに日々を過ごす青春長編。大きな事件よりも、進路、友人関係、学校生活のぐだぐだした時間が、音楽への切実な依存とともに描かれる。軽さのある一人称の語りが、将来を前にした不安と自由の感覚を同時に立ち上げる。 第30回 野間新人賞
- 1113 2008 聖家族 せいかぞく 『聖家族』は、青森の名家・狗塚家を中心に、東北の歴史と記憶を巨大な物語として編み上げる長篇です。新潮文庫版の紹介では、狗塚家に継承された「正史」が現代と出会い、狗塚三兄弟の逃亡劇から冠木兄妹の誘拐事件へ展開する筋立てが示されています。家族史、東北史、戦争や維新の記憶が混濁し、古川日出男らしい過剰な語…
- 1114 2008 仮の水 かりのみず 2008年8月講談社刊。NDLでNDC 913.6の図書として確認し、Books/JPROと講談社公式で書誌を確認できる。
- 1115 2008 父の遺した三十一文字。 チチ ノ ノコシタ ミソヒトモジ 作品社から2008年に刊行された高橋一起の単著。
- 1116 2008 随想 人生の師を語る 希望はぐくむ文学の光彩。 ずいそう じんせいのしをかたる きぼうはぐくむぶんがくのこうさい 『随想 人生の師を語る 希望はぐくむ文学の光彩。』は、青山健司が『潮』589号に発表した随想です。NDLサーチで、著者名、掲載誌、掲載ページを確認できます。公開Webで本文内容や詳細要旨を確認できなかったため、作品内容の説明は文学を主題とする随想であることと掲載情報に限定します。
- 1117 2008 生命徴候あり 『生命徴候あり』は、久間十義が2008年に朝日新聞出版から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1118 2008 うまくいかないのが恋 『うまくいかないのが恋』は、高樹のぶ子が2008年に幻冬舎から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1119 2007 盗相 とうそう 『盗相』は、第45回群像新人文学賞受賞作『死せる魂の幻想』の作者・寺村朋輝が「群像」2007年1月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1120 2007 黒の中の繻子の黒 くろのなかのしゅすのくろ 『黒の中の繻子の黒』は、第47回群像新人文学賞受賞作『狐寝入夢虜』の作者・十文字実香が「群像」2007年12月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1121 2007 あなたの呼吸が止まるまで あなたのこきゅうがとまるまで 『あなたの呼吸が止まるまで』は、息をすること、生き延びること、他者と関わることを強い身体感覚で描く島本理生の小説です。恋愛や依存の感情が、相手の呼吸を意識するほど近い距離で語られます。親密さの美しさだけでなく、そこに潜む苦しさを読む作品です。
- 1122 2007 青色讃歌 あおいろさんか 28歳の高橋は、同棲する彼女の収入で暮らしている。いなくなった猫を探し、気の進まない仕事を探す——その二つの「探しもの」をめぐるだけの日々が、妙な可笑しみとともに流れていく。働かない男のだめさを断罪も美化もせず、脱力したユーモアで肯定してみせる青春小説。NDLサーチでは第44回文藝賞受賞作としての掲… 第44回 文藝賞
- 1123 2007 ひとり日和 ひとりびより 『ひとり日和』は、二十歳の知寿が高齢の遠縁・吟子さんと同居し、働きながら自立の感覚を少しずつ探る作品です。老いと若さ、家族ではない同居、ひとりでいることの自由と寂しさが、淡々とした語りで描かれます。大きな成長物語ではなく、日々の観察から生活の輪郭が変わるところが読みどころです。 第136回 芥川賞
- 1124 2007 アサッテの人 あさってのひと 吃音を抱えていた叔父は、いつしか「ポンパ!」などの意味を持たない言葉=アサッテの言葉を突発的に口にするようになり、やがて失踪した。「私」はその叔父をめぐる小説を書こうとするが、語りは草稿、叔父の日記、回想が混在するまま進んでいく。言葉の規範から「アサッテ」の方向へ逸脱したいという渇望を、小説の形式そ… 第50回 群像新人賞
- 1125 2007 アウレリャーノがやってくる あうれりゃーのがやってくる 岩手出身のうっとりするほどの美少年・天地遍人は、高校卒業と同時に姉を頼って上京し、路上で詩を代筆する「代理詩人」を始める。やがて文芸同人「破滅派」に加入し、リーダー・紙上大兄皇子ら風変わりな同人たちにあてられて文芸活動に没頭するが、皇子の恋人・深川潮への恋心と同人の経営難が破滅を呼び寄せる。実在のオ… 第39回 新潮新人賞
- 1126 2007 乳と卵 ちちとらん 東京で一人暮らしをする「わたし」のもとへ、大阪でホステスとして働く姉の巻子と、その娘で小学6年生の緑子が上京してくる。離婚後ひとりで娘を育ててきた巻子は豊胸手術を受けることに執拗にこだわり、初潮を迎える年頃の緑子は、自分の身体が変わっていくことへの違和感をノートに書きつけ、母とは筆談でしか口をきかな… 第138回 芥川賞
- 1127 2007 クローバー くろーばー 『クローバー』は、島本理生らしく、恋愛や記憶の細部から若い人物の揺れを描く作品です。幸運を連想させる題名に対して、語りは関係の不安定さや選び取れない気持ちにも目を向けます。淡い感情を、日常の光景のなかで少しずつ変化させる読み味があります。
- 1128 2007 だだだな町、ぐぐぐなおれ だだだなまち、ぐぐぐなおれ 第50回群像新人文学賞優秀作に選ばれ、『群像』2007年6月号に掲載された作品。タイトルの擬音めいた口語と「おれ」を前面に出した造形から、停滞した町でくすぶる人物の感覚を、脱力した一人称で描く作品として整理できる。単行本書誌は今回確認できず、内容紹介は雑誌掲載情報と既存分類に基づく低確信の暫定記述に…
- 1129 2007 ダーティ・ワーク だーてぃ・わーく 『ダーティ・ワーク』は、仕事や関係のなかで避けられない面倒さを、絲山秋子らしい乾いた文体で描く作品です。労働をきれいごとにせず、そこで生まれる距離、疲労、親密さを淡々と見つめます。人と人の関係を、会話と行動のずれから読ませるところに魅力があります。
- 1130 2007 Self-Reference ENGINE せるふれふぁれんすえんじん 『Self-Reference ENGINE』は、自己言及、時間、宇宙的スケールの思考実験を断片的なエピソードとして積み上げるSF小説です。物語は線形に進むよりも、定義や論理が暴走するように展開します。理論的な遊戯と小説的な冗談が同時に走る、円城塔初期の代表的な実験作として読めます。
- 1131 2007 エロマンガ島の三人 えろまんがじまのさんにん 『エロマンガ島の三人』は、長嶋有の異色作品集として、奇妙な地名や設定から日常の感覚をずらしていく作品です。旅行記や冒険譚のような外見を借りながら、人と場所の距離感をユーモラスに扱います。題名の軽さの奥に、どこにも完全には属せない感覚が残ります。
- 1132 2007 はじまらないティータイム はじまらないてぃーたいむ 子どものいない30代の専業主婦・奈都子は、母ミツエから従弟・博昭の離婚と再婚の顛末を聞かされる。博昭は部下を妊娠させ、子を産まない妻・佐智子と別れて再婚したのだった。奈都子、ミツエ、元妻の佐智子、再婚相手の里美——4人の女性の視点を切り替えながら、家族という制度の内側の風通しの悪さを描く。他人の家に… 第31回 すばる文学賞
- 1133 2007 大人ドロップ おとなどろっぷ 『大人ドロップ』は、若者が大人になる前後の感情を、学校や地方の時間のなかで描く青春小説です。恋愛や友情の明るさだけでなく、過ぎてしまう時間への痛みが語りの底にあります。簡潔な文体で、思い出になる直前の出来事をすくい取る作品として読めます。
- 1134 2007 星へ落ちる ほしへおちる 『星へ落ちる』は、恋愛や身体の感覚を、落下するような不安定さのなかで描く金原ひとみの作品です。きらびやかな題名とは対照的に、登場人物の感情は孤独や衝動に強く引かれます。短く鋭い語りが、関係の熱と冷えを同時に伝えます。
- 1135 2007 ハイドラ ハイドラ 『ハイドラ』は、身体、欲望、恋愛の結びつきを、金原ひとみらしい鋭い感覚で描く作品です。複数の頭を持つ怪物を思わせる題名のように、感情や関係は一つにまとまらず分岐していきます。自己破壊的な衝動と生への執着が同時に読める、不穏な恋愛小説です。
- 1136 2007 いい子は家で いいこはいえで 『いい子は家で』は、家という閉じた場所と「いい子」であることの圧力をめぐる青木淳悟の作品です。日常の言葉や振る舞いが少しずつずれ、家族や共同体の規範が不穏なものとして見えてきます。実験的な文体が、従順さの裏側にある違和感を浮かび上がらせます。
- 1137 2007 肝心の子供 かんじんのこども 出家して悟りを開く前のブッダ、その息子のラーフラ、さらにその子へ——インドを舞台に親子三代の生をたどる。偉人の伝記ではなく、川の流れや樹木、身体の感覚といった即物的な描写を長い呼吸の文体で積み重ね、人の一生を超えて流れる時間そのものを小説に写し取ろうとする。商社マンとして働きながら書かれた42歳の遅… 第44回 文藝賞
- 1138 2007 カツラ美容室別室 かつらびようしつべっしつ 『カツラ美容室別室』は、美容室という場所を通して、働く人や訪れる人の関係を描く山崎ナオコーラの作品です。髪や見た目を整える場が、ジェンダー、労働、自己像を考える舞台になります。軽やかな会話のなかに、他人と同じ空間にいることの気まずさと楽しさが同居しています。
- 1139 2007 島の夜 しまのよる 『島の夜』は、島という隔てられた場所と夜の時間を背景に、孤独や記憶の濃度を描く作品として整理できます。閉じた地理は、人間関係を近づける一方で、逃げ場のなさも作ります。静かな語りのなかに、不安と親密さが同時に漂う読み味があります。
- 1140 2007 この人と結婚するかも このひととけっこんするかも 『この人と結婚するかも』は、結婚を予感する瞬間の期待と違和感を、軽い語り口で追う中島たい子の作品です。恋愛の延長にある制度や生活を、決断の物語としてではなく、揺れる気分として描きます。ユーモラスな題名のなかに、親密さへの不安と自己確認の主題があります。
- 1141 2007 救済の彼岸 きゅうさいのひがん 『救済の彼岸』は、救いを求める感覚と、その先にある孤独を題名から強く意識させる作品です。信仰や倫理をめぐる問いが、現代の生活のなかでどのように立ち上がるかを読む切り口があります。書誌以外の資料はまだ少ないため、今後は掲載誌や書評で主題を精査したい作品です。
- 1142 2007 舞い落ちる村 まいおちるむら 生まれ育った女系の村では、時間の進み方や年齢の重ね方が定まらず、ものの数も曖昧で、人々は個々の名前すらめったに持たない。「わたし」はその「言葉を信じない」村のあり方に違和感を抱き、村と大学のある街とを行き来するうち、言葉を信じ言葉で武装した人物に強く惹かれていく。土俗的な幻想と言語への意識を重ね合わ… 第104回 文學界新人賞
- 1143 2007 また会う日まで またあうひまで 『また会う日まで』は、再会と別れをめぐる時間の感覚を、柴崎友香らしい日常の観察で描く作品です。人と人が会う場所、離れる場所、そのあいだに流れる記憶が物語の中心になります。関西の街を歩くような語りが、恋愛や孤独を過度に劇化せずに映し出します。
- 1144 2007 バイバイ ばいばい 『バイバイ』は、別れを告げる言葉の軽さと重さを、恋愛や生活の終わりの感覚に重ねる作品です。望月あんねの作品として、人物が関係を断ち切るときに残る記憶や孤独に焦点を置いて読めます。大きな事件よりも、去ることと残されることの温度差が読みどころになります。
- 1145 2007 二度はゆけぬ町の地図 にどはゆけぬまちのちず 『二度はゆけぬ町の地図』は、戻れない場所への執着と、貧しい生活の記憶を私小説的な語りでたどる作品です。西村賢太らしい露悪的な自己凝視が、地図に残る町と、もう行けない過去を重ねます。労働、金銭、孤独が乾いた笑いと屈辱の感覚で結びついています。
- 1146 2007 オブ・ザ・ベースボール おぶ・ざ・べーすぼーる 年に一度くらいの割合で空から人が降ってくる町、ファウルズ。「私」はユニフォームとバットを支給されたレスキュー・チームの一員として、落ちてくる人をフルスイングで打ち返すべく日々待機している。およそ役に立たない職務をめぐる思弁が、乾いた論理の積み重ねでどこまでも転がっていく。不条理な設定を理詰めで駆動す… 第104回 文學界新人賞
- 1147 2007 大きな熊が来る前に、おやすみ。 おおきなくまがくるまえに、おやすみ。 『大きな熊が来る前に、おやすみ。』は、二人暮らしの親密さと不安を、熊という不穏なイメージをまとわせて描く作品です。恋愛や同居の幸福だけでなく、同じ部屋にいることの圧迫感や、相手を完全にはわからない怖さが前面に出ます。柔らかな題名の奥に、関係の危うさを読む小説です。
- 1148 2007 パワー系181 ぱわーけいいちはちいち 身長181センチ、強靭な肉体を持つ女性リカが開いた個人サロンには、身体測定マニア、張り手を浴びたいマゾヒスト、衣類フェチなど、それぞれ奇妙な性癖を抱えた男たちが通ってくる。彼らが求める「本物のエクスタシー」を、湿った官能ではなく即物的でドライな筆致で記録していく。身体とマゾヒズムという題材を真っ向か… 第31回 すばる文学賞
- 1149 2007 臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ ろうたしアナベル・リイ そうけだちつみまかりつ 『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』は、文学作品や映画的想像力を下敷きに、老い、成熟、欲望を晩年の大江健三郎が再構成する作品です。語りは引用や記憶を重ねながら、ひとつの恋愛譚に収まらないメタフィクション的な広がりを持ちます。文学を読み直すこと自体が、過去の自己を組み替える行為として描かれま…
- 1150 2007 最後の命 さいごのいのち 『最後の命』は、少年時代の傷と再会、罪の記憶をめぐって、人が最後に何を拠りどころに生きるのかを問う作品です。中村文則らしい暗い心理描写が、暴力や孤独を抽象化せず、身体に残る感覚として描きます。過去に囚われた人物が他者との関係を回復できるのかが、緊張を生みます。
- 1151 2007 建てて、いい? たてていい 『建てて、いい?』は、家を建てるという具体的な行為を通して、生活、結婚、将来への迷いを描く作品です。中島たい子らしい軽い語り口で、住まいを選ぶことが自分の生き方を選ぶことに変わっていきます。日常的な題材から、家族や関係の設計図を考えさせる小説です。
- 1152 2007 たとえば、世界が無数にあるとして たとえばせかいがむすうにあるとして 『たとえば、世界が無数にあるとして』は、別の可能性としての世界を想像しながら、自分の選択や関係を見つめる作品です。現実の生活に、もしも別の自分がいたらという寓話的な問いが差し込まれます。恋愛や孤独を、ひとつの世界だけでは説明しきれない揺れとして読むことができます。
- 1153 2007 図書準備室 としょじゅんびしつ 『図書準備室』は、高校卒業後にひきこもり続ける男の独白を中心に、閉じた場所と停滞する時間を描く第一作品集です。図書準備室という学校の余白のような場所が、社会へ出られない人物の内面と重なります。田中慎弥の硬質な語りが、青春の後に残った孤独を乾いた感触で示します。
- 1154 2007 うつつ・うつら うつつうつら 『うつつ・うつら』は、現実とうつつの境目を揺らしながら、人物の記憶や自己像の不確かさを描く作品集です。赤染晶子の作品らしく、日常の言葉や振る舞いが少しずつ奇妙なものへ変わっていきます。軽いユーモアと不穏さが同居する語りが読みどころです。
- 1155 2007 ワンちゃん わんちゃん 日本に渡って暮らす中国人女性「ワンちゃん」は、中国の女性たちと日本の男たちを引き合わせる見合いツアーの世話役を務めている。国境をまたぐ結婚の斡旋という生々しい現場を通して、経済格差のなかを生きる女たちのたくましさと哀感を、来日20年の作者がよどみのない日本語で描いた。日本語を母語としない書き手が日本… 第105回 文學界新人賞
- 1156 2007 わたくし率 イン 歯ー、または世界 わたくしりつ イン はー、またはせかい 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』は、「わたし」は奥歯にあると考える女性の独白を、大阪弁のリズムで疾走させるデビュー作です。身体の一部に自己を置く発想が、アイデンティティと言葉の関係を奇妙に拡張します。文体の勢いそのものが主題になっている、川上未映子初期の重要作として読めます。
- 1157 2007 夢を与える ゆめをあたえる 『夢を与える』は、子役からCMタレントとして成長する少女・夕子の栄光と転落を描く長編です。芸能の世界が、家族、欲望、消費される身体を映す場所として機能します。若さや人気が商品化される過程を、綿矢りさらしい鋭い観察で追う作品です。
- 1158 2007 父のグッド・バイ ちちのぐっどばい 『父のグッド・バイ』は、井岡道子が2007年に刊行した作品です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、癌を宣告された父を看取るまでの四か月間を、故郷・宇和島の風光とともに描いた一編とされています。家族の別れ、看取り、故郷の記憶を結びつける作品として登録します。
- 1159 2007 ピストルズ ぴすとるず 『ピストルズ』は、山形県の架空の町「神町」を舞台に展開する阿部和重の「神町サーガ」第二部です。連載開始は2007年で、単行本は2010年に刊行されました。血縁、土地、暴力、神話的な町の歴史が入り組み、現代日本の地方を壮大なフィクション空間に変える作品です。 第46回 谷崎賞
- 1160 2007 ピカルディーの三度 ぴかるでぃーのさんど 鹿島田真希の2000年代中期の book-form work 候補。受賞情報は公式ページでの追加確認後に awards 登録するのが安全。
- 1161 2007 ミッドナイト・クライシス ミッドナイト クライシス 2007年刊の集英社単行本。既収録の『イラコ岬』前後の著作として追加候補になる。
- 1162 2007 六月の海を泳いで ロクガツ ノ ウミ オ オヨイデ 小学館から2007年に刊行された単著小説。未収録の広谷鏡子単著として追加候補。
- 1163 2007 ノルゲ ノルゲ 2007年に講談社から刊行された佐伯一麦の単著図書。NDL、Books/JPRO、Amazonで書誌を確認した。
- 1164 2007 川の光 かわのひかり NDLサーチで2007年7月刊の中央公論新社版単行本、2012年『川の光 外伝』を確認できる。
- 1165 2007 道元禅師 どうげんぜんじ 『道元禅師』は、立松和平が曹洞宗の祖・道元を題材に書いた長篇小説です。東京書籍版は上巻『大宋国の空』・下巻『永平寺への道』として2007年に刊行され、2010年には新潮文庫で上・中・下巻に分かれて刊行されました。『遠雷』で見える農村と土地の作家像に加え、仏教者の歩みと思想へ向かった立松和平の晩年の大…
- 1166 2007 悪人 あくにん 吉田修一の社会派長篇の代表候補。事件小説の枠組みを使いながら、地方、貧困、恋愛、加害と被害の境界を描く。
- 1167 2007 おのごろじま 『おのごろじま』は、詩人としても活動する日和聡子の小説作品です。古事記的な響きを帯びる題名のもと、島、土地、生成、記憶の感触を、散文と詩の境界に近い文体で立ち上げます。物語の筋よりも、言葉の音楽性と神話的なイメージが前景化する作品です。
- 1168 2007 海辺の博覧会 うみべのはくらんかい 既存収録の『青春デンデケデケデケ』『雨鶏』と重複しない、ポプラ社刊の単行本。
- 1169 2007 カワセミの森で かわせみのもりで 理論社版を初出単行本として追加候補にする。再刊情報もNDLで追跡可能。
- 1170 2007 八日目の蝉 ようかめのせみ 中央公論新社から2007年3月に刊行された角田光代の未登録代表作。NDLで単行本書誌と中央公論文芸賞関連記事を確認。
- 1171 2007 とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起 とげぬき しんすがもじぞうえんぎ 『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』は、伊藤比呂美が『群像』に連載し、2007年に講談社から刊行した長篇詩的散文です。カリフォルニアと日本を行き来する語り手が、老いた父母の介護、身体の痛み、家族の変化、仏教的な死生観を、巣鴨地蔵への祈りや縁起譚のような声に重ねて語ります。詩と小説、私的記録と説話がほどけ合う…
- 1172 2007 書かれた声、書かれたイマージュ--1970年代後半におけるデュラスの作品空間 かかれたこえ かかれたいまーじゅ せんきゅうひゃくななじゅうねんだいこうはんにおけるでゅらすのさくひんくうかん 『書かれた声、書かれたイマージュ--1970年代後半におけるデュラスの作品空間』は、岡本澄子によるマルグリット・デュラス論です。NDLサーチで雑誌記事として確認できます。公開Webで本文内容を確認できなかったため、作品内容の説明は題名と書誌情報に限定します。
- 1173 2007 植物診断室 しょくぶつしんだんしつ 『植物診断室』は、星野智幸が2007年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1174 2007 1000の小説とバックベアード せんのしょうせつとばっくべあーど 『1000の小説とバックベアード』は、小説を書くこと、読むこと、ジャンルの制度をめぐる自己言及的な長篇です。ライトノベルやミステリ以後の感覚を背景に、作者と読者、物語と批評の関係が挑発的に揺さぶられる。佐藤友哉の文学への過剰な自意識が、作品の推進力になっています。 第20回 三島賞
- 1175 2006 暗渠の宿 あんきょのやど 『暗渠の宿』は、粗暴で不器用な私小説的主人公・北町貫多の同棲生活と生活感情を描く作品集です。貧困、労働、性的な執着が、露悪的な自己観察と乾いたユーモアのなかで語られます。暗渠という見えない水路の比喩のように、日常の底を流れる屈辱と欲望が読みどころになります。 第29回 野間新人賞
- 1176 2006 オートフィクション オートフィクション 『オートフィクション』は、作家リンの現在から過去へさかのぼる構成で、愛、嫉妬、自己像の形成をたどる長編です。自分を書くことと自分を作ることが重なり、タイトル通り「私小説」と「作り物」の境界が揺れます。時間を逆行する構成が、感情の根を探る読み方を促します。
- 1177 2006 どうで死ぬ身の一踊り どうでしぬみのひとおどり 『どうで死ぬ身の一踊り』は、大正期の私小説家・藤澤清造の「歿後弟子」を自任する男をめぐる、西村賢太初期の作品集です。文学への執着、貧しい生活、対人関係の不器用さが、露悪的でありながら妙に律儀な語りで押し出されます。私小説の系譜を現代に引き寄せる作品として読めます。
- 1178 2006 煙幕 えんまく 14歳の「わたし」は、細胞分裂を繰り返しながら成長し、「14年戦争を生き抜いてきた」という感慨を抱いて生きている。理科教師の川端、クラスメイトの衣川、母を捨てた川端と名乗る男、プロデューサー——複数の登場人物が重なり合い、誰が誰なのか分からないまま視点が次々と入れ替わる。読者を文字どおり煙に巻く実験…
- 1179 2006 エスケイプ/アブセント えすけいぷ/あぶせんと 『エスケイプ/アブセント』は、逃避と不在という二つの言葉を軸に、関係のなかで空白を抱える人物を描く作品です。絲山秋子らしい簡潔な文体が、説明しすぎないまま感情の距離を保ちます。逃げること、いないこと、忘れられないことが重なり合う静かな読後感があります。
- 1180 2006 風化する女 ふうかするおんな 突然死んだ会社の先輩れい子には、職場で見せていたのとは別の顔があった。「私」はその謎をたどって東京から地方へと旅をし、死んだ女の生の痕跡に自分を重ねていく。日々がたえず「風化」していく都会の生活感覚を背景に、死者をなぞることでしか確かめられない自分の輪郭を、抑制された筆致で描いたデビュー作。 第102回 文學界新人賞
- 1181 2006 不思議の国のペニス ふしぎのくにのペニス 『不思議の国のペニス』は、性欲に振り回される男子高校生の日常を、露骨さと滑稽さを交えて描く作品です。青春小説の枠組みを使いながら、身体の変化や欲望を制御できない不安を前面に出しています。題名の挑発性に対して、語りは若い自意識のぎこちなさを追うところに読みどころがあります。
- 1182 2006 銀色の翼 ぎんいろのつばさ 『銀色の翼』は、生活の現場にいる人々の視線から、家族、労働、社会的な孤立を描く佐川光晴の小説です。派手な事件よりも、日々の選択や関係のほころびを通して人物を立ち上げるタイプの作品として位置づけられます。現実に踏みとどまる語りが、傷や希望を過度に美化しない点が読みどころです。
- 1183 2006 ヘンリエッタ へんりえった みーさん、あきえさん、そして「わたし」。女3人は「ヘンリエッタ」に守られながら、ちょっと奇妙な共同生活を送っている。血縁とも友情ともつかない女たちの暮らしのディテールを、幼さの残るまっすぐな言葉でつづり、閉じた生活圏のやわらかさと危うさを同時に感じさせる。高校在学中の17歳が書いたデビュー作として注… 第43回 文藝賞
- 1184 2006 月とアルマジロ つきとあるまじろ 『月とアルマジロ』は、現実的な日常に奇妙なイメージを差し込み、若い人物の孤独や自己意識を照らす作品です。月とアルマジロという取り合わせが示すように、遠いものと身近なものの距離感が作品の手ざわりを作っています。簡潔な語りの奥に、寓話的なずれを読む楽しさがあります。
- 1185 2006 生きてるだけで、愛。 いきてるだけで、あい。 『生きてるだけで、愛。』は、鬱と過眠に苦しむ寧子と、同棲相手・津奈木の関係を描く恋愛小説です。感情の爆発と生活の停滞が同時に描かれ、病や孤独が恋愛のなかでどう噴き出すかを見せます。荒さを残した一人称的な距離感が、登場人物の息苦しさを直接伝えます。
- 1186 2006 イルカ イルカ 『イルカ』は、よしもとばななの小説らしく、親密な関係と心身の変化をやわらかな語りで扱う作品です。題名が示す水辺のイメージは、閉じた日常から別の感覚へ移るための入口として働きます。喪失や不安を強く断定せず、ゆるやかな回復の気配を読む作品として位置づけられます。
- 1187 2006 いやしい鳥 いやしいとり 飲み会で初めて会った学生を家に連れ帰るはめになった非常勤の大学講師。その夜を発端に、男が鳥へと変身していく惨劇が起こる。講師の視点と隣に住む専業主婦の視点を交互に置き、時系列を少しずつずらす構成で、日常に走る裂け目をグロテスクな滑稽さとともに見せる。藤野の出発点となった変身譚で、奇想と冷静な観察眼の… 第103回 文學界新人賞
- 1188 2006 公園 こうえん 『公園』は、世界の縮図のような公園から下田、ニューヨーク、グラウンド・ゼロへと移動していく大学生の「ぼく」と友人オノサを描くデビュー作。河出書房新社の紹介では、目的のはっきりしない移動と9.11後の世界感覚が結びつけられており、場面を飛躍させる語りが若者の浮遊感を生む。青春小説の軽さと、世界の暴力を… 第43回 文藝賞
- 1189 2006 幻をなぐる まぼろしをなぐる 失恋の痛手を抱えた女性が、相手を忘れるために身体を鍛え、欲望と妄執を抱え込んでいく。集英社側の紹介では、痛みをただ感傷として描くのではなく、生々しさとピュアさをあわせ持つ「現代の失恋」の物語として打ち出されている。恋愛の喪失を身体の運動や執着の問題として描く点に読みどころがある、第30回すばる文学賞… 第30回 すばる文学賞
- 1190 2006 愛の島 あいのしま 『愛の島』は、島という閉じた場所を背景に、愛や孤独をめぐる関係の揺れを描く作品として整理できます。遠く離れた場所である島は、人物の逃避先であると同時に、自分の感情と向き合う場にもなります。書誌情報以外の詳細資料はまだ少ないため、今後の批評・紹介資料で精度を上げたい作品です。
- 1191 2006 森のはずれで もりのはずれで 『森のはずれで』は、共同体の中心ではなく「はずれ」に立つ人物の感覚を、小野正嗣らしい静かな語りで描く作品です。森や周縁の場所は、記憶、土地、言葉の違いを考えるための舞台になります。中心から外れた場所で人がどう他者と出会うかを読む作品として位置づけられます。
- 1192 2006 無限のしもべ むげんのしもべ 早く目覚めすぎた休日の朝、稔がマンションから見下ろすと、駐車場に円卓を持ち込んでティーパーティーに興じる4人の男女がいた。そのなかの美人に目をつけた稔は、パーティーに加わりあわよくば濃密な性愛を、という淫靡な考えに取り憑かれ作戦を練り始める。性的妄想の無意味な暴走を生真面目な文体で押し切る、木下古栗… 第49回 群像新人賞
- 1193 2006 沖で待つ おきでまつ 『沖で待つ』は、同期入社の男女の友情と、死後に残された約束をめぐる作品です。恋愛に回収されない親密さを、職場の記憶と喪失の感覚を通して描きます。絲山秋子の簡潔で乾いた語りが、死者との距離を過度に sentimental にせず保つところが読みどころです。 第134回 芥川賞
- 1194 2006 ポータブル・パレード ぽーたぶる・ぱれーど 第38回新潮新人賞の小説部門受賞作として、『新潮』2006年11月号に掲載された作品。NDLサーチでは「小説部門受賞作」としての雑誌掲載情報を確認できるが、出版社公式の単行本紹介や内容紹介は今回確認できなかった。内容細部は公開情報が少ないため、現時点では受賞・掲載情報を中心にした暫定紹介にとどめる。 第38回 新潮新人賞
- 1195 2006 受賞者インタビュー 「物語」にならないように じゅしょうしゃいんたびゅーものがたりにならないように 『受賞者インタビュー 「物語」にならないように』は、吉田直美の新潮新人賞受賞作『ポータブル・パレード』に関連するインタビュー記事です。NDLサーチで『新潮』103巻11号、2006年11月号、p.234-237掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 1196 2006 その街の今は そのまちのいまは 『その街の今は』は、カフェで働く歌ちゃんが古い写真に写る大阪に惹かれ、街の過去と現在を行き来する作品です。写真という媒体が、個人の記憶だけでなく都市の時間をたどる装置になります。柴崎友香らしい歩くような文体で、街を見ることと自分の現在を確かめることが重なります。
- 1197 2006 そろそろくる そろそろくる 『そろそろくる』は、日常のなかで身体や感情の変化を待ち受ける感覚を描く作品として整理できます。中島たい子の小説に特徴的な、身近な生活の違和感をユーモアに変える語りが読みどころです。大きな事件よりも、心身のリズムが崩れる瞬間に焦点が置かれます。
- 1198 2006 浮世でランチ うきよでらんち 『浮世でランチ』は、食事や仕事場の場面を通して、現代の若い人物が社会とどう折り合うかを描く作品です。山崎ナオコーラらしい軽い会話と観察が、日常の居心地の悪さを柔らかく浮かび上がらせます。ランチという身近な行為が、関係や労働を見直す入口になっています。
- 1199 2006 裏庭の穴 うらにわのあな 主婦の朝子は、幼い頃に母親が裏庭に何かを埋めるのを目撃したという記憶を、大人になっても抱え続けている。掘り返されないまま家族の足元に空いた「穴」のような記憶を軸に、平穏に見える家庭の日常の底に沈む鬱屈と、母と娘のあいだのほどけない結び目を描く。受賞作は2009年刊の作品集『霊降ろし』(文藝春秋)に収… 第103回 文學界新人賞
- 1200 2006 夕子ちゃんの近道 ゆうこちゃんのちかみち 『夕子ちゃんの近道』は、商店街の人々をめぐる連作短篇集として、日常の小さな移動や出会いを描く作品です。大きな事件よりも、店、道、会話の連なりから人物の距離が変わる様子を見せます。長嶋有らしいユーモラスで少しずれた観察が、生活のなかの寂しさを軽く照らします。
- 1201 2006 憂鬱なハスビーン ゆううつなはすびーん 東大を卒業して外資系企業で順調に出世したのち、弁護士の夫との結婚を機に退職した29歳の凛子を描く。安定した結婚生活の中でも満たされず怒りを抱える彼女は、かつて神童と呼ばれた熊沢くんとの再会をきっかけに、自分や他者への期待、優越感と劣等感、社会的成功と自己評価の空洞に向き合っていく。has-beenと… 第49回 群像新人賞
- 1202 2006 ぜつぼう ぜつぼう 『ぜつぼう』は、題名の強い感情をそのまま扱いながら、本谷有希子らしい不穏さと滑稽さで日常のずれを描く作品です。人物の思い込みや関係の歪みが、現実を少しずつ奇妙なものに変えていきます。絶望を重苦しいだけでなく、笑いと怖さの境目に置く読み味があります。
- 1203 2006 絶対、最強の恋のうた ぜったい、さいきょうのこいのうた 『絶対、最強の恋のうた』は、恋愛の高揚と自意識のまぶしさを正面から扱う中村航の小説です。強い題名とは裏腹に、語りは若い人物の不安や不器用さにも寄り添います。恋を歌や物語として信じたい気持ちと、現実の揺らぎの間を読む作品です。
- 1204 2006 帰ってきた黄金バット かえってきたおうごんばっと 『帰ってきた黄金バット』は、「すばる」2006年5月号に掲載され、同年9月に集英社から単行本化された釉木淑乃の小説です。NDLサーチで雑誌初出と単行本書誌、CiNii Researchで関連レコードを確認できます。公開情報で詳細な内容紹介は確認できないため、表題の大衆文化的モチーフ以上の内容断定は避…
- 1205 2006 ミステリアスセッティング みすてりあすせってぃんぐ 『ミステリアスセッティング』は、阿部和重が朝日新聞社から2006年に刊行した長編小説です。講談社文庫版の出版社紹介では、歌を愛し吟遊詩人を夢見るが唄う能力を欠いた19歳の少女シオリが、周囲に弄ばれながらも夢を抱き続け、小型核爆弾だというスーツケースを託されて東京の地下深くに潜る物語として紹介されてい…
- 1206 2006 プラスティック・ソウル ぷらすてぃっくそうる 『プラスティック・ソウル』は、阿部和重が2006年に講談社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧では『シンセミア』以前に連載された作品として説明されています。
- 1207 2006 家のロマンス いえのロマンス 『新潮』連載後、新潮社から2006年11月に単行本化された加藤幸子の未登録作品。
- 1208 2006 掘るひと ホル ヒト 2000年代の小説作品として、既収録『雨のち雨?』以後の展開を補う候補。
- 1209 2006 愛と癒しと殺人に欠けた小説集 あいといやしとさつじんにかけたしょうせつしゅう 講談社2006年刊の単行本。伊井直行の短篇側を補う追加候補。
- 1210 2006 残光 ざんこう NDLサーチで「新潮」2006年2月号掲載書誌、2006年5月刊の新潮社版単行本、水声社『小島信夫長篇集成』収録を確認できる。
- 1211 2006 爆心 ばくしん 2006年11月に文藝春秋から刊行された作品集。NDLで単行本、2010年文春文庫版、2011年の上下巻版を確認できる。
- 1212 2006 中国西南居ソウロウ紀行 『中国西南居ソウロウ紀行』は、竹野昌代による紀行文です。NDLサーチでは2006年8月に文芸社から刊行された271ページの図書、NDC9 292.234として確認できます。出版書誌データベースではISBN 9784286016870、4-6判、272ページ、2006年8月1日発売として登録されていま…
- 1213 2006 八月の路上に捨てる 『八月の路上に捨てる』は、伊藤たかみの中篇小説です。文藝春秋BOOKSでは、暑い夏の一日、30歳を目前に離婚しようとしている主人公を通して、現代の若者を覆う社会のひずみと生態を軽やかに描く作品として紹介されています。初出は『文學界』2006年6月号で、2006年8月に文藝春秋から単行本化されました。 第135回 芥川賞
- 1214 2006 ドライブイン蒲生 どらいぶいんがもう NDLサーチで2006年7月刊、河出書房新社、ISBN 4-309-01766-5の単行本として確認できる。
- 1215 2006 海洞 : アフンルパロの物語 かいどう あふんるぱろのものがたり 『海洞 : アフンルパロの物語』は、三浦清宏が2006年に文藝春秋から刊行した長篇小説です。NDLサーチでは、文藝春秋2006年9月刊、604ページ、ISBN 4-16-325230-4の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概や初出誌は確認できなかったため、紹介は書誌情報を中心に整…
- 1216 2006 サヨナラ、東京。 サヨナラ トウキョウ 新風舎から2006年に刊行された高橋一起の未収録単著。
- 1217 2006 恩愛の絆 おんあいのきずな 『恩愛の絆』は、題名・副題から家族や韓国・朝鮮との関係を扱う可能性があるが、今回の候補では書誌で確認できる範囲にとどめる。既存登録作と同著者の未登録 book-form 候補として扱う。
- 1218 2006 虹とクロエの物語 にじとくろえのものがたり 『虹とクロエの物語』は、星野智幸が2006年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1219 2006 われら猫の子 われらねこのこ 『われら猫の子』は、星野智幸が2006年に講談社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1220 2006 せつないカモメたち 『せつないカモメたち』は、高樹のぶ子が2006年に朝日新聞社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1221 2006 鯉浄土 『鯉浄土』は、村田喜代子が2006年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1222 2005 モンスターフッズ・エンド もんすたーふっずえんど 『モンスターフッズ・エンド』は、第27回すばる文学賞受賞作『ダンボールボートで海岸』の作者・千頭ひなたが「すばる」2005年5月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します…
- 1223 2005 100回泣くこと ひゃっかいなくこと 恋人を失った男性が、新たな出会いや日々の出来事を通して、悲しみから少しずつ立ち上がる純愛長篇。題名の強さに対して語り口は穏やかで、泣くことそのものよりも、喪失を抱えながら生活を続ける時間が描かれる。中村航の読者層を広げた、切なさと読みやすさを併せ持つ作品である。
- 1224 2005 悪意の手記 あくいのてき 悪意や罪の意識を抱えた人物の内面を、手記という形式に近い暗い語りで追う中村文則の初期作品。出来事の派手さよりも、語り手が自分の中の暴力や孤独をどう正当化し、どう崩れていくかが中心になる。後の中村作品に続く、犯罪、自己嫌悪、倫理の揺らぎが濃く表れた一作。
- 1225 2005 AMEBIC アミービック 拒食やアルコールに蝕まれた女性ライターの意識を、断片的で揺らぐ独白として描く長編。身体の輪郭が崩れ、言葉や記憶がアメーバのように変形していく感覚が、タイトルどおり作品の構造にも入り込む。金原ひとみの身体感覚と実験的な語りが強く出た作品である。
- 1226 2005 BGM びーじーえむ 現役教師として文藝賞を受賞した岡田智彦の、受賞後第一作として発表された作品。題名の「BGM」は、人物の感情を大きな事件で説明するのではなく、日常の背後で鳴り続ける気配として捉える読みを誘う。若い感覚と学校・生活の現場が交差する、2000年代文藝賞周辺の一作である。
- 1227 2005 バースト・ゾーン 爆裂地区 ばーすと・ぞーん ばくれつちく 吉村萬壱が、暴力と管理の気配を強めた架空的な地区を描く長編。純文学の枠を越えて、SFやディストピア小説に近い想像力で、身体が制度や集団にさらされる状況を押し広げる。『ハリガネムシ』の閉じた暴力とは別方向に、社会全体が不穏化していく読み味がある。
- 1228 2005 永遠の誓い えいえんのちかい 佐川光晴の2005年刊行作で、約束や誓いが人間関係を支える一方、重荷にもなる局面を描く作品として整理できる。生活者の視点を離れず、家族や恋愛、働くことの中で、言葉だけでは保てない関係を見つめる。佐川作品らしい、過度に装飾しない文体が読みどころになる。
- 1229 2005 フルタイムライフ フルタイムライフ 新社会人として働きはじめた春子の日常を、会社の時間、疲れ、同僚との距離感から等身大に描く長編。仕事が劇的な自己実現になるのではなく、生活の大半を占める時間として淡々と積み上がる。柴崎友香らしい心情に寄りすぎない文体で、働きはじめの戸惑いと観察が描かれる。
- 1230 2005 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ ふぬけども、かなしみのあいをみせろ 両親の事故死をきっかけに、女優を夢見る自己中心的な姉・澄伽が田舎の実家へ戻ってくる。妹、兄夫婦、家族内の記憶と嫉妬が、痛烈な喜劇として噴き出す。本谷有希子の戯曲的な会話と、家族を安全な場所として描かない毒の強さが読みどころである。
- 1231 2005 グルメな女と優しい男 ぐるめなおんなとやさしいおとこ 「人を好きになることは極上の料理より美味しい」——食べることに貪欲なりん子は、優しい男・一郎に純粋な恋心を抱くようになり、クリスマスの夜、ふたりは濃密なデートに繰り出す。食欲と恋愛感情というふたつの「おいしさ」を重ね合わせ、欲望に素直な女と受け止める男の関係をコミカルに描く。群像新人文学賞の優秀作と…
- 1232 2005 半島を出よ はんとうをでよ 北朝鮮の特殊部隊が福岡を占拠するという危機を、政治、軍事、若者たちの暴力性を絡めて描く大部の長編。現実の東アジア情勢を踏まえながら、国家の危機管理と個人の生存感覚を同時に扱う。村上龍らしい社会不安への感度と、エンターテインメント的な速度が結びついた作品である。 第58回 野間文芸賞
- 1233 2005 平成マシンガンズ へいせいましんがんず 母は家を出て行き、家には横暴な父とその愛人。学校は戦場のようで、教室に居場所はない。逃げ場のない女子中学生の夢に死神が降臨し、マシンガンを手渡す——。現役中学生の書き手が、ローティーンの苛立ちと無力感を、撃ちまくるような言葉のスピードで叩きつけた。マシンガンという暴力的なイメージは実際の銃撃ではなく… 第42回 文藝賞
- 1234 2005 一千一秒の日々 いっせんいちびょうのひび 恋愛や日常の短い時間を、きらめくような細部として集めた島本理生の作品集。大きな物語へ急がず、一瞬の表情や会話のずれが、人物の孤独や期待を浮かび上がらせる。若い恋の瑞々しさと、時間が過ぎていくことへの切なさが題名に重なる。
- 1235 2005 家族芝居 かぞくしばい 家族を、血縁だけでなく、互いに役を演じ合う小さな舞台として捉える佐川光晴の作品。親密であるはずの関係の中にある見栄、遠慮、傷つけ合いを、生活の目線から描く。タイトルどおり、家族の会話や振る舞いが芝居めいて見える瞬間が読みどころになる。
- 1236 2005 まぼろし まぼろし 母娘の確執を描く表題作と、実家に戻った娘の日常を描く「十八階ビジョン」を収める作品集。見えているはずの家族や故郷が、どこか「まぼろし」のように掴めなくなる感覚を、若い女性の視点から描く。日常の薄い不安と、過去から離れきれない心理が静かに重なる。
- 1237 2005 窓の灯 まどのひ 大学を辞めた「私」は、時代に取り残されたような喫茶店で働きながら、向かいの部屋の窓の中を覗くことを日課にしている。やがて視線は夜の街の散歩で垣間見える家々の窓へと広がり、他人の生活の灯に惹かれる気配がゆるやかに濃くなっていく。覗くことのうしろめたさと官能を、抑制の効いた一人称で描く第42回文藝賞受賞… 第42回 文藝賞
- 1238 2005 マルコの夢 まるこのゆめ 栗田有起が、夢や空想の気配を日常のずれの中に置いた作品。人物たちは現実から大きく逃げ出すのではなく、少しだけ別の見方を差し込むことで、自分の居場所を探っていく。軽やかな題名の裏に、他人とわかり合えない孤独がにじむ。
- 1239 2005 ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ 宮沢賢治の作品やイメージを、高橋源一郎流に再配置するようなタイトルをもつ作品集。古典的な作家をそのまま讃えるのではなく、引用、変奏、遊びを通じて、文学を現在の言葉で鳴らし直す。メタフィクションとリミックス感覚が結びついた、高橋作品らしい一冊である。 第16回 宮沢賢治賞
- 1240 2005 みずうみ みずうみ 母を亡くした女性と、過去に深い傷を抱えた青年の恋を描く長編。湖の静けさは、癒やしの場所であると同時に、人物が抱える記憶の暗さを映す場所にもなる。吉本ばななの柔らかな語りが、トラウマと恋愛を過剰に説明しすぎず、余韻として残す。
- 1241 2005 泣かない女はいない なかないおんなはいない 泣かない、あるいは泣けない女性の姿を、恋愛や仕事の日常の中から描く長嶋有の中篇。感情を大きく説明せず、会話や行動の端に表れる違和感で、人物の孤独を浮かび上がらせる。ユーモラスな題名の裏に、強がりと弱さが同時にある作品である。
- 1242 2005 ナラタージュ ならたーじゅ かつての恩師への思いを断ち切れない女子大生が、過去の記憶と現在の恋の間で揺れる長篇。恋愛の美しさよりも、戻れない時間に縛られる痛みが中心に置かれている。語りは静かだが、人物の未練や罪悪感が長く尾を引き、島本理生の代表的な恋愛小説として読まれてきた。
- 1243 2005 ニート にーと 「ニート」という言葉が社会的に広まった時期に、働くことから外れた人物の時間を描く絲山秋子の作品。無職であることを単純な問題や説教にせず、生活の細部、会話、周囲とのずれとして描く。乾いたユーモアの中に、労働規範から外れた人間の居場所のなさが見える。
- 1244 2005 踊るナマズ おどるなまず ナマズにまつわる伝説が息づく土地で、幼い二人の恋心と民話的な想像力が交差する恋愛奇談。弥生が過去の記憶を語り直す構成を通じて、土地に残る言い伝えと性、生命の連なりが重ねられる。現実の成長譚を土俗的なイメージへ開いていくところに、すばる文学賞受賞作らしい新鮮さがある。 第29回 すばる文学賞
- 1245 2005 オテルモル おてるもる 『オテルモル』は、奇妙なホテルをめぐる幻想的な設定を手がかりに、旅先で宙づりになる感覚や、日常から少し外れた場所にいる人の孤独を描く作品です。栗田有起らしい軽やかな導入の奥に、記憶や帰属の揺らぎが潜む読み味があります。舞台の閉じた空間が、登場人物の不安と期待を増幅する点が読みどころです。
- 1246 2005 さりぎわの歩き方 さりぎわのあるきかた 29歳の「僕」は、青春の終わりを記念するかのように一泊の合コンに参加する。怪しげな新事業の話、旧友の転落と自殺——若さの賞味期限が切れかかった男たちの周りで起こる出来事を、「こういうのがお望みのドラマなんだろう?」と斜に構えた語りで突き放しながら、それでも去り際の身の処し方を探っていく。まっとうな成… 第101回 文學界新人賞
- 1247 2005 さよなら アメリカ さよなら あめりか 「ぼく」は頭から袋を被って生活している。袋の後ろには「SAYONARAアメリカ」のロゴ。噂に聞いた同じ袋族の少女に会うために街をさまよい、突然現れた異母弟を名乗る男との奇妙な共同生活が始まる。袋で社会から自分を隔てながら、袋の仲間との出会いだけは求めてしまう——その矛盾を、深刻ぶらないオフビートなユ… 第48回 群像新人賞
- 1248 2005 さようなら、私の本よ! さようならわたしのほんよ 『さようなら、私の本よ!』は、老作家・長江古義人と建築家・塙吾良を軸に、文学、暴力、記憶の継承を問い直す長編です。作中人物と作者像が重なり合うメタフィクション的な構えのなかで、晩年の作家が自作と時代にどう別れを告げるかが描かれます。会話と回想を積み重ねる長い息の文体が、個人史と政治的記憶を結びつけて…
- 1249 2005 性交と恋愛にまつわるいくつかの物語 せいこうとれんあいにまつわるいくつかのものがたり 『性交と恋愛にまつわるいくつかの物語』は、性と恋愛をめぐる語りを、物語そのものへの問いと重ねて扱う作品です。高橋源一郎の小説らしく、露骨な題材を単純な告白にせず、言葉が欲望をどう作り替えるかを意識させます。恋愛小説の形式をずらしながら、身体、関係、語りの自由度を探る読みどころがあります。
- 1250 2005 スモールトーク すもーるとーく 『スモールトーク』は、六台の車をめぐる連作として、移動、修復、喪失の感覚を描く作品です。車という具体物が、登場人物の距離感や回復の速度を測る装置になっています。絲山秋子らしい抑制された会話と乾いた文体が、傷ついた人々のささやかな再出発を浮かび上がらせます。
- 1251 2005 逃亡くそたわけ とうぼうくそたわけ 『逃亡くそたわけ』は、精神病院を抜け出した二人の若者が、博多から九州を北へ進む逃避行を描く小説です。方言を含む勢いのある語りが、病や孤立を重く固定せず、滑稽さと切実さの両方で走らせます。逃げることが同時に自分の輪郭を確かめることになる、青春ロードノベルとして読めます。
- 1252 2005 東京奇譚集 とうきょうきたんしゅう 『東京奇譚集』は、「偶然の旅人」などを収め、都市の日常にふと入り込む不可思議な出来事を描く短編集です。村上春樹の抑制された語りが、偶然、喪失、記憶のずれを静かに増幅します。東京という現実的な地名を持ちながら、物語は現実の向こう側に開く寓話性を帯びています。
- 1253 2005 土の中の子供 つちのなかのこども 『土の中の子供』は、幼少期の虐待の記憶を抱えた青年が、暴力と性のただなかで自分の生を測り直す作品です。語りは身体感覚に近く、外から説明するよりも、壊れた自己認識の内側から世界を見せます。暗い題材を扱いながら、傷の再演とそこからの微かな抵抗を描く点に緊張があります。 第133回 芥川賞
- 1254 2005 冷たい水の羊 つめたいみずのひつじ 級友たちの生け贄のようにいじめの標的にされた中学生の少年。彼は「いじめられたと感じたらそれがいじめ」という定義を逆手に取り、「自分はいじめられていない」という独自の論理に立てこもって、陰惨な仕打ちを受け続ける。いじめを告発した同級生の少女・水原里子との心中の計画が、物語に暗い水脈のように流れる。羊の… 第37回 新潮新人賞
- 1255 2005 モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 もーだるなじしょうくわがたこういちじょきょうじゅのすたいりっしゅなせいかつ 『モーダルな事象』は、奥泉光が2005年に文藝春秋から刊行した長編小説です。桑潟幸一助教授を主人公格とする学園ミステリー的シリーズの起点として整理します。
- 1256 2005 君は永遠にそいつらより若い きみはえいえんにそいつらよりわかい 『君は永遠にそいつらより若い』は、大学卒業を間近に控えたホリガイの、バイト、学校、下宿、友人との日々を描く津村記久子のデビュー作です。だらだらした学生生活の表面の下に、暴力や悪意、見過ごされがちな哀しみが少しずつ顔を出します。日常の軽さを保ちながら、傷ついた人の存在を消さずに書く、津村文学の出発点で… 第21回 太宰治賞
- 1257 2005 心のかけら ココロ ノ カケラ 角川春樹事務所から2005年に刊行された広谷鏡子の未収録単著。
- 1258 2005 海の宮 うみのみや 『海の宮』は、「新潮」2005年5月号に掲載され、2009年3月に集英社から単行本化された中上紀の小説です。NDLサーチで雑誌初出と単行本書誌、CiNii Researchで関連レコードを確認できます。公開Webで詳細な梗概は確認できないため、内容紹介は書誌情報に限定します。
- 1259 2005 焼身 しょうしん 集英社刊の2005年単行本。宮内勝典の宗教性・越境性・身体性が強く出る作品として追加候補。
- 1260 2005 青猫家族輾転録 あおねこかぞくてんてんろく 英訳・独訳レコードもNDLで確認でき、伊井直行作品の海外流通の手がかりにもなる。
- 1261 2005 独学魔法ノート どくがくまほうノート 2005年刊。児童文学/YA寄りの可能性があるため採否は追加判断推奨。
- 1262 2005 カギ かぎ 2005年4月に集英社から刊行された単行本。NDLで単行本書誌と『すばる』2003年10月号掲載情報を確認できる。
- 1263 2005 名もなき孤児たちの墓 なもなきこじたちのはか 表題作は『新潮』2005年8月号に掲載され、2006年に新潮社から刊行された同名作品集の核となる短編。中原昌也らしい不穏で断片的な語りが、名前を持たない者たちの孤立や行き場のなさを、整った物語の救済から遠ざけて描く。公開されている内容紹介は乏しいため、具体的な筋の断定は避け、書誌・受賞情報と作風に限… 第28回 野間新人賞
- 1264 2005 二人乗り ふたりのり 『二人乗り』は、詩人としても知られる平田俊子の小説作品で、嵐子、不治子、道彦をめぐる三篇からなる連作です。関係のずれや恋愛の気配を、詩的な感覚と乾いた距離感で捉える構成が特徴です。複数の人物を行き来する語りによって、二人でいることの親密さと危うさが浮かびます。 第27回 野間新人賞
- 1265 2005 ミーナの行進 みーなのこうしん NDLサーチで2006年4月刊の中央公論新社版単行本と2009年中公文庫版を確認できる。谷崎潤一郎賞公式一覧で第42回受賞作として確認できる。 第42回 谷崎賞
- 1266 2005 LOVE らぶ 『LOVE』は、東京を移動し続ける複数の人物と猫たちの視点が連なり、スピード感のある文体で都市の鼓動を描く作品です。少年少女、老女、ストリートミュージシャン、殺し屋、野良猫たちが交錯し、都市の孤独と連帯が断片的なエピソードとして重なります。新潮文庫版の目次には「ブルー/ブルース」「ワード/ワーズ」「… 第19回 三島賞
- 1267 2005 ベルカ、吠えないのか? べるか、ほえないのか 『ベルカ、吠えないのか?』は、1943年のキスカ島に残された軍用犬たちから始まり、犬たちの血統と移動を通して二十世紀の世界史を描く長篇です。人間の戦争、国家、軍事、移民の歴史が、犬の繁殖と訓練の記録として別の角度から語られます。動物小説でありながら、近現代史を横断する群像劇として読める作品です。
- 1268 2005 環流 かんりゅう NDLサーチで2005年8月刊、講談社、ISBN 4-06-213054-8の単行本として確認できる。
- 1269 2005 蟹と彼と私 『蟹と彼と私』は、荻野アンナが『すばる』連載を経て集英社から刊行した作品です。癌という重い題材を、病の記録だけに閉じず、語りの跳躍、言葉のずれ、奇妙なユーモアによって多層化しています。身体と死をめぐる切実さと、荻野作品らしいパロディ的な文体感覚が同居する一冊です。
- 1270 2005 山田太郎と申します 『山田太郎と申します』は、玄月が文藝春秋から刊行した短篇集です。ありふれた名を持つ山田太郎という人物が、場所ごとに場の秩序を揺らし、周囲の人びとの当惑や欲望を浮かび上がらせます。緊張感とユーモア、現実感と倒錯感が混じり合う玄月らしい作品集です。
- 1271 2005 異物 いぶつ 玄月の中期単行本。NDLでは単行本と雑誌初出記事の双方が確認できる。
- 1272 2005 オール・トゥモロウズ・パーティーズ 『オール・トゥモロウズ・パーティーズ』は、清野栄一の小説単行本です。NDLサーチでは2005年4月に双葉社から刊行された243ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースでも、ISBN 9784575235227、4-6判、243ページ、2005年4月19日発売の書誌が…
- 1273 2005 テクノフォビア てくのふぉびあ 2005年4月に扶桑社から刊行された本人単著をNDLで確認。既存登録の『オール・トゥモロウズ・パーティーズ』と同時期の著作。
- 1274 2005 ぎぶそん ぎぶそん NDLサーチで2005年5月刊、ポプラ社、ISBN 4-591-08663-1の単行本として確認できる。2008年、2010年の版も確認できる。
- 1275 2005 命の風(上・下) いのちのかぜ NDLで2005年9月幻冬舎刊の上巻・下巻をいずれもNDC 913.6の図書として確認。Books/JPROでも上下巻のISBN、判型、ページ数、発売日を確認できる。
- 1276 2005 河原荒草 かわらあれくさ NDLサーチで2005年10月刊、思潮社、ISBN 4-7837-2101-7の単行本として確認できる。
- 1277 2005 流浪のクルパ るろうのくるぱ NDLで華城文子著、2005年2月刊、ISBN 4-7974-5445-8の図書として確認。
- 1278 2005 花酔い ハナヨイ 新風舎から2005年に刊行された江場秀志の未収録単著。
- 1279 2005 奥州王。 オウシュウオウ 副題に「日本最強の異人種、安倍一族の戦い。」を持つ新風舎刊の単著。
- 1280 2005 双頭の性。 ソウトウ ノ セイ 新風舎文庫から2005年に刊行された高橋一起の未収録単著。
- 1281 2005 在日ヲロシヤ人の悲劇 ざいにちをろしやじんのひげき 『在日ヲロシヤ人の悲劇』は、星野智幸が2005年に講談社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1282 2005 聖ジェームス病院 『聖ジェームス病院』は、久間十義が2005年に光文社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1283 2005 六〇〇〇度の愛 ろくせんどのあい 『六〇〇〇度の愛』は、長崎と原爆の記憶を背景に、愛と祈り、死者の存在を強い熱のイメージで描く長篇です。具体的な旅の行程と、宗教的・幻想的な感覚が重なり、現実の土地が精神的な場所へ変わっていく。鹿島田真希の初期作品らしい、信仰と身体感覚の緊張が読みどころです。 第18回 三島賞
- 1284 2004 女の子と病気の感染 おんなのことびょうきのかんせん 『女の子と病気の感染』は、第46回群像新人文学賞受賞作『火薬と愛の星』の作者・森健が2004年に角川書店から刊行した単行本です。NDLサーチで書名、著者、出版社、刊行年月、ページ数を確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1285 2004 アフターダーク あふたーだーく 深夜0時過ぎから夜明けまでの東京を舞台に、ファミリーレストラン、ホテル、オフィス、眠り続ける部屋がゆるく接続される。視点はカメラのように人物の間を移動し、姉妹、孤独な青年、暴力の痕跡を、夜の都市の断片として映し出す。長大な物語ではなく、時間を区切った構成と映像的な語りで、村上春樹作品の都市感覚を凝縮…
- 1286 2004 青空感傷ツアー あおぞらかんしょうツアー 身勝手で魅力的な親友・音生に振り回されながら、「私」が各地を巡るロードノベル。旅は爽快な逃避であると同時に、親友への憧れや苛立ち、自分の輪郭の曖昧さを映し出す時間でもある。柴崎友香らしい移動の感覚と会話のリズムで、若い女性同士の距離を軽やかに描く。
- 1287 2004 アッシュベイビー アッシュベイビー 『蛇にピアス』後の第二作で、同居人の男と赤ん坊をめぐる歪んだ関係に巻き込まれる女性を描く。身体、依存、母性への違和感が、金原ひとみらしい硬い感覚の文体で押し出される。家庭的な題材を扱いながら、安心できる家族像を反転させる不穏な作品である。
- 1288 2004 袋小路の男 ふくろこうじのおとこ 何も与えない男に、三年間片思いし続ける女の静かな恋愛小説。恋が進展しないこと、相手が応えないことを、単純な不幸ではなく、関係が袋小路のまま続いていく時間として描く。大きな事件を抑えた文体の中に、絲山秋子らしい乾いた痛みと可笑しさが残る。 第30回 川端賞
- 1289 2004 ぐるぐるまわるすべり台 ぐるぐるまわるすべりだい 失意の青年が、バンドや仲間との関係の中で少しずつ再生へ向かう連作短篇集。若者の閉塞感を、深刻さだけでなく、音楽や会話の軽さ、少しずつ回り続ける遊具のような時間感覚で描く。中村航の青春小説としての明るさと、何者にもなれない痛みが並走する。 第26回 野間新人賞
- 1290 2004 灰色の瞳 はいいろのひとみ 佐川光晴の2004年刊行作で、NDLには第一部・第二部として雑誌掲載記事が確認できる。人間関係や家族の記憶を、明るく割り切れない「灰色」の領域として見つめる作品として整理できる。佐川作品に通底する、生活の手触りと関係の痛みを追う読みに向いている。
- 1291 2004 初子さん はつこさん あんパンとクリームパンしか売らないパン屋の二階で、ひたすらミシンを踏む洋裁職人の初子さん。一枚の布が誰かの身体を待つ服になることに魅せられて職人になったものの、夢を叶えた先に広がるのは単調な日々だった。京都の田舎町のよどんだ空気と、そこで生きる女性の手仕事の時間を、とぼけたユーモアと正確な観察で描く… 第99回 文學界新人賞
- 1292 2004 High and dry(はつ恋) ハイ・アンド・ドライ(はつこい) 14歳の少女・夕子の、年上の男性への初恋を描く長編。年齢差のある関係を、危うさよりも、少女の感覚が外界へ開かれていく時間として追っていく。吉本ばななの作品らしく、恋の痛みと透明な夢見心地が同じ調子で語られる。
- 1293 2004 人のセックスを笑うな ひとのせっくすをわらうな 美術専門学校に通う19歳の「オレ」は、20歳年上の講師・ユリと恋に落ちる。年の差も、ユリに夫がいることも、ふたりの関係のゆるさを変えはしないが、恋はやがて静かに終わっていく。性愛を声高に語らず、軽くやわらかい口語の文体で、若さの側から見た年上の女性のかわいさと残酷さをすくいとる。タイトルの挑発性と中… 第41回 文藝賞
- 1294 2004 介護入門 かいごにゅうもん 寝たきりの祖母を在宅で介護する無職の「俺」が、深夜のおむつ替えや褥瘡のケアといった介護の現実を、ヒップホップのライムを思わせる呼びかけと畳みかける長文で語る。「ヨォ、と俺は呼びかける」という挑発的な語りは、介護を美談にも悲劇にも回収せず、祖母への愛と世間への呪詛を同じ熱量で吐き出していく。介護文学に… 第98回 文學界新人賞
- 1295 2004 漢方小説 かんぽうしょうせつ 31歳独身の脚本家・みのりは、元恋人の結婚を知った夜に突然の体調不良に襲われる。西洋医学の検査では「異常なし」とされ、たどり着いたのは漢方医院だった。「気・血・水」という耳慣れない物差しで自分の身体を眺め直すうちに、仕事や恋愛で強張っていた心もゆっくりほぐれていく。病気未満の不調という現代的な主題を… 第28回 すばる文学賞
- 1296 2004 狐寝入夢虜 きつねねいりゆめのとりこ 三週間前に職を失った上岡鳥子は、空腹を抱えて神社へ散歩に出かけ、帰り道に迷い、年下の古本屋の倅と茶飲み話をして花札に興じる。働かないこと自体は気にしないが、仕事に存在理由を求める世間様の考え方には反感を覚える——そんな鳥子の「高潔なる怠惰」を、現代の話なのにわざと落語のような古風な語りで聞かせる。語… 第47回 群像新人賞
- 1297 2004 野ブタ。をプロデュース のぶた。をぷろでゅーす クラスの人気者を巧みに「演じる」高校生・桐谷修二は、いじめの標的になっている転校生・小谷信太=野ブタを人気者にプロデュースする計画を始める。教室という市場でキャラクターを売り出すゲームは成功していくが、演じることでしか居場所を作れない修二自身の空虚が次第に露わになる。スクールカーストと自己演出の時代… 第41回 文藝賞
- 1298 2004 お縫い子テルミー おぬいこてるみー 夜間の縫製工場で働く女性たちをめぐる連作短篇集。針仕事、夜勤、同僚との距離が、働くことの孤独と可笑しさを浮かび上がらせる。栗田有起の柔らかいユーモアが、職場小説を重くなりすぎない読後感へ導いている。
- 1299 2004 パラレル ぱられる 長嶋有の2004年刊行作で、複数の関係や時間が「パラレル」に並んでいく感覚をもつ長編。日常の会話やちょっとしたすれ違いを淡々と積み重ね、劇的な和解よりも、近くにいるのに重なりきらない人間関係を描く。脱力したユーモアの中に、現代的な孤独がにじむ。
- 1300 2004 サージウスの死神 さーじうすのしにがみ 徹夜明けの帰り道、ビルから飛び降りてきた男と目が合い、その死を目撃した主人公は、同僚に誘われた地下カジノ「freeze」でルーレットにのめり込む。預金を失い借金を重ねるうち、「頭の中に数字を飼っている」という感覚が芽生え、精神の破滅と引き換えに当たりの数字が見えるようになっていく。賭博と死の観念を硬…
- 1301 2004 遮光 しゃこう 死んだ恋人の「残骸」を持ち歩き続ける青年が、嘘と妄想の境目を失っていく。喪失を受け止めるのではなく、異様な執着として保存しようとする心理が、硬く暗い文体で描かれる。中村文則の初期作品らしい、罪悪感、孤独、身体への嫌悪が凝縮された一作。 第26回 野間新人賞
- 1302 2004 真空が流れる しんくうがながれる 第36回新潮新人賞受賞作として『新潮』2004年11月号に掲載された、佐藤弘のデビュー作。公開書誌で確認できる情報は掲載号と受賞発表にほぼ限られるため、具体的な筋の断定は避ける。単行本書誌は今回のNDL検索では確認できず、雑誌掲載作として記録しておくべき作品である。 第36回 新潮新人賞
- 1303 2004 白の咆哮 しろのほうこう 経済の衰退が止まらない近未来の日本で、「土踊り」と呼ばれる踊りが国全体を覆い尽くしていく。荒唐無稽ともいえる世界の変容を、改行の少ない硬く生真面目な文体で延々と語り続けるという、設定と語り口の落差そのものが読みどころの異色作。寓話的な世界設定によって、不況下の日本社会に広がる集団的な熱狂と閉塞を照ら… 第28回 すばる文学賞
- 1304 2004 ショートカット ショートカット 柴崎友香が、都市の移動や人との距離を軽いタッチで描いた2004年刊行作。道を短く抜ける「ショートカット」の感覚は、場所だけでなく、関係や記憶へ近道を探す若い人物たちの姿にも重なる。淡い会話と細部の観察によって、日常の中にある変化の瞬間をすくう。
- 1305 2004 タイムカプセル たいむかぷせる 過去にしまいこんだ感情や記憶を、現在の自分が開け直すようにたどる作品。若い人物の時間感覚を、懐かしさだけでなく、未来へ残してしまったものへの不安として描く。生田紗代のデビュー後の文脈では、青春の明るさと居場所のなさを同時に読む入口になる。
- 1306 2004 生まれる森 うまれるもり 恋愛や喪失のあとに残る空白を、森というイメージに重ねて描く島本理生の初期長篇。人物の内面は激しく揺れながらも、語り口は抑制され、痛みが静かな風景の中に置かれる。青春小説の瑞々しさと、取り返しのつかない記憶を抱える重さが同居している。
- 1307 2004 海のふた うみのふた 故郷の海辺の町でかき氷屋を始めた女性のひと夏を描く長編。海、店、訪れる人々とのやりとりを通じて、傷ついた心が生活の手触りを取り戻していく。吉本ばなならしいやさしい幻想味が、地方の小さな商いと再生の感覚に結びついている。
- 1308 2004 海の仙人 うみのせんにん 海辺で暮らす人物の孤独に、現実から少しずれた存在や関係が入り込んでくる絲山秋子の長篇。日常的な会話の軽さと、死や喪失の気配が同じ平面に置かれ、海辺の時間が寓話のように広がる。恋愛小説でも幻想小説でもあるが、どちらにも収まりきらない余白が読みどころになる。
- 1309 2004 新・地底旅行 しんちていりょこう 『新・地底旅行』は、奥泉光が2004年に朝日新聞出版から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1310 2004 白バラ四姉妹殺人事件 しろばらよんしまいさつじんじけん 『二匹』『冥土めぐり』以外の鹿島田真希の early book-form work 候補。題名上は事件小説的な形式を取るが、内容細部は追加調査余地あり。
- 1311 2004 西安の柘榴 セイアン ノ ザクロ 『韓素音の月』以後の中国・越境モチーフに連なる単行本候補。集英社刊、192ページ。
- 1312 2004 バービーからはじまった バービー カラ ハジマッタ 小説中心の追加候補では優先度を一段下げるが、単著の著作として著者像を補う候補。
- 1313 2004 鉄塔家族 テットウ カゾク 2004年に日本経済新聞社から刊行された単著図書。佐伯一麦の家族・土地をめぐる作品として追加候補になる。
- 1314 2004 グランド・フィナーレ ぐらんどふぃなーれ 『グランド・フィナーレ』は、阿部和重が2005年に講談社から刊行した作品集です。表題作のほか「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」を収録し、第132回芥川賞受賞作として知られます。 第132回 芥川賞
- 1315 2004 マミー、そばにいて まみーそばにいて 『マミー、そばにいて』は、冬木薫が2004年に日之出出版から刊行した記録文学です。NDLサーチではNDC9 916の図書として登録され、Books出版書誌データベースでも著者名・出版社・判型・ページ数・発行年月日を確認できます。公開Webで詳細な梗概は確認できないため、内容説明は書誌情報に基づく範囲…
- 1316 2004 昨日この世界で きのうこのせかいで 2004年刊。NDLで単著として確認できる。
- 1317 2004 月の川を渡る 『月の川を渡る』は、中村邦生の小説集です。NDLサーチでは2004年6月に作品社から刊行された266ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。収録作は「ドッグ・ウォーカー」「月の川を渡る」「夜に誘われて」です。
- 1318 2004 書物合戦 しょもつかっせん 『書物合戦』は、樋口覚の文学評論集です。出版書誌データベースでは、スウィフト『書物合戦』を起点に、「書物」と「戦争」をキーワードとして漱石、パウンド、フォースター、ヘンリー・ミラーらを論じる本として紹介されています。NDLサーチでは2004年11月に集英社から刊行された356ページの図書、NDC9…
- 1319 2004 千々にくだけて ちぢにくだけて 『千々にくだけて』は、リービ英雄が9・11体験の核心から、現代世界の変容と危機を描いた小説です。講談社公式ページでは「ノンフィクションを超えたフィクション」と紹介され、2001年夏の終わりに日本から母国アメリカへ旅立った主人公が、同時多発テロによる国境閉鎖で経由地カナダに足止めされる物語として確認で…
- 1320 2004 対岸の彼女 たいがんのかのじょ 『対岸の彼女』は、角田光代が2004年に文藝春秋から刊行した長篇小説です。文藝春秋BOOKSでは、30代で既婚・子持ちの小夜子と、独身で子どものいない葵という、生活環境も性格も異なる二人の女性の友情が成立するのかを問う作品として紹介されています。NDLサーチでは文藝春秋2004年11月刊の図書書誌を…
- 1321 2004 足洗う人叫ぶ人 あしあらうひとさけぶひと 『足洗う人叫ぶ人』は、村上節が2004年に民報印刷から刊行した小説です。NDLサーチで、ISBN 4-944155-55-7、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1322 2004 ロンリー・ハーツ・キラー ろんりーはーつきらー 『ロンリー・ハーツ・キラー』は、星野智幸が2004年に中央公論新社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1323 2004 アルカロイド・ラヴァーズ あるかろいどらゔぁーず 『アルカロイド・ラヴァーズ』は、星野智幸が2005年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1324 2004 サラマンダーの夜 『サラマンダーの夜』は、久間十義が2004年に角川書店から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1325 2004 百年佳約 『百年佳約』は、村田喜代子が2004年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1326 2003 PLUTO ぷるーと 『PLUTO』は、第25回すばる文学賞受賞作『夜明けの音が聞こえる』の作者・大泉芽衣子が「すばる」2003年1月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1327 2003 桜川の庭 さくらがわのにわ 『桜川の庭』は、第94回文學界新人賞受賞作『飴玉が三つ』の作者・蒔岡雪子が「文學界」2003年9月号に発表した作品です。NDLサーチでは「文學界新人賞受賞第一作」として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1328 2003 アストリッド あすとりっど 『アストリッド』は、第34回新潮新人賞受賞作『フェイク』の作者・犬山丈が「新潮」2003年12月号に発表した作品です。NDLサーチでは「新潮新人賞受賞第一作」という副題付きの雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限…
- 1329 2003 避雷ノ手引キ ひらいのてびき 『避雷ノ手引キ』は、第45回群像新人文学賞受賞作『ジャイロ!』の作者・早川大介が「群像」2003年8月号に発表した作品です。NDLサーチでは「第2部 避雷ノ手引キ」という雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定し…
- 1330 2003 老いたる蜂 おいたるはち 『老いたる蜂』は、第94回文學界新人賞受賞作『わたしの好きなハンバーガー』の作者・北岡耕二が「文學界」2003年11月号に発表した作品です。NDLサーチでは「文學界新人賞受賞第一作」という副題付きの雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品…
- 1331 2003 ダンボールボートで海岸 だんぼーるぼーとでかいがん 母の失踪と借金をきっかけに大学を休学したアオイが、周縁的な人々との関わりのなかで、ダンボールのボートで海へ出るという危うい夢想を抱く物語。紙のボートという壊れやすいイメージが、生活の足場を失った若者の閉塞感と、外へ向かいたい衝動を重ねて見せる。公開Webで確認できる公式情報は書誌と受賞掲載が中心のた… 第27回 すばる文学賞
- 1332 2003 デッドエンドの思い出 デッドエンドのおもいで 失恋や裏切りからの小さな回復を描く五篇の短篇集。傷ついた人物が、行き止まりに見える場所から少しずつ生活を取り戻す過程を、吉本ばなならしいやわらかい語りで描く。大きな救済ではなく、日常の中にある小さな光を読む作品集である。
- 1333 2003 江利子と絶対 本谷有希子文学大全集 えりことぜったい ほんたにゆきこぶんがくだいぜんしゅう 劇作家として活動していた本谷有希子が、小説家として最初にまとめた短篇集。表題の「江利子と絶対」を含む諸篇では、過剰な自意識、対人関係のずれ、舞台劇のような会話の圧が前面に出る。後年の本谷作品に続く、痛さと可笑しさを同時に押し出す語りの出発点として読める。
- 1334 2003 ハゴロモ ハゴロモ 恋愛や喪失で傷ついた人物が、都会から少し距離を置いた土地で静かに時間を取り戻していく吉本ばななの長篇。水辺や町の気配、記憶の手触りを重ねながら、壊れた心がすぐに治るのではなく、生活のリズムの中でゆっくりほどけていく過程を描く。幻想味を帯びたやわらかな文体が、再生の物語を日常の側に引き寄せている。
- 1335 2003 ハンゴンタン はんごんたん タイトルの「ハンゴンタン(反魂丹)」は、死者の魂を呼び戻すという伝承を持つ富山の伝統的な丸薬の名。哲学科出身の27歳の新人が、第95回・第96回と受賞作が1作以下の状態が続いた文學界新人賞の2003年下期に単独受賞した。選考委員は浅田彰・奥泉光・島田雅彦・辻原登・山田詠美。単行本化されておらず、内容… 第97回 文學界新人賞
- 1336 2003 ハリガネムシ はりがねむし 中学教師の男が、教え子の母親との関係をきっかけに、性と暴力の泥沼へ落ちていく芥川賞受賞作。語りは冷たく湿っており、主人公の欲望や嫌悪が、昆虫的・寄生的なイメージと重なって増殖していく。家族や学校という制度の薄い膜の下にある衝動を、読後感の悪さごと突きつける作品である。 第129回 芥川賞
- 1337 2003 蛇にピアス へびにピアス 19歳のルイは、蛇のように舌先が割れた「スプリット・タン」を持ち、全身にピアスと刺青を施した青年アマと出会い、同棲を始める。自らも舌にピアスを開け、拡張し、背中に麒麟と龍の刺青を彫ろうと、アマの紹介で知り合ったサディストの彫り師シバとも危険な関係を結んでいく。痛みによってしか生の実感をつかめない若者… 第130回 芥川賞
- 1338 2003 イッツ・オンリー・トーク いっつ・おんりー・とーく 躁鬱病を抱えた30代半ばの独身女性「私」は、東京・蒲田の町に引っ越してくる。彼女の周りには、病や性、仕事や家族の事情を抱えた人々が集まり、深く結びつきすぎない会話が日常をつないでいく。出版社公式が強調する「しんどい事情」を抱えた人々の生き方を、自己憐憫に寄せず、乾いたユーモアと距離感のある一人称で描… 第96回 文學界新人賞
- 1339 2003 ジャージの二人 じゃーじのふたり 仕事や家庭から少し離れた父と息子が、山の別荘で同じようなジャージを着て夏を過ごす。大きな事件の代わりに、食事、虫、テレビ、会話の間合いといった細部が積み重なり、親子でありながらどこか他人同士でもある二人の距離が浮かび上がる。長嶋有らしい、脱力したユーモアと静かな寂しさが同居する作品。
- 1340 2003 授乳 じゅにゅう 『授乳』は、第46回群像新人文学賞優秀作となった表題作を含む村田沙耶香の初作品集です。Amazonの商品紹介では「授乳」「コイビト」「御伽の部屋」の3篇を収め、日常の細部を新しい感受性で描くデビュー作として紹介されています。既存紹介の家庭教師との倒錯した関係という筋は作品理解として有用ですが、更新案…
- 1341 2003 家畜の朝 かちくのあさ 中卒で道路工事などの日雇い仕事をしながら日銭を稼ぐ主人公と、その仲間たちのうだつの上がらない日々。労働と競艇と愚行で埋まる時間の隙間に、父親の自殺、学習障害、友人の堕胎といった出来事が断片として挟み込まれ、貧困が人と土地をどう蝕むかが一人称の語りで立ち上がる。労働運動の現場にいた作者が、「ワーキング… 第35回 新潮新人賞
- 1342 2003 火薬と愛の星 かやくとあいのほし 女たらしの「おれ」は、さまざまな女性たちを渡り歩きながら何度も生を重ね、やがて一人の恋人に出会って初めて「ここで死のう」と思う——絵本『100万回生きたねこ』を下敷きに、軽薄な恋愛遍歴の語りの底へ、愛と死の寓話を沈めた一作。決定的なはずの「最後の恋人との出会い」をあえて正面から語らず、別のかたちで小… 第46回 群像新人賞
- 1343 2003 蹴りたい背中 けりたいせなか 高校に入学したばかりのハツ(長谷川初実)は、クラスの輪に加わることを拒み、余り者として過ごしている。同じく孤立しているにな川は、女性モデル「オリチャン」に病的なまでに夢中な少年。ハツはオリチャンに会ったことがある縁でにな川と関わるようになり、彼の無防備な背中を「蹴りたい」という奇妙な衝動を抱えていく… 第130回 芥川賞
- 1344 2003 黒冷水 こくれいすい 弟の修作は兄・正気の部屋を毎日執拗に「家捜し」し、兄はそれに気づいて巧妙な罠と報復を仕掛ける。家庭内の些細な悪意の応酬は、黒く冷たい水のような憎悪へと際限なくエスカレートしていく——。思春期の自意識と家族間の生理的な憎しみを、17歳の現役高校生がここまで執拗に書き切ったという事実そのものが衝撃を与え… 第40回 文藝賞
- 1345 2003 壊れるほど近くにある心臓 こわれるほどちかくにあるしんぞう 身体と精神の境界がゆるみ、恋愛の近さがそのまま危うさへ変わっていく第二作。親密さを求めるほど相手との距離が測れなくなる感覚を、肉体的なイメージと内面の揺れを重ねて描く。恋愛小説でありながら、愛の甘さよりも依存、痛み、自己の輪郭が崩れる怖さを読む作品である。
- 1346 2003 極東アングラ正伝 きょくとうあんぐらせいでん 佐川光晴が、都市の周縁や表舞台の外側にある生の感覚へ目を向けた2003年の作品。題名が示す「アングラ」は、文化や労働や生活が公的な語りからこぼれ落ちる場所を思わせる。デビュー期から一貫する、きれいごとでは済まない生活への視線をたどる一冊として位置づけられる。
- 1347 2003 魔女の息子 まじょのむすこ 40歳を目前にしたゲイのフリーライター・和紀。77歳の母が「老いらくの恋」に燃え始めたことで、亡き父との確執、ハッテン場の旅館で出会った男との関係、そして自分自身の来し方と否応なく向き合うことになる。ゲイ・ムーブメントの先頭に立ってきた評論家が、運動の言葉では掬えない母子の情愛と人間の弱さを、ユーモ… 第40回 文藝賞
- 1348 2003 夏休み なつやすみ 就職も進路も決まりきらない青年が、夏の時間の中で宙ぶらりんの自分を抱えたまま過ごす。中村航らしい軽い会話と瑞々しい感覚で、何者にもなれない時期の切なさを描く。大きな転機よりも、季節の空気や友人関係の揺れが、青春の停滞と再生の気配を作っている。
- 1349 2003 鼠と肋骨 ねずみとろっこつ 第46回群像新人文学賞優秀作として『群像』2003年6月号に掲載された短編。NDLサーチでは掲載記事と掲載誌号を確認できるが、公開Web上で梗概や選評本文は確認できない。現時点では題名から主題や語りを推測せず、同賞優秀作としての掲載情報を中心に扱う。
- 1350 2003 昼間の動物 ひるまのどうぶつ 『昼間の動物』は、第46回群像新人文学賞優秀作『鼠と肋骨』の作者・脇坂綾が「群像」2003年12月号に発表した作品です。NDLサーチでは「群像新人文学賞受賞第一作」という副題付きの雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情…
- 1351 2003 オアシス おあしす 愛用の青い自転車を盗まれたフリーターの「私」は、呆然としたままそれを探す日々を送る。家には家事を放棄してしまった母と、その母に「パラサイト」されているOLの姉・サキ。女三人の奇妙な家族の均衡が、自転車の喪失を起点に少しずつあらわになっていく。母を疎みながら捨てられない娘たちの姿は「現代の新種の姥捨て… 第40回 文藝賞
- 1352 2003 四十日と四十夜のメルヘン よんじゅうにちとよんじゅうやのめるへん チラシ配りをして暮らす「私」が書きつける日記。しかしその日付は素直に進まず、記述は反復と書き換えを繰り返しながら円環構造を描き、日常の風景がいつのまにか変容していく。「書くこと」自体を小説の駆動装置にした構成は、選考会で保坂和志が「これはピンチョンなんだ」と断言して強く推したことで知られる。単行本化… 第35回 新潮新人賞
- 1353 2003 号泣する準備はできていた ゴウキュウスル ジュンビ ワ デキテイタ 新潮社から2003年に刊行。第130回直木三十五賞受賞作として日本文学振興会の公式リストで確認できる。
- 1354 2003 おはなしの日 おはなしのひ 『おはなしの日』は、「すばる」2003年12月号に掲載され、2004年9月に集英社から単行本化された安達千夏の小説です。NDLサーチで雑誌初出と単行本書誌、CiNii Researchで関連レコードを確認できます。公開Webで詳細な内容紹介は確認できないため、書誌情報を中心に登録します。
- 1355 2003 モルヒネ もるひね 初版は祥伝社2003年刊。2008年・2009年の関連版もNDLで追跡できる。
- 1356 2003 ジャンヌ、裁かるる じゃんぬ、さばかるる 『ジャンヌ、裁かるる』は、副題を「書下ろし長篇小説」とする楠見朋彦の単行本です。NDLサーチで2003年3月刊の書誌を確認できます。公開情報で詳細な梗概は確認できないため、歴史的人物を題名に含む長篇小説として最小限の紹介に留めます。
- 1357 2003 お母さんの恋人 おかあさんのこいびと 講談社2003年刊。既存収録の初期作・会社員小説系作品を補う候補。
- 1358 2003 彼が彼女の女だった頃 かれがかのじょのおんなだったころ 2003年7月に講談社から刊行された作品集。NDLで収録作「幻の軍隊」「旅をする者」「桃」「響き線」「僕が眠りにつくときに」「黄泉への道」「接続体」「原形質の甘い水」「彼が彼女の女だった頃」を確認できる。
- 1359 2003 博士の愛した数式 はかせのあいしたすうしき 『博士の愛した数式』は、事故の後遺症で新しい記憶を80分しか保てない数学者と、彼の家で働く家政婦、その息子の関係を描く長篇です。素数、友愛数、完全数などの数学的な美しさが、他者を思いやる言葉やふるまいと重ねられます。
- 1360 2003 サウンドトラック さうんどとらっく 『サウンドトラック』は、音楽、都市、身体感覚を小説のリズムへ変換する古川日出男の長篇です。筋を静かに追うというより、若者たちの衝動や都市のノイズを高速の語りで積み重ねるところに読みどころがあります。今回確認できた出版社公式情報は集英社文庫上下巻の書誌が中心で、詳細な公式あらすじは未確認です。
- 1361 2003 眼球の毛 : 特別書下ろし長篇 がんきゅうのけ 2003年12月に講談社から刊行された書き下ろし長篇をNDLで確認した。
- 1362 2003 鬼ケーキ 『鬼ケーキ』は、安斎あざみが『文學界』2003年3月号に発表した作品です。NDLサーチでは、同誌57巻3号の128ページから156ページに掲載された記事・論文種別の文学作品として確認できます。内容紹介や選評は公開書誌から確認できないため、書誌情報を中心に収録します。
- 1363 2003 指輪をはめたい ゆびわをはめたい NDLサーチで2003年10月刊、文藝春秋、ISBN 4-16-322290-1の単行本として確認できる。
- 1364 2003 忌中 きちゅう NDLサーチで「文學界」2003年10月号掲載の同題作と、2003年11月刊の文藝春秋版単行本、2006年文春文庫版を確認できる。
- 1365 2003 ダイナマイト・ビンボー ダイナマイト ビンボー 既収録『段ボールハウスガール』の都市・貧困・女性労働テーマと接続しやすい角川文庫の候補。
- 1366 2003 泥人魚 どろにんぎょ 『泥人魚』は、唐十郎が『新潮』2003年4月号に発表した戯曲です。NDLサーチでは同号p.144-199掲載の「最新戯曲 泥人魚」として確認でき、2004年4月に新潮社から単行本化されています。唐十郎の後期戯曲を代表する一作として、アングラ演劇の過剰なイメージと言葉のうねりを受け継ぐ作品です。
- 1367 2003 海をわたる月 うみをわたるつき 『海をわたる月』は、図子英雄が2003年に創風社出版から刊行した小説です。NDLサーチで、創風社出版刊、ISBN 4-86037-030-9、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1368 2003 生命のかぎりに いのちのかぎりに 『生命のかぎりに』は、松本富生が2003年に下野新聞社から刊行した小説です。NDLサーチで、下野新聞社刊、ISBN 4-88286-212-3、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1369 2003 罪花 『罪花』は、高樹のぶ子が2003年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1370 2003 ナポリ魔の風 『ナポリ魔の風』は、高樹のぶ子が2003年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1371 2003 阿修羅ガール あしゅらがーる 『阿修羅ガール』は、女子高生アイコの一人称を通じて、都市の暴力、ネット的な噂、同時代の軽さと残酷さを一気に走らせる長篇です。会話や独白のテンポが速く、ミステリやサブカルチャーの感触を純文学的な文体実験へ持ち込んでいる。舞城王太郎の過剰な速度と文体の身体性がよく出た作品です。 第16回 三島賞
- 1372 2003 ららら科學の子 らららかがくのこ 『ららら科學の子』は、中国で長く生きた男の帰国を軸に、戦後日本、学生運動、中国との関係をたどる長篇です。ハードボイルド的な乾いた視線を持ちながら、政治と個人史のずれを大きな時間幅で描く。帰ってきた場所としての日本を、外部から見直す作品です。 第17回 三島賞
- 1373 2002 はじらい。 はじらい 『はじらい。』は、都築隆広が「看板屋の恋」で第91回文學界新人賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「文學界」2002年4月号掲載、176-221ページの雑誌記事として確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1374 2002 飴玉が三つ あめだまがみっつ アルコール依存症者の自助グループ「断酒会」に母と通う既婚の娘が、死を前に断酒を誓った医師の父との歳月を振り返る。父から受けた一度きりの暴力すら幸福の記憶として抱え込み、会で告白する他の依存症者を見下す主人公は、自身もまた高校時代から酒に頼ってきた。父への愛と自己への愛が分かちがたく絡まり、その呪縛か… 第94回 文學界新人賞
- 1375 2002 アルゼンチンババア アルゼンチンババア 母の死後、「アルゼンチンババア」と呼ばれる女性と暮らし始めた父をめぐる物語。奇妙な人物や場所への戸惑いを通して、家族の喪失を別の関係へ開いていく。吉本ばなならしい、死後の時間をやわらかく生き直す物語。
- 1376 2002 縮んだ愛 ちぢんだあい 佐川光晴の作品で、既存データでは野間文芸新人賞受賞作とされる。家族や親密な関係に潜む痛みを、小さく「縮む」感覚として捉える作品として整理できる。佐川作品らしい生活への視線と、関係の中で変形していく愛のかたちを読む入口になる。 第24回 野間新人賞
- 1377 2002 フェイク ふぇいく 第34回新潮新人賞を中村文則「銃」と分け合った受賞作。タイトルの「フェイク」は偽物・まがいものの意で、本物と偽物のあわいを生きる人物像をうかがわせるが、単行本化されておらず、内容を確認できる資料は乏しい。選考委員は川上弘美・沼野充義・福田和也・保坂和志・町田康。同時受賞の中村文則がその後芥川賞作家と… 第34回 新潮新人賞
- 1378 2002 ジャイロ! じゃいろ 「僕」と友人・猟平が繰り返す「危険なキャッチボール」が、ついに猟平の家を全焼させてしまう——少年たちの遊びと暴力が地続きになった世界を、熱を孕んだ文体で一気に語る。選考では、世界へのルサンチマン(鬱屈した恨み)を呪詛のような語りで繋ぎ留めた「現代の悪童日記」と評された。受賞の翌年まで『群像』に短篇を… 第45回 群像新人賞
- 1379 2002 裸のカフェ はだかのかふぇ 横田創が2002年に刊行した作品で、公開情報では詳細な梗概がまだ薄い。カフェという開かれた場所と「裸」のイメージから、人間関係や自己露出の不穏さを扱う作品として暫定整理する。内容細部と批評上の評価は、現物・書評確認を優先したい。
- 1380 2002 ハミザベス はみざべす 二十歳の誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだ。まちるが遺産として受け取ったのは、高層マンションの一室とハムスターの「ハミザベス」。母と暮らした家を出て、地上33階で始まる一人と一匹の生活に、元恋人の幼なじみや父の同居人だった女性が出入りし、奇妙な距離感の友情が育っていく。喪失から始まる物… 第26回 すばる文学賞
- 1381 2002 銃 じゅう 雨の夜、大学生の「私」は河原で死体のそばに落ちていた拳銃を拾う。磨き、眺め、持ち歩くうちに、銃は退屈な日常に輪郭を与える唯一の存在となり、「撃つ」ことへの欲望が抗いがたく膨らんでいく。一挺の銃という即物的なモチーフだけで青年の内面の崩壊を追い詰めていく構成と、乾いた硬質な一人称が特徴的なデビュー作… 第34回 新潮新人賞
- 1382 2002 官能小説家 かんのうしょうせつか 永井荷風と森鷗外を軸に、「官能」と文学の歴史をめぐって展開する高橋源一郎の長編。近代文学の作家を素材にしながら、性、表現、文学史をメタフィクションとして組み替える。日本文学を読むこと自体を小説の快楽へ変える作品。
- 1383 2002 キッズ アー オールライト きっず あー おーるらいと やくざの愛人の息子として育った「オレ」は、親父の失脚をきっかけに組織同士の闘いへと足を踏み入れてしまう。手当たり次第に何でも破壊するビリィの右手など、過剰でマンガ的なイメージを叩きつけながら、暴力の世界のただなかにいる子どもたちの姿を疾走感のある語りで描く。現役の小学校教師が書いたアウトロー小説とい… 第39回 文藝賞
- 1384 2002 君が代は千代に八千代に きみがよはちよにやちよに 「君が代」という強い公共的記号を題名に据え、国家、記憶、言葉の働きを小説の場で問い直す高橋源一郎の作品。政治的な主題を直接の主張に閉じず、語りの実験や文学的なずらしによって扱う。近代日本の制度と言語をめぐるメタフィクションとして読める。
- 1385 2002 リトル・バイ・リトル りとる・ばい・りとる 母の不在と継父との関係に揺れる少女の成長を描く島本理生の初期長編。十代の語り手が、家族への違和感、恋愛以前の孤独、日常の不安を少しずつ言葉にしていく。静かな文体で、傷つきやすい感情の変化を丁寧に追う作品。 第25回 野間新人賞
- 1386 2002 猛スピードで母は もうすぴーどでははは 芥川賞受賞作「猛スピードで母は」と、デビュー作「サイドカーに犬」を収める短篇集。子どもの視点から、奔放な母や家族の変化を、過度に説明せず鮮やかな場面で捉える。ユーモアと痛切さが同居し、家族小説を軽やかな速度で更新した作品。 第126回 芥川賞
- 1387 2002 にぎやかな湾に背負われた船 にぎやかなわんにせおわれたふね 九州の海辺の集落「浦」を舞台に、土地の人々の記憶と語りを紡ぐ長編。個人の物語が、海辺の共同体、死者、土地の歴史と重なり合う。小野正嗣らしい、声の重なりと土地の記憶を読む作品。 第15回 三島賞
- 1388 2002 王国 その1 アンドロメダ・ハイツ おうこく そのいち アンドロメダ・ハイツ 山奥で祖母と暮らした雫石が、都会で占い師の助手となる「王国」シリーズ第一作。自然の記憶、都市での仕事、スピリチュアルな感受性が交差し、傷ついた人が別の居場所を作る過程を描く。吉本ばなならしい癒やしと不思議さが、生活の手ざわりと結びつく。
- 1389 2002 リレキショ りれきしょ 過去を捨てた19歳の「僕」は、「姉さん」と名乗る女性に拾われ、「半沢良」という新しい名前と居場所をもらう。深夜のガソリンスタンドでアルバイトをしながら、白紙に「どこへでもいける切符」を持つ自分の履歴書を書いてみる——。何者でもなくなった青年が、淡い人間関係のなかでもう一度自分の輪郭をなぞり直していく… 第39回 文藝賞
- 1390 2002 世界がはじまる朝 せかいがはじまるあさ 黒田晶が2002年に刊行した作品で、河出書房新社版の書誌が確認できる。公開情報が限られるため内容細部は保留するが、デビュー期の若い書き手による、世界が開ける瞬間や関係の始まりをめぐる作品として暫定整理する。文藝賞周辺の2000年代初頭の感覚を追う上で補完的な一冊。
- 1391 2002 死せる魂の幻想 しせるたましいのげんそう お節介な祖母と二人暮らしで、アパートと大学を往復するだけの真面目な女子大生・千明。女友達はいても恋人はいない彼女の日常に潜む孤独感と、他者との関係への切実な渇望を描く。後半、奇妙な雨宿りの場面で物語は一変し、卑近な日常が途方もない神々しさへと接続される。現役京大生だった22歳の作者によるデビュー作で… 第45回 群像新人賞
- 1392 2002 スチール すちーる 男性客相手の風俗のアルバイトで日銭を得て、新宿の24時間営業のロッカールームで夜を過ごす17歳の高校生。ある日見かけた中年男性に惹かれ、彼が経営する倉庫で働き始めると、朗らかなパートの中年女性たちに囲まれて、少しずつ世の中との関わり方を学んでいく。だが、かつての「客」だった男が国語教師として学校に着… 第26回 すばる文学賞
- 1393 2002 タンノイのエジンバラ たんのいのえじんばら 長嶋有の2002年の作品で、オーディオ機器を思わせる題名が、生活の中の音や記憶への感度を示す。公開情報は限定的だが、日常の小さな違和感や人間関係の距離を、静かでユーモラスな筆致で捉える長嶋作品の系譜に置ける。内容細部は追加確認が必要。
- 1394 2002 海辺のカフカ うみべのかふか 15歳の少年・田村カフカと老人ナカタの物語が並行して進む長編。家出、父と子、予言、暴力、異界的な出来事が絡み合い、現実と神話が重なる場所へ読者を導く。村上春樹の長編の中でも、寓話性と物語性が大きく広がった作品である。
- 1395 2002 憂い顔の童子 うれいがおのどうじ 大江健三郎の「おかしな二人組」三部作に連なる後期長編。作家・古義人を中心に、家族史、過去の暴力、共同体の記憶が重なり合う。晩年の大江が、自身の文学的記憶と死者との対話を小説化していく流れの中で読む作品である。
- 1396 2002 わたしの好きなハンバーガー わたしのすきなはんばーがー 広告会社を定年まで勤め上げた67歳の新人が、蒔岡雪子「飴玉が三つ」と同時に第94回文學界新人賞を射止めた作品。新人賞の受賞者が軒並み若返っていく2000年代初頭にあって、企業社会を生き切った世代の書き手の登場は異彩を放った。選考委員は浅田彰・奥泉光・島田雅彦・辻原登・山田詠美。単行本化されておらず… 第94回 文學界新人賞
- 1397 2002 よしわら よしわら 新潮新人賞受賞作「グラウンド」を、単行本化に際して『よしわら』と改題した中篇。風俗雑誌編集などの職歴を持つ作者の経歴とも重なり、労働、都市の周縁、学歴や階層から外れた人物の感覚を描く。新人賞受賞作が芥川賞候補にもなった、2000年代初頭の新潮新人賞系譜の一作。 第33回 新潮新人賞
- 1398 2002 浪漫的な行軍の記録 ろまんてきなこうぐんのきろく 『浪漫的な行軍の記録』は、奥泉光が2002年に講談社から刊行した作品です。のちに講談社文芸文庫『石の来歴 浪漫的な行軍の記録』にも収録されました。
- 1399 2002 インターナショナル いんたーなしょなる 『インターナショナル』は、「すばる」2002年6月号に掲載された引間徹の小説です。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ範囲を確認できます。公開Webで内容紹介は確認できないため、題名から国際性や舞台を断定しない形で登録します。
- 1400 2002 花狂い ハナグルイ 角川春樹事務所から2002年に単行本刊行、2005年に同社文庫版も確認できる。
- 1401 2002 半島 はんとう NDLサーチで「文學界」2002年1月号掲載書誌、2004年7月刊の文藝春秋版単行本、2022年講談社文芸文庫版を確認できる。
- 1402 2002 首鳴り姫 くびなりひめ 2002年刊。岡崎祥久著としてNDLで確認できる。
- 1403 2002 南へ下る道 みなみへくだるみち 2002年刊。NDLで単著として確認できる。
- 1404 2002 ぐずべり ぐずべり 2002年10月に講談社から刊行された単行本。NDL書誌で収録作「亜寒帯」「ぐずべり」を確認できる。
- 1405 2002 ファンタジスタ ふぁんたじすた 『ファンタジスタ』は、首相公選制が導入された近未来日本を舞台に、元サッカー選手の政治家・長田が圧倒的な人気を得ていく過程を描く政治小説です。スポーツの熱狂、メディア的な人気、民主主義の空洞化が重なり、支持の高揚がファシズム的な空気へ転じる不穏さを浮かび上がらせます。寓話性の強い設定を通じて、集団心理… 第25回 野間新人賞
- 1406 2002 海馬の助走 かいばのじょそう 『海馬の助走』は、若合春侑による2002年刊の長編小説です。既存情報では、神道学や古典への関心を背景にした作品として位置づけられており、家族、父子、記憶をめぐる重い主題を扱う作品と読めます。出版社公式の詳しい紹介は今回確認できなかったため、内容説明は既存データとNDL書誌で確認できる範囲に限定してい… 第24回 野間新人賞
- 1407 2002 パーク・ライフ ぱーくらいふ 『パーク・ライフ』は、東京の公園を横切る日常の時間を、会話と観察の細部で捉える作品です。大きな事件よりも、見知らぬ他者との距離や、都市のなかでふと生まれる親密さの手前を描くところに特徴があります。 第127回 芥川賞
- 1408 2002 パレード ぱれーど 『パーク・ライフ』期の代表的長篇で、都市生活・共同生活・若者の距離感を扱う追加候補。第15回山本周五郎賞受賞作として知られるが、今回は公式賞ページ未確認のため awards には入れない。
- 1409 2002 けなげ けなげ 2002年刊。NDLで単著として確認できる。
- 1410 2002 贋世捨人 にせよすてびと NDLサーチで「新潮」掲載書誌と2002年10月刊の新潮社版単行本、2007年文春文庫版を確認できる。
- 1411 2002 ヘンリーたけしレウィツキーの夏の紀行 へんりーたけしれうぃつきーのなつのきこう 2002年10月講談社刊。NDLでNDC 913.6の図書として確認し、Books/JPROと講談社公式でページ数・発売日等を確認できる。
- 1412 2002 ヤる女 ヤル オンナ 『段ボールハウスガール』周辺の都市的・身体的主題を補う候補。
- 1413 2002 本格小説 ほんかくしょうせつ 『本格小説』は、水村美苗が『新潮』連載をもとに2002年に新潮社から上下巻で刊行した長篇小説です。新潮社公式ページでは、米国での少女時代に出会った男の「小説のような人生」を、軽井沢に芽生え国境を越えて育まれる恋と、血族史・戦後日本の肖像として描く作品と紹介されています。上巻公式ページには『波』200…
- 1414 2002 空中庭園 くうちゅうていえん 文藝春秋公式で2002年11月28日発売、初版奥付2002年11月30日、ISBN 978-4-16-321450-4、婦人公論文芸賞受賞作として確認できる。
- 1415 2002 スケルトン すけるとん 『スケルトン』は、華城文子が2002年に講談社出版サービスセンターから刊行した小説です。NDLサーチでは華城文子(1935-)著、講談社出版サービスセンター、2002年1月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1416 2002 毒身温泉 どくしんおんせん 『毒身温泉』は、星野智幸が2002年に講談社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1417 2002 エフェソス白恋 『エフェソス白恋』は、高樹のぶ子が2002年に文化出版局から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1418 2002 雲南の妻 『雲南の妻』は、村田喜代子が2002年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1419 2001 G氏への手紙 じーしへのてがみ 『G氏への手紙』は、中井佑治が第43回群像新人文学賞優秀作「フリースタイルのいろんな話」の後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「群像」2001年3月号掲載、p.146-176の雑誌記事として確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1420 2001 リスボン物語 りすぼんものがたり 『リスボン物語』は、第24回すばる文学賞受賞作『ロマンティック』の作者・大久秀憲が「すばる」2001年6月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1421 2001 拈華微笑 ねんげみしょう 『拈華微笑』は、第24回すばる文学賞受賞作『塔』の作者・末弘喜久が「すばる」2001年6月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1422 2001 ゴヂラ ゴヂラ 高橋源一郎が2001年に刊行した作品で、怪獣映画を思わせる表記を小説の入口に置く。戦後日本の記憶、メディアの記号、文学の語りを重ね、現実とフィクションの境界を揺さぶるタイプの作品として読める。内容細部は追加確認が必要だが、実験的な社会批評性を持つ作品として分類する。
- 1423 2001 グラウンド ぐらうんど 『グラウンド』は、第33回新潮新人賞受賞作として新潮社公式の過去受賞作一覧に掲載されている鈴木弘樹の作品です。単行本は『よしわら』として2002年4月に新潮社から刊行された書誌をNDLサーチとBooksで確認できます。今回確認できた公開Web出典では元題から単行本題への改題経緯や公式梗概を確認できな… 第33回 新潮新人賞
- 1424 2001 インストール いんすとーる 高校生活から突然降りてしまった17歳の朝子が、部屋の荷物を全部捨てたことをきっかけに、マンションの押入れに住み着くような小学生・かずよしと知り合い、拾った中古パソコンで風俗チャットの「バイト」を代行するようになる。インターネット黎明期の風俗チャットという際どい題材を扱いながら、筆致はあくまで軽やかで… 第38回 文藝賞
- 1425 2001 ジャムの空壜 じゃむのあきびん 屠畜の現場を舞台にした短篇集で、労働、身体、動物の死を生活の近くから描く。清潔な消費の背後にある仕事を見つめることで、社会の見えにくい暴力と人間の尊厳を浮かび上がらせる。佐川光晴の労働への視線がよく表れる作品。
- 1426 2001 クチュクチュバーン くちゅくちゅばーん ある時から人間たちが異形のものへと変容しはじめ、世界そのものが崩壊へ向かう過程を、複数の人物のエピソードを束ねて描く黙示録的な中篇。グロテスクで生々しい身体描写を畳みかけながら、悲惨さの中に奇妙な可笑しさと祝祭性が同居するのが特徴で、「世界の破壊か、新しい人類の始まりか」という終末イメージを正面から… 第92回 文學界新人賞
- 1427 2001 水に埋もれる墓 みずにうもれるはか 小野正嗣のデビュー作で、既存データでは朝日新人文学賞受賞作とされる。水や墓のイメージが示すように、土地、記憶、死者との関係をめぐる作品として位置づけられる。後の小野作品に続く、共同体の記憶と語りへの関心の出発点として読みたい。
- 1428 2001 蚤の心臓ファンクラブ のみのしんぞうふぁんくらぶ 「誰にも“蚤の心臓”はあるのです。ちょっと引き抜いてみましょう。今より自由になれますよ」という惹句が示すとおり、人が抱える臆病さや気弱さを「蚤の心臓」という具体物のイメージに転化し、そこからの解放を軽みのある筆致で描いた作品。深刻な内面告白に向かいがちな新人文学賞応募作の中で、ユーモアと寓意で心の問… 第44回 群像新人賞
- 1429 2001 あみゴール あみごーる 『あみゴール』は、第44回群像新人文学賞受賞作『蚤の心臓ファンクラブ』の作者・萩原亨が「群像」2001年11月号に発表した作品です。NDLサーチでは雑誌記事として、掲載誌・巻号・ページを確認できます。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1430 2001 最後の家族 さいごのかぞく 引きこもりの息子を抱えた四人家族の解体と再生を描く長編。家族の愛情が、支配、依存、逃避と紙一重であることを、村上龍らしい社会問題への視線で描き出す。家庭という閉じた場所を通じて、2000年前後の孤立とケアの難しさを読む作品。
- 1431 2001 サイドカーに犬 さいどかーにいぬ 小学四年生の夏、母が家出した薫の家に、父の知り合いである洋子さんが入り込んでくる。自転車を教えてくれ、缶コーヒーを飲み、堂々と振る舞う洋子さんと過ごしたひと夏を、大人になった薫が淡々と回想する。家庭の危機という湿りがちな題材を、軽やかでユーモラスな距離感と即物的なディテールで描き、深刻にならないのに… 第92回 文學界新人賞
- 1432 2001 シルエット しるえっと 高校二年生の「私」を語り手に、人との出会いと別れ、恋愛にともなう心の揺れと痛みを、等身大の言葉で丁寧にすくいとった中篇。書いたのは当時現役高校生の島本理生で、十代の感受性をそのまま閉じ込めたような瑞々しさと、年齢に不釣り合いなほど抑制の効いた文章が同居している。痛みを声高に語らず、静かな観察として差…
- 1433 2001 途中下車 とちゅうげしゃ 高橋文樹のデビュー作で、既存データでは幻冬舎NET学生文学賞大賞受賞作とされる。移動や途中下車のモチーフから、若い語り手が日常の経路を外れ、自分の居場所を探る作品として暫定整理する。公開情報が少ないため、内容紹介は今後の現物確認で補強したい。
- 1434 2001 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの? つぎのまちまで、きみはどんなうたをうたうの 柴崎友香の初期作品で、次の町へ向かう移動の感覚と、若い人々の会話や音楽の気配を描く。大きなドラマではなく、場所が変わるときの心の揺れ、友人関係の距離、都市の日常の質感が中心になる。後の柴崎作品に通じる、移動と観察の文学として読める。
- 1435 2001 夜明けの音が聞こえる よあけのおとがきこえる 自ら声を封じ込めているうちに本当に声が出なくなってしまった「僕」が、治療者の勧めでホテルで働きはじめる。しかし職場に溶け込めず、ふとした誤解から従業員たちを敵に回し、執拗ないじめにさらされていく。語ることのできない主人公の内側に渦巻く苛立ちと怒りを、鮮烈な言葉の力で外へ撃ち出すような文章が特徴で、声… 第25回 すばる文学賞
- 1436 2001 鳥類学者のファンタジア ちょうるいがくしゃのふぁんたじあ 『鳥類学者のファンタジア』は、奥泉光が2001年に集英社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1437 2001 坊ちゃん忍者幕末見聞録 ぼっちゃんにんじゃばくまつけんぶんろく 『坊ちゃん忍者幕末見聞録』は、奥泉光が2001年に中央公論新社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1438 2001 東京タワー トウキョウ タワー マガジンハウスから2001年に刊行された単著小説。映像化資料もNDLで確認できる。
- 1439 2001 水の匂い みずのにおい 『水の匂い』は、「文學界」2001年6月号に掲載された羽根田康美の小説です。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ範囲を確認できます。公開Webで詳細な内容紹介は確認できないため、主題分類は題名と掲載媒体からの暫定整理です。
- 1440 2001 三文喜劇 さんもんきげき 『三文喜劇』は、「すばる」2001年5月号に掲載された岩崎保子の小説です。NDLサーチとCiNii Researchで掲載誌とページ範囲を確認できます。公開Webで詳細な梗概は確認できないため、内容紹介は書誌情報に限定します。
- 1441 2001 断念の海 だんねんのうみ 『断念の海』は、遠藤純子による『新潮』掲載作品です。NDLサーチで『新潮』98巻7号、2001年7月号、p.37-63掲載を確認できます。公開Webで梗概や本文内容は確認できないため、内容説明は書誌情報に限定します。
- 1442 2001 ニッポニアニッポン にっぽにあにっぽん 『ニッポニアニッポン』は、阿部和重が2001年に新潮社から刊行した長編小説です。少年がインターネットを通じてトキ保護センターのトキ殺害を計画する作品として、著者ページで初出・刊行情報が確認できます。
- 1443 2001 世界の中心で、愛をさけぶ せかいのちゅうしんであいをさけぶ 『世界の中心で、愛をさけぶ』は、地方都市の高校生・朔太郎とアキの恋を、アキの死から始まる喪失感と回想によって描く恋愛長篇です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、出会い、放課後のデート、無人島への旅、発病と入院、空港での死、十数年後の再訪までが、魂の再生の物語として整理されています。
- 1444 2001 長江 ちょうこう 『新潮』掲載後、新潮社から2001年11月に単行本化された加藤幸子の未登録作品。
- 1445 2001 処方箋 しょほうせん 『処方箋』は、清水博子が「すばる」に発表し、2001年に集英社から刊行した小説です。病院や身体をめぐる不安、恋愛の息苦しさを軸に、日常のなかで揺れる感情を硬質に追います。第125回芥川賞候補にもなった作品で、清水博子の短い作家活動の中でも初期の重要作です。 第23回 野間新人賞
- 1446 2001 ベラクルス べらくるす 『ベラクルス』は、メキシコ湾岸の都市ベラクルスを舞台にした堂垣園江の小説です。カナダとメキシコに在住経験をもつ作者の越境的な視点から、土地の歴史、記憶、暴力の気配を重ねる作品として位置づけられます。海外の都市を日本語小説の舞台に据え、移動と異文化の感覚を読む作品です。 第23回 野間新人賞
- 1447 2001 無花果日誌 いちじくにっし NDLサーチで2001年2月号から2002年1月号までの連載記事書誌、および2002年2月刊の角川書店版単行本、2005年角川文庫版を確認できる。
- 1448 2001 あらゆる場所に花束が…… あらゆるばしょにはなたばが 『あらゆる場所に花束が……』は、中原昌也の小説で、第14回三島由紀夫賞受賞作です。新潮社公式ページは、殺意と肉欲に満ちた地上を舞台に、地下室で絵ハガキを作らされる男、河川敷で殺人リハーサルをする一団、謎の人物を追うルポライターらが絡み合う作品として紹介しています。暴力、断片、錯綜する人物配置によって… 第14回 三島賞
- 1449 2001 センセイの鞄 せんせいのかばん 『センセイの鞄』は、元教師と元教え子の再会から始まる恋愛小説です。居酒屋でのやりとり、季節の食べ物、散歩や旅の場面を積み重ねながら、二人の距離が急がずに変化していきます。川上弘美らしい淡いユーモアと寂しさが同居する代表作です。 第37回 谷崎賞
- 1450 2001 アラビアの夜の種族 あらびあのよるのしゅぞく 『アラビアの夜の種族』は、アラビアンナイト的な語りの連鎖と歴史改変の想像力を組み合わせた大部の長篇です。物語が物語を呼び込み、戦争、王権、信仰、謀略が一つの巨大な架空史として展開します。出版社公式の著者プロフィールで受賞歴は確認できましたが、現行の出版社詳細ページを確認できていないため、内容紹介は最…
- 1451 2001 アイリーン 『アイリーン』は、篠原一の小説単行本です。NDLサーチでは2001年9月に作品社から刊行された141ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースでも、ISBN 9784878934278、B6判、141ページ、2001年9月刊行の書誌が確認できます。
- 1452 2001 きみよわすれないで きみよわすれないで 篠原一の book-form work 候補。同名別人を避けるため、NDLの著者標目「篠原, 一, 1976-」を確認した。
- 1453 2001 アウトトゥランチ あうととぅらんち 篠原一の book-form work 候補。同名別人を避けるため、NDLの著者標目「篠原, 一, 1976-」を確認した。
- 1454 2001 ラブリー らぶりー 『ラブリー』は、濱田順子の書き下ろし小説単行本です。河出書房新社公式ページでは、高校生たちと阪神大震災を描く作品で、『Tiny, tiny』の裏バージョンにあたる書き下ろしとして紹介されています。NDLサーチでは2001年2月に河出書房新社から刊行された141ページの図書、NDC9 913.6として…
- 1455 2001 場所 ばしょ 『場所』は、瀬戸内寂聴が八十歳を前に、父母の故郷、出奔の記憶が残る名古屋駅、作家としての出発点となった三鷹下連雀、長年の出家願望を成就させた本郷壱岐坂など、自身の人生を形づくった土地を訪ね直す私小説です。新潮社公式では、過去への旅が結実した作品として紹介され、第54回野間文芸賞受賞作であることを確認… 第54回 野間文芸賞
- 1456 2001 ジャパン・シンドローム じゃぱん・しんどろーむ 2001年作品社刊。2011年に中央公論新社から『原子の闇』上下として改稿・改題されたため、原題版を追加候補とする。
- 1457 2001 海鳴り うみなり 『海鳴り』は、長堂英吉が2001年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは長堂英吉(1932-)著、講談社、2001年8月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1458 2001 妖しい風景 『妖しい風景』は、高樹のぶ子が2001年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1459 2001 人が見たら蛙に化れ 『人が見たら蛙に化れ』は、村田喜代子が2001年に朝日新聞社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1460 2000 フリースタイルのいろんな話 ふりーすたいるのいろんなはなし 『フリースタイルのいろんな話』は、第43回群像新人文学賞で横田創「(世界記録)」の当選と並んで優秀作に選ばれた中井佑治の作品です。PrizesWorldと講談社公式履歴で受賞・掲載情報を確認できますが、NDLサーチでは個別書誌IDを特定できていません。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、題…
- 1461 2000 ひな菊の人生 ひなぎくのじんせい 吉本ばななが2000年に刊行した作品で、ロッキング・オン版と後年の幻冬舎版の書誌が確認できる。公開情報は限定的だが、タイトルの柔らかさとは裏腹に、人生の記憶や痛みをすくい上げる吉本作品の系譜に置ける。現段階では内容細部の確認を次回課題として残す。
- 1462 2000 神の子どもたちはみな踊る かみのこどもたちはみなおどる 阪神・淡路大震災後の空気を背景にした六篇の連作短編集。大きな災害を直接描き尽くすのではなく、喪失や不安を抱えた人々の生活に、寓話や偶然の形で揺れを響かせる。「かえるくん、東京を救う」など、現実と幻想の境目を軽やかに越える短篇が含まれる。
- 1463 2000 看板屋の恋 かんばんやのこい 『看板屋の恋』は、第91回文學界新人賞を受賞し、『文學界』2000年12月号に掲載された都築隆広の作品です。PrizesWorldで受賞・掲載情報を確認できますが、NDLサーチでは個別書誌IDを特定できていません。公開Webで梗概や本文内容を確認できないため、題名から職業・舞台・恋愛描写の具体像を断… 第91回 文學界新人賞
- 1464 2000 体は全部知っている からだはぜんぶしっている 身体の記憶をモチーフにした吉本ばななの掌篇集。心では整理できない痛みや違和感が、身体の感覚として先に反応する瞬間をすくう。短い形式の中で、病、恋愛、喪失、生活の手ざわりを静かに重ねる。
- 1465 2000 希望の国のエクソダス きぼうのくにのエクソダス 中学生たちの集団不登校と、ネットワークを使った経済的自立を描く近未来小説。学校や国家に回収されない若者の集団が、情報技術と経済を武器に別の社会を作ろうとする。教育、労働、国家、テクノロジーを同時に扱う、2000年前後の不安と期待を映す作品。
- 1466 2000 きょうのできごと きょうのできごと 京都で開かれた引っ越し祝いの飲み会に集まった若者たちの一夜を、複数の視点から描く柴崎友香のデビュー作。大きな事件よりも、会話、部屋の空気、街への移動が作る微細なずれを積み重ねる。日常の時間をそのまま文学の中心に置く、後の柴崎作品へつながる出発点。
- 1467 2000 共生虫 きょうせいちゅう 引きこもりの青年ウエハラが、「共生虫」という妄想に取り憑かれていく長編。ネット、孤立、身体への不安が結びつき、社会から退いた人物の内側が危うく膨張していく。2000年前後のテクノロジーと精神の不穏な接続を描く村上龍作品。 第36回 谷崎賞
- 1468 2000 メイドインジャパン めいどいんじゃぱん 『メイドインジャパン』は、第37回文藝賞を受賞し、応募時の題「YOU LOVE US」で『文藝』2000年冬季号に掲載された黒田晶の作品です。河出書房新社公式ページでは、少年犯罪、残酷な殺人描写、グルーヴ感のあるクールな文体を前面に出した問題作として紹介されています。単行本化時には現在の題名で刊行さ… 第37回 文藝賞
- 1469 2000 肉触 にくしょく 『肉触』は、第37回文藝賞優秀作として『文藝』2000年冬季号に掲載され、2001年1月に河出書房新社から単行本化された佐藤智加の作品です。河出書房新社公式ページでは、精神と肉体をめぐる冒頭の問い、姉の追憶に支えられた詩的な内面世界の崩壊、17歳の高校生による早熟な表現が紹介されています。物語の細部…
- 1470 2000 ロマンティック ろまんてぃっく 『ロマンティック』は、末弘喜久「塔」と並んで第24回すばる文学賞を受賞した大久秀憲の作品です。NDLサーチでは『すばる』掲載時の記事と、2001年1月集英社刊の単行本書誌を確認できます。Books 出版書誌データベースでもISBN、出版社、ページ数、発行年月日を確認できますが、公開Webで内容紹介は… 第24回 すばる文学賞
- 1471 2000 生活の設計 せいかつのせっけい 『生活の設計』は、第32回新潮新人賞小説部門受賞作として「新潮」2000年11月号に掲載された佐川光晴のデビュー作です。NDLサーチでは受賞発表号の雑誌掲載レコードと新潮社単行本の書誌を確認できます。今回確認できた公開Web出典では公式の内容紹介本文までは確認できないため、内容面の説明とタグ付けは追… 第32回 新潮新人賞
- 1472 2000 (世界記録) せかいきろく 『(世界記録)』は、第43回群像新人文学賞当選作として『群像』2000年6月号に掲載された横田創の作品です。NDLサーチでは掲載記事と2000年8月刊の講談社単行本書誌を確認できます。公開Webで内容紹介・選評本文は確認できないため、作品内容や文体の説明は追加調査まで保留します。 第43回 群像新人賞
- 1473 2000 取り替え子(チェンジリング) とりかえこ 義兄・吾良の自死をきっかけに、作家・古義人が過去の謎をたどる長編。録音された声や記憶を通して死者と対話し、家族史、映画、芸術、自己の来歴が絡み合う。大江後期の「おかしな二人組」三部作へつながる、喪失と再生の作品。
- 1474 2000 塔 とう 『塔』は、妻を奪われたという疑念に囚われた男の絶望と精神の彷徨を描く、第24回すばる文学賞受賞作です。Booksの内容紹介では、錯乱と覚醒、少年への愛、幻想と悪夢の世界へ誘う作品として紹介されています。夫婦関係の破綻を入口に、現実の輪郭が揺らぐ心理と幻想性を読ませる作品として整理できます。 第24回 すばる文学賞
- 1475 2000 赤い兵馬俑 あかいへいばよう 『赤い兵馬俑』は、吉野光の単行本です。NDLサーチで2000年11月刊、359ページ、20cmの書誌を確認できます。今回確認できた公開情報は書誌に限られるため、題名から舞台や主題を断定せず登録します。
- 1476 2000 花腐し はなくたし NDLサーチで「群像」2000年5月号掲載書誌と、2017年1月刊の講談社文芸文庫『幽(かすか) 花腐し』を確認できる。単独初刊本ではなく、 bookYear は確認できる book-form 版に合わせた。 第123回 芥川賞
- 1477 2000 へいせい夢ばやし へいせいゆめばやし 『へいせい夢ばやし』は、NDLサーチで「新潮」掲載記事として確認できるふくださちの作品です。NDLではタイトル読み「ヘイセイ ユメ ハヤシ」、責任表示、掲載誌「新潮」12号、ページ範囲 p.140-164 が記録されています。公開Webで内容紹介は確認できないため、作品内容の説明は保留します。
- 1478 2000 始祖鳥記 しそちょうき 『始祖鳥記』は、飯嶋和一が2000年に小学館から刊行した歴史長篇です。小学館公式とBooks出版書誌データベースの文庫版紹介では、災厄が相次ぐ天明期を背景に、大空を飛ぶことに賭ける“鳥人”幸吉の生きざまと、公儀の悪政に立ち向かう人々が描かれると説明されています。NDLサーチでは2000年の小学館単行…
- 1479 2000 ジャンプ ジャンプ 2000年に光文社から刊行された佐藤正午の単著長篇。既登録の『永遠の1/2』『月の満ち欠け』とは別の book-form 作品。
- 1480 2000 楽隊のうさぎ がくたいのうさぎ 『楽隊のうさぎ』は、引っ込み思案の中学生・克久がブラスバンドに入部し、先輩や友人、教師に囲まれながら全国大会を目指す日々を描く長篇です。新潮社公式の紹介では、少年期の多感な時期に音楽へ夢中になっていく成長物語として整理されています。
- 1481 2000 雨のち雨? あめのちあめ 『雨のち雨?』は、岩阪恵子が第26回川端康成文学賞を受賞した短篇です。NDLサーチでは『新潮』2000年6月号掲載の受賞作記事として確認でき、同年6月には新潮社から単行本『雨のち雨?』が刊行されています。公開Webで詳細な梗概は確認できなかったため、作品説明は初出・刊行・受賞情報を中心に整理していま… 第26回 川端賞
- 1482 2000 黒い傷のある部屋 くろいきずのあるへや 『黒い傷のある部屋』は、新井満の未登録 book-form 候補です。NDLには『すばる』掲載号も見えるが、候補では集英社単行本の書誌を採用する。
- 1483 2000 楽天屋 らくてんや 『楽天屋』は、「なゆた」「孤独のみちかけ」「楽天屋」の三篇を収める小説集です。講談社の商品紹介は、三十歳を過ぎても無為徒食のまま漂う男と周囲の女性たちのさすらいを、独自のユーモアと繊細な感覚で描く作品として紹介している。どこにも落ち着けない人物の感覚を、乾いた笑いと時代の空気の中で読む一冊です。 第22回 野間新人賞
- 1484 2000 バンビーノ バンビーノ 2000年刊。児童文学寄りの可能性があるため採否は追加判断推奨。
- 1485 2000 熊の敷石 くまのしきいし 『熊の敷石』は、旅先の記憶や友人との対話を通じて、遠く離れた土地と言葉の感触を細やかに描く作品です。堀江敏幸らしい抑制された文体で、出来事の輪郭よりも記憶の手触りや時間の層が前面に出ます。 第124回 芥川賞
- 1486 2000 聖水 せいすい 『聖水』は、長崎の宗教的・歴史的な記憶を背景に、人の生と死、土地に残る記憶を静かに掘り下げる作品です。既収録の「ジェロニモの十字架」と同じ単行本に収められ、青来有一の初期作品世界を代表する一篇です。 第124回 芥川賞
- 1487 2000 悪い噂 わるいうわさ 芥川賞受賞作『蔭の棲みか』と近い時期に刊行された玄月の初期単行本。
- 1488 2000 オカメインコに雨坊主 おかめいんこにあめぼうず 初版は文藝春秋、後年ポプラ社から加筆・訂正版が刊行された。
- 1489 2000 アレグリア あれぐりあ 『アレグリア』は、デビット・ゾペティの小説単行本です。出版書誌データベースでは、14歳でトロントへバレエ留学した陽子が、かつての英語教師で東京に住む米国人画家の「僕」に留学生活を語る作品として紹介されています。NDLサーチでは2000年6月に集英社から刊行された193ページの図書、NDC9 913…
- 1490 2000 作家の値うち さっかのねうち 『作家の値うち』は、福田和也の文学評論集です。NDLサーチでは2000年4月に飛鳥新社から刊行された245ページの図書、NDC9 910.264として確認できます。出版書誌データベースでは、ISBN 9784870313958、B6判、248ページ、2000年3月発行の書誌が確認できます。
- 1491 2000 猫の喪中 ネコ ノ モチュウ 2000年に集英社から刊行された佐藤洋二郎の単著図書。NDL、Books/JPRO、Amazonで書誌を確認した。
- 1492 2000 きれぎれ きれぎれ 『きれぎれ』は、町田康が『文學界』2000年5月号に発表し、同年に文藝春秋から刊行した中篇小説です。文藝春秋BOOKSでは、浪費家で酒乱、ランパブ通いを趣味とする語り手が、かつて見合いで出会った友人の妻に恋慕し策謀を練る物語として紹介されています。単行本には「人生の聖」も併録されています。 第123回 芥川賞
- 1493 2000 烙印 らくいん 『烙印』は、青垣進が「新潮」2000年11月号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌記事として確認できます。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は初出情報に限定します。
- 1494 2000 絞め殺しの木 しめごろしのき 『絞め殺しの木』は、山本三鈴が「三田文学」2000年5月号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌記事として確認できます。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は初出情報に限定します。
- 1495 2000 目覚めよと人魚は歌う めざめよとにんぎょはうたう 『目覚めよと人魚は歌う』は、星野智幸が2000年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。 第13回 三島賞
- 1496 2000 オニビシ 『オニビシ』は、久間十義が2000年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1497 2000 ダブルフェイス 『ダブルフェイス』は、久間十義が2000年に幻冬舎から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1498 2000 夜のヴィーナス 『夜のヴィーナス』は、村田喜代子が2000年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1499 1999 あ・だ・る・と あ・だ・る・と 1999年に主婦と生活社から刊行された高橋源一郎の小説。「AVのゴダール」と呼ばれるAV監督・ピンを中心に、撮影現場の描写を主軸に置きながら、性と愛の問いを追う異色作。さまざまな女性を相手にAVを完成させようとするピンの現場を描き、エピローグでは業界から忽然と姿を消した先輩がインドから送ってきたフィ…
- 1500 1999 宙返り ちゅうがえり いったん自分の教義を否定して「宙返り」した宗教的リーダーが、十年後、聖痕を帯びて戻ってくる。急進派や祈り続けてきた女性たち、再建をめぐる教会内部の企てが交錯し、四国の森を拠点に新しい共同体の可能性が問われる。信仰が歪められた時代に、神の不在も含めて「魂のこと」をする場所を探る、大江健三郎後期の長大な…
- 1501 1999 ハードボイルド/ハードラック ハードボイルド/ハードラック 「ハードボイルド」と「ハードラック」の二篇を収める短編集です。死んだ女友だち、入院中の姉という喪失の影を起点にしながら、残された人の心が少しずつ動き出す時間を描きます。よしもとばなならしい静かな語りで、痛みと回復が同じ場面の中に置かれるところが読みどころです。
- 1502 1999 スプートニクの恋人 すぷーとにくのこいびと 22歳のすみれが、17歳年上で既婚の女性ミュウに激しい恋をするところから始まる長編。語り手の「僕」はすみれへの思いを抱えつつ、すみれとミュウの関係、そして失踪をめぐる奇妙でミステリアスな出来事に巻き込まれていく。スプートニクのイメージが、互いに近づきながら孤独な軌道を回る人間同士の距離を象徴する。
- 1503 1999 神様のボート カミサマ ノ ボート 新潮社から1999年に刊行され、文庫化・映像化も確認できる江國香織の単著。
- 1504 1999 夏の約束 なつのやくそく ゲイのカップル、性転換した美容師、売れない小説家と女友達など、ゆるやかにつながる人々の夏の一日を描く短編です。大きな事件よりも、性的マイノリティを含む人物たちの日常の距離感を自然体で描くことに力点があります。軽やかな会話と静かな関係性の描写を通じて、1990年代末の都市生活と親密さのあり方を読ませる… 第122回 芥川賞
- 1505 1999 蔭の棲みか かげのすみか 『蔭の棲みか』は、大阪の在日朝鮮人集落を舞台に、最古参の住人ソバンの人生と共同体の日常を描く作品です。戦争で手首を失ったソバンの記憶、家族と集落の関係、事件の気配が重なり、個人史と地域史が交差します。在日文学の系譜に連なりつつ、生活の場の細部から重い歴史を立ち上げる点が読みどころです。 第122回 芥川賞
- 1506 1999 LA心中 えるえーしんじゅう 『LA心中』は、羽根田康美が第88回文學界新人賞を受けた短篇です。PrizesworldとNDLサーチで、1999年4月14日決定の第88回文學界新人賞受賞作であり、『文學界』1999年6月号掲載であることを確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から舞台や主題を推測せず… 第88回 文學界新人賞
- 1507 1999 DAY LABOUR でい・れいばー 『DAY LABOUR』は、松崎美保が第88回文學界新人賞を受けた短篇です。PrizesworldとNDLサーチで、1999年4月14日決定の同賞受賞作であり、『文學界』1999年6月号掲載であることを確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から労働や舞台を断定せず、現時点… 第88回 文學界新人賞
- 1508 1999 Tiny, tiny たいにー たいにー 「わたし」「ぼく」「オレ」という三人の高校生のひと夏を描く青春小説です。視点を分けながら、派手な事件よりも、夏の時間の中で揺れる関係や自意識を淡々と追っていきます。文藝賞受賞作として、乾いた感覚で十代の不安定さをすくい取るところに特色があります。 第36回 文藝賞
- 1509 1999 彼女のプレンカ かのじょのぷれんか 中上紀の小説デビュー作で、熊野・新宮の土地の記憶と、作者自身の越境的な感覚が重なっていく作品です。既存資料では中上健次の娘として注目された出発点とされ、土地との縁を背負った語りが作品の核になっています。詳細な梗概は公開資料で十分に確認できないため、ここではデビュー作としての位置づけと主題を中心に紹介… 第23回 すばる文学賞
- 1510 1999 零歳の詩人 れいさいのしじん 短歌誌「玲瓏」同人でもある楠見朋彦の小説デビュー作です。詩歌人としての言語感覚を背景に、戦争や言葉をめぐる主題を小説の形式へ移した作品として位置づけられます。公開資料で梗概を十分に確認できないため、現時点では受賞・掲載情報と作者の詩歌的な出自を中心に扱います。 第23回 すばる文学賞
- 1511 1999 クレア、冬の音 くれあ、ふゆのおと 外国人花嫁を迎えた家庭をめぐる物語として紹介されている新潮新人賞受賞作です。家族の内側に入ってくる異文化の存在を通じて、家庭、言葉、距離の問題を扱う作品と読めます。公開資料で詳細な梗概や選評本文は確認できないため、現時点では受賞・掲載・単行本情報を中心に扱います。 第31回 新潮新人賞
- 1512 1999 ロックンロールミシン ろっくんろーる みしん 『ロックンロールミシン』は、会社員の賢司が友人のインディーズファッションブランド「ストロボ・ラッシュ」に関わり、服作りの熱に巻き込まれていく青春小説です。仕事、仲間、創作の衝動が軽快に交差し、ファッション業界経験を持つ作者の感覚が作品の速度を支えています。ミシンとロックンロールという題名どおり、もの… 第12回 三島賞
- 1513 1999 無情の世界 むじょうのせかい 『無情の世界』は、「トライアングルズ」「無情の世界」「鏖」を収める阿部和重の初期短編集です。表題作では、深夜の公園で死体を見つける高校生たちを通じて、若者の倦怠、暴力衝動、現代社会の冷えた感触が描かれます。映画的な切断感と批評的な語りが同居し、阿部作品の前衛性が短編の密度で現れています。 第21回 野間新人賞
- 1514 1999 シンセミア しんせみあ 『シンセミア』は、阿部和重が2003年に朝日新聞社から上下巻で刊行した長編小説です。山形県東根市神町を舞台に、土地の歴史、家族、暴力、メディア的な噂が絡み合う大作として整理します。 第15回 伊藤整賞
- 1515 1999 ラニーニャ らにーにゃ カリフォルニアに暮らす日本人女性を中心に、異国での育児と日本にいる老親の介護が交差していく長篇です。母であること、娘であること、移動する身体を、詩人としての言語感覚を残した散文でたどります。生活の具体と身体感覚が強く、家族小説であると同時に越境文学としても読める作品です。 第21回 野間新人賞
- 1516 1999 透光の樹 とうこうのき 加賀平野・鶴来を舞台に、テレビ業界で生きてきた中年男性と、老父の看護のために戻った女性が再会する恋愛長篇です。二十五年の時間を隔てた情愛を、老い、介護、土地の記憶と重ねて描きます。激しい恋愛を扱いながら、地方の風景と死の気配が作品全体を静かに支えている点が読みどころです。 第35回 谷崎賞
- 1517 1999 ミューズ みゅーず 十七歳の女子高生・美緒が、矯正歯科医への恋を通して自分の身体感覚と欲望に触れていく中篇です。恋愛の物語でありながら、歯列矯正という身体への介入を軸に、青春期の感覚の鋭さを前面に出している。赤坂真理の初期作品らしく、若い女性の内面と都市的な空気が近い距離で語られます。 第22回 野間新人賞
- 1518 1999 ヴァイブレータ ヴぁいぶれーた 1999年1月に講談社から刊行された単行本。NDLで単行本、2003年講談社文庫版、2013年新装版を確認できる。
- 1519 1999 コーリング こーりんぐ 1999年6月に河出書房新社から刊行された作品集。NDLで収録作「コーリング」「最大幅七ミリ」「起爆者」「フィギュアズ」「水の膚」「雨」を確認できる。
- 1520 1999 魂込め まぶいぐみ 『魂込め』は、沖縄の風土と戦争の記憶を背景に、失われたものの声や共同体の奥行きを描く短篇集です。表題の「まぶいぐみ」は魂を込め直すという沖縄の言葉に由来し、目取真俊の文学に通底する記憶と傷の主題が強く表れています。
- 1521 1999 水の中のザクロ みずのなかのざくろ NDLサーチで1999年11月刊、講談社、ISBN 4-06-209954-3の単行本として確認できる。
- 1522 1999 地の果てのダンス ちのはてのだんす 1999年10月にメディアワークスから刊行された本人単著をNDLで確認した。
- 1523 1999 ミカ! みか NDLサーチとBooks出版書誌データベースで1999年11月刊、理論社、ISBN 4-652-07179-5の単行本として確認できる。
- 1524 1999 父 ちち NDLサーチで1999年7月刊の新潮社版単行本を確認できる。
- 1525 1999 段ボールハウスガール だんぼーる はうす がーる 『段ボールハウスガール』は、萱野葵が1999年に新潮社から刊行した小説です。角川文庫版の出版書誌データベースでは、事件をきっかけに労働意欲を捨てたOLが、仕事、住まい、ライフライン、手持ちの金を失っていく物語として紹介されています。NDLサーチでは新潮社1999年版と、2001年の角川文庫版『ダンボ…
- 1526 1999 フーコン戦記 ふーこんせんき 古山高麗雄晩年の戦争文学。2024年に小学館P+D BOOKSでも復刊。
- 1527 1999 マタンサはまだ またんさはまだ NDLで華城文子著、1999年10月刊、ISBN 4-87601-490-6の図書として確認。
- 1528 1999 こわれていく こわれていく 『こわれていく』は、梶井俊介が『三田文學』57号に発表した小説です。NDLサーチとCiNii Researchでは、1999年5月1日発行号のpp.88-100に掲載されたことを確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は掲載書誌情報に限定します。
- 1529 1999 慟哭の余笹川 どうこくのよささがわ 『慟哭の余笹川』は、地域と災害・水害の記憶を想起させる題名と副題をもつ book-form 候補です。今回の候補では、内容面の詳細な断定を避け、NDL・Books/JPROで確認できる書誌情報に限定する。
- 1530 1999 嫐嬲 なぶりあい 『嫐嬲』は、星野智幸が1999年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌はNDLサーチ、Books/JPRO、出版社公式またはAmazonの商品ページで確認し、感想・読者レビュー導線は referenceLinks に分離しました。
- 1531 1999 ワニを抱く夜 : 作品集 『ワニを抱く夜 : 作品集』は、村田喜代子が1999年に葦書房から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1532 1999 X電車にのって : 作品集 『X電車にのって : 作品集』は、村田喜代子が1999年に葦書房から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1533 1998 ライン ライン 『ライン』は、電話線のように結びつく複数の人物を連鎖的に描き、性、暴力、プライド、トラウマが現代日本の暗部へ流れ込んでいく長篇です。SM嬢、看護婦、ウエイター、キャリアウーマンなど断片的な人生を並置し、個々の孤独が通信や接触を通じて増幅される構造をとります。村上龍らしい硬質な速度感で、コミュニケーシ…
- 1534 1998 グランド・ミステリー ぐらんどみすてりー 『グランド・ミステリー』は、奥泉光が1998年に角川書店から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1535 1998 ブエノスアイレス午前零時 ぶえのすあいれすごぜんれいじ 『ブエノスアイレス午前零時』は、雪深い故郷へ戻った青年と、過去に横浜で生きてきた盲目の老女の出会いを描く短篇です。温泉旅館という閉じた場所に、タンゴと異国の都市への憧れが差し込むことで、老い、記憶、失われた時間が濃く浮かび上がります。抑えた筆致とハードボイルドな感触が、深夜の一場面に人生の余白を凝縮… 第119回 芥川賞
- 1536 1998 ゲルマニウムの夜 げるまにうむのよる 『ゲルマニウムの夜』は、かつて暮らした修道院兼教護院へ、殺人の後に戻ってくる青年を中心にした長篇です。信仰の場であるはずの空間に、暴力、性、罪悪感が濃密に入り込み、聖と俗の境界が崩れていきます。荒々しい身体感覚と過剰な熱量によって、逃げ場のない生を押し出す作品です。 第119回 芥川賞
- 1537 1998 日蝕 にっしょく 『日蝕』は、15世紀フランスを舞台に、若い修道士が異端的な知と神秘の気配を追っていく中篇です。文語的で格調の高い文体を前面に出し、歴史小説、宗教小説、幻想小説の要素を重ねながら、日蝕という瞬間へ向けて緊張を高めます。デビュー作でありながら、古典的な知と現代文学の技巧を接続した点が読みどころです。 第120回 芥川賞
- 1538 1998 腦病院へまゐります。 のうびょういんへまゐります。 『腦病院へまゐります。』は、旧仮名遣いを用いた文体で、精神の病と言葉の働きを絡ませて描く作品です。表記そのものが読者の速度を変え、病院や身体をめぐる経験を、通常のリアリズムからずらして見せます。言語の異物感を作品の主題に接続する、実験的な語りが読みどころです。 第86回 文學界新人賞
- 1539 1998 水のはじまり みずのはじまり 第41回群像新人文学賞の小説優秀作として『群像』1998年6月号に掲載された作品。NDLサーチでは同号と、選評を含む発表記事の掲載情報を確認できる。公開Webで梗概や本文紹介は確認できないため、現時点では題名から主題や舞台を推測せず、受賞掲載情報を中心に扱う。
- 1540 1998 二匹 にひき 『二匹』は、鹿島田真希が第35回文藝賞を受賞してデビューした学園小説です。河出書房新社公式ページでは、22歳の女子大生ファイターが独特の荒れた日本語で放つ「学園ハードボイルド」として紹介されている。青春小説の形式を借りつつ、言葉の破格さと暴力的な感覚で、鹿島田作品の実験性の出発点を示す作品です。 第35回 文藝賞
- 1541 1998 大陸游民 タイリク ユウミン 既収録の『韓素音の月』と同じ集英社刊の単行本で、著者の中国・越境テーマを補える候補。
- 1542 1998 げつようびのこども げつようびのこども 『げつようびのこども』は、1998年3月に集英社から刊行された広谷鏡子の単行本です。NDLサーチで単行本書誌を確認できます。今回確認できた公開情報は書誌に限られるため、内容面の説明は控えめに登録します。
- 1543 1998 あなたがほしい je te veux あなたがほしい じゅ とぅ ゔー ヒロインのカナが、年下の友人・留美への同性間の欲望と、中年の建築家・小田との官能と友愛を行き来する恋愛小説です。集英社公式は、男性を抱くことはできても愛せない、女性を愛していても抱き合うことを恐れるという葛藤を作品の核として紹介している。性愛と親密さのずれを、ジェンダーと身体感覚の問題として描く点が… 第22回 すばる文学賞
- 1544 1998 底ぬけ そこぬけ 第30回新潮新人賞受賞作として『新潮』1998年11月号に掲載された作品。新潮社公式の過去の受賞作品一覧で作品名・著者名を確認でき、NDLサーチでは同号の書誌情報を確認できる。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、内容紹介・分類は今後、出版社公式、Amazon、掲載誌本文などで裏取りしたうえ… 第30回 新潮新人賞
- 1545 1998 カブキの日 かぶきのひ 『カブキの日』は、歌舞伎をめぐる世界を舞台に、演じること、見ること、語ることを重ねていく小林恭二の小説です。歌舞伎という古典芸能を題材にしながら、作品は単なる芸道小説ではなく、物語の仕掛けや語りの批評性を前面に出します。祝祭性とメタフィクション的な遊びが同居する、第11回三島由紀夫賞受賞作です。 第11回 三島賞
- 1546 1998 おしゃべり怪談 おしゃべりかいだん 『おしゃべり怪談』は、藤野千夜が性的マイノリティを含む人物たちの日常を、軽やかで会話的な感触の中に描いた作品です。題名の「怪談」は恐怖だけでなく、身近な生活の隙間に立ち上がる違和感や不安を指し、ユーモアと不穏さが同居します。深刻な主題を自然体の語りに溶かし込む、藤野作品らしい読み味が特徴です。 第20回 野間新人賞
- 1547 1998 おぱらばん おぱらばん 『おぱらばん』は、フランス郊外に暮らす「私」の視線を通して、忘れられた文学、移民の言葉、郊外の人々をゆるやかに結びつける15篇の小説集です。新潮社公式の文庫版紹介では、表題作が中国移民の言い回しを通じて卓球名人の肖像を描く作品として案内されている。エッセイと小説の境界を横断し、言葉のずれや記憶の手触… 第12回 三島賞
- 1548 1998 望潮 もちしお 『望潮』は、潮の満ち引きに呼応するように、老年期の女性の意識と記憶が揺れ動く短篇です。海辺の時間感覚と身体の衰えが重なり、現実の風景の中に幻視的な層が立ち上がります。村田喜代子らしい土地の感覚と、老いをめぐる静かな緊張が読みどころです。 第25回 川端賞
- 1549 1998 翔べ麒麟 とべきりん 『翔べ麒麟』は、辻原登の物語作家としての顔が前面に出た大部の長篇です。帝国の秩序、流浪、反乱、芸能、異郷の土地が重なり、歴史小説と幻想小説のあわいで物語が進みます。『村の名前』で見られた越境の感覚を、より広い歴史的・冒険的な空間へ押し広げた作品として位置づけられます。
- 1550 1998 二進法の犬 にしんほうのいぬ 光文社から1998年11月に刊行された長編小説。NDLで単行本と文庫版を確認。
- 1551 1998 存在論的、郵便的 『存在論的、郵便的』は、東浩紀がジャック・デリダをめぐって書いた評論・思想書です。NDLサーチでは1998年10月に新潮社から刊行された338,4ページの図書、NDC9 135.5として確認できます。出版書誌データベースではISBN 9784104262014、4-6変判、344ページ、1998年1…
- 1552 1998 ゴージャス ごーじゃす 既存登録の『壊音 KAI-ON』『アイリーン』以外の篠原一の book-form work 候補。同名別人を避けるため、NDLの著者標目「篠原, 一, 1976-」を確認した。
- 1553 1998 赤目四十八瀧心中未遂 あかめしじゅうやたきしんじゅうみすい 『赤目四十八瀧心中未遂』は、車谷長吉の長篇小説です。文藝春秋公式ページでは、尼崎の四畳半のアパートでモツを串に刺し続ける語り手と、背中一面に迦陵頻伽の刺青を持つ女をめぐる作品として紹介されています。NDLサーチでは1998年1月に文藝春秋から刊行された272ページの図書、NDC9 913.6として確…
- 1554 1998 国民のうた こくみんのうた 1998年講談社刊。NDLでNDC 913.6の図書として確認し、Books/JPROと講談社公式で書誌を確認できる。
- 1555 1998 岬の蛍 みさきのほたる 『岬の蛍』は、佐藤洋二郎が1998年に集英社から刊行した作品集です。出版書誌データベースの内容紹介では、墓の移設工事の音をきっかけに老婆の封印された過去が甦る表題作を軸に、男と女たちが積み重ねた歳月を映す作品集として紹介されています。NDLサーチでは集英社1998年7月刊の図書書誌を確認できます。 第49回 芸術選奨新人賞
- 1556 1998 玉砕 ぎょくさい NDLサーチで1998年5月刊の新潮社版単行本、および講談社版『小田実全集』関連書誌を確認できる。
- 1557 1998 ファミリー・ビジネス ふぁみりー・びじねす 『ファミリー・ビジネス』は、米谷ふみ子が1998年に新潮社から刊行した小説です。NDLサーチでは米谷ふみ子(1930-)著、新潮社、1998年5月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1558 1998 刑事たちの夏 『刑事たちの夏』は、久間十義が1998年に日本経済新聞社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1559 1998 イスタンブールの闇 『イスタンブールの闇』は、高樹のぶ子が1998年に中央公論社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1560 1998 龍秘御天歌 『龍秘御天歌』は、村田喜代子が1998年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1561 1997 オーディション オーディション 『オーディション』は、再婚相手を探す男が映画オーディションという仕掛けを通して一人の女性と出会い、やがて狂気と暴力に巻き込まれていく長編です。恋愛や結婚の欲望を入口にしながら、選ぶ側と選ばれる側の非対称性、性と暴力の境界を不穏に反転させます。三池崇史監督による映画化でも広く知られる作品です。
- 1562 1997 ゴーストバスターズ 冒険小説 ゴーストバスターズ ぼうけんしょうせつ 1997年に講談社から刊行された高橋源一郎の長編『ゴーストバスターズ 冒険小説』。謎の「ゴースト」を探してアメリカ横断の旅に出るブッチ・キャシディとサンダンス・キッド、「俳句鉄道888」で失踪した叔父を探すドン・キホーテの姪一行、東京の空を飛ぶ「正義の味方」超人マン・タカハシらが交錯する。アメリカが…
- 1563 1997 ハネムーン ハネムーン 『ハネムーン』は、若くして結婚したまなかと幼なじみの裕志が、喪失や孤独を抱えたまま互いを支え合い、旅立ちへ向かう長編です。中央公論新社の中公文庫ページでは、二人がどこにいても家を見いだす恋人たちの物語として紹介されている。恋愛小説でありながら、夫婦、家、死者の記憶、癒えにくい過去を静かに見つめるよし…
- 1564 1997 イン ザ・ミソスープ イン ザ・ミソスープ 『イン ザ・ミソスープ』は、新宿の歓楽街で外国人観光客を案内するケンジが、アメリカ人客フランクの異様さと暴力に巻き込まれていく長編です。都市の表層的な消費空間と、突然噴き出す暴力の感触が重ねられ、日本社会への批判的な視線も含んでいます。一人称の案内役の語りを通して、読者も不穏な夜の中へ連れていかれま…
- 1565 1997 日本文学盛衰史 にほんぶんがくせいすいし 1997年から2001年まで『群像』に連載され、2001年に講談社から刊行された高橋源一郎の長編。「文学史が小説になった」と評されるように、統一された筋や明確な主人公を持たず、漱石・鴎外・二葉亭四迷・北村透谷・島崎藤村・樋口一葉ら近代文学の創始者たちが「何をどう書くか」という問いに苦しむ姿を断章的に… 第13回 伊藤整賞
- 1566 1997 プラトン学園 ぷらとんがくえん 『プラトン学園』は、奥泉光が1997年に講談社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1567 1997 水滴 すいてき 『水滴』は、沖縄の老人の足から水が流れ出すという奇妙な出来事を起点に、戦争の死者と生者の現在が交わる短篇です。民話的な幻想と生活のユーモアを重ねながら、沖縄戦の記憶が日常の身体へ戻ってくる瞬間を描きます。荒唐無稽な設定の奥に、加害と悔恨、共同体の記憶が沈んでいる点が読みどころです。 第117回 芥川賞
- 1568 1997 最後の息子 さいごのむすこ 『最後の息子』は、長崎から上京した若者が新宿で中年のゲイ男性と同居し、親密さと依存のあわいを見つめていく中篇です。都市の片隅で居場所を探す人物たちを、乾いた一人称の感覚で追い、性と孤独が生活の細部に染み出す様子を描きます。吉田修一のデビュー作として、以後の都市と人間関係への関心の出発点に位置づけられ… 第84回 文學界新人賞
- 1569 1997 くろい、こうえんの くろい、こうえんの 『くろい、こうえんの』は、橘川有弥が第85回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは「第85回文学界新人賞発表」の記事として、『文學界』1997年12月号に受賞作が掲載されたことを確認できます。梗概や本文に基づく主題・語りの説明は未確認のため、内容面の分類は保留します。 第85回 文學界新人賞
- 1570 1997 いないあなた いないあなた 『いないあなた』は、橘川有彌が第84回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1997年4月17日決定、『文學界』1997年6月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1571 1997 秒速10センチの越冬 びょうそくじっせんちのえっとう 『秒速10センチの越冬』は、工場労働者の日々と停滞感を、ゆっくり進む時間の感覚とともに描くデビュー作です。公開Webで詳細な梗概は多く確認できないため、ここでは労働の反復、季節を越す身体感覚、動きにくい生活時間を主題とする作品として整理します。第40回群像新人文学賞の小説当選作で、岡崎祥久の出発点と… 第40回 群像新人賞
- 1572 1997 ラジオデイズ らじおでいず 『ラジオデイズ』は、鈴木清剛が第34回文藝賞を受賞したデビュー小説です。河出書房新社公式ページでは、主人公の部屋に10年ぶりに現れた同級生が居つき、追い払うことも親しくなることもできないまま過ごす気まずい一週間を描く作品として紹介されています。一人称の距離感と、やるせなさを抱えた若者同士の関係が読み… 第34回 文藝賞
- 1573 1997 バックステージ・パス ばっくすてーじ・ぱす 『バックステージ・パス』は、1997年6月に集英社から刊行された楡井亜木子の単行本です。NDLサーチで単行本書誌を確認でき、『すばる』1997年10月号に本書紹介が掲載されたことも確認できます。公開Webで詳細な梗概は確認できないため、内容面は最小限に留めます。
- 1574 1997 ペン ぺん NDLサーチで1997年9月刊、集英社、ISBN 4-08-774260-1の単行本として確認できる。
- 1575 1997 世間知らず せけんしらず 『世間知らず』は、岩崎保子が第21回すばる文学賞を受賞した作品です。NDLでは同賞発表時の受賞者インタビュー記事と、集英社から1998年1月に刊行された単行本書誌を確認できます。内容紹介そのものは出版社系書誌で十分に確認できないため、現時点では受賞・刊行情報を中心に扱います。 第21回 すばる文学賞
- 1576 1997 街の座標 まちのざひょう 『街の座標』は、下北沢を舞台に、文学系女子大生が「S区S街」を描いた女性作家を追うデビュー作です。街を読むこと、他者の書いた街をたどること、自分の言葉で場所を捉え直すことが重なり、都市と文学の関係が主題化されます。書く人と読む人の距離を物語内で問い直す、メタフィクション的な青春小説として読めます。 第21回 すばる文学賞
- 1577 1997 叶えられた祈り かなえられたいのり 『叶えられた祈り』は、萱野葵のデビュー作にあたる新潮新人賞受賞作です。既存情報では、後に映画化される『段ボールハウス・ガール』へつながる作者の出発点として整理されています。祈りという題名が示す願望と現実のずれを軸に、都市的な孤独を読む作品として位置づけました。 第29回 新潮新人賞
- 1578 1997 最後の吐息 さいごのといき 『最後の吐息』は、星野智幸が河出書房新社から刊行したデビュー期の小説作品です。公的書誌で題名・著者・出版社を確認し、受賞歴は文藝賞の受賞作一覧で確認できる範囲に限定して登録しました。 第34回 文藝賞
- 1579 1997 インディヴィジュアル・プロジェクション いんでぃゔぃじゅあるぷろじぇくしょん 『インディヴィジュアル・プロジェクション』は、阿部和重が1997年に新潮社から刊行した長編小説です。スパイ養成所出身者の日記という設定により、理論性とエンターテインメント性を接続した初期代表作として扱います。
- 1580 1997 公爵夫人邸の午後のパーティー こうしゃくふじんていのごごのぱーてぃー 『公爵夫人邸の午後のパーティー』は、阿部和重が1997年に講談社から刊行した初期作品集です。著者ページの著書一覧では「ヴェロニカ・ハートの幻影」を併録する単行本として確認できます。
- 1581 1997 蝶の皮膚の下 ちょうのひふのした 1997年3月に河出書房新社から刊行された本人単著。NDLで単行本と1999年文庫版を確認できる。
- 1582 1997 うるわしき日々 うるわしきひび NDLサーチで1997年10月刊の読売新聞社版単行本、関連論考「雨漏りする戦後・家という思想」を確認できる。
- 1583 1997 ガラスの愛 がらすのあい NDLサーチで1997年1月刊、河出書房新社、ISBN 4-309-01118-7の単行本として確認できる。
- 1584 1997 あした、旅人の木の下で 『あした、旅人の木の下で』は、芥川賞受賞後の松村栄子が発表した長篇小説です。旅人の木という題名上の象徴を手がかりに、移動する者の視線、記憶、他者との出会いを静かに描きます。現実の生活感と、どこか遠くへ向かう感覚が重なり合う作品です。
- 1585 1997 皆月 『皆月』は、花村萬月が芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』の前後に書いた長篇小説です。妻に金を持ち逃げされた中年男が、義弟や風俗で働く女性との関係のなかで、傷ついた生活を立て直していきます。暴力や性を含む花村作品らしい荒い手触りのなかに、再生の物語が置かれています。
- 1586 1997 あとは野となれ 『あとは野となれ』は、室井光広が芥川賞受賞後に講談社から刊行した長篇小説です。講談社公式ページでは、古今東西の「野」を遊行する「野ざらし思考小説」と紹介されています。偶然の一致を書き留める手帳、読書中の二冊の本、言語遊戯の横断という仕掛けを通じて、言葉と思考が連鎖していく室井らしい実験性の強い作品で…
- 1587 1997 こうのとりを放つ日 『こうのとりを放つ日』は、みどりゆうこの単行本小説です。NDLサーチでは1997年6月に集英社から刊行された189ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースではISBN 9784087742725、4-6判、192ページ、Thema分類 FB(小説)、1FPJ(日本)…
- 1588 1997 虫くい 『虫くい』は、山室一広の小説単行本です。NDLサーチでは1997年10月に集英社から刊行された213ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースでも、ISBN 9784087742916、4-6判、216ページ、1997年発行の書誌が確認できます。
- 1589 1997 雨鶏 あめどり 『雨鶏』は、芦原すなおの小説単行本です。NDLサーチでは1997年6月に角川書店から刊行された248ページの図書、NDC9 913.6として確認できます。出版書誌データベースでは、ISBN 9784048730372、4-6判、256ページ、1997年発行の書誌が確認できます。
- 1590 1997 君はこの国を好きか キミ ワ コノ クニ オ スキカ 1997年に新潮社から刊行された鷺沢萠の単著図書。移動・帰属意識を扱う候補作。
- 1591 1997 道真. 上 花の時 ミチザネ ハナ ノ トキ NHK出版から1997年に刊行された『道真』上巻。NDLでは巻次名「花の時」を確認できる。
- 1592 1997 道真. 下 邯鄲の夢 ミチザネ カンタン ノ ユメ NHK出版から1997年に刊行された『道真』下巻。NDLでは巻次名「邯鄲の夢」を確認できる。
- 1593 1997 逆さ馬のメリーゴーラウンド さかさうまのめりーごーらうんど 『逆さ馬のメリーゴーラウンド』は、新井千裕が1997年に中央公論社から刊行した小説です。NDLサーチでは新井千裕(1954-)著、中央公論社、1997年6月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1594 1997 うみ うみ NDLで下井葉子著、講談社、1997年4月刊、ISBN 4-06-208577-1の図書として確認できる未登録単行本。
- 1595 1997 秋の苦い光 あきのにがいひかり 『秋の苦い光』は、木田拓雄が1997年に角川書店から刊行した小説です。NDLサーチでは木田拓雄著、角川書店、1997年8月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1596 1997 狂騒曲 : 1985~1990 『狂騒曲 : 1985~1990』は、久間十義が1997年に角川書店から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1597 1997 彩月 『彩月』は、高樹のぶ子が1997年に文藝春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1598 1997 お化けだぞう 『お化けだぞう』は、村田喜代子が1997年に潮出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1599 1996 ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II ヒュウガ・ウイルス ごふんごのせかいツー 『ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II』は、『五分後の世界』の続編として、別の時間軸の日本で発生した致死的な感染症を描く長編です。幻冬舎公式では、九州東南部の歓楽都市ビッグ・バンでウイルスが蔓延し、キャサリン・コウリーが日本国軍に同行する物語として紹介されています。戦争、感染、極限状況を重ねることで…
- 1600 1996 レキシントンの幽霊 れきしんとんのゆうれい 『レキシントンの幽霊』は、表題作を含む村上春樹の短篇集です。既存データの通り「めくらやなぎと眠る女」などを収め、記憶、喪失、遠さ、曖昧な気配をめぐる短篇が並びます。海外を含む場所の感触と、説明されすぎない幽霊的な不在が、静かな不穏さを生みます。
- 1601 1996 ラブ&ポップ ラブアンドポップ 『ラブ&ポップ』は、1996年に幻冬舎から刊行された村上龍の長編で、援助交際をめぐる若者の性と消費を主題化した作品です。NDLで確認できる石川巧の論考タイトルからも、同作が「援助交際」という当時的な語をめぐる小説として読まれていたことが分かります。庵野秀明監督による実写映画化も確認でき、90年代後半…
- 1602 1996 弟 おとうと 『弟』は、石原慎太郎が実弟・石原裕次郎の生涯を兄の視点からたどった伝記的長編です。スターとしての裕次郎像だけでなく、家族の記憶、戦後日本の大衆文化、兄弟関係の近さと距離を重ねて描きます。私的回想と公的な時代史が交差するところに読みどころがあり、作家・政治家としての石原慎太郎が身内を語る緊張も作品の核…
- 1603 1996 SLY スライ 『SLY』は、HIVポジティブであることを告げたかつての恋人・喬を、語り手の清瀬と日出雄がエジプトへの旅に連れ出す長篇です。幻冬舎公式の紹介では、絶望から始まる旅の中で友情がたどる運命が作品の核として示されている。恋愛、友情、生と死の距離を、旅の開放感と喪失の予感のあいだで描くよしもとばななの作品と…
- 1604 1996 「吾輩は猫である」殺人事件 わがはいはねこであるさつじんじけん 『「吾輩は猫である」殺人事件』は、奥泉光が1996年に新潮社から刊行した長編小説です。漱石作品の文体模倣とミステリー構造を組み合わせた代表的なパロディ/メタミステリとして整理します。
- 1605 1996 落下する夕方 ラッカスル ユウガタ 角川書店から1996年に刊行された江國香織の単著長篇。
- 1606 1996 蛇を踏む へびをふむ 『蛇を踏む』は、藪で蛇を踏んだ女性の前に、その蛇が女の姿で現れ、「蛇になれ」と迫ってくる芥川賞受賞作です。日常の手触りを残したまま異界が入り込み、現実と幻想の境界が曖昧になっていくところに読みどころがある。身体の変容、親密さへの恐れ、奇妙な同居感を、川上弘美の初期作らしい静かな不穏さで描く。 第115回 芥川賞
- 1607 1996 家族シネマ かぞくしねま 『家族シネマ』は、崩壊した家族が映画の中で「家族」を演じるという設定を通して、家族らしさが演技や記憶によって作られていく不安定さを描く作品です。映画撮影という枠組みが、親密さの欠落や役割としての家族を露出させる。柳美里の戯曲的な緊張を小説に移し、家族をめぐる自己像と他者のまなざしを問う芥川賞受賞作と… 第116回 芥川賞
- 1608 1996 海峡の光 かいきょうのひかり 『海峡の光』は、廃航を控えた青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守となった「私」が、少年時代に自分を苦しめた相手と受刑者として再会する物語です。新潮社公式の紹介では、監視する者と監視される者の関係が、船舶訓練の海へ向かう場面で極限化される構図が示されている。津軽海峡と函館を背景に、いじめの記憶… 第116回 芥川賞
- 1609 1996 物語が殺されたあとで ものがたりがころされたあとで 『物語が殺されたあとで』は、最上煬介が第83回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは「第83回文学界新人賞発表」の記事として、大村麻梨子『ギルド』とともに『文學界』1996年12月号に掲載されたことを確認できます。内容紹介や選評本文の要約はオンラインで確認できる範囲が限られるため、現時点では書誌… 第83回 文學界新人賞
- 1610 1996 ギルド ぎるど 『ギルド』は、大村麻梨子が第83回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは「第83回文学界新人賞発表」の記事として、最上煬介『物語が殺されたあとで』とともに『文學界』1996年12月号へ掲載されたことを確認できます。オンラインで確認できる範囲では詳細な梗概が見つからないため、内容面の分類は保留しま… 第83回 文學界新人賞
- 1611 1996 やさしい光 やさしいひかり 『やさしい光』は、鈴木景子が第39回群像新人文学賞に当選した作品です。NDLでは『群像』51巻6号、1996年6月号の書誌が確認でき、既存の賞一覧情報とあわせて同号掲載作として扱えます。ウェブ上で梗概や選評本文を確認できる資料は限られるため、作品内容の説明は受賞・掲載情報にとどめます。 第39回 群像新人賞
- 1612 1996 足下の土 あしもとのつち 『足下の土』は、堂垣園江が第39回群像新人文学賞の優秀作に選ばれた作品です。NDLでは『群像』51巻6号、1996年6月号の書誌が確認でき、鈴木景子『やさしい光』と同じ受賞回の掲載作として位置づけられます。オンラインで参照できる梗概が見つからないため、内容面の説明と分類は保留します。
- 1613 1996 月の裏まで走っていけた つきのうらまではしっていけた 『月の裏まで走っていけた』は、雨森零の単行本です。NDLサーチで1996年1月刊、180ページ、20cmの書誌を確認できます。今回確認できた範囲では、詳細な梗概や公式紹介は見つからなかったため、書誌情報を中心に登録します。
- 1614 1996 塔の条件 とうのじょうけん NDLサーチで1996年12月刊、角川書店、ISBN 4-04-873017-7の単行本として確認できる。
- 1615 1996 いちげんさん いちげんさん 『いちげんさん』は、京都の大学で日本文学を学ぶスイス人留学生の「僕」が、対面朗読のボランティアを通じて目の不自由な女性・京子と出会う恋愛小説です。外国語として日本語を生きる語り手の距離感が、京都での留学生活や人間関係を静かに照らします。異文化の観察記ではなく、言葉・身体・親密さの境界をたどる作品とし… 第20回 すばる文学賞
- 1616 1996 マンモスの牙 まんもすのきば 『マンモスの牙』は、小山右人が第28回新潮新人賞を受賞した作品です。著者自身のnoteでは、映画化作品『牙の曲線』の原作小説として言及され、医学・アートを横断する視点を持つ作品として既存データに整理されています。新潮社公式で受賞事実は確認できますが、出版社公式の商品紹介は未確認のため、内容説明は低確… 第28回 新潮新人賞
- 1617 1996 折口信夫論 おりくちしのぶろん 『折口信夫論』は、松浦寿輝が折口信夫の言葉と作品を読み込み、その思想と文学的想像力に迫る評論です。伝記的整理にとどまらず、『死者の書』などを含む折口のテクストそのものから、詩・民俗学・物語の交点を探ります。批評空間叢書として刊行され、のちに増補版がちくま学芸文庫に入ったことからも、文芸批評としての継… 第9回 三島賞
- 1618 1996 まどろむ夜のUFO まどろむよるのゆーふぉー 『まどろむ夜のUFO』は、表題作のほか「もう一つの扉」「ギャングの夜」を収める角田光代の初期短編集です。少女や若い女性の生活に入り込む小さな異変を、日常の延長にある不穏さとして捉えます。家族や孤独をめぐる感情を過度に説明せず、眠りと覚醒のあいだのような手触りで読ませる作品集です。 第18回 野間新人賞
- 1619 1996 フルハウス ふるはうす 『フルハウス』は、ばらばらになった家族をもう一度集めるため、父が家を建てるという発端から、家族の結びつきの空虚さと可笑しさを描く作品です。家という器を用意しても親密さが自動的に戻るわけではないというずれが、柳美里らしい家族小説の緊張を生む。公開情報では詳しい公式梗概を確認できないため、内容紹介は既存… 第18回 野間新人賞
- 1620 1996 三絃の誘惑 さんげんのゆわく 『三絃の誘惑』は、三絃、すなわち三味線を手がかりに、近代日本の精神史を読み直す評論です。副題にある「近代日本精神史覚え書」の通り、楽器や芸能を美的対象として扱うだけでなく、近代化のなかで伝統芸能が担った感覚や思想をたどります。文学作品ではなく批評・評論として、芸術と日本近代の交差を扱う一冊です。 第10回 三島賞
- 1621 1996 くっすん大黒 くっすん だいこく 『くっすん大黒』は、仕事を辞め、妻にも去られた楠が、身の回りの不運を自宅にある不気味な大黒像のせいにして捨てに行く町田康のデビュー作です。日常の失敗や自意識の空回りが、大阪弁に近いリズムと独特の口語で転がっていく。貧しさ、夫婦の破綻、労働からの離脱を、陰惨さだけでなく滑稽さとして読ませる語りが大きな… 第7回 ドゥマゴ文学賞
- 1622 1996 季節の記憶 きせつのきおく 『季節の記憶』は、鎌倉・稲村ヶ崎を舞台に、父と息子が過ごす初秋から冬の日々を断片的に描く長篇です。大きな事件よりも、日々の会話、意識の流れ、季節の移り変わりそのものを小説の中心に置く点に保坂和志らしさがあります。既存梗概では保坂文学の代表作として整理されていますが、内容細部は出版社公式では未確認です… 第33回 谷崎賞
- 1623 1996 火の山―山猿記 ひのやま やまざるき 『火の山―山猿記』は、富士山を「火の山」として見つめ、その麓に生きる有森家の変遷をたどる長篇小説です。誕生、死、愛、結婚をめぐる家族史を、戦中戦後の時間と日本近代の問いへ広げていきます。大きな歴史を家族の記録や土地の記憶に引き寄せる、津島佑子の長篇的な構成力が読みどころです。 第34回 谷崎賞
- 1624 1996 赤い満月 あかいまんげつ 『赤い満月』は、大庭みな子が第23回川端康成文学賞を受けた短篇です。『文學界』1995年1月号に掲載され、同年刊の作品集『もってのほか』に収録されたことを、文学賞データとNDLサーチで確認できます。公開情報では具体的な筋や舞台の紹介は限られるため、身体、記憶、寓話・幻想の既存分類を手がかりにしつつ… 第23回 川端賞
- 1625 1996 台所 だいどころ 『台所』は、坂上弘の第24回川端康成文学賞受賞作です。『新潮』1996年9月号掲載、1997年新潮社刊の同名単行本への収録を、文学賞データとNDLで確認できます。作品内容の詳しい公開梗概は未確認ですが、既存分類では家、日常、家族、記憶を静かな文体でたどる短篇として整理しています。 第24回 川端賞
- 1626 1996 「アボジ」を踏む あぼじをふむ 『「アボジ」を踏む』は、小田実の第24回川端康成文学賞受賞作です。『群像』1996年10月号掲載後、1998年刊の短篇集および講談社文芸文庫版で再刊されたことを確認できます。父を指す朝鮮語を題に含む作品として、父子、戦争、差別、越境の問題系に接続するが、公開資料で確認できる内容紹介は限定的なため、紹… 第24回 川端賞
- 1627 1996 木山さん、捷平さん キヤマサン ショウヘイサン 小説以外の文学的散文・作家論寄りの候補。岩阪の文学的関心を補う。
- 1628 1996 漂流物 ひょうりゅうぶつ NDLサーチで1996年12月刊の新潮社版単行本、および1999年11月刊の新潮文庫版が確認できる。全集収録ではなく初刊単行本を根拠に、車谷長吉の私小説的な短篇集として候補化する。
- 1629 1996 天安門 てんあんもん 1996年講談社刊。NDLで単行本および2011年講談社文芸文庫版をNDC 913.6として確認できる。講談社公式とBooks/JPROで書誌も確認可能。
- 1630 1996 孤蝶の夢 こちょうのゆめ 『孤蝶の夢』は、渥美饒児が1996年に作品社から刊行した小説です。NDLサーチでは副題「小説北村透谷」、渥美饒児(1953-)著、NDC 913.6として確認できます。題材が北村透谷であることは副題から確認できますが、公開Webで詳細な内容紹介や選評本文は確認できないため、説明は書誌情報に限定します…
- 1631 1996 秋津洲物語 あきつしまものがたり 『秋津洲物語』は、中村隆資が1996年にPHP研究所から刊行した小説です。NDLサーチでは中村隆資(1951-)著、PHP研究所、1996年4月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1632 1996 夏の記憶 ナツ ノ キオク 葦書房から1996年に刊行された高瀬千図の未収録単著。
- 1633 1996 黄泉の森 ヨミジ ノ モリ 審美社から1996年に刊行された江場秀志の単著。
- 1634 1996 父のフレーム ちちのふれーむ 『父のフレーム』は、小口正明が「三田文学」1996年5月号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌記事として確認できます。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は初出情報に限定します。
- 1635 1996 硫黄谷心中 『硫黄谷心中』は、村田喜代子が1996年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1636 1996 蟹女 『蟹女』は、村田喜代子が1996年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1637 1995 KYOKO キョウコ ダンスを最優先に生きるキョウコが、東京、ニューヨーク、マイアミ、ハバナを旅する物語。かつてダンスを教えてくれた米兵を探す旅は、未来への鼓動、やすらぎ、再生を秘めた移動として描かれる。国境を越える身体表現と、孤独な旅のなかで自分の未来を手に取ろうとする清新さが読みどころになる。
- 1638 1995 この人の閾 このひとのいき 『この人の閾』は、近隣に住む人々との会話や移ろう時間を、事件性よりも意識の動きとして追う保坂和志の短篇です。登場人物の関係や日常の場面は淡く保たれ、その隙間に考えること、感じることの閾が浮かび上がります。平明な文体でありながら、何げない生活の中に哲学的な問いを置く点が読みどころです。 第113回 芥川賞
- 1639 1995 豚の報い ぶたのむくい 『豚の報い』は、沖縄のスナックに豚が乱入する出来事を起点に、厄落としのため離れ小島の御嶽へ向かう一行を描く芥川賞受賞作です。ファルス的な出来事の連鎖の中に、沖縄の霊的世界観、身体感覚、生の逞しさが重なります。方言・口語の感触と祝祭性を帯びた語りが読みどころです。 第114回 芥川賞
- 1640 1995 アンドリュー・ワイエス展--ひそやかで濃密な静けさ あんどりゅーわいえすてんひそやかでのうみつなしずけさ 『アンドリュー・ワイエス展--ひそやかで濃密な静けさ』は、高林杳子による美術展評です。NDLサーチで『文學界』49巻6号、1995年6月号、p.166-168掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は題名と書誌情報の範囲に限定します。
- 1641 1995 映画「スモーク」--煙草の煙の重さを量れるか えいがすもーくたばこのけむりのおもさをはかれるか 『映画「スモーク」--煙草の煙の重さを量れるか』は、木崎巴による映画評です。NDLサーチで『文學界』49巻11号、1995年11月号、p.150-152掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は題名と書誌情報の範囲に限定します。
- 1642 1995 ジェロニモの十字架 じぇろにものじゅうじか 『ジェロニモの十字架』は、青来有一のデビュー期にあたる第80回文學界新人賞受賞作です。『文學界』掲載後、芥川賞受賞作を含む作品集『聖水』に収録されたことを、文学賞データ、NDL、文藝春秋公式ページで確認できます。収録書『聖水』の公式紹介は父と救済をめぐる物語性を示していますが、本作単独の梗概は公開情… 第80回 文學界新人賞
- 1643 1995 目印はコンビニエンス めじるしはこんびにえんす 『目印はコンビニエンス』は、塩崎豪士が第81回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは、清野栄一『デッドエンド・スカイ』などとともに受賞作発表記事へ掲載されたことを確認できます。内容紹介や選評本文はオンライン上で十分確認できないため、作品内容の説明は保留します。 第81回 文學界新人賞
- 1644 1995 デッド・エンド・スカイ でっど・えんど・すかい 『デッド・エンド・スカイ』は、清野栄一の第81回文學界新人賞受賞作を含む長篇小説です。河出書房新社公式ページでは、レイヴのDJが過去を振り返りながら地の果てを彷徨する作品として紹介されています。音楽文化、移動、回想が重なり、若者の閉塞感をスピリチュアルな放浪の感覚へ変換していく読みどころがあります。 第81回 文學界新人賞
- 1645 1995 離人たち りじんたち 『離人たち』は、第38回群像新人文学賞の小説優秀作として確認できる団野文丈の作品です。講談社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、NDLサーチでは『群像』1995年6月号の発表掲載と講談社1995年刊の書誌を確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲…
- 1646 1995 影をめくるとき かげをめくるとき 『影をめくるとき』は、萩山綾音名義のほしおさなえが第38回群像新人文学賞の小説優秀作に選ばれた作品です。NDLでは団野文丈『離人たち』とともに発表記事へ掲載されたこと、掲載号が『群像』1995年6月号であることを確認できます。内容紹介や選評本文は未確認のため、作品内容の分類は保留します。
- 1647 1995 助手席にて、グルグル・ダンスを踊って じょしゅせきにて、ぐるぐる・だんすをおどって 『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』は、伊藤たかみのデビュー作にあたる青春小説です。助手席という移動する場所を題に含むように、若い語り手たちの距離感や不安定な身体感覚を、軽さと揺れを残した文体で追います。大学在学中の作者が書いた作品として紹介されており、初期の伊藤作品らしい若さの危うさが読みどこ… 第32回 文藝賞
- 1648 1995 韓素音の月 かんそいんのつき 『韓素音の月』は、茅野裕城子のデビュー作にあたる第19回すばる文学賞受賞作です。旅行作家・元女優としての経験や中国研究を背景に、中国をめぐる記憶、越境、表現者のまなざしを扱う作品として整理できます。表題作を含む作品集として1996年に集英社から刊行され、2001年には集英社文庫にも収められました。 第19回 すばる文学賞
- 1649 1995 不随の家 ふずいのいえ 『不随の家』は、広谷鏡子の第19回すばる文学賞受賞作で、同賞の受賞者インタビューとともに『すばる』1995年11月号に掲載された作品です。集英社から単行本化されたことはNDLで確認できます。公開情報で確認できる内容紹介は限られるため、家族、身体、介護をめぐる既存分類は低確信の読みとして扱い、詳細な筋… 第19回 すばる文学賞
- 1650 1995 母への尋問 ははへのじんもん 『母への尋問 : 昭和二十年、夏』は、大村麻梨子の単行本です。NDLサーチで1995年7月刊、253ページ、20cmの書誌を確認できます。公開情報では詳細な梗概を確認できなかったため、作品紹介は副題と書誌情報に限定します。
- 1651 1995 帰去来 ききょらい 『撃壌歌』『赤い兵馬俑』の間に位置する作品社刊の小説候補。NDLでISBN付き図書として確認。
- 1652 1995 地下鉄の軍曹 ちかてつのぐんそう NDLサーチで1995年4月刊、集英社、ISBN 4-08-774130-3の単行本として確認できる。
- 1653 1995 紅栗 べにぐり 『紅栗』は、SF翻訳家としても活動した冬川亘の短編小説で、新潮新人賞受賞作として登録されています。既存情報では詳細な筋は限られますが、翻訳・SF的想像力を背景にした作家の純文学的実作として位置づけられます。題名の色彩感と身体的な質感から、幻想性を含む短篇として分類しました。 第27回 新潮新人賞
- 1654 1995 夏至祭 なつしさい 『夏至祭』は、佐藤洋二郎が第17回野間文芸新人賞を受賞した作品です。既存データでは、九州の小さな漁港を舞台に、土地の祭りや共同体の記憶と個人の喪失を交錯させる長編として整理されています。講談社公式で受賞は確認できますが、出版社公式の梗概は未確認です。 第17回 野間新人賞
- 1655 1995 私小説 from left to right ししょうせつ ふろむ れふと とぅ らいと 『私小説 from left to right』は、アメリカに暮らす日本語話者の姉妹をめぐり、日本語と英語、縦書きと横書きの境界を作品形式そのものに組み込んだ私小説です。移動と翻訳の経験を、単なる海外生活の物語ではなく、どの言語で自分を語るのかという問いへ押し広げます。私小説の枠を借りながら、その制… 第17回 野間新人賞
- 1656 1995 ABC戦争 えーびーしーせんそう 『ABC戦争』は、阿部和重が1995年に講談社から刊行した初期作品集です。のちに『ABC戦争 plus 2 stories』として文庫化され、初期作をまとめた『ABC 阿部和重初期作品集』にも組み込まれました。
- 1657 1995 路地 ろじ 『路地』は、鎌倉の路地と古書肆を舞台に、廃業した店、老いた人々、去りゆく時間を描く連作短篇集です。大きな事件ではなく、町の細部や人の記憶に残る光景を積み重ねることで、失われていく生活の手触りを浮かび上がらせます。鎌倉という土地を、懐旧だけでなく老いと時間の問題として読むことができる作品です。 第33回 谷崎賞
- 1658 1995 アイルランドの道(楽しみの世紀末) あいるらんどのみちたのしみのせいきまつ 『アイルランドの道(楽しみの世紀末)』は、石田郁男による『群像』掲載記事です。NDLサーチで『群像』1995年10月号、p.329-331掲載を確認できます。記事分類には欧米文学・絵画関連が含まれますが、本文内容は未確認のため、内容説明は書誌情報の範囲に限定します。
- 1659 1995 テロリストのパラソル てろりすとのぱらそる 『テロリストのパラソル』は、新宿中央公園で起きた爆弾テロ事件に巻き込まれたバーテンダー・島村を主人公にした長篇です。過去を隠して生きてきた男のもとへ、かつての関係者や死んだ恋人の娘が現れ、事件の真相と主人公自身の記憶が重なっていきます。都市の暴力、過去から逃げること、ハードボイルド的な孤独を軸にした…
- 1660 1995 声の娼婦 こえのしょうふ NDLサーチで1995年1月刊、講談社、ISBN 4-06-207362-5の単行本として確認できる。
- 1661 1995 ドンツク囃子 どんつくばやし 『ドンツク囃子』は、瀧澤美恵子が1995年に角川書店から刊行した小説です。NDLサーチでは瀧澤美恵子(1939-2020)著、角川書店、1995年3月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1662 1995 はいぬしま はいぬしま 『はいぬしま』は、下井葉子が1995年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは下井葉子著、講談社、1995年8月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1663 1995 風の通る道 かぜのとおるみち 『風の通る道』は、既存登録の『野薔薇の道』『生命のかぎりに』と同じ著者の book-form 単著として確認できる。内容詳細は今回の書誌調査だけでは限定的なため、登録時は書誌中心の候補として扱う。
- 1664 1995 火の闇 ひのやみ 『火の闇』は、小浜清志が1995年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチで、集英社刊、ISBN 4-08-774116-8、NDC 913.6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1665 1995 億夜 『億夜』は、高樹のぶ子が1995年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1666 1995 花弁を光に透かして 『花弁を光に透かして』は、高樹のぶ子が1995年に朝日新聞社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1667 1995 水脈 『水脈』は、高樹のぶ子が1995年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1668 1995 12のトイレ 『12のトイレ』は、村田喜代子が1995年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1669 1994 アムリタ アムリタ 妹の死と頭部の怪我による記憶喪失を抱えた「私」が、弟の不思議なきざし、妹の恋人との関係、高知やサイパンへの旅を通じて、自分を取り戻せないまま世界を見つめていく長編。上巻紹介では「半分死んでいる」状態から生きることや幸福を感じ取る物語、下巻紹介では記憶の回復、出会いと別れ、生と死、幸福と孤独のあいだで…
- 1670 1994 五分後の世界 ごふんごのせかい 『五分後の世界』は、現在より五分だけ時間軸のずれたもう一つの地球に迷い込んだ小田桐を通じ、戦後日本の別の可能性を軍事的な想像力で描く長編です。幻冬舎文庫版の内容紹介では、硝煙と泥濘の中を行進する場面から、戦闘国家として歴史を刻んだ「もう一つの日本」が示されています。現実改変SFの枠組みを使いながら…
- 1671 1994 ハチ公の最後の恋人 ハチこうのさいごのこいびと 『ハチ公の最後の恋人』は、祖母の予言通りに出会った青年ハチと、その「最後の恋人」となる語り手の恋を描く長編です。恋愛の高揚だけでなく、別れや死の予感を含む関係の時間が、吉本ばなならしい柔らかな一人称で語られます。NDL書誌では1994年のメタローグ版が初期刊行として確認でき、中央公論社版は1996年…
- 1672 1994 マリカの永い夜・バリ夢日記 マリカのながいよる・バリゆめにっき 『マリカの永い夜/バリ夢日記』は、多重人格を抱えるマリカと精神科医ジュンコのバリ島での物語に、著者自身のバリ旅行記を組み合わせた作品です。幻冬舎公式は、聖域としてのバリ島で起こる愛の物語と、多重人格の悲しみと希望を描く小説として紹介しています。小説と紀行が接続され、旅先の神秘性と身体・人格の揺らぎが…
- 1673 1994 ねじまき鳥クロニクル ねじまきどりくろにくる 『ねじまき鳥クロニクル』は、失踪した猫と妻を探す岡田トオルが、私的な喪失から戦争の記憶と暴力の深部へ降りていく長編三部作です。第1部・第2部は1994年、第3部は1995年に新潮社から刊行されたことがNDL書誌で確認できます。日常の裂け目から歴史的暴力へ接続していく構成が、村上春樹の長編の中でも大き…
- 1674 1994 ピアッシング ピアッシング 『ピアッシング』は、強迫観念に駆られた男と、幼少期の傷を抱えた女性の一夜を描く心理サスペンスです。殺害計画という暴力的な筋立てを通じて、身体への衝動、虐待の記憶、他者との接触の危うさが前景化します。村上龍の作品群のなかでは、都市的な閉塞と身体感覚の異常な高まりを緊密に扱う長編として整理できます。
- 1675 1994 昭和歌謡大全集 しょうわかようだいぜんしゅう 『昭和歌謡大全集』は、昭和歌謡を愛する若者たちと中年女性たちの対立が、過剰な暴力へと転がっていく長編です。歌謡曲という共有された大衆文化を背景にしながら、世代間の断絶、空虚な仲間意識、殺し合いのブラックユーモアを結びつけます。村上龍らしい暴力性とポップな記号感覚が強く出た作品です。
- 1676 1994 バナールな現象 ばなーるなげんしょう 『バナールな現象』は、奥泉光が1994年に集英社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1677 1994 タイムスリップ・コンビナート たいむすりっぷ・こんびなーと 『タイムスリップ・コンビナート』は、自宅から海芝浦駅へ向かう道程で時間が前後にずれていく幻想的な芥川賞受賞作です。都市近郊の移動と時間感覚の攪乱を通じて、記憶、身体、場所の境界が不安定になっていきます。笙野頼子の自由奔放な文体と時間への感覚が凝縮された作品として整理できます。 第111回 芥川賞
- 1678 1994 おどるでく おどるでく 『おどるでく』は、室井光広が第111回芥川賞を受賞した作品です。既存データでは、ロシア文字で表音化された日本語の日記を主人公が翻訳していく、言語と記憶をめぐる実験的な小説として整理されています。日本文学振興会公式で受賞は確認できますが、内容説明は二次情報由来で、出版社公式の商品紹介は未確認です。 第111回 芥川賞
- 1679 1994 ファースト・ブルース ふぁーすと・ぶるーす 『ファースト・ブルース』は、松尾光治が第78回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは「第78回文学界新人賞決定発表--受賞作『ファースト・ブルース』松尾光治」として、『文學界』1994年6月号に掲載された発表記事を確認できます。オンラインで梗概や選評本文を確認できないため、内容面の説明は受賞・掲… 第78回 文學界新人賞
- 1680 1994 マイナス因子 まいなすいんし 『マイナス因子』は、木崎巴が第79回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは「第79回文学界新人賞発表--『マイナス因子』木崎巴」として、『文學界』1994年12月号に掲載された発表記事を確認できます。梗概や本文に基づく主題説明は未確認のため、現段階では受賞・掲載情報を中心に記録します。 第79回 文學界新人賞
- 1681 1994 アメリカの夜 あめりかのよる 『アメリカの夜』は、映画学校を卒業した中山唯生が、アルバイト生活の閉塞感のなかで「特別な存在」であろうとして身体を鍛え、思索を深めていく物語です。講談社公式の商品紹介は、芸術を志す若者の自己像への執着と、閉塞した社会のなかで本当に目指すべき存在を問う作品として説明している。映画・芸術への志向、身体… 第37回 群像新人賞
- 1682 1994 首飾り くびかざり 『首飾り』は、雨森零のデビュー作にあたる第31回文藝賞受賞作です。公開情報では作品内容の詳細な梗概は確認しにくいものの、既存資料では文藝時評で才能を評価された作品として記録されています。山形県文学全集への収録も確認され、地方の文学史上の文脈でも参照される作品です。 第31回 文藝賞
- 1683 1994 二百回忌 にひゃっかいき 『二百回忌』は、父方の家で催される法事に「私」が出席するところから、死者も参列する異様な場へ入り込んでいく笙野頼子の作品です。家と血縁、死者の記憶、時間の歪みが、幻想的かつ祝祭的な空間として立ち上がります。現実と死者の世界を地続きに扱う点に、笙野作品らしい実験性があります。 第7回 三島賞
- 1684 1994 緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道 みどりいろのにごったおちゃあるいはこうふくのさんぽみち 『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』は、山本昌代が第8回三島由紀夫賞を受賞した作品です。既存データでは、難病で下半身が不自由な鱈子と家族の日常を淡々と描く中編として整理されています。新潮社公式で受賞は確認できますが、内容紹介はWikipedia中心のため低確信です。 第8回 三島賞
- 1685 1994 虹の岬 にじのみさき 『虹の岬』は、大企業の要職を辞した男と京都大学教授夫人との長い情愛を描く恋愛長篇です。加賀平野の鶴来を主な舞台に、二十五年に及ぶ関係、人生の決断、喪失の感覚が静かな文体で重ねられます。中央公論新社公式で谷崎潤一郎賞受賞は確認できますが、内容説明は既存梗概と二次情報に依拠しています。 第30回 谷崎賞
- 1686 1994 みのむし みのむし 『みのむし』は、農家の老いた夫婦が蓑虫を題材にした短い会話を交わす中で、生命の儚さと互いへの愛着を浮かび上がらせる短篇です。三浦哲郎の短篇集モザイクシリーズの一作として登録され、日常の小さな対象から老いと家族の時間を静かに描きます。内容説明は既存梗概に依拠しており、出版社公式の作品紹介は今回確認でき… 第22回 川端賞
- 1687 1994 密やかな結晶 ひそやかなけっしょう NDLサーチで1994年1月刊の講談社版単行本、1999年講談社文庫版、2020年刊行版を確認できる。既登録の初期芥川賞作と代表的ベストセラーの間を補う候補。
- 1688 1994 桃物語 ももものがたり 1994年刊。タイトル上、昔話/物語の再話・変奏の可能性がある。
- 1689 1994 食べる女 たべるおんな 1994年刊。食と女性を主題に含む可能性が高い。
- 1690 1994 群体 『群体』は、藤原智美が芥川賞受賞作『運転士』の後に講談社から刊行した長篇小説です。ウォーターフロントの高層インテリジェントビルで発見された大きなネズミを発端に、社内の噂が情報パニックへと膨張していく過程を描きます。講談社公式ページでは、群像掲載作「森番」を改題した作品として紹介されています。
- 1691 1994 猫又拾遺 ねこまたしゅうい 既存登録の『おどるでく』『あとは野となれ』以外に確認できる室井光広の book-form work 候補。
- 1692 1994 メタリック めたりっく 『メタリック』は、別唐晶司が1994年に新潮社から刊行した小説です。NDLサーチで、新潮社刊、ISBN 4-10-396401-4の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1693 1994 死者たちのフェアウェイ ししゃたちのふぇあうぇい 『死者たちのフェアウェイ』は、高橋一起が1994年に福武書店から刊行した小説です。NDLサーチで、福武書店刊、ISBN 4-8288-1741-7の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1694 1994 夢見る貝の伝記 ゆめみるかいのでんき 『夢見る貝の伝記』は、吉目木晴彦が1994年に講談社から刊行した小説作品です。講談社公式、Books/JPRO、NDLサーチ、Amazonの商品ページで書誌を確認しました。
- 1695 1994 熱 『熱』は、高樹のぶ子が1994年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1696 1994 蔦燃 『蔦燃』は、高樹のぶ子が1994年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1697 1994 蕨野行 『蕨野行』は、村田喜代子が1994年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1698 1993 エクスタシー エクスタシー 『エクスタシー』は、ニューヨークで出会った謎めいた日本人ホームレスをきっかけに、主人公が快楽と暴力のゲームへ巻き込まれていく長編です。集英社公式は、ゴッホの耳をめぐる問いから始まる不思議な出会いと、果てしなく反復される「恍惚のゲーム」を紹介している。身体、性、ドラッグをめぐる過激な素材を、村上龍らし…
- 1699 1993 燃えあがる緑の木 もえあがるみどりのき 『燃えあがる緑の木』は、大江健三郎が四国の森の村を舞台に、共同体、信仰、救済をめぐって展開した三部作です。第1部『「救い主」が殴られるまで』から始まり、「救い主」と呼ばれる青年をめぐる期待と暴力、魂の再生への問いが重ねられます。後期大江の宗教的・共同体的想像力を読むうえで重要な長編群です。
- 1700 1993 とかげ とかげ 『とかげ』は、吉本ばななが1993年に新潮社から刊行した短篇集です。既存データの通り、癒しや時間、記憶をめぐる六篇を収め、日常の中の傷や回復の気配を平明な文体で扱います。短い作品群を通して、恋愛や喪失のあとに残る身体感覚と静かな再生を読むことができます。
- 1701 1993 寂寥郊野 じゃくりょうこうや 『寂寥郊野』は、吉目木晴彦が第109回芥川賞を受賞した中編です。既存データでは、アメリカ在住の日本人女性がアルツハイマー症を発症し、当事者と家族の苦悩や愛情を描く作品として整理されています。日本文学振興会公式で受賞は確認できますが、内容説明は二次情報由来のため、細部は追加確認が必要です。 第109回 芥川賞
- 1702 1993 石の来歴 いしのらいれき 『石の来歴』は、奥泉光が第110回芥川賞を受賞した中編小説です。既存データでは、第二次大戦中から戦後にわたる男の人生と一個の石をめぐり、戦争経験と記憶の層が交錯する作品として整理されています。日本文学振興会公式で芥川賞受賞は確認できますが、今回確認できた出典は受賞・初出情報が中心で、細部の内容説明は… 第110回 芥川賞
- 1703 1993 無人車 むじんしゃ 『無人車』は、高林杳子が第76回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは受賞作発表記事と『文學界』1993年6月号の書誌を確認できます。詳細なあらすじ・書評は今回確認できなかったため、題名から内容を推測せず、受賞・掲載情報を中心に記録します。 第76回 文學界新人賞
- 1704 1993 冗談関係のメモリアル じょうだんかんけいのめもりある 『冗談関係のメモリアル』は、中村邦生が第77回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは受賞作発表記事と『文學界』1993年12月号の書誌を確認できます。題名から、冗談や記憶をめぐる人間関係を扱う作品と見られますが、内容の詳細は未確認です。 第77回 文學界新人賞
- 1705 1993 壊音 KAI-ON かいおん 『壊音 KAI-ON』は、高校生の少女が自分の身体感覚の崩壊と再生をたどるデビュー作です。若い身体と精神の不安定さを、音や感覚の乱れとして捉える作品として整理できます。17歳で文學界新人賞を受賞した篠原一の初期代表作で、1995年に文藝春秋から単行本化されました。 第77回 文學界新人賞
- 1706 1993 グローイングアップ ぐろーいんぐあっぷ 『グローイングアップ』は、文学賞データベースの作家別受賞歴で第12回潮賞候補作として確認できる松尾光治の作品です。NDLサーチでは個別記事を確認できなかったため、内容説明は保留します。
- 1707 1993 暗い森を抜けるための方法 くらいもりをぬけるためのほうほう 『暗い森を抜けるための方法』は、足立浩二が第36回群像新人文学賞の小説優秀作となった作品です。NDLでは『群像』1993年6月号と受賞発表記事を確認しました。暗い森を抜けるという題名が示す閉塞と脱出のイメージは明確ですが、具体的な筋は未確認です。
- 1708 1993 氷の海のガレオン こおりのうみのがれおん 『氷の海のガレオン』は、木地雅映子が第36回群像新人文学賞の小説優秀作となった作品です。講談社公式の受賞者履歴で、作品名・著者名を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容や舞台の説明は保留します。
- 1709 1993 19分25秒 じゅうきゅうふんにじゅうごびょう 『19分25秒』は、引間徹が第17回すばる文学賞を受賞した作品です。既存データでは競歩の選手を題材に、義足の競歩選手との出会いを通じて青年が自分の人生を問い直す小説として整理されています。確認できた公開出典は賞歴・候補歴が中心で、内容紹介は既存調査に基づくため、分類の根拠は限定的です。 第17回 すばる文学賞
- 1710 1993 骸骨山脈 がいこつさんみゃく 『骸骨山脈』は、野間井淳が第25回新潮新人賞を受賞した作品です。NDLでは『新潮』1993年11月号と受賞作発表記事を確認できますが、具体的な筋や書評は今回確認できませんでした。題名の死や山岳のイメージを手がかりにした分類は暫定です。 第25回 新潮新人賞
- 1711 1993 日本の家郷 にほんのかきょう 『日本の家郷』は、福田和也が第6回三島由紀夫賞を受賞した評論集です。既存データでは、近代日本の精神史・文化史を保守主義的視座から読み解く論考として整理されています。新潮社公式で三島賞受賞は確認できますが、内容紹介は主に二次情報由来です。 第6回 三島賞
- 1712 1993 ノヴァーリスの引用 のゔぁーりすのいんよう 『ノヴァーリスの引用』は、奥泉光が第15回野間文芸新人賞を受賞した作品です。既存データでは、恩師の葬儀で集まった旧大学仲間が、過去の研究仲間の死の謎をめぐって推理を重ねるメタミステリーとして整理されています。講談社公式で受賞は確認できますが、梗概は二次情報由来です。 第15回 野間新人賞
- 1713 1993 草の上の朝食 くさのうえのちょうしょく 『草の上の朝食』は、保坂和志が第15回野間文芸新人賞を受賞した作品です。既存データでは『プレーンソング』の続編として、鎌倉を舞台にゆるやかな日常と複数人物の意識を描く初期代表作として整理されています。講談社公式で受賞は確認できますが、内容紹介はWikipedia中心のため注意が必要です。 第15回 野間新人賞
- 1714 1993 私の自叙伝前篇 わたしのじじょでん ぜんぺん 『私の自叙伝前篇』は、テレビアニメ制作の現場に関わる若者を主人公に、自伝的色彩の強い素材を小説化した作品です。仕事への逡巡、創作の現場、自己像の揺らぎが、乾いた私小説的な語りで結びつきます。講談社公式で野間文芸新人賞受賞は確認できますが、内容説明は既存梗概と二次情報に依拠しています。 第16回 野間新人賞
- 1715 1993 マシアス・ギリの失脚 ましあす・ぎりのしっきゃく 『マシアス・ギリの失脚』は、池澤夏樹が第29回谷崎潤一郎賞を受賞した長篇です。既存データでは、赤道近くの架空の島国を舞台に、独裁的権力者をめぐる政治的陰謀と日本からの慰霊団行方不明事件を重ねる作品として整理されています。中央公論新社公式で受賞事実と新潮社刊であることを確認できますが、梗概細部は主に二… 第29回 谷崎賞
- 1716 1993 セミの追憶 せみのついおく 『セミの追憶』は、古山高麗雄が第21回川端康成文学賞を受賞した短編です。既存データでは、戦時の記憶とセミの声を結びつけ、従軍体験を持つ作家が生き残った者の記憶と罪責感を描く作品として整理されています。今回確認できた出典は受賞・初出情報が中心で、内容紹介は既存調査由来として扱います。 第21回 川端賞
- 1717 1993 ぼくは勉強ができない ぼくはべんきょうができない 学校・若者を扱う山田詠美の代表的 book-form work 候補。作品内容の詳細は出版社ページ等で追加確認したい。
- 1718 1993 淀川にちかい町から ヨドガワ ニ チカイ マチ カラ 土地・記憶・生活感覚を扱う作品として、既収録作品の地域性を補う候補。
- 1719 1993 深い河 でぃーぷりばー NDLサーチで1993年6月刊、講談社、ISBN 4-06-206342-5の単行本として確認できる。
- 1720 1993 解体屋外伝 かいたいやがいでん 1993年に講談社から刊行、2013年に河出書房新社の「いとうせいこうレトロスペクティブ」として復刊。Books/JPROは「洗脳のプロ・洗濯屋」と「洗脳外しのプロ・解体屋」の闘いとして紹介している。
- 1721 1993 デッドシティ・レイディオ 『デッドシティ・レイディオ』は、清水アリカの小説単行本です。NDLサーチでは1993年9月に集英社から刊行された197ページの図書、NDC8 913.6として確認できます。出版書誌データベースでも、ISBN 9784087740271、4-6判、200ページ、1993年発行の書誌が確認できます。
- 1722 1993 マリア まりあ 『マリア』は、川本俊二が河出書房新社から1993年に刊行した書き下ろし小説です。河出書房新社公式ページでは、謎の女・秋恵に体を売りながら、亡き母に似た少女へ惹かれていく16歳の卓美をめぐる作品として紹介されています。母性への希求と性の目覚めが重なる思春期の揺らぎを、文藝賞作家の受賞後第一作として描く…
- 1723 1993 前へ、進め マエ エ ススメ 1993年に講談社から刊行された佐藤洋二郎の単著図書。既登録作とは別の初期長篇候補。
- 1724 1993 人人人人 ひとひとひとひと 『人人人人』は、中山幸太が1993年に国書刊行会から刊行した小説です。NDLサーチで、国書刊行会刊、ISBN 4-336-03498-2の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1725 1993 海で三番目につよいもの 『海で三番目につよいもの』は、久間十義が1993年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1726 1993 湖底の森 『湖底の森』は、高樹のぶ子が1993年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1727 1993 銀河の雫 『銀河の雫』は、高樹のぶ子が1993年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1728 1993 花野 『花野』は、村田喜代子が1993年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1729 1992 イビサ イビサ 『イビサ』は、精神病院を退院したマチコが男に誘われてパリへ渡り、ドラッグ、セックス、アルコールに浸りながらモロッコ、バルセロナ、イビサ島へ漂流する物語です。海外の都市と身体の破滅感を通じて、自己を失いながらなお移動していく感覚を描きます。初期村上龍の暴力的な欲望と都市的な不安が濃く出た長篇です。
- 1730 1992 国境の南、太陽の西 こっきょうのみなみ、たいようのにし 『国境の南、太陽の西』は、バーを経営する主人公・始のもとに、幼なじみの謎めいた女性・島本さんが現れる恋愛長篇です。家庭と事業を持つ中年男性の安定が、過去の記憶と喪失感によって揺さぶられます。静かな一人称の語りで、欲望、後悔、取り返しのつかない時間を描きます。
- 1731 1992 蛇を殺す夜 へびをころすよる 『蛇を殺す夜』は、奥泉光が1992年に集英社から刊行した作品集です。著者ページでは「暴力の舟」「蛇を殺す夜」を収録する単行本として確認できます。
- 1732 1992 運転士 うんてんし 『運転士』は、郊外住宅地を走るバス運転士の日常を通じて、家族関係の崩壊と男性の内面を描く作品です。職業の反復的な動きと、家庭の不安定さが重なり、都市郊外の生活の閉塞感が浮かびます。藤原智美の社会観察眼が出た芥川賞受賞作です。 第107回 芥川賞
- 1733 1992 犬婿入り いぬむこいり 『犬婿入り』は、塾講師の女性が犬に変身した男性と同棲する物語を軸に、言語、身体、変身の主題を展開する作品です。民話的な想像力を現代の都市生活へ持ち込み、人間と動物、女と男、日本語と外部の境界を揺らします。多和田葉子の越境的で実験的な文体がよく現れた芥川賞受賞作です。 第108回 芥川賞
- 1734 1992 樹木内侵入臨床士 じゅもくないしんにゅうりんしょうし 『樹木内侵入臨床士』は、架空の職業をめぐる実験的な物語です。人間の身体や治療の感覚を、樹木の内部へ侵入するという奇妙な設定に置き換えています。現実的な職業小説ではなく、身体と自然の境界をずらす寓話として読むのが近い作品です。 第74回 文學界新人賞
- 1735 1992 春の手品師 はるのてじなし 『春の手品師』は、大島真寿美が第74回文學界新人賞を受賞したデビュー中篇です。名古屋を舞台に、ある関係性の始まりと変化を丁寧に描いた作品として既存調査で確認されています。恋愛や都市生活の気配を、清新な文体で扱う初期作品として位置づけられます。 第74回 文學界新人賞
- 1736 1992 ちょっとムカつくけれど、居心地のいい場所 ちょっとむかつくけれど、いごこちのいいばしょ 『ちょっとムカつくけれど、居心地のいい場所』は、伏本和代が第75回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは受賞作発表記事と『文學界』1992年12月号の書誌を確認できます。詳細な内容紹介・選評本文は未確認のため、作品内容の説明は受賞・掲載情報に限定します。 第75回 文學界新人賞
- 1737 1992 蹴飛ばせニューヨーク けとばせにゅーよーく 『蹴飛ばせニューヨーク』は、文学賞データベースの作家別受賞歴で第58回小説現代新人賞候補作として確認できる松尾光治の作品です。NDLサーチでは個別記事を確認できなかったため、内容説明は保留します。
- 1738 1992 鳩を食う はとをくう 『鳩を食う』は、中野勝が第35回群像新人文学賞の小説優秀作となった作品です。NDLでは『群像』1992年6月号と受賞発表記事を確認できますが、具体的なあらすじや批評は今回確認できませんでした。題名から主題や舞台を推測せず、現時点では受賞・掲載情報を中心に扱います。
- 1739 1992 音符 おんぷ 『音符』は、三浦恵が第29回文藝賞を受賞した作品です。NDLでは1993年河出書房新社版の単行本書誌と『文藝』1992年12月号の書誌を確認しました。音楽的な題名を持つ作品ですが、内容を詳述した信頼できる公開資料は今回確認できず、紹介は受賞・書誌中心です。 第29回 文藝賞
- 1740 1992 チューリップの誕生日 ちゅーりっぷのたんじょうび 『チューリップの誕生日』は、女子高生がロックバンドで活動する姿を描く青春小説です。音楽を通じて学校生活や仲間との関係が動き、若い身体感覚と自己表現への欲求が前面に出ます。すばる文学賞受賞作として、1990年代初頭の若い書き手の感性を示す作品です。 第16回 すばる文学賞
- 1741 1992 螺旋の肖像 らせんのしょうぞう 『螺旋の肖像』は、別唐晶司が第24回新潮新人賞を受賞したデビュー作です。医学研究科に在籍していた著者の経歴もあり、身体や認識をめぐる知的な題材が想起されますが、今回確認できた公開資料は受賞発表と掲載誌書誌が中心です。内容面は今後の追加調査が必要です。 第24回 新潮新人賞
- 1742 1992 カワサキタン かわさきたん 『カワサキタン』は、中山幸太が第24回新潮新人賞を受賞した作品です。新潮社公式の過去の受賞作品一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldで発表年と掲載誌情報を補助確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、既存記述にあった舞台・内容の推測は抑え、現時点では新人賞受賞作とし… 第24回 新潮新人賞
- 1743 1992 星条旗の聞こえない部屋 せいじょうきの きこえない へや 『星条旗の聞こえない部屋』は、1960年代後半の横浜で、アメリカ外交官の息子ベン・アイザックが領事館を飛び出し、東京をさまよう物語です。日英二言語の狭間で、自分がどこに属するのかを探る越境文学の先駆的作品です。日本語で書くことそのものが、主人公のアイデンティティの問いと重なっています。 第14回 野間新人賞
- 1744 1992 鹽壺の匙 しおつぼのさじ 『鹽壺の匙』は、「なんまんだあ絵」「白桃」「愚か者」などを収める車谷長吉の短篇集です。料理人や下足番としての経験、一族の記憶、身近な死を、私小説的で陰影の濃い文体で描きます。生活の卑近さと死の感覚が近接する、車谷文学の出発点となる作品集です。 第6回 三島賞
- 1745 1992 花に問え はなにとえ 『花に問え』は、念仏聖・一遍の生涯を追いながら、彼に出会った一人の女性の視点から信仰と無常を描く宗教小説です。歴史上の宗教者を題材にしつつ、信仰へ向かう心の揺れを抒情的にたどります。瀬戸内寂聴の宗教的主題と物語性が結びついた作品です。 第28回 谷崎賞
- 1746 1992 犬(影について・その一) いぬ かげについて そのいち 『犬(影について・その一)』は、「影」というモチーフをめぐる連作の第一作です。犬を通して人間の存在の輪郭を問い直し、視覚的で幻想的なイメージを重ねます。画家・装丁家でもある司修の感覚が、寓話的な短篇の形に反映された作品です。 第20回 川端賞
- 1747 1992 ケアレス・ラブ ケアレス・ラブ 『ケアレス・ラブ』は、結城真子が『ハッピーハウス』で文藝賞を受賞した後に刊行した第二作です。河出書房新社の公式紹介では、恋する前と恋した後の孤独を問い、“恋人商法”を取材して危険なアフター・ファイブを描いた表題作と、セールスマンの苦闘を描く「マンディ」を併録した作品集として紹介されています。
- 1748 1992 平成トム・ソーヤー へいせいとむ・そーやー 原田宗典の1990年代の単行本小説。青春小説・冒険小説的な読み筋で登録候補にできる。
- 1749 1992 画家小出楢重の肖像 ガカ コイデ ナラシゲ ノ ショウゾウ 美術・評伝的散文の候補。小説登録優先度は要判断だが、著者の代表的単著として有力。
- 1750 1992 エンドレス・ワルツ 『エンドレス・ワルツ』は、ジャズ奏者・阿部薫と作家・鈴木いづみをモデルに、互いを傷つけながら激しく求め合う男女の軌跡を描く稲葉真弓の長篇です。音、速度、言葉、身体の破滅的な交錯を通して、芸術と恋愛の境界にある熱と痛みを描きます。
- 1751 1992 あの空の色 あのそらのいろ 『あの空の色』は、芥川賞受賞作『至高聖所』後に刊行された松村栄子の単著です。書誌上は日本文学の随筆・散文に分類されるため、作品データへ追加する場合は小説枠ではなく、作家の初期散文集として慎重に位置づけるのがよい。
- 1752 1992 ブルース ぶるーす 角川書店から1992年8月に刊行された花村萬月の未登録単行本。
- 1753 1992 アイ・ラブ安吾 アイラブあんご 1992年刊。1995年に朝日文庫版も確認できる。
- 1754 1992 コジキ外伝 コジキがいでん 1992年刊。手製複製本ではなく岩波書店の一次刊本を候補化。
- 1755 1992 赤い橋の下のぬるい水 『赤い橋の下のぬるい水』は、辺見庸が文藝春秋から刊行した作品集です。表題作に加え、「ナイト・キャラバン」「ミュージック・ワイア」を収めます。身体性や欲望、社会の周縁にある人びとの気配を、現実の手触りと寓話的な濃さを行き来する文体で描いています。
- 1756 1992 田園風景 でんえんふうけい 『田園風景』は、坂上弘が1992年に講談社から刊行した短篇集の表題作です。NDLサーチでは、単行本に『短い一年』『巡回授業』『田園風景』『夏野』『こなゆき』『コネティカットの女』『寒桜』『向かいて聞く』『土手の秋』の9篇が収録されていることを確認できます。2008年には講談社文芸文庫で再刊され、同じ…
- 1757 1992 ヒ・ノ・マ・ル ひのまる 『ヒ・ノ・マ・ル』は、大岡玲が1992年に新潮社から刊行した長篇小説です。NDLサーチでは、新潮社1992年6月刊、213ページ、ISBN 4-10-386301-3の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概や初出誌は確認できなかったため、紹介は書誌情報を中心に整理しています。
- 1758 1992 遠い国からの殺人者 トオイ クニ カラ ノ サツジンシャ 1992年に文藝春秋から刊行された笹倉明の単著図書。海外翻訳版の検索ノイズがあるため、日本語単著のNDLレコードを採用する。
- 1759 1992 幼年記かがやく大気のなかで ヨウネンキ カガヤク タイキ ノ ナカ デ 1992年に農山漁村文化協会から刊行された笹山久三の単著。『四万十川』系の土地・幼年の主題を補う候補。
- 1760 1992 かく誘うものの何であろうとも かくさそうもののなんであろうとも NDLサーチで1992年3月刊、講談社、401ページ、ISBN 4-06-205661-5の単行本として確認できる。
- 1761 1992 チューリップ・ガーデンを夢みて ちゅーりっぷがーでんをゆめみて 『チューリップ・ガーデンを夢みて』は、新井千裕の未登録 book-form 候補です。今回の候補ではNDL・Books/JPROで確認できる書誌情報を中心に登録案化する。
- 1762 1992 ソーダ水の殺人者 そーだすいのさつじんしゃ 『ソーダ水の殺人者』は、題名からミステリ的な要素を持つ可能性がある新井千裕の未登録 book-form 候補です。今回の候補では書誌事実に限定して扱う。
- 1763 1992 再生 さいせい 『再生』は、田野武裕が1992年に新潮社から刊行した小説です。NDLサーチで、新潮社刊、ISBN 4-10-385201-1の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1764 1992 これは懺悔ではなく 『これは懺悔ではなく』は、高樹のぶ子が1992年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1765 1992 彩雲の峰 『彩雲の峰』は、高樹のぶ子が1992年に福武書店から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1766 1992 白い光の午後 『白い光の午後』は、高樹のぶ子が1992年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1767 1992 慶応わっふる日記 『慶応わっふる日記』は、村田喜代子が1992年に潮出版社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1768 1991 葦と百合 あしとゆり 『葦と百合』は、奥泉光が1991年に集英社から刊行した長編小説です。著者ページの著書一覧とNDLサーチのタイトル・著者検索で刊行情報を確認できます。
- 1769 1991 きらきらひかる キラキラ ヒカル 新潮社から1991年に刊行された江國香織の代表的長篇。既存 works.json には未収録。
- 1770 1991 自動起床装置 じどうきしょうそうち 『自動起床装置』は、通信社の仮眠室で眠る人々を起こす「起こし屋」を主人公にした作品です。眠りを管理する仕事を通して、現代の労働、身体、文明の疲弊を問います。ジャーナリストでもある辺見庸の観察眼と、実験的な文体が交差する芥川賞受賞作です。 第105回 芥川賞
- 1771 1991 背負い水 せおいみず 『背負い水』は、荻野アンナが三年連続候補を経て芥川賞を受けた作品です。ラブレー研究者としての言語感覚を背景に、肉体、性、笑いを奔放な語りで絡ませます。湿った私小説性よりも、身体と言葉がはねるようなユーモアが前面に出る作品です。 第105回 芥川賞
- 1772 1991 至高聖所(アバトーン) しこうせいしょ あばとーん 『至高聖所(アバトーン)』は、大学生活と若者の精神的な苦闘を叙情的に描く松村栄子の芥川賞受賞作です。親密な関係と孤独、学びの場での息苦しさを、若い語りの感覚で立ち上げます。『海燕』掲載作として芥川賞を受けた点でも、1990年代初頭の文芸誌環境を示す作品です。 第106回 芥川賞
- 1773 1991 海を渡る植物群 うみをわたるしょくぶつぐん 『海を渡る植物群』は、みどりゆうこが第72回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLで受賞作発表記事と『文學界』1991年6月号の書誌を確認できました。題名から越境や移動のイメージがうかがえますが、物語内容を具体的に確認できる公開資料は今回見つからず、紹介は書誌中心です。 第72回 文學界新人賞
- 1774 1991 名前のない表札 なまえのないひょうさつ 『名前のない表札』は、市村薫が第73回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは受賞作発表記事として掲載情報を確認できますが、詳細な内容紹介は今回確認できませんでした。題名から主題や舞台を推測せず、受賞・掲載情報を中心に記録します。 第73回 文學界新人賞
- 1775 1991 ドラゴンマンブルース どらごんまんぶるーす 『ドラゴンマンブルース』は、文学賞データベースの作家別受賞歴で第57回小説現代新人賞候補作として確認できる松尾光治の作品です。NDLサーチでは個別記事を確認できなかったため、内容説明は保留します。
- 1776 1991 タイム トライアル たいむとらいある 『タイム トライアル』は、高野亘の作品として『群像』1991年8月号の創作合評で取り上げられた作品です。NDLサーチの雑誌記事メタデータで、田久保英夫らによる創作合評記事タイトル中に作品名と著者名を確認できます。本文掲載情報や梗概は今回確認できないため、作品内容の説明は保留します。
- 1777 1991 かかとを失くして かかとをなくして 『かかとを失くして』は、ドイツ語圏に渡った日本人女性の言語と身体の変容を、夢幻的な語りで描く多和田葉子のデビュー作です。足元の感覚を失うというイメージが、母語の外へ出る不安や、身体の境界の揺らぎにつながっていきます。越境文学・エクソフォニーの出発点として重要な作品です。 第34回 群像新人賞
- 1778 1991 rose ローズ 『rose』は、大阪を舞台に、優柔不断な青年ノボルと二人の女性との関係を回想的に描く恋愛小説です。穏やかに接するケイコと、サディスティックな朱理という対照的な人物を通じて、欲望と受け身の関係が揺れます。バラの赤が象徴する感情の強さが、都市の恋愛の乾いた感覚と結びついています。 第28回 文藝賞
- 1779 1991 撃壌歌 げきじょうか 『撃壌歌』は、戦後の信州の農村を舞台に、少年の成長と土地の変化を描く二部構成の作品です。封建的な地主制度の残滓と高度成長期の足音が交差し、個人の青春が村の時間の変化と重なります。歴史美術を専門とする著者らしい、土地と記憶へのまなざしが特徴です。 第28回 文藝賞
- 1780 1991 予感 よかん 『予感』は、釉木淑乃が第15回すばる文学賞を受賞した作品です。NDLでは『すばる』1991年12月号の受賞作発表記事と、1992年集英社版の単行本書誌を確認できます。詳細なあらすじは今回確認できなかったため、紹介は新人賞受賞作としての位置づけに留めます。 第15回 すばる文学賞
- 1781 1991 十二階 じゅうにかい 『十二階』は、小口正明が第23回新潮新人賞を受賞した作品です。NDLでは『新潮』1991年11月号と受賞作発表記事を確認できる一方、詳細なあらすじや批評は今回確認できませんでした。作品内容の断定は避け、現時点では新人賞受賞作としての書誌情報を中心に扱います。 第23回 新潮新人賞
- 1782 1991 ア・ルース・ボーイ あ るーす ぼーい 『ア・ルース・ボーイ』は、名門進学校を中退した十七歳の少年が、恋人と暮らしながら肉体労働の現場へ入っていく青春小説です。学校から外れた少年が、働く身体と他者との関係を通じて自分の輪郭をつかんでいきます。佐伯一麦の自伝的要素を感じさせる、労働と成長の物語です。 第4回 三島賞
- 1783 1991 なにもしてない なにもしてない 『なにもしてない』は、生きている実感を求めて現実と幻想のあいだを往還するモノローグの世界を描く作品です。日常の停滞を、単なる無為ではなく、身体と意識がずれていく感覚として押し広げます。笙野頼子の前衛的な私小説性が強く現れた初期代表作です。 第13回 野間新人賞
- 1784 1991 やすらかに今はねむり給え やすらかにいまはねむりたまえ 『やすらかに今はねむり給え』は、長崎、上海、アメリカを背景に、被爆者としての記憶と海外体験を重ねる短篇集です。戦争の傷を大きな声で告発するだけでなく、戦後を生き続ける人物の静かな時間に沈めて描きます。林京子の原爆文学の系譜にあり、移動と記憶が響き合う一冊です。 第26回 谷崎賞
- 1785 1991 西行花伝 さいぎょうかでん 『西行花伝』は、平安末期の歌人・西行の生涯を、架空の弟子・藤原秋実の視点から描く大作歴史小説です。出家の謎、和歌、信仰、絶対美への希求が、貴族社会の精緻な描写の中で重なっていきます。歴史小説でありながら、芸術とは何かを問う思索小説として読めます。 第31回 谷崎賞
- 1786 1991 伯父の墓地 おじのぼち 『伯父の墓地』は、亡くなった伯父の墓参を題材に、生と死、記憶の連鎖を老境から見つめる短篇です。大きな事件を置かず、親族の記憶と墓地という場所から、時間の堆積を静かに浮かび上がらせます。安岡章太郎晩年の私小説的な成熟が感じられる作品です。 第18回 川端賞
- 1787 1991 お供え おそなえ 『お供え』は、盆棚の供え物をめぐって、生者と死者の境界が奇妙に揺らぐ幻想的な短篇です。家庭内の儀礼を起点に、死者への記憶、ユーモア、薄気味悪さが同居します。吉田知子らしい、日常のリアリズムを少しずつ異界へずらしていく語りが読みどころです。 第19回 川端賞
- 1788 1991 居酒屋ゆうれい いざかやゆうれい 題名から幽霊譚・日常の奇妙さを含む作品として読めるが、内容細部は候補段階では追加調査余地を残す。
- 1789 1991 トラッシュ とらっしゅ 山田詠美の1990年代初頭の book-form work 候補。内容・受賞の詳細は候補段階では補強余地あり。
- 1790 1991 母よ ははよ 1991年6月に講談社から刊行された本人単著。NDLのBooks系レコードおよび講談社文芸文庫版の書誌で確認できる。
- 1791 1991 カフカの外套 かふかのがいとう 『カフカの外套』は、文学者名を題名に含む新井満の未登録 book-form 候補です。文芸誌掲載や文芸書評記事もNDLで見えるが、候補では単行本書誌を基礎情報にする。
- 1792 1991 ワールズ・エンド・ガーデン わーるず・えんど・がーでん 1991年に新潮社から刊行され、2013年に河出書房新社の「いとうせいこうレトロスペクティブ」として復刊された小説。Books/JPROの復刊版内容紹介は、引用・リピート・連想、ゲーム、コトバの混沌、トーキョーの焦燥と昂揚を強調している。
- 1793 1991 琥珀の町 こはくのまち NDLサーチで1991年2月刊、河出書房新社、ISBN 4-309-00668-Xの単行本として確認できる。
- 1794 1991 ブリューゲル、飛んだ ブリューゲルとんだ 1991年刊。1994年に新潮文庫版も確認できる。
- 1795 1991 優しい碇泊地 ヤサシイ テイハクチ 1991年に福武書店から刊行された坂上弘の単著図書。NDL、Books/JPRO、Amazonで書誌を確認した。
- 1796 1991 黄土の夢 おうどのゆめ 福武書店から1991年1月に刊行された笠原淳の未登録単行本。
- 1797 1991 異郷のマーテル いきょうのまーてる 『異郷のマーテル』は、笹倉明が1991年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチでは笹倉明著、集英社、1991年7月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1798 1991 0回帰線 ぜろかいきせん NDLサーチで1991年6月刊、集英社、253ページ、ISBN 4-08-772795-5の単行本として確認できる。
- 1799 1991 天国の水族館 てんごくのすいぞくかん 『天国の水族館』は、既存登録の『復活祭のためのレクイエム』『逆さ馬のメリーゴーラウンド』以外の新井千裕 book-form 候補です。内容詳細は追加確認が望ましいが、著者・出版社・刊行年はNDLで確認できる。
- 1800 1991 言葉が消えた! ことばがきえた 『言葉が消えた!』は、早野貢司が1991年に風媒社から刊行した手記です。副題は「失語症と闘う新人賞作家の手記」。NDLサーチで、著者名、刊行年、出版社、NDC 916を確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、内容説明は書誌情報に限定します。
- 1801 1991 誇り高き人々 ほこりたかきひとびと 『誇り高き人々』は、吉目木晴彦が1991年に講談社から刊行した小説作品です。講談社公式、Books/JPRO、NDLサーチ、Amazonの商品ページで書誌を確認しました。
- 1802 1991 哀歌は流れる 『哀歌は流れる』は、高樹のぶ子が1991年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1803 1991 サザンスコール 『サザンスコール』は、高樹のぶ子が1991年に日本経済新聞社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1804 1991 耳納山交歓 『耳納山交歓』は、村田喜代子が1991年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1805 1991 真夜中の自転車 : 作品集 『真夜中の自転車 : 作品集』は、村田喜代子が1991年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1806 1990 N・P エヌ・ピー 『N・P』は、未完の遺作小説をめぐって、翻訳者の死の影に引き寄せられる若者たちを描く長篇です。小説内のテキストと現実の人間関係が絡み合い、恋愛、近親性、喪失の感覚が静かに濃くなっていきます。吉本ばなならしい平明な一人称の語りで、危うい関係の重さを軽やかな文体に沈めています。
- 1807 1990 静かな生活 しずかなせいかつ 『静かな生活』は、父の不在中、障害を持つ兄イーヨーと妹マーちゃんが暮らす日々を描く連作です。家族のケア、創作、日常の小さな秩序が、妹の視点を通して穏やかに語られます。大江健三郎の家族をめぐる作品群のなかでも、家庭内の静けさと緊張を同時に感じさせる一冊です。
- 1808 1990 TVピープル てれびぴーぷる 『TVピープル』は、表題作を中心に、都市生活の中へ説明のつかない存在や出来事が入り込む短篇集です。テレビ、飛行機、眠りといった日常的なモチーフが、孤独や現実感のずれを浮かび上がらせます。村上春樹の短篇らしく、平易な一人称の語りが不穏な寓話性へ滑っていく感覚が読みどころです。
- 1809 1990 わが人生の時の時 わがじんせいのときのとき 『わが人生の時の時』は、石原慎太郎が自身の人生の節目を小説として組み直した自伝的長篇です。作家・政治家としての自己像を、記憶をたどる私小説的な語りで扱います。NDLで新潮社1990年版の書誌を確認でき、紹介文は書誌と既存の短い概要に基づいています。
- 1810 1990 惑星P-13の秘密 わくせいピーじゅうさんのひみつ 『惑星P-13の秘密』は、二台の壊れたロボットが読み漁る架空の書物を集めたという体裁の作品集です。音楽、スポーツ、文学などの言説を断片化し、偽書やパロディとして再構成するメタフィクションになっています。高橋源一郎らしい、世界文学を遊びながら解体するユーモアが前面に出た一冊です。
- 1811 1990 滝 たき 『滝』は、奥泉光が1990年に集英社から刊行した初期作品集です。著者ページでは、のちに『その言葉を』へ改題され、同名作品を収録する単行本として確認できます。
- 1812 1990 村の名前 むらのなまえ 『村の名前』は、中国奥地を舞台に、ある村の名をめぐる記憶と謎を追う中篇です。旅と聞き書きのような手触りを持ちながら、地名が個人や共同体の歴史をどのように抱え込むかを幻想的に描きます。辻原登のデビュー期の越境感覚と、語りの迷宮性が読みどころです。 第103回 芥川賞
- 1813 1990 妊娠カレンダー にんしんかれんだー 『妊娠カレンダー』は、妊娠した姉とその夫と同居する「私」が、妊娠の経過を日々観察していく短篇です。生命の誕生を祝福だけでなく、匂い、食べ物、身体への嫌悪や違和感として描く点が際立ちます。淡々とした一人称の記録が、家族の親密さの裏にある不穏さを増幅します。 第104回 芥川賞
- 1814 1990 渇水 かっすい 『渇水』は、水道料金を滞納した家庭の給水停止に向かう水道局員・岩切俊作と、その家の子どもたちをめぐる中篇です。行政の仕事としての「停止」と、生活の水を断たれる人々の現実がぶつかります。乾いた社会派リアリズムで、貧困、労働、家庭の孤立を描く作品です。 第70回 文學界新人賞
- 1815 1990 狂いバチ、迷いバチ くるいバチ、まよいバチ 『狂いバチ、迷いバチ』は、竹野昌代が第71回文學界新人賞を受賞した作品です。NDLでは受賞作発表記事と『文學界』1990年12月号の書誌を確認できますが、公開された詳細なあらすじ・書評は今回確認できませんでした。題名の不穏さを含め、現時点では新人賞受賞作としての書誌的紹介を中心に扱います。 第71回 文學界新人賞
- 1816 1990 コンビニエンス ロゴス こんびにえんす ろごす 『コンビニエンス ロゴス』は、コンビニエンスストアを舞台に、商品・看板・会話が記号として氾濫する現代社会を描く作品です。労働の現場を扱いながら、消費社会の言葉が人間関係をどのように組み替えるかをポップに見せます。群像新人文学賞受賞作らしく、都市の日常を言語実験へ接続する点が読みどころです。 第33回 群像新人賞
- 1817 1990 青春デンデケデケデケ せいしゅんでんでけでけでけ 『青春デンデケデケデケ』は、1960年代の四国・観音寺で、ベンチャーズに憧れた高校生たちがバンドを組む青春小説です。方言まじりの軽快な語りと音楽への熱中が、地方の高校生活を明るく立ち上げます。懐かしさに寄りかかりすぎず、仲間と音を出す時間の高揚を描くところに魅力があります。 第27回 文藝賞
- 1818 1990 スプラッシュ すぷらっしゅ 『スプラッシュ』は、大鶴義丹が大学在学中に発表し、第14回すばる文学賞を受けたデビュー小説です。NDLサーチとPrizesworldで受賞発表記事・単行本書誌を確認できますが、作品内容を詳述した信頼できる公開資料は今回確認できませんでした。現時点では、若い書き手の登場を示す新人賞受賞作として紹介しま… 第14回 すばる文学賞
- 1819 1990 革命のためのサウンドトラック かくめいのためのさうんどとらっく 『革命のためのサウンドトラック』は、言葉が相手に届かず、ノイズのように増殖していく感覚を描く清水アリカのデビュー作です。筋を一直線に追わせるよりも、音、言葉、退廃的な気分を重ねて、都市の閉塞感を前景化します。言語への不信と終末的なムードが交差する、実験色の強い新人賞受賞作です。 第14回 すばる文学賞
- 1820 1990 キャプテンの星座 きゃぷてんのせいざ 『キャプテンの星座』は、市立動物園にゾウがやって来るという出来事をめぐり、動物園に関わる人々の思いと施設の歴史を描く作品です。動物園という公共的な場所を舞台に、働く人々や来園者の記憶が交差します。受賞発表記事と単行本書誌を確認できる一方、詳細な書評は今回確認できていません。 第14回 すばる文学賞
- 1821 1990 まり子のこと まりこのこと 『まり子のこと』は、第6回早稲田文学新人賞受賞作の一つとして「早稲田文学」1990年1月号に掲載された松崎美保の小説です。NDLサーチとCiNii Researchで、同回の受賞作発表記事に作品名・著者名が含まれることを確認できます。公開Webで梗概は確認できないため、内容面の断定は避けます。
- 1822 1990 ランタナの花の咲く頃に らんたなのはなのさくころに 『ランタナの花の咲く頃に』は、知的障害を持つ甥に見合い話が来るという設定から、家族と地域の関係を描く表題作を含む短篇集です。沖縄出身の長堂英吉が、障害者の結婚や家族の戸惑いを、硬い告発ではなくユーモアと温かみを交えて描きます。受賞時58歳という遅い文壇デビューも、作品の受け止められ方を特徴づけていま… 第22回 新潮新人賞
- 1823 1990 ドッグ・デイズ どっぐ・でいず 『ドッグ・デイズ』は、『新潮』1990年11月号に掲載された藤枝和則の新潮新人賞受賞作です。NDLでは受賞作発表記事と掲載誌の書誌を確認できる一方、筋や語り口を詳述した信頼できる公開資料は今回確認できませんでした。そのため、現時点の紹介は受賞作・デビュー作としての位置づけを中心に留めます。 第22回 新潮新人賞
- 1824 1990 世紀末鯨鯢記 せいきまつ げいげいき 『世紀末鯨鯢記』は、南氷洋の捕鯨船を舞台に、悪夢と現実がせめぎ合う奇想の長篇です。白鯨のモチーフを思わせる巨大な生きものへの執着を通じて、バブル期の狂騒や身体感覚の不安を寓話的に浮かび上がらせます。海上の閉じた空間が、現実離れした不穏さを強めています。 第3回 三島賞
- 1825 1990 ショート・サーキット しょーと さーきっと 『ショート・サーキット』は、電気工として働く人物の日常と内面を描く、佐伯一麦の初期連作短篇集です。肉体労働の現場、工具、疲労、生活の細部を通じて、働くことと自己を保つことの関係を見つめます。私小説的な語りのなかに、都市の労働者の孤独が乾いた手触りで残ります。 第12回 野間新人賞
- 1826 1990 じねんじょ じねんじょ 『じねんじょ』は、老いた農夫が山芋を掘る日常を通じて、土地への愛着と家族の距離を描く短篇です。大きな事件ではなく、手仕事と沈黙のなかに人生の時間を滲ませるところに味わいがあります。三浦哲郎らしい地方の生活感覚と、老いの静けさが凝縮されています。 第17回 川端賞
- 1827 1990 しょうがない人 しょうがないひと 初期から1990年代にかけての原田宗典の都市的ユーモア小説の流れに置ける単行本。
- 1828 1990 ゴッド・ブレイス物語 ごっど・ぶれいすものがたり 集英社から1990年2月に刊行された花村萬月の未登録単行本。
- 1829 1990 遊機体 ゆうきたい 1990年刊。既存の『背負い水』以前の単著候補。
- 1830 1990 続明暗 ぞくめいあん 1990年9月に筑摩書房から刊行された水村美苗の初期長篇。NDL書誌で単行本・新潮文庫版を確認でき、サピエ由来の要約では、漱石の未完作を74年ぶりに書き継いだ作品として紹介されている。
- 1831 1990 少年たちの終わらない夜 しょうねんたちのおわらないよる 『少年たちの終わらない夜』は、鷺沢萠が1990年に河出書房新社から刊行した青春小説です。出版社公式の新装文庫版紹介では、十代最後の夏を迎える少年たちに訪れる愛のきらめきと透明な陰り、八〇年代末の豊かさに照らされた夜が語られます。デビュー作『川べりの道』に続き、若者の不安ときらめきを繊細に描く初期鷺沢…
- 1832 1990 葉桜の日 ハザクラ ノ ヒ 1990年に新潮社から刊行された鷺沢萠の単著図書。既登録の初期作を補う候補。
- 1833 1990 ハッピー・バースデイ はっぴーばーすでい 『ハッピー・バースデイ』は、比留間久夫が1990年に河出書房新社から刊行した小説です。NDLサーチでは比留間久夫(1960-)著、河出書房新社、1990年11月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1834 1990 飢餓船 きがぶね 『飢餓船』は、笹山久三が1990年に河出書房新社から刊行した長篇小説です。NDLサーチでは河出書き下し長篇小説叢書、笹山久三(1950-)著、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1835 1990 クレソン くれそん 『クレソン』は、藤本恵子が1990年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは藤本恵子(1951-)著、講談社、1990年3月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1836 1990 カタルシス かたるしす 『カタルシス』は、本間洋平が1990年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチでは本間洋平著、集英社、1990年11月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1837 1990 宝島の幻灯館 たからじまのげんとうかん 『宝島の幻灯館』は、奈良裕明が1990年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチで、集英社刊、ISBN 4-08-772738-6の単行本として確認できます。公開Webで信頼できる梗概や初出誌を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1838 1990 エンドレス・マインド えんどれすまいんど 『エンドレス・マインド』は、若一光司が1990年にブレーンセンターから刊行した随筆集です。NDLサーチで『エンドレス・マインド : いつも心は震えている』として、著者名、出版社、刊行年、ISBN、NDC 914.6を確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は…
- 1839 1990 時を青く染めて 『時を青く染めて』は、高樹のぶ子が1990年に新潮社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1840 1990 霧の子午線 『霧の子午線』は、高樹のぶ子が1990年に中央公論社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1841 1990 白い山 : 作品集 『白い山 : 作品集』は、村田喜代子が1990年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1842 1989 人生の親戚 じんせいのしんせき 二人の息子を失った女性まり恵の苦難と魂の遍歴を描く大江健三郎の長編。喪失を抱えた人物が、宗教的・共同体的な問いに触れながら生を組み替えていく。大江後期の、家族の痛みと救済への希求が結びつく作品として読める。
- 1843 1989 ペンギン村に陽は落ちて ペンギンむらにひはおちて 高橋源一郎が1989年に刊行した、ポップカルチャーの記号と小説の語りを交差させる作品。題名からも分かるように、既存の文化記号をずらして使い、文学とメディアの境目を揺さぶる。筋よりも、引用、冗談、語りの脱線が作る運動を読む作品。
- 1844 1989 ラッフルズホテル ラッフルズホテル シンガポールの名門ホテルを思わせる空間を舞台に、旅、欲望、演技する自己を描く村上龍の作品。ホテルという非日常の場所が、登場人物の孤独や消費社会の空虚さを浮かび上がらせる。都市的で乾いた感触の中に、海外への視線と身体感覚が重なる。
- 1845 1989 白河夜船 しらかわよふね 眠りに沈んでいく女性たちを描く三篇を収めた作品集。恋愛、喪失、孤独が、眠りという身体の状態を通じて静かに語られる。吉本ばなな初期の透明な語りと、生死の境目に触れる感覚がよく表れた一冊。
- 1846 1989 TUGUMI つぐみ 海辺の町を舞台に、語り手まりあと、病弱で美しいが激しい気性を持つ少女つぐみの最後の夏を描く長編。家族経営の宿、海辺の時間、恋の予感、病と別れの気配が重なり、青春のまぶしさと残酷さが同時に立ち上がる。吉本ばなならしい平明な一人称で、親密な関係が永遠には続かないことを痛切に描く。
- 1847 1989 ネコババのいる町で ねこばばのいるまちで 『ネコババのいる町で』は、ロサンゼルスから一人で日本に送られた少女・恵里子が、祖母と叔母のもとで育つ姿を描く作品です。場面緘黙症を抱える少女にとって、隣家の猫たちとの関係が、言葉にならない孤独の受け皿になっていきます。移動、家族、言語化できない傷を、子どもの視界に近い静けさで描く点が読みどころです。 第69回 文學界新人賞
- 1848 1989 表層生活 ひょうそうせいかつ 『表層生活』は、都市に生きる現代人の浮遊した意識と、薄く接続された人間関係を描く中篇です。言葉や情報、自己意識が「表層」として流れていく感覚を通じて、実存の手応えのなさを問い直します。都市的な乾きと、テクノロジー時代の言語感覚が前面に出た作品です。 第102回 芥川賞
- 1849 1989 ソウル・トリップ そうる・とりっぷ 第68回文學界新人賞受賞作として『文學界』1989年6月号に掲載された作品。NDLサーチでは受賞作発表記事と掲載誌号を確認できる。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の分類は保留し、受賞掲載情報を中心に扱う。 第68回 文學界新人賞
- 1850 1989 流離譚 りゅうりたん 『流離譚』は、中村隆資のデビュー作にあたる第69回文學界新人賞受賞作です。題名が示すように、定住できない感覚や移動の経験を軸にした作品として整理できます。第102回芥川賞候補にもなり、1989年下半期の新人賞作品として注目されました。 第69回 文學界新人賞
- 1851 1989 走る男 はしるおとこ 『走る男』は、上原秀樹による第32回群像新人文学賞の小説優秀作です。NDLサーチで発表記事が確認でき、同記事には評論優秀作も併記されています。同年は当選作なしで優秀作のみの授賞として整理されており、作品内容の詳細は未確認です。
- 1852 1989 デンデラ野 でんでらの 『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』『応為坦坦録』以外の山本昌代の book-form work 候補。
- 1853 1989 YES・YES・YES いえす・いえす・いえす 『YES・YES・YES』は、新宿のゲイバーで働く青年ホストの日常と欲望を描く比留間久夫のデビュー作です。性の解放感と都市の夜の空気を前面に出し、当時の純文学にクィアな身体感覚を持ち込んだ作品として読めます。軽さと痛みが同居する、都市的な性の物語です。 第26回 文藝賞
- 1854 1989 ハッピーハウス はっぴーはうす 『ハッピーハウス』は、二十八歳で課長を務めるキャリアウーマン・高沢優子が、仕事と酒の日々の空虚さを抱えながら孤独に踊り続ける姿を描く作品です。バブル期の働く女性の成功と消耗を、ダンスマラソンのイメージに重ねて描きます。明るい題名の奥にある息苦しさが読みどころです。 第26回 文藝賞
- 1855 1989 スメル男 スメルおとこ 『スメル男』は、原田宗典が1989年に講談社から刊行した長篇小説です。講談社公式製品ページでは1989年4月18日発売、四六判、298ページ、ISBN 9784062043588として確認できます。NDLサーチでは1989年講談社版のほか、1992年の講談社文庫版も確認でき、原田宗典の初期長篇の一冊…
- 1856 1989 チン・ドン・ジャン ちん・どん・じゃん 第13回すばる文学賞の当選作として『すばる』1989年12月号に掲載された作品。NDLサーチでは受賞作発表記事、掲載誌号、1990年刊の集英社単行本書誌を確認できる。公開Webで梗概は確認できないため、内容や分類は題名から推測せず、受賞・刊行情報を中心に扱う。 第13回 すばる文学賞
- 1857 1989 ピアニシモ ぴあにしも 転校を繰り返してきた少年・氏家透の内側に住む分身ヒカルをめぐる、ドッペルゲンガー的な青春小説。少年の孤独とアイデンティティの揺らぎを、現実と内面の境目がにじむ語りで描く。第13回すばる文学賞当選作として発表された辻仁成の小説デビュー作で、同回の発表記事はNDLサーチで確認できる。 第13回 すばる文学賞
- 1858 1989 夢よりもっと現実的なお伽噺 ゆめよりもっとげんじつてきなおとぎばなし 第13回すばる文学賞佳作として『すばる』1989年12月号に掲載された作品。NDLサーチでは同回発表記事と掲載誌号を確認できる。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、内容紹介は受賞掲載情報に限定し、主題・舞台・語り口は今後の確認に回す。
- 1859 1989 「書く喜び」を語りあう かくよろこびをかたりあう 『「書く喜び」を語りあう』は、上田理恵が井上荒野・野坂麻央とともに『すばる』1989年8月号に掲載した対論記事です。NDLサーチで、著者名、掲載誌、掲載ページを確認できます。公開Webで本文内容を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。
- 1860 1989 縄文流 じょうもんりゅう 警備員と妻カリンちゃんの日常を、過激で滑稽な文体で描いた作品。既存梗概では、選考委員の笑いを誘ったとされるほど、生活の卑近さと文体の勢いが前面に出る。労働と夫婦の生活を、通常のリアリズムからずらしたユーモラスな語りで押し出す作品として読める。 第21回 新潮新人賞
- 1861 1989 アンモナイトをさがしに行こう アンモナイト オ サガシニ イコウ 1989年刊の福武書店単行本。家族・記憶・日常の主題を広げる候補。
- 1862 1989 さして重要でない一日 さしてじゅうようでないいちにち 会社で「社内局」経由の会議資料を回収することになった人物が、どこにあるのか誰も知らない部署を探して会社という迷宮をさまよう一日を描く。講談社の内容紹介は、困惑の一日を会社内の不条理な探索として示している。職場の制度や組織の見えにくさを、ユーモアと不穏さのある寓話として読ませる作品。 第11回 野間新人賞
- 1863 1989 純愛映画・山田さん日記 じゅんあいえいが やまださんにっき 『純愛映画・山田さん日記』は、竹野雅人が1989年に刊行した小説単行本です。NDLサーチでは福武書店1989年1月刊、出版書誌データベースでは『純愛映画/山田さん日記』としてベネッセコーポレーション刊、B6判249ページと確認できます。1996年には福武文庫から『山田さん日記』の書誌も確認できます。
- 1864 1989 カリフォルニアの歌 カリフォルニア ノ ウタ 1989年に福武書店から刊行された三浦清宏の単著図書。既登録作とは別の海外・異文化系候補。
- 1865 1989 青山ナンパな物語 あおやまなんぱなものがたり 『青山ナンパな物語』は、赤羽建美が1989年に実業之日本社から刊行した小説です。NDLサーチでは赤羽建美(1944-)著、実業之日本社、1989年12月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1866 1989 踊り初め : 私家版初期作品集 おどりぞめ しかばんしょきさくひんしゅう 『踊り初め : 私家版初期作品集』は、三神弘が1989年に私家版として刊行した初期作品集です。NDLサーチでは三神弘著、三神弘刊、179ページ、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1867 1989 聖マリア・らぷそでぃ 『聖マリア・らぷそでぃ』は、久間十義が1989年に河出書房新社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1868 1989 ルームメイト 『ルームメイト』は、村田喜代子が1989年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1869 1989 黄昏のストーム・シーディング たそがれのすとーむしーでぃんぐ 『黄昏のストーム・シーディング』は、大岡玲が1989年に文藝春秋から刊行した初期の長篇です。タイトルが示す人工的な気象操作のイメージを背景に、時代の不安や青年の感覚を小説へ移し替える作品として整理できます。今回確認できた公開情報は書誌と受賞歴が中心のため、内容紹介は抑制的に記録します。 第2回 三島賞
- 1870 1988 ダンス・ダンス・ダンス だんす・だんす・だんす 『羊をめぐる冒険』の後日談として、「僕」が札幌のイルカホテルを再訪し、失われた女性や過去の気配を追っていく長編。現実のホテル、芸能界、ハワイ、羊男のいる異界がつながり、踊り続けることだけが世界との接続の方法として示される。1980年代の都市的な消費社会を背景に、喪失、記憶、孤独を冒険小説のリズムでた…
- 1871 1988 哀しい予感 かなしいよかん 記憶の空白を抱えた少女が、風変わりな親族の家で自分の過去へ近づいていく長編。家族の秘密、喪失、直感のような感覚が、吉本ばなな初期作らしい静かな語りで結びつく。大きな事件よりも、眠りや気配に近い感情の変化を読む作品。
- 1872 1988 キルプの軍団 キルプのぐんだん 大江健三郎が1988年前後に発表した作品で、寓話的な構図と共同体への問いを含む後期作品群の一つ。公開書誌では全小説・小説集への収録も確認でき、単独作としてだけでなく大江の長い創作系列の中で読む必要がある。内容細部の公開情報は限定的なため、紹介は現段階では主題の方向づけにとどめる。
- 1873 1988 村上龍料理小説集 むらかみりゅうりょうりしょうせつしゅう 料理を軸に、欲望、記憶、身体感覚を結びつける村上龍の短篇集。食べることが単なる生活描写ではなく、性、旅、階層、感覚の鋭さを呼び出す装置として働く。村上龍の官能的な文体を、暴力よりも味覚と記憶の側から読める作品集。
- 1874 1988 トパーズ トパーズ SMクラブで働く女性たちの身体、欲望、孤独を都市の夜の中に描く村上龍の作品。性の描写は刺激としてだけでなく、支配、痛み、金銭、自己感覚をめぐる問いとして機能する。乾いた文体で、バブル期都市の消費と身体の商品化を突きつける。
- 1875 1988 うたかた/サンクチュアリ うたかた/サンクチュアリ 吉本ばななの初期作品集で、「うたかた」と「サンクチュアリ」を併録する。喪失や恋愛、居場所をめぐる不安を、柔らかく透明な語り口で描く。日常の小さな違和感から、生死のあわいや心の避難場所へ入っていく初期吉本作品らしさがある。
- 1876 1988 尋ね人の時間 たずねびとのじかん 『尋ね人の時間』は、別れた妻子や死別した妹、好意を寄せる女性との距離を抱えたカメラマンの意識を追う作品です。都会で自分を見失った人物の感覚が、詩的で短い文の連なりとして表現されます。喪失を過剰に劇化せず、削ぎ落とした言葉で浮遊感を残す点が特徴です。 第99回 芥川賞
- 1877 1988 由煕 ゆひ 『由煕』は、韓国に留学した在日韓国人女性・由煕が、理想化していた「祖国」と現実の韓国語・韓国社会のずれに苦しむ姿を描く中篇です。日本語と韓国語のあいだで裂かれる自己認識が、言葉の問題としても身体感覚としても迫ってきます。越境やアイデンティティを、外側から説明するのでなく当事者の息苦しさとして読ませる… 第100回 芥川賞
- 1878 1988 ダイヤモンドダスト だいやもんどだすと 『ダイヤモンドダスト』は、信州の病院に勤務する医師が末期患者の死と向き合う日々を描く短篇です。医療現場の現実を過度に説明せず、死のそばにある静けさや、凍った水蒸気が光る表題のイメージを重ねていきます。病と死を扱いながら、情緒に流されない抑制された文体が印象に残ります。 第100回 芥川賞
- 1879 1988 四日間 よっかかん 『四日間』は、坂谷照美による第66回文學界新人賞受賞作です。NDLサーチでは受賞作発表記事の題名に『4日間』と表記され、小浜清志『風の河』との同時受賞として確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の説明は掲載・受賞情報に限定します。 第66回 文學界新人賞
- 1880 1988 風の河 かぜのかわ 『風の河』は、小浜清志による第66回文學界新人賞受賞作です。坂谷照美『四日間』との同時受賞作として、NDLサーチで受賞作発表記事が確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、題名から内容を推測せず、受賞・掲載情報を中心に扱います。 第66回 文學界新人賞
- 1881 1988 夏の果て なつのはて 『夏の果て』は、浜口隆義による第67回文學界新人賞受賞作です。梶井俊介『僕であるための旅』との同時受賞作として、NDLサーチで受賞作発表記事が確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容は推測せず、受賞・掲載情報を中心に紹介します。 第67回 文學界新人賞
- 1882 1988 僕であるための旅 ぼくであるためのたび 『僕であるための旅』は、梶井俊介による第67回文學界新人賞受賞作です。浜口隆義『夏の果て』との同時受賞作として、NDLサーチで受賞作発表記事が確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、題名から内容を推測せず、受賞・掲載情報に限定して整理します。 第67回 文學界新人賞
- 1883 1988 アルチュール・エリソンの素描 あるちゅーる・えりそんのそびょう 『アルチュール・エリソンの素描』は、第31回群像新人文学賞の小説当選作として確認できる石田郁男の作品です。講談社公式の受賞作一覧では、1988年発表号の当選作として作品名・著者名・受賞回を確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から人物像や舞台を推測せず、受賞情報中心に扱い… 第31回 群像新人賞
- 1884 1988 イノセントガール いのせんとがーる 『イノセントガール』は、高校生ながら人気作詞家として活動する大野亜蓮を主人公にした青春小説です。河出書房新社の内容紹介では、純真無垢な心と妥協を知らない激しい気性を持つ少女の、ひたむきな恋の物語として紹介されています。作家・表現者としての早熟さと、十代の恋愛感情の揺れを重ねて読める作品です。
- 1885 1988 少年アリス しょうねんありす 『少年アリス』は、耽美的で幻想的な世界に生きる少年たちを描く長野まゆみのデビュー作です。物語の筋よりも、詩的な言葉、異界的な舞台、少年たちの気配が作品世界を形づくります。以後の長野作品に通じる、美しく閉じた幻想世界の原点として読めます。 第25回 文藝賞
- 1886 1988 汝ふたたび故郷へ帰れず なんじふたたびこきょうへかえれず 『汝ふたたび故郷へ帰れず』は、飯嶋和一のデビュー作です。現代の苦境に置かれた人物を描く作品として整理され、後に歴史小説へ大きく展開する作家の初期の問題意識をうかがわせます。故郷への帰還不能という題が、喪失と自己の行き場のなさを強く示しています。 第25回 文藝賞
- 1887 1988 温かな素足 あたたかなすあし 『温かな素足』は、上田理恵による第20回新潮新人賞受賞作です。NDLサーチで受賞作発表記事が確認でき、『新潮』1988年11月号掲載の新人賞作品として整理できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲載事実に限定します。 第20回 新潮新人賞
- 1888 1988 七色の逃げ水 なないろのにげみず 1988年11月に講談社から刊行された本人単著をNDLで確認。1989年の文芸時評インタビューにも作品名が現れる。
- 1889 1988 サンセット・ビーチ・ホテル さんせっとびーちほてる 『サンセット・ビーチ・ホテル』は、既存登録の『尋ね人の時間』『ヴェクサシオン』以外の新井満 book-form 候補です。今回の候補ではNDL・Books/JPROで確認できる書誌情報を中心に扱う。
- 1890 1988 ルイジアナ杭打ち るいじあなくいうち 父の仕事の都合でルイジアナ州バトンルージュに暮らす日々を、少年の目を通して書きとめた短篇集。紀伊國屋書店の紹介では、深南部に住む異邦人としての非適応感覚を、クールさとユーモアを交えて捉えた作品とされる。移住先の風物、家族、周囲の人々との距離感が、記憶と越境の物語になっている。 第10回 野間新人賞
- 1891 1988 インド綿の服 いんどめんのふく NDLサーチで1988年2月刊の講談社版単行本を確認できる。
- 1892 1988 ノーライフキング 『ノーライフキング』は、ゲームをめぐる噂と子どもたちのコミュニケーションを通して、情報化社会の不安と熱狂を描くいとうせいこうの小説です。都市の子ども文化、メディア、流通する物語が重なり、現実とゲームの境界が揺らいでいきます。
- 1893 1988 浮巣 うきす 福武書店から1988年4月に刊行された笠原淳の未登録単行本。
- 1894 1988 漂流裁判 ヒョウリュウ サイバン 1988年に文藝春秋から刊行された笹倉明の単著図書。NDL、Books/JPRO、Amazonで書誌を確認した。
- 1895 1988 彼と彼女の百の微罪 かれとかのじょのひゃくのびざい 『彼と彼女の百の微罪』は、本城美智子が1988年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチでは本城美智子(1953-)著、集英社、1988年7月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1896 1988 天の曳航 テン ノ エイコウ 講談社から1988年に刊行された高瀬千図の未収録単著。
- 1897 1988 最後の王様 さいごのおうさま 『最後の王様』は、桑原一世が1988年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチで、著者名、出版社、刊行年、ISBNを確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1898 1988 虹の交響 『虹の交響』は、高樹のぶ子が1988年に講談社から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1899 1987 愛と幻想のファシズム あいとげんそうのファシズム 経済危機に揺れる日本を舞台に、狩猟者トウジがカリスマ的な政治運動を率いていく長編。金融、メディア、暴力、共同体の欲望が絡み合い、個人の野性や身体性が国家的な幻想へ接続されていく過程を描く。近未来政治小説の形を取りながら、1980年代末の消費社会と権力への不安を大きなスケールで物語化した作品。
- 1900 1987 キッチン キッチン 唯一の肉親だった祖母を亡くし、天涯孤独となった大学生の桜井みかげ。眠れるのは冷蔵庫のそばだけ――そんな彼女に、祖母と親しかった青年・田辺雄一が同居を申し出る。雄一の家には、女性として生きる「母」えり子さん(実は父親)がいて、奇妙であたたかい三人の暮らしが始まる。台所と食べることを心の拠り所に、喪失の…
- 1901 1987 懐かしい年への手紙 なつかしいとしへのてがみ 語り手が導き手である「ギー兄さん」との関係をたどりながら、自分の文学的半生と故郷の森の記憶を再構成する自伝的長編。私小説の形式を借りながら、実際には作家自身と架空の人物をずらし、記憶・読書・共同体の物語を重ねていく。ダンテを媒介に、帰郷できない作家が森の村と文学の場所を問い直す。
- 1902 1987 ノルウェイの森 のるうぇいのもり 1960年代末の学生運動期を背景に、ワタナベと直子、緑の関係を通じて、喪失、恋愛、死者への記憶を描く長編。村上作品としては幻想性を抑えたリアリズム寄りの語りで、音楽、読書、寮生活、療養所の細部が青春の傷を浮かび上がらせる。読みやすい恋愛小説の形を取りながら、親しい死をどう抱えて生きるかという痛切な問…
- 1903 1987 69 sixty nine シックスティナイン 1969年の佐世保を舞台に、高校生ケンの反乱と文化祭騒動を描く自伝的青春小説。政治の季節、ロック、映画、性への憧れが混ざり合い、重い時代背景を祝祭的な語りで駆け抜ける。村上龍作品の中では、暴力や破滅よりも若者のエネルギーとユーモアが前面に出る。
- 1904 1987 鍋の中 なべのなか 『鍋の中』は、九州の農村を舞台に、土地の記憶、老い、血縁の連なりを濃密な語りで掘り起こす作品です。日常の台所や家族の場面から、土地に沈んだ神話的な感覚までを引き寄せるところに村田喜代子の個性が表れています。泥臭い生の肯定と、死や老いへの視線が同じ鍋の中で煮込まれるような読み味です。 第97回 芥川賞
- 1905 1987 長男の出家 ちょうなんのしゅっけ 『長男の出家』は、中学生の息子が突然「禅僧になりたい」と言い出したことから、平凡な家族の関係が揺れ始める物語です。父親の視点を通じて、出家という非日常の選択が、親子の絆、別れ、家族の期待を照らし出します。深刻な題材をユーモラスに扱う語り口が特徴です。 第98回 芥川賞
- 1906 1987 スティル・ライフ すてぃる・らいふ 『スティル・ライフ』は、染色工場で働く「ぼく」と、世界を少し離れた位置から見ている佐々井との交流を描く短篇です。大きな事件よりも、労働、会話、都市の時間の中で、世界が静かにつながって存在している感覚を描きます。透明感のある文体と、孤独を否定しない清澄な肯定感が読みどころです。 第98回 芥川賞
- 1907 1987 川べりの道 かわべりのみち 『川べりの道』は、鷺沢萠のデビュー作にあたる第64回文學界新人賞受賞作です。在日コリアン二世の少女の揺れを繊細に描いた作品として整理され、川べりという境界的な場所が、血筋や帰属の不安を映します。若年での受賞という話題性だけでなく、移民的な自己認識を扱う点でも重要です。 第64回 文學界新人賞
- 1908 1987 東明の浜 とうめいのはま 『東明の浜』は、第64回文學界新人賞受賞作として確認できる尾崎昌躬の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1987年4月9日決定、『文學界』1987年6月号掲載、鷺沢萠『川べりの道』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲載情報… 第64回 文學界新人賞
- 1909 1987 遠方より えんぽうより 『遠方より』は、谷口哲秋のデビュー作にあたる第65回文學界新人賞受賞作です。遠くから届くもの、遠くへ向かう視線を題名に持つ作品として、距離と記憶を主題化する初期作として整理しました。後に芥川賞候補にもなっており、文學界新人賞から純文学の選考圏へ進んだ作品です。 第65回 文學界新人賞
- 1910 1987 風の子、神の子 かぜのこかみのこ 『風の子、神の子』は、坂谷照美が同人誌『安芸文学』54号に発表し、『文學界』1987年10月号の同人雑誌評で言及された作品です。同記録ではベスト5表記も確認できます。公開Webで梗概や本文内容は確認できないため、作品内容の説明は保留します。
- 1911 1987 あなたについて わたしについて あなたについて わたしについて 『あなたについて わたしについて』は、下井葉子による第30回群像新人文学賞の小説当選作です。NDLサーチでは『あなたについてわたしについて』表記で、鈴木隆之『ポートレイト・イン・ナンバー』との同時当選作として確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の分類は保留します。 第30回 群像新人賞
- 1912 1987 ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー そうるみゅーじっくらばーずおんりー 『ベッドタイムアイズ』後の初期山田詠美を代表する book-form work 候補。受賞情報は既存賞IDに直木賞がないため awards には登録しない。
- 1913 1987 四万十川―あつよしの夏 しまんとがわ あつよしのなつ 『四万十川―あつよしの夏』は、高知県四万十川流域を舞台に、少年あつよしの夏を豊かな自然とともに描く作品です。川、家族、土地の生活感が、少年の成長と結びついています。後にシリーズとして読み継がれる「四万十川」作品群の出発点です。 第24回 文藝賞
- 1914 1987 クロス・ロード くろす・ろーど 『クロス・ロード』は、桑原一世による第11回すばる文学賞の当選作です。NDLサーチで受賞作発表記事が確認でき、松本侑子『巨食症の明けない夜明け』との同時当選作として記録されています。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、題名から内容を推測せず、受賞・掲載情報を中心に扱います。 第11回 すばる文学賞
- 1915 1987 巨食症の明けない夜明け きょしょくしょうのあけないよあけ 『巨食症の明けない夜明け』は、摂食障害に苦しむ女子大生の不安と孤独を描く松本侑子のデビュー作です。当時まだ広く認知されていなかった過食症を正面から扱い、身体と心の切迫を小説の主題にしています。青春小説であると同時に、女性の身体をめぐる社会的圧力を読む作品です。 第11回 すばる文学賞
- 1916 1987 自然連祷 しぜんれんとう 文藝春秋から1987年1月に刊行され、2008年に未知谷から『加藤幸子短篇集』としても刊行された未登録単行本。
- 1917 1987 カワセミ かわせみ 戦時下の四国を舞台に、飛ぶ宝石とも呼ばれるカワセミの生命に魅せられた少年の日々を描く表題作を含む短篇集。紀伊國屋の内容説明では、無頼の道を歩む幼なじみの苛烈な生を写す「牙」なども収録される。自然へのまなざし、少年の感受性、戦時下の地方の時間が静かに重なっていく。 第19回 新潮新人賞
- 1918 1987 マネーゲーム まねーげーむ 『マネーゲーム』は、久間十義が河出書房新社から刊行したデビュー期の小説作品です。公的書誌で題名・著者・出版社を確認し、受賞歴は文藝賞の受賞作一覧で確認できる範囲に限定して登録しました。
- 1919 1987 黄色い髪 キイロイ カミ 1980年代後半の干刈作品を補う候補。朝日新聞社刊、のち文庫化・再刊あり。
- 1920 1987 ホーム・パーティー ホーム パーティー 新潮社刊の単行本で、家庭小説・女性の生活をめぐる作品として追加候補になる。
- 1921 1987 ヴェクサシオン ヴェクサシオン 『ヴェクサシオン』は、CF演出家と難聴のピアニストを軸に、サティの音楽、恋愛、妊娠、都市の心象を結びつける長編です。文春文庫の出版社系ページでは、音楽と映像の感覚が交差する物語として紹介されており、芸術表現と身体感覚が主題の中心にあります。都会の生活を背景に、現代人の孤独や親密さの揺れを詩的に描く作… 第9回 野間新人賞
- 1922 1987 ゼウスガーデン衰亡史 ぜうすがーでんすいぼうし NDLサーチで1987年6月刊の福武書店版単行本、1991年版、1999年角川春樹事務所版を確認できる。新潮社の三島由紀夫賞公式アーカイブで第1回候補作として確認できる。
- 1923 1987 1.9m[2]の孤独 いちてんきゅうへいほうめーとるのこどく NDLサーチで1987年10月刊、学芸書林、350ページ、ISBN 4-905640-04-0の単行本として確認できる未収録作品。
- 1924 1987 紅水仙 べにすいせん 既存登録の『犬(影について・その一)』『青猫』以外に確認できる司修の book-form work 候補。
- 1925 1987 風の家 かぜのいえ 『風の家』は、高瀬千図が1987年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは高瀬千図(1945-)著、講談社、1987年2月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1926 1986 M/Tと森のフシギの物語 エムティーともりのフシギのものがたり 四国の森に伝わる物語を、M=母権的な存在とT=トリックスター的な存在の対立・変奏として語る長編。村の伝承、神話、人類学的な型を組み合わせ、作家の幼年期の森を大きな物語装置へ変えていく。短い断章を積み重ねる構成で、個人の記憶と共同体の神話が互いに照らし合う。
- 1927 1986 パン屋再襲撃 ぱんやさいしゅうげき 表題作は、深夜に激しい空腹に襲われた夫婦が、過去の「パン屋襲撃」の呪いを解くため再び街へ出る奇妙な短篇。文春文庫公式ページでは「象の消滅」や“ねじまき鳥”の原型となる作品を含む初期短篇集として紹介されており、食欲、結婚生活、都市の空白が寓話的に結びつく。軽い会話と不穏な空気が同時に進む、初期村上短篇…
- 1928 1986 ボラ蔵の翼 ぼらぞうのつばさ 『ボラ蔵の翼』は、海辺鷹彦が第95回芥川龍之介賞の候補となった作品。文学賞データベースの個人ページで候補歴を確認できる。初出誌、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1929 1986 メドウサ めどうさ 『メドウサ』は、武部悦子が同人誌『とやま文学』4号に発表し、『文學界』1986年8月号の同人雑誌評で言及された作品です。同記録ではベスト5表記も確認できますが、公開Webで梗概や本文内容は確認できないため、記述は掲載媒体と評での言及に限定します。
- 1930 1986 比叡を仰ぐ ひえいをあおぐ 『比叡を仰ぐ』は、藤本恵子による第62回文學界新人賞受賞作です。NDLサーチで受賞作発表記事が確認でき、雑誌掲載された新人賞作品として位置づけられます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲載事実に限定します。 第62回 文學界新人賞
- 1931 1986 気配 けはい 『気配』は、片山恭一のデビュー作にあたる第63回文學界新人賞受賞作です。受賞歴とデビュー経緯は確認できますが、公開Webで信頼できる梗概や選評本文は確認できませんでした。既存記述にあった青春・孤独などの内容分類は根拠が弱いため、現時点では受賞作としての位置づけに限定します。 第63回 文學界新人賞
- 1932 1986 野薔薇の道 のばらのみち 『野薔薇の道』は、松本富生による第63回文學界新人賞受賞作です。片山恭一『気配』との同時受賞作として、NDLサーチの受賞作発表記事で確認できます。公開Webで梗概や選評本文は確認できないため、作品内容の分類は保留します。 第63回 文學界新人賞
- 1933 1986 復活祭のためのレクイエム ふっかつさいのためのれくいえむ 『復活祭のためのレクイエム』は、コピーライターを主人公に、言葉と笑いが交錯する軽快な実験小説です。復活祭という宗教的な題を掲げつつ、広告的な言語感覚や都市的な軽さを作品の推進力にしています。単行本刊行も確認でき、1980年代半ばの群像新人文学賞系の言語実験として読めます。 第29回 群像新人賞
- 1934 1986 零れた言葉 こぼれたことば 『零れた言葉』は、岡本澄子が第23回文藝賞を受賞した1986年発表の作品です。河出書房新社から同年12月に単行本化されたことはNDL書誌で確認できます。現時点では出版社公式や書評から内容の細部を確認できていないため、作品紹介は受賞・初出・単行本情報を中心にした暫定記述です。 第23回 文藝賞
- 1935 1986 優しくって少しばか やさしくってすこしばか 『おまえと暮らせない』後の初期代表作として、ユーモアと感傷を交差させる原田宗典の小説作品。
- 1936 1986 十六歳のマリンブルー じゅうろくさいのまりんぶるー 『十六歳のマリンブルー』は、本城美智子が第10回すばる文学賞を受賞した作品です。既存の弱い出典では16歳の女子高生の青春を描く作品とされていますが、出版社公式の紹介は今回確認できませんでした。内容分類はnote記事に依存するため、受賞情報と出典の限界を併記します。 第10回 すばる文学賞
- 1937 1986 超芸術トマソン ちょうげいじゅつ とまそん 『超芸術トマソン』は、赤瀬川原平が都市の建築物に残る無用の断片を「超芸術」として見出した観察記録です。99% Invisibleの紹介では、赤瀬川が1970年代から都市の遺物に注目し、『写真時代』のコラムで読者投稿も含めて観察を広げ、1985年に写真と文章を集めた本としてまとめた流れが説明されていま…
- 1938 1986 ミモザの林を みもざのはやしを 日常の猥雑を越えてなお何かを求め続ける女性たちの生命力を描く短篇集。表題作のほか「毀れる」「焔の舌」「くずれる音」「冬の苺」「ガラスの破片」を収め、身体感覚と性、日々の生活の手ざわりが重なっていく。短い紹介しか確認できないが、女であることの感覚を正面から扱った作品として読める。 第8回 野間新人賞
- 1939 1986 しずかにわたすこがねのゆびわ しずかにわたすこがねのゆびわ 家族、育児、夫婦をめぐる日常を、抑えた感触で描いた干刈あがたの作品。家庭の内側にある親密さと疲労、母と子の時間、夫婦の距離が、静かな生活描写の中から浮かび上がる。大きな事件よりも、日々の関係が少しずつ人を変えていく感触を読む作品。 第8回 野間新人賞
- 1940 1986 スキャンダル すきゃんだる NDLサーチで1986年3月刊、新潮社、ISBN 4-10-600645-6の単行本として確認できる。
- 1941 1986 アーリィ・オータム あーりぃ・おーたむ 『アーリィ・オータム』は、平中悠一が1986年に河出書房新社から刊行した小説です。NDLサーチでは平中悠一(1965-)著、河出書房新社、1986年9月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1942 1986 星夜に帆をあげて 『星夜に帆をあげて』は、高樹のぶ子が1986年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1943 1985 ジョン・レノン対火星人 ジョン・レノンたいかせいじん 高橋源一郎の初期作品で、音楽、SF的な想像力、文学の制度を横断するような題名の通り、ジャンルの境界を遊びながら崩していく。物語の筋だけでなく、固有名やサブカルチャーの断片が語りを動かす点に読みどころがある。実験的な笑いと不穏さが同居する、ポストモダン文学の入口に置ける作品。
- 1944 1985 河馬に嚙まれる かばにかまれる 連合赤軍事件の記憶や、その後を生きる人々の傷を背景にした連作短篇集。表題作では、政治的暴力の記憶と個人の身体感覚が奇妙に結びつき、過去を説明しきれないまま抱え続ける人間の多義性が浮かび上がる。寓話的な動物イメージと自己照射的な語りを通して、1970年代の事件の残響を1980年代の生へ引き寄せる。 第11回 川端賞
- 1945 1985 回転木馬のデッド・ヒート かいてんもくばのでっどひーと 実際に聞いた話を小説の形に組み替えた、都市生活者たちの短いスケッチ集。表題の「回転木馬」は、同じ場所を巡り続けながら誰も抜け出せない人生の比喩として働き、各篇の人物は小さな違和感や疲労を抱えたまま日常を走り続ける。事実と虚構の境界をあいまいにしながら、村上春樹の乾いた観察眼と抑制されたユーモアが前面…
- 1946 1985 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド せかいのおわりとハードボイルド・ワンダーランド 二つの物語が交互に進む40章構成の長編。〔ハードボイルド・ワンダーランド〕では、老科学者によって意識の核に特殊な思考回路を組み込まれた計算士の「私」が、地下の闇に潜む「やみくろ」や組織の抗争に巻き込まれながら、回路に隠された秘密を追う。〔世界の終り〕では、高い壁に囲まれた静かな街で、「僕」が一角獣の… 第21回 谷崎賞
- 1947 1985 テニスボーイの憂鬱 テニスボーイのゆううつ 村上龍が1985年に刊行した長編。テニスや消費文化の明るい表層を背景に、若者の空虚さ、身体感覚、欲望の行き場のなさを描く作品として読める。初期村上龍の過剰な都市感覚を、暴力だけでなく遊戯性や倦怠から見るための一冊。
- 1948 1985 優雅で感傷的な日本野球 ゆうがでかんしょうてきなにほんやきゅう 「ぼくは野球を知らなかった」――野球が忘れ去られた世界で、語り手は「日本野球」の神髄を教わろうとする。断片的な7つの章で構成され、実在の選手や球団の記憶、「1985年、阪神タイガースは本当に優勝したのだろうか」という問いをめぐって、パロディとパスティーシュ(既存作品の文体模倣)を駆使した物語が時空を… 第1回 三島賞
- 1949 1985 白夜を旅する人々 ビャクヤ オ タビスル ヒトビト 1985年に新潮社から刊行された三浦哲郎の単著図書。NDLで書誌を確認した。
- 1950 1985 過越しの祭 すごしのまつり 『過越しの祭』は、ロサンゼルス在住の日本人女性の視点から、日系・白人・黒人が交錯するアメリカ社会の摩擦を描く作品です。ユダヤ教の過越祭という宗教的な枠組みを手がかりに、異文化の理解と断絶、日本人としての立ち位置を問い直します。越境文学として、家族や信仰の場面に社会的緊張が入り込むところが重要です。 第94回 芥川賞
- 1951 1985 黄色い斥候 きいろいせっこう 『黄色い斥候』は、海辺鷹彦が第93回芥川龍之介賞の候補となった作品。文学賞データベースの個人ページで候補歴を確認できる。初出誌、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1952 1985 上へ もっと上へ うえへもっとうえへ 『上へ もっと上へ』は、佑木美紀が同人誌『群生』3号に発表し、『文學界』1985年1月号の同人雑誌評で言及された作品です。作品内容の詳細は確認できないため、題名から主題を推測せず、確認済みの掲載・言及情報を中心に記録します。
- 1953 1985 明希子 あきこ 『明希子』は、第60回文學界新人賞受賞作として確認できる武部悦子の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1985年4月17日決定、『文學界』1985年6月号掲載、米谷ふみ子『遠来の客』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、人物像・舞台・主題は推測せず… 第60回 文學界新人賞
- 1954 1985 遠来の客 えんらいのきゃく 『遠来の客』は、ロサンゼルス在住の米谷ふみ子が「過越しの祭」と同時期に発表したデビュー期の作品です。既存データでは、家族、障害、移民的な越境感覚を扱う作品として整理されています。海外に暮らす日本語作家の視点から、家族の内部にある距離と異文化の緊張を読む作品です。 第60回 文學界新人賞
- 1955 1985 朝鮮人街道 ちょうせんじんかいどう 『朝鮮人街道』は、第61回文學界新人賞受賞作として確認できる早野貢司の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1985年10月15日決定、『文學界』1985年12月号掲載、中島俊輔『夏の賑わい』との同時受賞が確認できます。題名から歴史・地域・民族的主題を断定せず、公開Webで確認できる範囲… 第61回 文學界新人賞
- 1956 1985 夏の賑わい なつのにぎわい 『夏の賑わい』は、第61回文學界新人賞受賞作として確認できる中島俊輔の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1985年10月15日決定、『文學界』1985年12月号掲載、早野貢司『朝鮮人街道』との同時受賞が確認できます。公開Webで梗概や選評本文を確認できないため、内容紹介は受賞・掲載情… 第61回 文學界新人賞
- 1957 1985 ゼロはん ぜろはん 『ゼロはん』は、第28回群像新人文学賞の小説当選作となった李起昇の作品です。講談社公式の商品ページでは、オートバイ事故で親友を失った在日韓国人青年・朴英浩が父祖の地である韓国を訪れ、二つの国のはざまで自己の不確かさに向き合う物語として紹介されています。喪失、在日性、越境的なアイデンティティを扱うデビ… 第28回 群像新人賞
- 1958 1985 ジパング じぱんぐ 『ジパング』は、吉目木晴彦のデビュー作にあたる第28回群像新人文学賞優秀作です。今回確認できた公開情報は講談社公式の受賞一覧に限られるため、作品内容の説明は新人賞で確認できる書誌・受賞事実に限定します。
- 1959 1985 ベッドタイムアイズ べっどたいむあいず 『ベッドタイムアイズ』は、黒人兵スプーンと日本人女性の激しい性愛を奔放な文体で描いた山田詠美のデビュー作です。恋愛や性を、社会的規範から外れた身体感覚として押し出し、当時の日本文学に強い衝撃を与えました。都市、身体、異文化の接触が、痛切で挑発的な読み味を作っています。 第22回 文藝賞
- 1960 1985 ダックスフントのワープ だっくすふんとのわーぷ 大学の心理学科に通う「僕」が、心を閉ざした少女の家庭教師を引き受け、異空間にワープしたダックスフントの物語を語り聞かせる。文春文庫の紹介では、物語への興味と対話を通じて少女が変化していくが、その先に不穏な展開があることが示されている。語ること、聞くこと、他者の心に近づこうとする試みが中心にあるデビュ… 第9回 すばる文学賞
- 1961 1985 午後の祠り ごごのまつり 『午後の祠り』は、江場秀志による第9回すばる文学賞受賞作です。文学賞データベースでは「すばる」1985年12月号掲載、1987年8月集英社刊『午後の祠り』所収として確認できます。公開資料では内容紹介を十分確認できないため、作品内容や主題は推測せず、著者・受賞・刊行情報を中心に扱います。 第9回 すばる文学賞
- 1962 1985 過越しの祭 すぎこしのまつり ロサンゼルスに暮らす日本人女性の視点から、日系、白人、黒人が混在するアメリカ社会の文化的・人種的摩擦を描く。ユダヤ教の「過越しの祭」を題材に、異文化のなかで自分の位置を測り直す過程が物語の軸になる。移民の生活感覚と信仰儀礼が交差し、理解と断絶の両方を浮かび上がらせる作品。 第17回 新潮新人賞
- 1963 1985 カナコ ボーイズ かなこぼーいず 『カナコ ボーイズ』は、杉山恵治が第17回新潮新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1985年5月17日発表、『新潮』1985年7月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1964 1985 水平線上にて すいへいせんじょうにて 『水平線上にて』は、大学生となった女性の性意識と体験を描き深めた中沢けいの作品です。講談社の文庫版紹介では、群像新人文学賞受賞作「海を感じる時」と並べて収録され、身体感覚と海のイメージが作品世界の核として示されています。若い女性の身体、性、自己認識を鋭い感覚で扱う作品として位置づけられます。 第7回 野間新人賞
- 1965 1985 ワンルーム ワンルーム 母子・家庭だけでなく都市生活の孤独を補える候補。福武書店刊、のち再刊あり。
- 1966 1985 反=日本語論 『反=日本語論』は、蓮實重彦による言語・文学批評です。NDLサーチでは筑摩書房刊、ISBN 4-480-82095-7、301ページ、NDC9 810.4の図書として確認できます。日本語をめぐるナショナルな自明性を問い直し、言語、翻訳、批評、近代文学の問題を横断する著作として位置づけられます。
- 1967 1985 電話男 でんわおとこ NDLサーチで1985年5月刊の福武書店版単行本、1987年版、2000年角川春樹事務所版を確認できる。
- 1968 1985 鴨 かも 中央公論社刊の1985年単行本。NDL書誌でISBN付きの図書として確認できる。
- 1969 1985 竜陵会戦 りゅうりょうかいせん NDLサーチでは表記『竜陵会戦』、2024年P+D BOOKS版では『龍陵会戦』として確認できる。
- 1970 1985 アスパラガス白書 あすぱらがすはくしょ 『アスパラガス白書』は、平野純が1985年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは平野純(1953-)著、講談社、1985年2月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1971 1985 哀しみのキュベレー かなしみのきゅべれー 『哀しみのキュベレー』は、伊達一行が1985年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチでは伊達一行(1950-)著、集英社、1985年3月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1972 1985 青猫 あおねこ 『青猫』は、司修が1985年に東京書籍から刊行した単行本です。NDLサーチでは副題「幻想童話館」、NDC 913.6として確認できます。公開Webで詳細な内容紹介を確認できないため、作品説明は書誌情報に限定します。
- 1973 1985 だれもがポオを愛していた だれもがぽおをあいしていた 『だれもがポオを愛していた』は、平石貴樹が1985年に集英社から刊行した小説です。NDLサーチでは平石貴樹著、集英社、1985年11月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1974 1985 波光きらめく果て 『波光きらめく果て』は、高樹のぶ子が1985年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1975 1984 螢・納屋を焼く・その他の短編 ほたる・なやをやく・そのたのたんぺん 「螢」「納屋を焼く」などを収めた初期短編集。新潮社の紹介では「螢」が『ノルウェイの森』の原点とされ、学生時代の喪失と届かない温もりが抑制された一人称で描かれる。「納屋を焼く」は日常会話の奥に説明されない空白を置き、静かな恋愛小説と不穏な幻想が同じ冊子のなかで並ぶ構成になっている。
- 1976 1984 虹の彼方に にじのかなたに 高橋源一郎の初期長編で、ポップカルチャーの速度と文学的な実験が混ざり合う作品。既成の小説らしさをずらしながら、語りの軽さ、引用、遊びの感覚で現代の気分を立ち上げる。筋を追うだけでなく、言葉やジャンルがほどけていく過程を読む作品として扱いたい。
- 1977 1984 青桐 あおぎり 『青桐』は、乳癌に冒されながら医療を拒む叔母を、姪・充江の視点から見つめる作品です。看取りの時間に、北陸の旧家、幼時の火傷、叔母との愛憎が重なり、家族の記憶と身体の傷がゆっくり露出していきます。死をめぐる静けさの奥に、親密さの暴力性を感じさせる点が読みどころです。 第92回 芥川賞
- 1978 1984 端黒豹紋 つまぐろひょうもん 『端黒豹紋』は、第58回文學界新人賞受賞作として確認できる海辺鷹彦の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年4月16日決定、『文學界』1984年6月号掲載、阿南泰『錨のない部屋』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲載… 第58回 文學界新人賞
- 1979 1984 錨のない部屋 いかりのないへや 『錨のない部屋』は、第58回文學界新人賞受賞作として確認できる阿南泰の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年4月16日決定、『文學界』1984年6月号掲載、海辺鷹彦『端黒豹紋』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から舞台や主題を推測せ… 第58回 文學界新人賞
- 1980 1984 月姫降臨 つきひめこうりん 『月姫降臨』は、第59回文學界新人賞受賞作として確認できる佑木美紀の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年10月16日決定、『文學界』1984年12月号掲載、石島あづさ『水位』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、幻想性などを題名から断定せ… 第59回 文學界新人賞
- 1981 1984 水位 すいい 『水位』は、第59回文學界新人賞受賞作として確認できる石島あづさの作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年10月16日決定、『文學界』1984年12月号掲載、佑木美紀『月姫降臨』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から水辺や心理描写を推… 第59回 文學界新人賞
- 1982 1984 雛の宿 ひなのやど 『雛の宿』は、石島あづさが悠喜あづさ名義で応募し、第58回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1984年4月16日決定、『文學界』1984年6月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 1983 1984 内海の風 うちうみのかぜ Prizesworldの作家別受賞歴で、第14回九州芸術祭文学賞佳作として確認できる作品。公開Webで作品本文・梗概・掲載誌情報は確認できないため、内容説明は保留する。
- 1984 1984 ダミアンズ、私の獲物 だみあんず、わたしのえもの 『ダミアンズ、私の獲物』は、第27回群像新人文学賞の小説当選作として確認できる華城文子の作品です。NDLサーチでは、講談社から1984年8月に単行本化されたことが確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・書誌情報の範囲に限定します。 第27回 群像新人賞
- 1985 1984 ミッドナイト・ホモサピエンス みっどないと・ほもさぴえんす 『ミッドナイト・ホモサピエンス』は、第21回文藝賞受賞作として確認できる渥美饒兒の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年10月22日決定、『文藝』1984年12月号掲載、1985年1月に河出書房新社から単行本化されたことが確認でき、NDLサーチでも同単行本の書誌を確認できます… 第21回 文藝賞
- 1986 1984 She's Rain しーず・れいん 『She's Rain』は、高校生の恋愛を描く平中悠一のデビュー作です。十七歳で書かれた作品として、若者の感覚を同世代の言葉で小説化した点が特徴です。後に映画化され、1980年代の文藝賞作品の中でも青春・恋愛のメディア展開へつながった一作です。 第21回 文藝賞
- 1987 1984 おまえと暮らせない おまえとくらせない 『おまえと暮らせない』は、第8回すばる文学賞佳作として確認できる原田宗典の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年10月9日決定、『すばる』1984年12月号掲載が確認できます。公開Webでは梗概や選評座談会の本文を確認できず、NDLサーチでも今回の検索では直接レコードを確認でき…
- 1988 1984 天北の詩人たち てんぽくのしじんたち 『天北の詩人たち』は、冬村勇陽が第8回すばる文学賞佳作となった作品です。紀伊國屋書店の書誌紹介では、北の大地に生きる人々の思いや雪のイメージを詩情豊かに描く青春小説として紹介されています。出版社公式ではないため限界はありますが、内容分類はこの書誌紹介に基づいています。
- 1989 1984 星からの風 ほしからのかぜ 『星からの風』は、第16回新潮新人賞受賞作として確認できる青木健の作品です。新潮社公式アーカイブで受賞作名と著者名を確認でき、Prizesworldでは1984年6月1日発表、『新潮』1984年8月号掲載、のちに2010年刊『星からの風』へ収録されたことが確認できます。NDLサーチでも同書の書誌を確… 第16回 新潮新人賞
- 1990 1984 夏の淵 なつのふち 『夏の淵』は、第16回新潮新人賞受賞作として確認できる高瀬千図の作品です。新潮社公式アーカイブで受賞作名と著者名を確認でき、Prizesworldでは1984年6月1日発表、『新潮』1984年8月号掲載、青木健『星からの風』との同時受賞が確認できます。公開Webで梗概や選評本文を確認できないため、題… 第16回 新潮新人賞
- 1991 1984 女からの声 おんなからのこえ 『女からの声』は、壊れかけた自己を抱える語り手と、真実の絆を求めて遍歴する妻ナホミを軸にした青野聰の長篇です。講談社公式ページでは、ニューヨーク、小笠原、東京、ネパール、アフガニスタンへと続く旅と、性愛や生の根源を求める人物たちの彷徨が紹介されています。男女関係、越境、孤独を濃密な文体で描く作品とし… 第6回 野間新人賞
- 1992 1984 夢遊王国のための音楽 ゆめゆうこくのためのおんがく 千々石雅という青年の頭の中で鳴る音楽が、妄想的な思考と語る言葉を加速させていく作品。島田雅彦公式サイトは、管理と支配に満ちた現在を生きる若者の矛盾と混乱を、クラシック音楽形式の実験的手法で描いた作品として紹介している。音楽形式を小説の構造に取り込み、現実感覚の不安定さを文体そのものに反映させる点が読… 第6回 野間新人賞
- 1993 1984 自由時間 じゆうじかん 『自由時間』は、山奥の別荘を舞台に、36歳の晴代が二十年を回想する構成の増田みず子作品です。既存のAmazon商品ページでは、新鋭書下ろし作品として刊行された作品の梗概を確認でき、NDLサーチでは新潮社1984年刊の書誌を確認できます。単身の時間、記憶、女性の内面を静かにたどる作品として整理できます… 第7回 野間新人賞
- 1994 1984 ウホッホ探険隊 うほっほたんけんたい 『ウホッホ探険隊』は、離婚をきっかけに夫、妻、小学生の二人の息子たちが、新しい家族のかたちを探っていく干刈あがたの長篇小説です。河出書房新社公式は、離婚という未知の領域を探険するために家族それぞれが役を担う作品として紹介しています。家庭の再編を、子どもを含む複数の立場からやわらかく、しかし痛みを伴っ…
- 1995 1984 極楽船の人びと ごくらくぶねのひとびと 中央公論社刊の1984年単行本。文庫化書誌もあるため、吉田知子の中期作品として追加しやすい。
- 1996 1984 ウォークライ うぉーくらい 『ウォークライ』は、笠原淳が1984年に新潮社から刊行した小説です。NDLサーチでは笠原淳(1936-2015)著、新潮社、1984年5月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 1997 1984 寒雷のように 『寒雷のように』は、高樹のぶ子が1984年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 1998 1983 新しい人よ眼ざめよ あたらしいひとよめざめよ 障害を持つ息子イーヨーとの日常を、ウィリアム・ブレイクの詩を媒介に見つめ直す連作小説。語り手は息子の成長、死や性への問い、家族のなかの不安を受け止めながら、文学の言葉が現実のケアとどのように結びつくかを探る。私小説的な素材を思想的な読解と重ねることで、父と子の関係を閉じた家族の物語にせず、他者と共に…
- 1999 1983 中国行きのスロウ・ボート ちゅうごくゆきのすろうぼーと 村上春樹の最初の短篇小説集で、表題作をはじめ、初期作品に特徴的な一人称の軽さ、記憶の空白、都市生活の孤独が並ぶ。長編の「僕」の世界から少し距離を取り、短篇ごとに日常の違和感、すれ違う他者、説明されない幻想を試している。淡いユーモアと乾いた喪失感が共存し、初期村上短篇の実験場として読むことができる。
- 2000 1983 だいじょうぶマイ・フレンド だいじょうぶマイ・フレンド 村上龍が1983年に刊行した、映画化とも接続するポップな幻想小説。現実の都市感覚に、異質な存在との遭遇や友情のモチーフを重ね、初期村上龍の暴力的なリアリズムとは別の軽さを見せる。サブカルチャー、映像、音楽的な速度感を小説へ持ち込む読みどころがある。
- 2001 1983 カンガルー日和 かんがるーびより 村上春樹の初期短編集で、ショートショートを含む短い物語が並ぶ。日常の手ざわりからふいに幻想へ滑り込む語り口が特徴で、軽いユーモアの奥に孤独や関係の不確かさが残る。後年の長編へ続く比喩、欠落、都市生活者の感覚をコンパクトに読むことができる。
- 2002 1983 若者たちの悲歌 わかものたちのひか 石川達三が1983年に刊行した作品。公開情報では詳細な梗概や批評が限定的なため、題名が示す若者像と悲劇性を手がかりに、世代の違和や社会との摩擦を扱う後期作として暫定整理する。内容の精査は現物・書評確認の優先候補として残す。
- 2003 1983 光抱く友よ ひかりいだくともよ 『光抱く友よ』は、北陸の旧家を背景に、若い女性の官能と精神の成熟を光のイメージとともに描く中篇です。家、身体、女性の内面が重なり合い、恋愛や性を単純な事件としてではなく、自己の輪郭を獲得する過程として読ませます。抒情性と緊張感のある心理描写が作品の核です。 第90回 芥川賞
- 2004 1983 杢二の世界 もくじのせかい 『杢二の世界』は、仕事場のビル屋上から墜落死した弟・杢二の記憶を、兄の視点からたどる短篇です。社会の速度や規範からずれた弟の感性を通して、家族の距離、都市で生きることの危うさ、死者の残す違和感を浮かび上がらせます。悲劇を説明しすぎず、残された者の語りに不穏な余白を残す作品です。 第90回 芥川賞
- 2005 1983 犬のように死にましょう いぬのようにしにましょう 『犬のように死にましょう』は、コピーライター出身の高橋一起のデビュー作にあたる文學界新人賞受賞作です。題名からも死や自己否定のイメージが強く、既存情報では受賞・初出確認が中心です。詳細な筋は未確認のため、作品紹介はデビュー作としての位置づけと題名が喚起する不穏さに留めています。 第56回 文學界新人賞
- 2006 1983 住宅 じゅうたく 『住宅』は、赤羽建美のデビュー作にあたる第57回文學界新人賞受賞作です。題名が示す住まいの空間を軸に、家や都市生活の閉塞を扱う作品として整理しました。芥川賞候補にもなっており、新人賞受賞作にとどまらず同時代の純文学選考でも注目された作品です。 第57回 文學界新人賞
- 2007 1983 フルートを吹く少年 ふるーとをふくしょうねん Prizesworldの作家別受賞歴で、第9回新沖縄文学賞佳作として確認できる作品。公開Webで作品本文・梗概・掲載誌情報は確認できないため、内容説明は保留する。
- 2008 1983 草のかんむり くさのかんむり 『草のかんむり』は、伊井直行のデビュー作にあたる第26回群像新人文学賞当選作です。講談社公式の受賞者履歴で、作品名・著者名を確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容や読み味の説明は保留します。 第26回 群像新人賞
- 2009 1983 海に夜を重ねて うみによるをかさねて 『海に夜を重ねて』は、ストリッパーと知的障害のある青年との愛を描く作品です。社会の周縁に置かれた二人の関係を通して、身体、欲望、ケアの境界を問う物語として整理できます。後に映画「メイク・アップ」の原作となり、映像化にも接続した作品です。 第20回 文藝賞
- 2010 1983 応為坦坦録 おういたんたんろく 『応為坦坦録』は、浮世絵師・葛飾北斎の娘である応為(お栄)と父北斎の関係を描く歴史小説的なデビュー作です。芸術家の家族関係、創作の継承、父娘の緊張が、江戸の美術史的な題材を通して浮かび上がります。女性の創作者を中心に据える視点が読みどころです。 第20回 文藝賞
- 2011 1983 虹のカマクーラ にじのかまくーら 『虹のカマクーラ』は、東京で出会った黒人青年ボブとタイ人少女ソムシーが、虹を見たという鎌倉へ向かう旅を描く作品です。既存データでは、外国人を主人公に据え、周囲の偏見や暴力を扱う先駆的な長篇として整理されています。内容紹介は主にAmazon書誌と個人書評に依拠しており、出版社公式の梗概は今回確認できま… 第7回 すばる文学賞
- 2012 1983 永遠の1/2 えいえんのにぶんのいち 『永遠の1/2』は、佐藤正午が第7回すばる文学賞を受賞したデビュー長編です。既存データでは、軽みのある語り口で、埋まらない空白を抱えた人間関係を描く作品として整理されています。内容紹介はWikipedia中心のため、分類は低確信として扱います。 第7回 すばる文学賞
- 2013 1983 ハイデラパシャの魔法 はいでらぱしゃのまほう 『ハイデラパシャの魔法』は、第15回新潮新人賞受賞作として確認できる左能典代の作品です。新潮社公式アーカイブで受賞作名と著者名を確認でき、Prizesworldでは1983年5月13日発表、『新潮』1983年7月号掲載、1984年7月の新潮社刊行が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認でき… 第15回 新潮新人賞
- 2014 1983 雪野 ゆきの 『雪野』は、尾辻克彦名義で発表された赤瀬川原平の作品で、実在の画家・雪野恭弘を軸に若い頃の体験を描く実名小説として整理されています。Prizesworldでは1983年6月の文藝春秋刊行が確認でき、既存データでは『文學界』1983年2月号初出とされています。芸術家同士の記憶と関係を、私小説的な手触り… 第5回 野間新人賞
- 2015 1983 樹下の家族 ジュカ ノ カゾク 『ウホッホ探険隊』以前の家族小説として登録優先度が高い候補。
- 2016 1983 いつもと同じ春 いつもとおなじはる 『いつもと同じ春』は、辻井喬が1983年に河出書房新社から刊行した長篇小説です。NDLサーチでは、1983年5月刊の単行本と、2009年10月刊の中公文庫版を確認できます。公開Webで詳細な内容紹介や初出誌は確認できなかったため、紹介は書誌・再刊情報を中心に整理しています。
- 2017 1983 国旗が垂れる こっきがたれる 『国旗が垂れる』は、尾辻克彦が1983年に中央公論社から刊行した短篇集の表題作です。NDLサーチでは、同書に『国旗が垂れる』『やめる』『湯の花』『露地裏の紙幣』『風の吹く部屋』『殴られる男』『バーバー「肌ざわり」』の7篇が収録されていることを確認できます。公開Webで詳しい内容紹介や初出誌は確認でき…
- 2018 1983 スクラップ・ストーリー すくらっぷすとーりー NDLサーチで1983年8月刊、集英社、ISBN 4-08-772445-Xの単行本として確認できる。1990年に集英社文庫版もある。
- 2019 1983 その細き道 『その細き道』は、高樹のぶ子が1983年に文芸春秋から刊行した小説作品です。書誌は出版社公式、NDLサーチ、Books/JPRO、Amazonの商品ページ等で確認しました。
- 2020 1982 羊をめぐる冒険 ひつじをめぐるぼうけん 広告代理店で働く「僕」は、耳に星形の斑紋を持つ謎の羊を探すよう依頼され、ガールフレンドとともに北海道へ向かう。右派の大物、秘書、羊男、そして姿を消した鼠の痕跡が重なり、探偵小説めいた筋立ては次第に幻想と喪失の物語へ変質していく。初期の軽やかな一人称の語りを保ちながら、政治的な力、戦後の記憶、個人の空… 第4回 野間新人賞
- 2021 1982 「雨の木」を聴く女たち 「レイン・ツリー」をきくおんなたち 「雨の木」という象徴的なイメージを核に、死者の記憶、喪失、救いの可能性をめぐる連作短篇集。マルカム・ラウリーなど西洋文学への参照と、樹木・音・女性たちの声が重なり、現実の痛みを神話的な想像力へ押し広げていく。大江健三郎の1980年代の作品群のなかでも、個人的な死生観と文学的引用が静かに響き合う作品と…
- 2022 1982 おろおろ草紙 オロオロ ゾウシ 1982年に講談社から刊行された単著図書。NDL、Books/JPRO、Amazonで書誌を確認した。
- 2023 1982 佐川君からの手紙 さがわくんからのてがみ 『佐川君からの手紙』は、1981年のパリ人肉事件を下敷きに、犯人から届く手紙と映画化をめぐる交渉を通して事件へ接近していく作品です。唐十郎らしいアングラ演劇的な誇張と越境感が、小説の形で犯罪、欲望、表現の倫理を揺さぶります。実在事件を扱うため、読後には不穏さと表現上の危うさが強く残ります。 第88回 芥川賞
- 2024 1982 夢の壁 ゆめのかべ 『夢の壁』は、北京での幼少期の記憶を背景に、異文化の中で形成された自己感覚と現在のまなざしを重ねる作品です。人間と自然、記憶と現実の境目を探る語りには、生態学的な観察と越境の感覚が混ざっています。歴史や国境を大きく語るより、個人の記憶の層から世界を見直すところに読みどころがあります。 第88回 芥川賞
- 2025 1982 あなしの吹く頃 あなしのふくころ 『あなしの吹く頃』は、第54回文學界新人賞受賞作として確認できる田中健三の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1982年4月15日決定、『文學界』1982年6月号掲載が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・掲載情報に限定します。 第54回 文學界新人賞
- 2026 1982 受賞の言葉 じゅしょうのことば 『受賞の言葉』は、田中健三の第54回文學界新人賞受賞に関連する短いコメント記事です。NDLサーチで『文學界』36巻6号、1982年6月号、p.88掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は掲載情報に限定します。
- 2027 1982 浮上 ふじょう 『浮上』は、医師・田野武裕のデビュー作にあたる第55回文學界新人賞受賞作です。既存梗概では、病や死を背景にした青春の痛みを扱う作品として整理されています。文學界新人賞から芥川賞候補へ進んだ作品で、1980年代前半の新人賞と芥川賞の接続を示す一作です。 第55回 文學界新人賞
- 2028 1982 雷電石縁起 らいでんせきえんぎ 『雷電石縁起』は、第55回文學界新人賞受賞作として確認できる山川一作の作品です。NDLサーチでは受賞作発表記事として作品名・受賞者を確認でき、Prizesworldでは『文學界』1982年12月号掲載、田野武裕『浮上』との同時受賞が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名か… 第55回 文學界新人賞
- 2029 1982 羅末那 らまな 『羅末那』は、佑木美紀が同人誌『群生』創刊号に発表し、『文學界』1982年8月号の同人雑誌評で言及された作品です。公開Webで本文・梗概・選評の詳細は確認できないため、内容紹介は掲載媒体と同人雑誌評での言及情報に限定します。
- 2030 1982 うさぎ うさぎ 『うさぎ』は、第25回群像新人文学賞の小説優秀作として確認できる池田基津夫の作品です。講談社公式の受賞作一覧では、1982年6月発表号の優秀作として作品名・著者名・受賞回を確認できます。同年は小説当選作なしで優秀作のみの授賞として整理されており、公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため内容分類…
- 2031 1982 日曜日には愛の胡瓜を にちようびにはあいのきゅうりを 『日曜日には愛の胡瓜を』は、第19回文藝賞受賞作として確認できる平野純の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1982年10月22日決定、『文藝』1982年12月号掲載、応募時筆名「柳川春町」、1983年1月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでも単行本書誌を確認できますが、公… 第19回 文藝賞
- 2032 1982 三日芝居 みっかしばい 『三日芝居』は、第6回すばる文学賞受賞作として確認できる三神弘の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1982年10月12日決定、『すばる』1982年12月号掲載、1985年6月の集英社刊行が確認できます。NDLサーチでも単行本書誌を確認できますが、公開Webでは梗概や選評本文を確認でき… 第6回 すばる文学賞
- 2033 1982 沙耶のいる透視図 さやのいるとうしず 『沙耶のいる透視図』は、ビニ本業界を舞台に、カメラマン、編集者、謎めいたモデル・沙耶の関係が破滅へ向かう物語です。性的な視線、撮ること、消費される身体が重なり、愛と精神の崩壊が乾いた都市の空気の中で描かれます。後に映画化されたことも、作品の映像的な題材性を示しています。 第6回 すばる文学賞
- 2034 1982 カメ男 かめおとこ 『カメ男』は、第14回新潮新人賞受賞作として確認できる小磯良子の作品です。新潮社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldでは1982年5月14日発表、『新潮』1982年7月号掲載と整理されています。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から内容を推測せず、受賞… 第14回 新潮新人賞
- 2035 1982 野餓鬼のいた村 のがきのいたむら 『野餓鬼のいた村』は、加藤幸子の第14回新潮新人賞受賞作です。Prizesworldでは1982年5月14日発表、『新潮』1982年7月号掲載、1983年2月新潮社刊『夢の壁』所収と確認でき、新潮社公式でも同回受賞作として作品名・著者名を確認できます。公開Webで作品単体の詳細な梗概は確認できないた… 第14回 新潮新人賞
- 2036 1982 断作戦 だんさくせん 古山高麗雄の戦争文学三部作に連なる作品。2024年に小学館P+D BOOKSでも復刊。
- 2037 1982 ナビ・タリョン なびたりょん 『ナビ・タリョン』は、李良枝の初期作品です。NDLサーチでは、『群像』1982年12月号の創作合評で同作が扱われていること、また2006年刊の〈在日〉文学全集第8巻『李良枝』に収録されていることを確認できます。公開資料で詳しい梗概は確認できないため、紹介は書誌・収録情報と、李良枝文学に通底する在日性…
- 2038 1982 映画座 えいがざ 『映画座』は、中平まみが1982年に河出書房新社から刊行した小説です。NDLサーチでは中平まみ著、河出書房新社、1982年9月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで内容紹介や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 2039 1981 星空 ほしぞら 石川達三が1981年に刊行した後期作品。公開データでは梗概・批評の確認が薄く、まずは新潮社刊行作としての書誌を押さえる段階にある。作家後期の視点から、記憶や老い、社会の中での孤立を読む軸を仮に与えておく。
- 2040 1981 さようなら、ギャングたち さようならギャングたち 1982年に講談社から刊行された高橋源一郎のデビュー長編。詩の学校で教える「僕」と、犯罪集団というより言語と記憶のなかで生成される虚構の仲間として現れるギャングたちの世界を、断章・引用・固有名の遊びで組み上げる。物語は詩、ポップカルチャー、メタフィクションを軽やかに横断し、青春小説の形式を借りながら…
- 2041 1981 小さな貴婦人 ちいさなきふじん 『小さな貴婦人』は、死んだ猫〈雲〉への愛惜を抱える女性と老いた女流詩人Gの対話を中心に、喪失と幻想の境界を静かに描く作品です。猫という身近な存在を媒介に、孤独、死者への執着、言葉では届ききらない感情が詩的に立ち上がります。現実の事件よりも、声や気配が醸す幻想性を読む作品です。 第85回 芥川賞
- 2042 1981 風のけはい かぜのけはい 『風のけはい』は、第52回文學界新人賞受賞作として確認できる峰原緑子の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1981年4月13日決定、『文學界』1981年6月号掲載、同年7月に文藝春秋から刊行された単行本『風のけはい』所収であることが確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できな… 第52回 文學界新人賞
- 2043 1981 破水 はすい 『破水』は、医師・南木佳士のデビュー作にあたる第53回文學界新人賞受賞作です。病院や身体に近い場所から、生と死の境界を見つめる作者の関心が初期から現れています。後の芥川賞受賞作『ダイヤモンドダスト』へつながる、医療と死をめぐる文学の起点として読めます。 第53回 文學界新人賞
- 2044 1981 剥製師 はくせいし 『剥製師』は、山川一作が第52回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1981年4月13日決定、『文學界』1981年6月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 2045 1981 晴れた日に はれたひに 『晴れた日に』は、山川一作が第53回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1981年10月15日決定、『文學界』1981年12月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 2046 1981 極楽 ごくらく 『極楽』は、笙野頼子のデビュー作にあたる群像新人文学賞当選作です。既存情報では、のちにフェミニズム純文学や実験的語りを切り開く作家の出発点として位置づけられます。詳細な梗概は限定的ですが、制度や現実感への違和を独自の語りで押し出す初期作として読めます。 第24回 群像新人賞
- 2047 1981 百色メガネ ひゃくしょくめがね 『百色メガネ』は、第18回文藝賞受賞作として確認できるふくださちの作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1981年10月20日決定、『文藝』1981年12月号掲載、同年12月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでは単行本書誌に加え、『群像』の創作合評で南木佳士・高橋源一郎作品と… 第18回 文藝賞
- 2048 1981 1980 アイコ十六歳 せんきゅうひゃくはちじゅう あいこじゅうろくさい 『1980 アイコ十六歳』は、名古屋の女子高生アイコの等身大の日常を描く青春小説です。高校生活、友人関係、身体感覚を大きな事件に回収せず、十六歳の時間の手触りとして描く点に特徴があります。若い書き手による若者の日常表現として、1980年代初頭の文藝賞を象徴する一作です。 第18回 文藝賞
- 2049 1981 みのむし みのむし 『みのむし』は、第18回文藝賞受賞作として確認できる山本三鈴の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1981年10月20日決定、『文藝』1981年12月号掲載、同年12月の河出書房新社刊『みのむし』所収であることが確認できます。NDLサーチでも単行本書誌を確認できますが、公開Webでは梗… 第18回 文藝賞
- 2050 1981 家族ゲーム かぞくげーむ 『家族ゲーム』は、受験競争に巻き込まれた小市民一家が、落第生の家庭教師を迎えることで崩れていく過程を描く作品です。家庭、学校、学歴社会の圧力を、家族内の不穏なゲームとして見せるところに鋭さがあります。後に森田芳光監督・松田優作主演で映画化され、家族と教育をめぐる1980年代的な不安を広く印象づけまし… 第5回 すばる文学賞
- 2051 1981 橋の上から はしのうえから 『橋の上から』は、第13回新潮新人賞受賞作として確認できる川勝篤の作品です。新潮社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldでは1981年5月15日発表、『新潮』1981年7月号掲載と整理されています。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から内容を推測せず、受… 第13回 新潮新人賞
- 2052 1981 幻の川 まぼろしのかわ 『幻の川』は、第13回新潮新人賞受賞作として確認できる小田泰正の作品です。新潮社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldでは1981年5月15日発表、『新潮』1981年7月号掲載と整理されています。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から内容を推測せず、受賞… 第13回 新潮新人賞
- 2053 1981 金色の象 こんじきのぞう 世界を放浪してきた青年と、自分を持て余す家出娘の一瞬の出会いから、同棲と出産へ進む物語。河出書房新社の紹介では、小さな生命の誕生が若い二人に愛と性の輝きをもたらす作品として位置づけられている。移動する身体、出会い、家族の始まりを、祝祭性と痛みを含んだ青春譚として読むことができる。 第3回 野間新人賞
- 2054 1981 蝉の声がして セミ ノ コエ ガ シテ 既収録『ミモザの林を』以前の初期作品で、作家像の起点を補う候補。
- 2055 1981 HIROSHIMA ひろしま NDLサーチで1981年6月刊の講談社版単行本、第三書館版『小田実全小説』収録、講談社版『小田実全集』小説第16巻を確認できる。
- 2056 1981 井戸の星 いどのほし 『井戸の星』は、吉行理恵が1981年に講談社から刊行した小説です。NDLサーチでは吉行理恵(1939-2006)著、講談社、1981年2月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで作品内容を裏づけられる出版社紹介や選評本文は確認できないため、説明は書誌情報に限定します。
- 2057 1980 1973年のピンボール せんきゅうひゃくななじゅうさんねんのぴんぼーる 『風の歌を聴け』に続く「鼠三部作」第二作で、翻訳事務所を営む「僕」の生活と、故郷に残る鼠の停滞が並行して語られる。「僕」はかつて通ったバーにあったピンボール台を探し、双子の女性との奇妙な同居や電話配電盤の葬送を経て、失われた時間の手触りに近づいていく。軽い会話と乾いたユーモアの背後に、青春の終わり…
- 2058 1980 コインロッカー・ベイビーズ コインロッカー・ベイビーズ 1972年夏、コインロッカーに遺棄されたキクとハシは、施設と養家を経て、それぞれ異なるかたちで母の不在と都市への怒りを抱え込む。ハシは歌声とショービジネスに、キクはアネモネや毒物ダチュラをめぐる破壊衝動に引き寄せられ、東京は欲望と暴力が増殖する異様な空間として立ち上がる。棄児、身体、都市、音の記憶を… 第3回 野間新人賞
- 2059 1980 七人の敵が居た しちにんのてきがいた 石川達三が1980年に刊行した後期長編。公開情報では内容紹介や主要書評が乏しいため、現時点では同時期の石川作品群の一冊として書誌を確定し、詳細な筋や評価は保留する。社会と個人の摩擦を描いてきた石川の作家的関心に照らし、孤立や対立の構図を読むための候補作として位置づける。
- 2060 1980 父が消えた ちちがきえた 『父が消えた』は、父の遺骨を納める墓地を見に中央線で高尾へ向かう「私」の意識をたどる中篇です。現在の車中の時間に、父をめぐる記憶や前衛芸術家としての作者の感覚が交錯し、家族小説でありながら形式そのものを揺さぶる作品になっています。死者を送る手続きの物語を、記憶の断片と都市郊外の移動感覚で組み立てる点… 第84回 芥川賞
- 2061 1980 狸 たぬき 『狸』は、第50回文學界新人賞受賞作として確認できる村上節の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1980年4月16日決定、『文學界』1980年6月号掲載、1985年11月刊の『ふくしまの文学2 小説戦後篇』への収録が確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容… 第50回 文學界新人賞
- 2062 1980 裸足 はだし 『裸足』は、木崎さと子のデビュー作にあたる第51回文學界新人賞受賞作です。PrizesWorldで受賞回・作品名・受賞者を確認できます。公開Webで梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は受賞・作家史上の位置づけに限定します。 第51回 文學界新人賞
- 2063 1980 昼と夜 ひるとよる 『昼と夜』は、第23回群像新人文学賞の小説当選作として確認できる長谷川卓の作品です。講談社公式の受賞作一覧で、発表号が1980年6月であること、作品名と受賞者名を確認できます。NDLサーチでは講談社1980年刊の書誌も確認できますが、公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、内容説明は書誌・受… 第23回 群像新人賞
- 2064 1980 なんとなく、クリスタル なんとなく、くりすたる 『なんとなく、クリスタル』は、東京の女子大生・由利の学業、モデル活動、恋愛、消費生活を、膨大な注釈とともに描くデビュー作です。物語そのものより、ブランド名や都市風俗を含む表層的な記号の連なりが、1980年前後の若者文化を浮かび上がらせます。軽さを武器に、消費社会の感覚を小説の形式へ取り込んだ作品です… 第17回 文藝賞
- 2065 1980 囚人のうた しゅうじんのうた 『囚人のうた』は、第17回文藝賞受賞作として確認できる青山健司の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1980年10月15日決定、『文藝』1980年12月号掲載、1981年1月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでも単行本書誌と当選作掲載記事を確認できますが、公開Webでは梗概… 第17回 文藝賞
- 2066 1980 ストレイ・シープ すとれい・しーぷ 『ストレイ・シープ』は、幼くして映画監督の父を失ったテレビ局勤務の女性が、喪失を抱えたまま年上の既婚男性との関係に入り込む私小説的作品です。父への思慕と恋愛、仕事の失敗が重なり、娘から女へと移行する過程の痛みが描かれます。都市で働く女性の孤独を、感情の揺れに寄せて読む作品です。 第17回 文藝賞
- 2067 1980 ギンネム屋敷 ぎんねむやしき 『ギンネム屋敷』は、1950年代の米軍占領期の沖縄・浦添を舞台に、ギンネムの茂る屋敷に住む朝鮮人男性への疑惑と暴力を描く又吉栄喜のデビュー作です。沖縄、朝鮮人、米軍占領という複数の歴史的圧力が、地域社会の空気の中に沈み込んでいます。土地の記憶と差別の構造を読む作品です。 第4回 すばる文学賞
- 2068 1980 海を越えた者たち うみをこえたものたち 『海を越えた者たち』は、笹倉明が第4回すばる文学賞佳作となった作品です。Prizesworldで受賞区分と掲載情報を確認できますが、公開Webで信頼できる梗概や選評本文は確認できませんでした。既存記述にあった海外放浪・青春の分類は題名や二次情報からの推測が残るため、現時点では保留します。
- 2069 1980 二十歳の朝に はたちのあさに 『二十歳の朝に』は、第12回新潮新人賞受賞作として確認できる木田拓雄の作品です。新潮社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldでは1980年5月16日発表、『新潮』1980年7月号掲載と整理されています。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から内容を推測せず… 第12回 新潮新人賞
- 2070 1980 ぼくの出発 ぼくのしゅっぱつ 『ぼくの出発』は、第12回新潮新人賞受賞作として確認できる運上旦子の作品です。新潮社公式の受賞作一覧で作品名・著者名を確認でき、Prizesworldでは1980年5月16日発表、『新潮』1980年7月号掲載と整理されています。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、題名から内容を推測せず… 第12回 新潮新人賞
- 2071 1980 遠雷 えんらい 『遠雷』は、栃木県の都市近郊で農業を営む若者・満夫を中心に、高度成長後の農村解体と家族の変化を描く長篇です。工業団地の建設、農地の喪失、ビニールハウス栽培の失敗、見合い結婚や祖母の死が重なり、地方の生活が変質していく過程が描かれます。労働と土地の問題を、若者の生活感覚から捉えた作品として読めます。 第2回 野間新人賞
- 2072 1980 黒革の手帖 くろかわのてちょう 『黒革の手帖』は、金銭、欲望、都市の権力関係をめぐる清張後期の代表的長篇として登録候補にできる。今回の調査ではNDLの新潮社単行本書誌を基礎情報として採用する。
- 2073 1980 侍 さむらい 新潮社公式で新潮文庫版ISBN 9784101123257を確認でき、NDLサーチでも1986年6月刊の文庫書誌を確認できる。
- 2074 1980 ゆらり、と ゆらりと 『ゆらり、と』は、峰原緑子が『文學界』1980年12月号に発表した作品です。第51回文學界新人賞佳作で、のち文藝春秋刊『風のけはい』に収録されました。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載・佳作・収録情報に限定します。
- 2075 1979 同時代ゲーム どうじだいゲーム 四国の森の谷間にある「村=国家=小宇宙」を、手紙・神話・歴史の断片を重ねて語り直す実験的長編。語り手は村の起源、反乱、血縁、移住の記憶を再編し、個人の物語ではなく共同体が自分自身を語る仕組みそのものを小説化する。大江の森の神話と戦後政治への問いが、濃密な語りの構造として展開される。
- 2076 1979 風の歌を聴け かぜのうたをきけ 1970年の夏、「僕」と友人「鼠」の9日間を描いた村上春樹のデビュー作。短い章、乾いた会話、音楽や翻訳文学の気配によって、青春の終わりと喪失感が軽やかに語られる。後の「鼠三部作」へ続く、村上春樹の文体と世界観の出発点である。 第22回 群像新人賞
- 2077 1979 光の領分 ひかりのりょうぶん 『光の領分』は、津島佑子の初期代表作で、第1回野間文芸新人賞受賞作です。講談社公式は、夫との別居から離婚に至る若い母と幼い娘の一年を、12篇の短篇連作で描く作品として紹介しています。揺れ動く女親の不安と生活感を、連作形式で精妙に組み立てる点が読みどころです。 第1回 野間新人賞
- 2078 1979 南風 なんぷう 『南風』は、宮内勝典が第16回文藝賞を受賞した小説です。河出書房新社の公式ページでは、生の証を求める青年の前に、未生の時からの死者の記憶をたたえた波がうねり、生の国と死の国、空と海と陸が会する九州最南端の港町に南風が吹く作品として紹介されています。世界を移動してきた宮内文学の出発点にあたる一作として… 第16回 文藝賞
- 2079 1979 愚者の夜 ぐしゃのよる 『愚者の夜』は、青野聰が第81回芥川龍之介賞を受賞した小説です。日本文学振興会の公式一覧では1979年上半期の受賞作として掲載誌『文學界』とともに記録され、NDLサーチでは1979年文藝春秋版および1983年文春文庫版の書誌を確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概は確認できなかったため、作品紹… 第81回 芥川賞
- 2080 1979 野いばらの衣 のいばらのころも 『鶸』『路地』以外の三木卓の book-form work として確認できる講談社刊の小説。内容細部は追加調査余地あり。
- 2081 1979 明後日の手記 あさってのしゅき 『明後日の手記』は、小田実が1979年に角川文庫から刊行した小説です。NDLサーチでは小田実(1932-2007)著、角川書店、1979年3月刊、NDC 913.6として確認できます。公開Webで梗概や選評に相当する一次情報は確認できないため、作品内容の説明は書誌情報に限定します。
- 2082 1979 夏のさなかに なつのさなかに 『夏のさなかに』は、峰原緑子が『文學界』1979年12月号に発表した作品です。第49回文學界新人賞候補作で、のち文藝春秋刊『風のけはい』に収録されました。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載・候補・収録情報に限定します。
- 2083 1978 夕暮まで ユウグレ マデ 後期の代表的長篇候補。既収録『暗室』後の吉行文学を補える。
- 2084 1978 切られた絵 キラレタ エ 屋上の会から1978年に刊行された江場秀志の未収録単著。小規模出版のためNDL書誌を主根拠とする。
- 2085 1977 独りきりの世界 ひとりきりのせかい 石川達三が1970年代後半に刊行した作品。題名が示す孤独を中心に、社会や家族から切り離された人物の世界を描く作品として暫定整理する。公開情報が少ないため、内容細部は未確認だが、後期石川の個人の孤立への関心を読む候補作である。
- 2086 1977 海の向こうで戦争が始まる うみのむこうでせんそうがはじまる 村上龍が『限りなく透明に近いブルー』後に発表した初期長編。題名の通り、戦争が遠くで始まるという感覚を、若者の身体や都市的な不安と接続する。暴力、メディア、距離感のずれを通じて、初期村上龍の社会への鋭い視線を読む作品である。
- 2087 1976 限りなく透明に近いブルー かぎりなくとうめいにちかいブルー 米軍基地の街・福生のハウスを舞台に、19歳のリュウとその仲間たちの日々を描く。ドラッグとロック、黒人兵たちとの乱痴気騒ぎ、セックスと暴力に明け暮れる若者たちの退廃を、感傷を排した即物的な描写と、ガラスの破片や雨に濡れた滑走路といった鮮烈なイメージの連なりで定着させる。荒廃の只中にいながらどこか透明な… 第75回 芥川賞
- 2088 1976 ピンチランナー調書 ピンチランナーちょうしょ 大江健三郎が1976年に刊行した実験的長編。父子関係、身体、記録や調書の形式を通して、現実と幻想の境界を揺らす。障害のある子をめぐる大江の継続的主題が、メタフィクション的な構成と結びつく作品である。
- 2089 1975 祭りの場 まつりのば 『祭りの場』は、林京子が『群像』に発表し、1975年に講談社から刊行された芥川賞受賞作です。長崎で被爆した作者自身の経験を背景に、新聞記事、記録、証言、記憶を重ねながら、1945年8月9日の「場」を二十数年後から見つめ直します。被爆文学の重要作であり、林京子の出発点となった作品です。 第73回 芥川賞
- 2090 1974 その最後の世界 そのさいごのせかい 石川達三が1970年代に刊行した後期作品。題名は終末や閉ざされた世界を想起させ、社会の行き詰まりと個人の孤独を読む手がかりになる。公開情報が限られるため、後期石川の社会観・人生観を示す作品として暫定紹介する。
- 2091 1974 微笑 ビショウ 既登録の『海人舟』『海の虹』以外に確認できる単著図書候補。NDLサーチでタイトル・著者・刊行年を確認した。
- 2092 1974 蟻の自由 ありのじゆう 戦争文学の文脈で読める古山高麗雄の単行本。NDLサーチで1974年刊行を確認。
- 2093 1974 海へのチチェローネ うみへのちちぇろーね 『海へのチチェローネ』は、谷口哲秋が中戸真吾名義で第22回小説現代新人賞を受賞した作品です。Prizesworldの谷口哲秋ページで別筆名と受賞歴を確認でき、NDLサーチでは講談社1978年刊『小説現代新人賞全作品 3』の書誌を確認できます。公開Webで信頼できる梗概を確認できなかったため、作品内容…
- 2094 1973 洪水はわが魂に及び こうずいはわがたましいにおよび 核シェルターに籠る父子と「自由航海団」の若者たちの交流と破局を描く長編。核時代の不安、障害のある子との関係、共同体への希求が、大江らしい寓話的な構図で結びつく。個人の魂の危機を、世界的な破局の想像力へ接続する作品。 第26回 野間文芸賞
- 2095 1973 死海のほとり しかいのほとり 新潮社公式で新潮文庫版ISBN 9784101123189を確認でき、NDLサーチでも新潮文庫版書誌を確認できる。
- 2096 1973 箱男 はこおとこ 新潮社1973年刊。現行新潮文庫ページ、NDL、Books/JPROで確認できる。2024年に映画化関連の再注目もある。
- 2097 1973 鶸 ひわ 『鶸』は、三木卓が1973年上半期の第69回芥川龍之介賞を受けた短篇です。日本文学振興会公式の受賞者一覧では掲載誌を『すばる』として確認できます。NDLサーチでは、『文芸春秋』1973年9月号の芥川賞決定発表記事、および集英社文庫『砲撃のあとで』への収録が確認できます。 第69回 芥川賞
- 2098 1972 みずから我が涙をぬぐいたまう日 みずからわがなみだをぬぐいたまうひ 大江健三郎の1970年代の作品で、個人的な記憶や家族の傷が、天皇制や戦後史への問いと重なっていく。題名の荘重さに対し、語りは自己の痛みを過剰なほど意識化する。大江の私的主題と政治的主題が強く結びつく作品である。
- 2099 1972 夏の闇 なつのやみ 1972年に新潮社から刊行された開高健の未登録長篇。新潮社公式の現行文庫ページで内容紹介・かな・ISBNを確認できる。
- 2100 1972 内なる中原中也 うちなるなかはらちゅうや 『内なる中原中也』は、詩人・文芸評論家の青木健が1972年に麦書房から刊行した中原中也論です。NDLサーチで初刊書誌と、2013年の鳥影社〈季刊文科コレクション〉版を確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概を確認できなかったため、作品内容の説明は中原中也論であることと書誌情報に限定します。
- 2101 1971 解放された世界 かいほうされたせかい 石川達三が1971年に刊行した作品で、新潮社版の書誌が確認できる。「解放」という語が示す自由への期待と、その後に残る孤独や責任を読む軸がある。公開梗概が薄いため、戦後社会の価値観の変化を扱う作品として暫定的に分類する。
- 2102 1971 絵合せ えあわせ NDLサーチで1971年刊の講談社版単行本、および1977年版を確認できる。
- 2103 1970 化石の森 かせきのもり 政界・財界の腐敗を描いた石原慎太郎の長編政治小説。若者の感覚を描いた初期作とは違い、権力の硬直と社会の閉塞を「化石」のイメージで捉える。篠田正浩監督による映画化もあり、政治小説としての石原を確認できる作品。
- 2104 1970 無明長夜 むみょうちょうや 『無明長夜』は、吉田知子が第63回芥川龍之介賞を受けた短篇です。日本文学振興会公式の受賞者一覧では、1970年上半期の受賞作、掲載誌『新潮』として確認できます。NDLサーチでは、新潮社1970年刊の単行本『無明長夜』に収録されていること、同書に『寓話』『豊原』『海へ』『静かな夏』『終りのない夜』『歯… 第63回 芥川賞
- 2105 1970 プレオー8の夜明け ぷれおーゆいっとのよあけ 『プレオー8の夜明け』は、古山高麗雄が第63回芥川龍之介賞を受けた戦争短篇です。日本文学振興会公式の受賞者一覧では、1970年上半期の受賞作、掲載誌『文藝』として確認できます。NDLサーチでは、文藝春秋2001年刊『二十三の戦争短編小説』および小学館P+D BOOKS版『プレオー8(ユイット)の夜明… 第63回 芥川賞
- 2106 1969 愉しかりし年月 たのしかりしとしつき 石川達三が1969年に刊行した作品で、新潮社版の書誌が確認できる。題名は過ぎ去った年月への回想を示し、記憶と老い、生活の時間を扱う作品として読める。公開情報が限られるため、後期へ向かう石川の回想的な小説として暫定整理する。
- 2107 1969 われらの狂気を生き延びる道を教えよ われらのきょうきをいきのびるみちをおしえよ 父と障害のある息子、狂気や暴力にさらされた若者たちをめぐる中短篇を束ねた作品集。表題作では家族の内部にある痛みと外部世界の不穏が結びつき、個人的な危機が時代の狂気をどう生き延びるかという問いへ広がる。大江が1960年代に深めた身体・父性・責任の主題を、寓話性と切迫した心理描写で展開する。
- 2108 1969 春の雪 ハル ノ ユキ 三島由紀夫晩年の四部作『豊饒の海』の第一作。既登録作とは異なる後期代表作として追加候補になる。
- 2109 1969 暗室 あんしつ 『暗室』は、男女関係の親密さと断絶、欲望と倦怠を、吉行淳之介らしい冷ややかな観察で描く長篇です。明るい恋愛小説ではなく、関係の内部にある孤独や自己欺瞞を見つめる作品として、第三の新人以後の心理小説の系譜に置くことができます。 第5回 谷崎賞
- 2110 1968 青春の蹉跌 せいしゅんのさてつ 夢を持つ青年が挫折と欲望に追い詰められていく過程を描いた長編。青春の理想が、社会的成功への欲望や恋愛、罪の意識によって崩れていく。ベストセラーとなり映画化もされた、石川達三の通俗性と社会批評が接続する作品である。
- 2111 1968 若き日の詩人たちの肖像 わかきひのしじんたちのしょうぞう 『若き日の詩人たちの肖像』は、戦争へ向かう時代と敗戦後の転換期を背景に、若い知識人たちが文学や思想を拠り所にしながら自己を形成していく長篇です。堀田善衛が同時代史と個人の精神史を重ねる代表的な仕事として位置づけられます。
- 2112 1968 輝ける闇 かがやけるやみ 新潮社公式で内容紹介・かな・ISBN・毎日出版文化賞受賞情報を確認できる開高健の未登録代表作。
- 2113 1968 三匹の蟹 さんびきのかに 『三匹の蟹』は、大庭みな子がアラスカでの生活経験を背景に書いた初期代表作です。日本文学振興会公式の芥川賞受賞者一覧では、第59回(1968年上半期)芥川龍之介賞受賞作として確認でき、掲載誌は『群像』とされています。異国での生活を通じて、女性の孤独、夫婦関係、自我のゆらぎを描いた作品として、大庭文学の… 第59回 芥川賞
- 2114 1967 万延元年のフットボール まんえんがんねんのフットボール 友人の死と家族の危機を抱えた蜜三郎が、弟の鷹四とともに四国の谷間の村へ戻り、百年前の一揆の記憶と向き合う長編。兄弟の対立、障害をもつ子の存在、共同体に残る暴力の記憶が、過去と現在を重ねる構成の中で展開する。閉ざされた村落を神話的な舞台として、個人史と共同体史、政治的熱狂と責任の問題を絡み合わせた大江… 第3回 谷崎賞
- 2115 1967 約束された世界 やくそくされたせかい 石川達三が1967年に刊行した作品で、新潮社版の書誌が確認できる。題名は理想や未来への約束を示す一方、それが現実の社会で損なわれる可能性も含む。公開情報が少ないため、戦後社会の期待と挫折をめぐる作品として暫定紹介する。
- 2116 1967 幕が下りてから まくがおりてから 講談社1967年刊の単行本。NDLで複数レコードを確認できる。
- 2117 1967 燃えつきた地図 もえつきたちず 新潮社1967年刊。現行新潮文庫ページ、NDL、Books/JPROで確認できる代表的長篇。
- 2118 1967 カクテル・パーティー かくてるぱーてぃー 『カクテル・パーティー』は、沖縄出身作家として初めて芥川賞を受けた大城立裕の代表作です。占領下の沖縄と米軍、日本本土の関係をめぐる複雑な力学を、対話と緊張の場面を通して描きます。 第57回 芥川賞
- 2119 1966 金環蝕 きんかんしょく 政界と財界の癒着を描いた石川達三の政治小説。ダム利権をめぐる汚職を告発的に扱い、個人の倫理よりも制度と権力の腐敗を前景化する。社会派作家としての石川の問題意識が、政治経済の構造へ向けられた作品である。
- 2120 1966 沈黙 ちんもく 新潮社公式ページで新潮文庫版のISBN、紹介、谷崎潤一郎賞受賞作であることを確認できる。NDLサーチでも書誌を確認できる。
- 2121 1966 美は乱調にあり びはらんちょうにあり 瀬戸内晴美名義の1966年刊行をNDLで確認。後年、角川文庫、岩波現代文庫、全集などで再刊され、伊藤野枝を描く瀬戸内寂聴の伝記小説として位置づけられる。
- 2122 1965 夕べの雲 ゆうべのくも 『夕べの雲』は、郊外の家庭生活を大きな事件ではなく、家族の会話、子どもの成長、季節の変化の積み重ねとして描く庄野潤三の代表的長篇です。日常の細部を丁寧に見ることで、戦後の家庭小説に独自の静けさをもたらしています。
- 2123 1965 抱擁家族 ほうようかぞく 『抱擁家族』は、妻とアメリカ兵との関係をきっかけに、家庭が内側から崩れていく過程を描く長篇です。夫婦、子ども、住居、英語、アメリカ的生活様式が絡み合い、戦後日本の家族が抱えた滑稽さと痛みを浮かび上がらせます。 第1回 谷崎賞
- 2124 1965 玩具 がんぐ 『玩具』は、津村節子が芥川賞を受けた初期代表作です。家庭や女性の身体をめぐる感覚を、抑制された筆致で描き出し、戦後女性文学の流れの中でも重要な位置を占める作品として読まれています。 第53回 芥川賞
- 2125 1964 傷だらけの山河 きずだらけのさんが 石川達三が1960年代半ばに刊行した社会小説。題名の「山河」は個人だけでなく社会全体の傷を想起させ、戦後復興の陰にある矛盾や疲弊を読む軸を与える。公開梗概は薄いが、政治・経済・生活の歪みを扱う作品として暫定的に整理する。
- 2126 1964 個人的な体験 こじんてきなたいけん 脳に重い障害をもつ子の誕生に直面した青年バードが、父になることへの恐怖と逃避願望に追い詰められていく長編。酒、性、アフリカへの空想に逃げ込むバードの混乱を追いながら、私的な出来事が責任、倫理、家族の問題へ変わっていく過程を描く。滑稽さと残酷さが同居する語り口で、父性を美談にせず、引き受けることの困難…
- 2127 1964 日常生活の冒険 にちじょうせいかつのぼうけん 大江健三郎の1960年代の長編で、「日常生活」と「冒険」という相反する語を重ねる題名が印象的な作品。平凡な生活の内部に、暴力、性、幻想的な逸脱が入り込む大江らしい構図を持つ。日常の足場が崩れていく不穏さを読む作品である。
- 2128 1964 挽歌抒情 ばんかじょじょう 『挽歌抒情』は、NDLサーチで1964年刊の芥川賞作家シリーズ『非行 挽歌抒情』(学研)に収録されたことを確認できる辻亮一の作品。公開Web上で確認できた情報は書誌と収録作名に限られるため、内容や評価は推測せず、芥川賞受賞作「異邦人」以外の収録作として記録する。
- 2129 1964 海の虹 うみのにじ 『海の虹』は、1964年に学習研究社の芥川賞作家シリーズとして刊行された近藤啓太郎の作品集。NDLサーチで表題作のほか、第35回芥川賞受賞作「海人舟」、「飛魚」「黒南風」などを収録する書誌として確認できる。公開Web上で確認できた内容紹介は限られるため、詳細な筋は推測せず、近藤の海辺・漁業をめぐる作…
- 2130 1964 出発は遂に訪れず しゅっぱつはついにおとずれず 『出発は遂に訪れず』は、島尾敏雄が特攻隊長として出撃直前に終戦を迎えた体験と深く結びつく、戦争小説系の代表作の一つです。NDLサーチでは1964年に新潮社から刊行された211ページの単行本として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概や初出情報を十分に確認できなかったため、ここでは内容を断定しす…
- 2131 1964 砂の上の植物群 スナ ノ ウエ ノ ショクブツグン 『暗室』以前の長篇・中篇系作品として、吉行の性と孤独の主題を補う候補。
- 2132 1964 他人の顔 たにんのかお 単行本初刊は講談社、現行新潮文庫ページとNDLで確認可能。既存収録の『壁』『砂の女』を補う中核作。
- 2133 1963 叫び声 さけびごえ 大江健三郎が1963年に刊行した作品で、切迫した題名の通り、若者の不安や社会的暴力を強い声として立ち上げる。公開情報では細部の梗概は限定的だが、初期大江の身体性、政治性、孤立感を読む作品として整理できる。全小説・作品集への収録も確認できる。
- 2134 1963 性的人間 せいてきにんげん 大江健三郎が性と人間存在を正面から扱った初期作品。性を単なる欲望としてではなく、身体、羞恥、孤独、社会への反抗が交差する場として描く。初期大江の挑発的な主題設定と、重くねじれた文体を読む作品である。
- 2135 1963 夏の終り なつのおわり 旧名義・瀬戸内晴美で1963年に新潮社から刊行された単行本をNDLで確認。後年の全集や自選短篇集にも収録され、瀬戸内寂聴の初期小説を代表する作品として読まれている。
- 2136 1963 廻廊にて かいろうにて 『廻廊にて』は、辻邦生の初期長篇です。NDLサーチの原本書誌では、新潮社から1963年に刊行された208ページの単行本として確認できます。NDLサーチ連携のDAISY資料では、愛を失い、結婚に破れ、芸術の空しさを抱えながら、生と芸術の意味を模索し続ける亡命ロシア人女流画家マーシャの生涯を描く作品とし…
- 2137 1963 青い部屋 あおいへや 既存収録の『井戸の星』『小さな貴婦人』以前の初期著作候補。吉行理恵単独著者名の書誌と、吉行淳之介の関与を示す書誌があるため、共著・附記の扱いに注意。
- 2138 1962 遅れてきた青年 おくれてきたせいねん 大江健三郎の初期長編で、「遅れてきた」若者の屈折した自己意識を描く作品。戦後の政治的・性的な不安を背景に、青年が自分の時代に乗り遅れた感覚を抱える。初期大江らしい、青春小説でありながら痛切で不穏な読み味を持つ。
- 2139 1962 媒煙 ばいえん 『媒煙』は、運上旦子が第14回文學界新人賞の最終候補となった作品。文学賞データベースでは、1962年上期、『文學界』1962年5月号選評掲載の回で候補作として確認できる。本文掲載、単行本化、梗概は今回確認できないため、内容紹介は保留する。
- 2140 1962 砂の女 すなのおんな 『砂の女』は、昆虫採集に来た男が砂丘の穴の底にある家へ閉じ込められ、女とともに砂を掻き出す生活を強いられる長篇です。脱出への執着と、砂の生活に適応していく感覚が交錯し、自由とは何か、労働とは何かを不条理な寓話として問い直します。
- 2141 1961 充たされた生活 みたされたせいかつ 石川達三が1960年代初頭に刊行した生活小説。題名の「充たされた」が逆説的に響くように、安定した生活の中にある不満や空虚を扱う作品として読める。公開情報が限られるため、家族、階層、生活倫理の揺らぎを主題にした暫定紹介とする。
- 2142 1961 砂の器 すなのうつわ 『砂の器』は、清張の代表的長篇として広く読まれてきた作品です。今回の候補では、既存登録の『点と線』と並ぶ book-form 長篇として、まずNDLの具体的な所蔵書誌で確認できる新潮社文庫2006年版を中心に登録候補化する。
- 2143 1960 あした晴れるか アシタ ハレルカ 戦争文学以外の初期小説を補う候補。NDLの書誌では「長編小説」。
- 2144 1960 風がめざめる カゼ ガ メザメル 『雨に似ている』後の初期小説として、純文学寄りの補完候補。
- 2145 1960 愛と死の森 あいとしのもり 既存登録の『山塔』『檸檬・ブラックの死』以外に確認できる斯波四郎の book-form work 候補。
- 2146 1960 ある秋の出来事 アル アキ ノ デキゴト 1960年に中央公論社から刊行された図書としてNDLで確認できる。古い刊行物のため追加時には目次・内容確認を推奨。
- 2147 1959 人間の壁 にんげんのかべ 教育現場を舞台に、教師たちの苦闘と理想を描いた石川達三の大河社会小説。学校という制度を通じて、戦後社会の矛盾、労働、政治的な圧力を広く描く。個人の善意だけでは越えられない「壁」を、複数の人物の視点で見せる作品である。
- 2148 1959 われらの時代 われらのじだい 大江健三郎が1959年に刊行した初期長編。敗戦後世代の若者たちの閉塞、政治感覚、性や暴力への傾斜を通じて、「われら」と呼べる時代の不安を描く。初期大江の実存的な焦燥と社会への違和感が前面に出る作品。
- 2149 1959 雨に似ている あめににている 『雨に似ている』は、菊村到が『硫黄島』で第37回芥川賞を受賞した後、1959年に雪華社から刊行した単行本です。NDLサーチでは261ページの図書として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概や初出情報を確認できなかったため、内容は推測せず、菊村の初期作品を示す書誌として記録します。
- 2150 1959 風の挽歌 カゼ ノ バンカ 1950年代末の初期作品として、既収録『雨に似ている』周辺の候補。
- 2151 1959 山塔 さんとう 『山塔』は、斯波四郎が第41回芥川賞を受賞した短篇集の表題作です。公開資料で詳しい筋を確認できる範囲は限られますが、生活の厚みと人間の時間を描く作品として評価されました。既存調査にある選評の要点からは、技巧よりも「人生」が感じられる点が評価されたことがわかります。 第41回 芥川賞
- 2152 1959 檸檬・ブラックの死 れもん・ぶらっくのし 『檸檬・ブラックの死』は、斯波四郎が第41回芥川賞受賞作『山塔』と同じ1959年に講談社から刊行した単行本です。NDLサーチでは270ページの図書として確認できます。公開Webで信頼できる詳細梗概や初出情報を確認できなかったため、内容は推測せず、斯波の初期作品を示す書誌として記録します。
- 2153 1959 死の棘(初期連作) しのとげ(しょきれんさく) 『死の棘(初期連作)』は、妻の精神疾患と夫婦生活の崩壊を、逃げ場のない一人称で書き継いだ私小説的連作です。家庭という最も近い場所が病と疑念によって変質していく過程を、苛烈な自己凝視で描きます。のちに完結版へ至る島尾敏雄文学の中心的モチーフが、初期の連作段階からすでに現れています。
- 2154 1959 海辺の光景 うみべのこうけい 講談社1959年刊の単行本。既存収録の初期芥川賞受賞作・晩年作の間を補う代表作。
- 2155 1959 ゼロの焦点 ぜろのしょうてん 『ゼロの焦点』は、既存の『点と線』と同じく清張の社会派推理長篇として扱える book-form 候補です。今回の候補では新潮社文庫版を中心に、刊行確認済みの作品として整理する。
- 2156 1959 娼婦の部屋 ショウフ ノ ヘヤ 吉行の都市・性・孤独の主題を代表的に補う候補。のち新潮文庫で再刊。
- 2157 1959 日本三文オペラ にほんさんもんおぺら 1959年に文芸春秋新社から刊行された開高健の代表的長篇。新潮社公式の現行文庫ページで内容紹介・かな・ISBNを確認できる。
- 2158 1958 完全な遊戯 かんぜんなゆうぎ 若者たちの倦怠と残虐な「遊び」を描いた石原慎太郎の中篇。遊戯の名の下に暴力がエスカレートしていく構図は、戦後若者文化への不安と反発を強く帯びる。太陽族文学の享楽性の裏側にある空虚さを読む作品である。
- 2159 1958 亀裂 きれつ 石原慎太郎が1950年代に刊行した作品で、戦後社会の価値観のひび割れを思わせる題名を持つ。公開情報では細部の梗概が少ないため、初期石原の若者像や社会への挑発を含む作品として暫定整理する。個人と社会、欲望と規範の間に走る亀裂を読む軸を置く。
- 2160 1958 芽むしり仔撃ち めむしりこうち 戦争末期、感化院の少年たちが山村へ移送され、疫病を恐れた村人たちに置き去りにされる初長編。少年たちは閉ざされた村で短い自治と連帯を作ろうとするが、共同体の暴力と大人たちの保身によってその世界は崩れていく。少年の身体感覚に近い切迫した語りで、戦時下の排除、無垢の破壊、周縁に追いやられた者たちの一瞬の自…
- 2161 1958 飼育 しいく 戦争末期、外界から隔てられた山間の寒村に米軍機が墜落し、生き残った黒人兵が捕虜として捕らえられる。県の指示が出るまで村で「飼う」ことになった黒人兵に食事を運ぶ役を担った少年「僕」は、言葉の通じない相手とのあいだに、獣を飼い馴らすような、しかし確かな親密さを育てていく。子どもたちの祝祭めいた共生の日々… 第39回 芥川賞
- 2162 1958 死者の奢り ししゃのおごり 大学の死体処理室でアルバイトをする若者たちを描く、初期大江の代表的な短篇。死者は畏怖の対象であると同時に、運搬され、数えられ、処理される物質として現れ、生と死の境界が事務的な労働の場に引き寄せられる。若い語り手の冷えた感覚と不安を通して、戦後の身体感覚、死への距離、社会の片隅に置かれた労働の異様さが…
- 2163 1958 あゝ江田島 アア エタジマ 既収録『硫黄島』と同じ戦争文学系の代表候補。後年『硫黄島・あゝ江田島』として合本再刊もある。
- 2164 1958 男と女の子 オトコ ト オンナノコ 戦争もの以外の初期小説として追加候補。後年再刊も確認できる。
- 2165 1958 男と女の子 オトコ ト オンナノコ 既収録『驟雨』と同時期の初期作品として追加候補。後年P+D BOOKSでも再刊あり。
- 2166 1958 海と毒薬 うみとどくやく 『海と毒薬』は、戦争末期の大学病院で行われた米軍捕虜の生体解剖事件を題材に、医師や学生たちがなぜ残虐行為に加担していくのかを描く長篇です。遠藤周作が繰り返し問う、罪、良心、信仰の不在を、日本の戦争責任と結びつけて考える作品です。
- 2167 1958 花芯 かしん 1958年の講談社版をNDLで確認。1960年代以降の再刊、2005年の講談社文庫版、2001年の新潮社『瀬戸内寂聴全集』第1巻にも収録が確認できる。
- 2168 1957 硫黄島 いおうじま 『硫黄島』は、太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島を題材にした戦争小説です。戦闘の記憶を扱いながら、兵士個人の生と死が国家や軍事の物語に回収されていく重さを描きます。公開出典から確認できる内容紹介は限られるため、ここでは受賞・書誌情報を中心に整理しています。 第37回 芥川賞
- 2169 1957 裸の王様 はだかのおうさま 『裸の王様』は、企業の付設美術教室で働く主人公が、子どもたちの表現を管理しようとする組織と向き合う短篇です。子どもの自由な絵と大人の制度的な論理を対比させ、個人が組織に取り込まれていく過程を批評します。開高健の社会批評性と寓話性が、読みやすい構図のなかに収まった出世作です。 第38回 芥川賞
- 2170 1957 点と線 てんとせん 『点と線』は、香椎の海岸で発見された男女の死をめぐり、鉄道時刻表のわずかな隙間から事件の構図を解いていく長篇です。トリックの精密さに加え、官僚機構や汚職の気配を物語の奥に置くことで、松本清張の社会派推理の方向を決定づけました。
- 2171 1957 パニック ぱにっく 『パニック』は、鼠の大量発生という異常事態を題材に、行政の硬直、情報の混乱、集団心理の連鎖を描く開高健の初期短篇です。社会の仕組みが危機に直面したときに露わになる滑稽さと恐怖を、寓話的な筆致で浮かび上がらせます。
- 2172 1956 処刑の部屋 しょけいのへや 大学生の性的奔放と暴力を描いた石原慎太郎の初期代表短篇。若者の身体感覚、退屈、残酷さを挑発的に描き、「太陽族」文学の衝撃を広げる作品となった。戦後の新しい若者像を、道徳的な安定ではなく暴力と欲望の側から提示する。
- 2173 1956 四十八歳の抵抗 よんじゅうはっさいのていこう 中年男性が若い女性に惹かれ、家庭と欲望の間で揺れる姿を描いた長編。年齢、性、家庭内の役割が絡み合い、戦後の中産階級的生活の安定が揺らぐ。映画化もされた話題作で、石川達三が家族と欲望を社会的に描いた一作。
- 2174 1956 海人舟 かいとぶね 『海人舟』は、千葉・鴨川の海辺を背景に、漁師たちの労働と土地に根ざした生活を描く短篇です。近藤啓太郎自身の漁業体験に近い素材を、海と身体の感覚を伴うリアリズムで扱っています。都市の内面劇とは違う、海辺の共同体と労働の重さが読みどころです。 第35回 芥川賞
- 2175 1956 金閣寺 きんかくじ 『金閣寺』は、1950年の金閣寺放火事件に着想を得て、吃音と自己嫌悪を抱える若い僧が美に囚われていく過程を描く長篇です。金閣の絶対的な美が主人公の現実感を侵食し、破壊衝動へ変わるまでを緊密な心理描写で追います。三島由紀夫の美意識とニヒリズムが最も鋭く結びついた戦後文学の代表作です。
- 2176 1956 ガラスの靴・愛玩 がらすのくつ・あいがん NDLで角川書店1956年刊『ガラスの靴・愛玩』を確認。後年の『ガラスの靴』単体版とは区別する。
- 2177 1956 原色の街 ゲンショク ノ マチ 既収録『驟雨』とあわせて初期代表作を補う候補。のち『原色の街・驟雨』として文庫化。
- 2178 1955 太陽の季節 たいようのきせつ 裕福な家庭に育ち、拳闘に打ち込む高校生・津川竜哉が主人公。湘南の海やヨット、盛り場を舞台に、既成の倫理や大人の価値観を軽蔑し、喧嘩や女性関係を遊戯のように楽しむ戦後世代の若者たちの生態を描く。竜哉は英子という女性と出会い、互いに駆け引きめいた恋愛を続けるうちに、欲望と愛情の間で関係は思わぬ方向へ傾い… 第34回 芥川賞
- 2179 1955 白い人 しろいひと 『白い人』は、ナチ占領下のフランスを舞台に、拷問と背徳を通して悪の問題を問う遠藤周作の中篇です。信仰の有無を単純に裁くのではなく、人間が悪へ傾く瞬間を内面から探ります。カトリック作家としての遠藤の問題意識が、以後の『沈黙』などへつながる出発点として読めます。 第33回 芥川賞
- 2180 1954 女だけの旅 おんなだけのたび 『女だけの旅』は、1954年に山田書店から刊行された石川利光の単行本。NDLサーチで、表題作のほか「終りの日」「窓の人」「狡い夢」を収録する作品集として確認できる。公開Web上で確認できた内容紹介は限られるため、詳細な筋は推測せず、芥川賞受賞作「春の草」後の単行本として書誌を記録する。
- 2181 1954 驟雨 しゅうう 『驟雨』は、料亭の女との短い逢瀬を軸に、中年男の倦怠と孤独を描く短篇です。感情を大きく説明せず、会話や身振りの細部から男女の距離を読ませるところに特徴があります。吉行淳之介の乾いた都市的感覚が、第三の新人の作風を代表するかたちで現れています。 第31回 芥川賞
- 2182 1954 プールサイド小景 ぷーるさいどしょうけい 『プールサイド小景』は、社員旅行の一日を舞台に、家庭を持つ男の欲望と罪悪感を細密に描く短篇です。劇的事件よりも視線、沈黙、気まずさの変化を追うことで、都市生活者の不安を浮かび上がらせます。庄野潤三の静かな日常描写のなかに、戦後の家庭と個人の距離感が滲む作品です。 第32回 芥川賞
- 2183 1954 アメリカン・スクール あめりかん・すくーる 『アメリカン・スクール』は、占領下日本の英語教師たちがアメリカ人学校を見学する一日を描く短篇です。英語を教えながら英語に怯える教師たちの滑稽さを通して、敗戦後の対米感情と自意識のゆがみが浮かびます。小島信夫らしいユーモアと違和感のある会話が、戦後日本の心理的占領状態を照らします。 第32回 芥川賞
- 2184 1954 潮騒 しおさい 『潮騒』は、三重県の孤島を舞台に、若い漁夫と海女の恋を明るく端正に描く長篇です。古代ギリシャの牧歌的恋愛物語を思わせる構成を、日本の海辺の共同体に置き換えています。三島由紀夫作品のなかでは例外的に清明な青春小説として読まれ、自然と身体の健やかさが強く印象に残ります。
- 2185 1953 最後の共和国 さいごのきょうわこく 石川達三が1950年代に刊行した政治性の強い題名を持つ作品。共同体や国家の理念がどのように崩れ、個人の生活へ影を落とすのかを考える社会小説として読める。公開梗概が少ないため、政治的寓意と戦後社会批判を中心に暫定整理する。
- 2186 1952 真空地帯 しんくうちたい 『真空地帯』は、軍隊内務班という閉じた空間で、暴力と服従が日常化していく構造を描いた長篇です。野間宏自身の軍隊経験を背景に、命令・階級・沈黙が個人を追い詰める過程を厚いリアリズムで追います。戦争を前線の英雄譚ではなく、組織の非人間性として描いたところに作品の強さがあります。
- 2187 1952 或る「小倉日記」伝 あるこくらにっきでん 『或る「小倉日記」伝』は、森鷗外の小倉時代を記録することに生涯を傾けた人物を主人公にする短篇です。文学史の周縁にいる無名の調査者の執念をたどり、資料を追う行為そのものを物語化しています。史実と想像を接続する構成が、のちの松本清張の記録性・推理性を予告します。 第28回 芥川賞
- 2188 1951 風にそよぐ葦 かぜにそよぐあし 戦後の混乱期を生き抜く民衆の姿を、新聞社を舞台に描いた長編社会小説。報道、政治、生活の不安が交差する場として新聞社を置き、戦後民主主義の理想と現実のずれを描く。複数の人物を通じて社会全体を見渡す、大河的な読み味がある。
- 2189 1951 壁 かべ 『壁』は、ある朝突然に名前を失った男S・カルマ氏の不条理な遍歴を描く安部公房の前衛的中篇です。現実の制度や所有の感覚がずれていく過程を、寓話的で実験的な文体によって追い詰めます。戦後日本文学に不条理文学・シュールレアリスムの感覚を持ち込んだ、安部公房の出発点となる作品です。 第25回 芥川賞
- 2190 1951 春の草 はるのくさ 『春の草』は、石川利光が第25回芥川賞を安部公房『壁』と同時受賞した作品です。詳しい筋を確認できる公開資料は少ないものの、戦後まもない文学場で、生活の手触りと内面の揺れを描くリアリズム系の短篇として受け止められました。現時点では、書誌・受賞情報を中心に紹介しています。 第25回 芥川賞
- 2191 1951 広場の孤独 ひろばのこどく 『広場の孤独』は、朝鮮戦争下の東京を舞台に、新聞社に勤める在日中国人の知識人が戦争と民族のあいだで引き裂かれていく姿を描く作品です。政治状況を背景にしながら、個人の倫理と所属の不安を前景化する点に読みどころがあります。戦後文学の中でも、国際政治と内面の孤独を同時に扱った作品として位置づけられます。 第26回 芥川賞
- 2192 1951 悪い仲間・陰気な愉しみ わるいなかま・いんきなたのしみ 『悪い仲間・陰気な愉しみ』は、病と貧しさ、青年期の停滞を背景にした安岡章太郎の初期短篇群です。結核療養や日常の挫折をめぐる内省を、過剰な劇化を避けた私小説的な語りで描きます。第三の新人と呼ばれる世代の、戦後の日常感覚と弱さへのまなざしがよく出た作品です。 第29回 芥川賞
- 2193 1950 神坂四郎の犯罪 かみさかしろうのはんざい 犯罪を題名に据えた石川達三の長編。個人の罪を社会の中でどう見るかという、石川の社会派的な問題意識に連なる作品として読める。公開情報では細部の筋が限定的なため、犯罪、責任、共同体の視線を主題に持つ作品として暫定分類する。
- 2194 1949 異邦人 いほうじん 『異邦人』は、敗戦後の中国で中国共産党軍に徴用された日本人の体験を描く短篇です。異国の軍事・政治状況に投げ込まれた人物を通して、戦後直後の日本人が抱えた疎外感と帰属の不安を切り取ります。物語の細部については公開出典が限られるため、ここでは受賞作として確認できる範囲を中心に紹介します。 第23回 芥川賞
- 2195 1949 山の音 やまのおと 『山の音』は、鎌倉に暮らす老齢の会社重役・信吾を中心に、家族の崩れと老いの気配を見つめる連作長篇です。嫁の菊子への静かな愛着、息子夫婦の不和、死の予感が、抑制された三人称の語りで重なっていきます。戦後の家庭小説でありながら、川端康成らしい感覚的な細部が、老いと記憶の陰影を際立たせます。 第7回 野間文芸賞
- 2196 1949 仮面の告白 カメン ノ コクハク 三島由紀夫の代表的長篇。既登録の『潮騒』『金閣寺』より前の重要作として追加候補になる。
- 2197 1947 望みなきに非ず のぞみなきにあらず 石川達三が戦後間もない時期に刊行した作品で、新潮社版などの書誌が確認できる。題名には敗戦後の絶望と、それでも残る可能性への視線が併存している。公開情報が少ないため、戦後社会を背景にした再出発と倫理の小説として暫定的に整理する。
- 2198 1946 暗い絵 くらいえ 『暗い絵』は、敗戦直後の文学状況の中で、戦時下に屈折した青年の内面と、思想・身体・性をめぐる不安を描いた野間宏の初期代表作です。『真空地帯』の軍隊批判へつながる、戦後文学の内面描写と社会批判の出発点として読むことができます。
- 2199 1945 生きてゐる兵隊 いきてゐるへいたい 南京攻略戦に従軍した日本兵の実態を描いた戦争小説。戦場の兵士を英雄化せず、加害と疲弊のただ中に置くことで、戦争が人間の身体と倫理をどう壊すかを見つめる。発売直後に発禁処分を受けた問題作として知られ、石川達三の社会的リアリズムを代表する重要作である。
- 2200 1940 転落の詩集 てんらくのしいしゅ 石川達三が戦前から戦後にかけて読まれた作品で、八雲書店版や作品集収録が確認できる。題名の「転落」が示すように、社会的な地位や精神の崩れをめぐる小説として位置づけられる。内容細部は追加確認が必要だが、社会派の視線で人間の弱さを追う作品として分類する。
- 2201 1938 結婚の生態 けっこんのせいたい 結婚という制度と生活の内側を観察する石川達三の長編。家庭や男女関係を社会の縮図として見る作家の関心がうかがえ、私的な感情と制度的な役割のずれが主題になる。公開梗概は薄いが、家族・夫婦・生活倫理をめぐる作品として暫定整理する。
- 2202 1936 深海魚 しんかいぎょ 石川達三が1930年代に発表した初期作品で、改造社版などの書誌が確認できる。公開情報では細部の梗概や同時代評が限られるため、現段階では初期社会派作家としての石川が、人間の暗部や社会の圧力へ視線を向けていた時期の一作として整理する。題名の「深海魚」が示す閉塞感を手がかりに、孤立した人物像を読む候補作と…
- 2203 1935 蒼氓 そうぼう 昭和初頭、国策としてブラジル移民に応じた人々を描く三部構成の群像劇。第一部では神戸の国立移民収容所で出港を待つ数日間が、東北の寒村から一家で海を渡ろうとする者たちを中心に描かれ、続いて移民船での45日間の航海、ブラジル到着後に過酷な労働へ踏み出す姿へと続く。貧しさゆえに故郷を棄てざるをえない名もなき… 第1回 芥川賞
- 2204 1935 雪国 ゆきぐに 『雪国』は、雪深い温泉地を訪れる島村と芸者駒子、葉子をめぐる関係を、抒情と余白の多い文体で描く中篇です。自然描写、身体感覚、叶わない関係の気配が重なり、川端康成の美意識を代表する作品として広く読まれてきました。
Timeline View
縦軸に作家、横軸に発表年を置き、収録作品を年表上にプロットしています。
青山七恵 debut 2005 / 22 works
窓の灯 2005 / 第42回 文藝賞 ひとり日和 2007 / 第136回 芥川賞 やさしいため息 2008 2009 / 2 works
かけら 魔法使いクラブ お別れの音 2010 2011 / 2 works
あかりの湖畔 わたしの彼氏 2012 / 2 works
すみれ 花嫁 2013 / 2 works
めぐり糸 快楽 風 2014 繭 2015 2017 / 2 works
ハッチとマーロウ 踊る星座 ブルーハワイ 2018 私の家 2019 みがわり 2020 はぐれんぼう 2022 前の家族 2023 記念日 2025
赤木和雄 debut 2009 / 2 works
2009 / 2 works
インタビュー 神様だらけの世界の奇妙さ 神キチ
朝比奈あすか debut 2006 / 23 works
憂鬱なハスビーン 2006 / 第49回 群像新人賞 声を聴かせて 2008 2010 / 3 works
やわらかな棘 月曜日の朝へ 彼女のしあわせ BANG! BANG! BANG! 2011 プールサイドの彼方 2012 憧れの女の子 2013 不自由な絆 2014 2015 / 3 works
あの子が欲しい 自画像 天使はここに 少女は花の肌をむく 2016 人間タワー 2017 2018 / 2 works
みなさんの爆弾 人生のピース 君たちは今が世界 2019 翼の翼 2021 ななみの海 2022 ミドルノート 2023 2024 / 2 works
いつか、あの博物館で。 普通の子 温泉小説 2025
阿部和重 debut 1994 / 18 works
アメリカの夜 1994 / 第37回 群像新人賞 ABC戦争 1995 1997 / 2 works
インディヴィジュアル・プロジェクション 公爵夫人邸の午後のパーティー 1999 / 2 works
シンセミア 無情の世界 ニッポニアニッポン 2001 グランド・フィナーレ 2004 / 第132回 芥川賞 2006 / 2 works
プラスティック・ソウル ミステリアスセッティング ピストルズ 2007 / 第46回 谷崎賞 クエーサーと13番目の柱 2012 2013 / 2 works
□ Deluxe Edition キャプテンサンダーボルト 2014 Orga(ni)sm オーガニズム 2019 ブラック・チェンバー・ミュージック 2021 ULTIMATE EDITION 2022
石沢麻依 debut 2021 / 12 works
貝に続く場所にて 2021 / 第165回 芥川賞 2022 / 2 works
マグノリアの手 月の三相 2023 / 4 works
トルソの手紙 マルギット・Kの鏡像 獏、石榴ソース和え 琥珀の家の掌 2024 / 4 works
エコー、あるいはEの消失 かりそめの星巡り 鳥を飼うひと 木偏の母 糸芝居 2025
井戸川射子 debut 2021 / 8 works
ここはとても速い川 2021 / 第43回 野間新人賞 この世の喜びよ 2022 / 第168回 芥川賞 共に明るい 2023 無形 2024 2025 / 2 works
移動そのもの 曇りなく常に良く 2026 / 2 works
私的応答 舞う砂も道の実り
絲山秋子 debut 2003 / 23 works
イッツ・オンリー・トーク 2003 / 第96回 文學界新人賞 2004 / 2 works
海の仙人 袋小路の男 2005 / 3 works
スモールトーク ニート 逃亡くそたわけ 2006 / 2 works
エスケイプ/アブセント 沖で待つ ダーティ・ワーク 2007 2008 / 2 works
ばかもの ラジ&ピース 妻の超然 2010 2011 / 2 works
不愉快な本の続編 末裔 忘れられたワルツ 2013 離陸 2014 薄情 2015 / 第52回 谷崎賞 小松とうさちゃん 2016 夢も見ずに眠った。 2019 御社のチャラ男 2020 まっとうな人生 2022 神と黒蟹県 2023 細長い場所 2025
円城塔 debut 2007 / 16 works
2007 / 2 works
Self-Reference ENGINE オブ・ザ・ベースボール Boy's Surface 2008 烏有此譚 2009 / 第32回 野間新人賞 後藤さんのこと 2010 これはペンです 2011 2012 / 2 works
バナナ剥きには最適の日々 道化師の蝶 2015 / 3 works
エピローグ シャッフル航法 プロローグ 文字渦 2018 / 第43回 川端賞 ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉 2022 2024 / 2 works
コード・ブッダ 機械仏教史縁起 ムーンシャイン 去年、本能寺で 2025
大江健三郎 debut 1958 / 31 works
1958 / 3 works
芽むしり仔撃ち 死者の奢り 飼育 われらの時代 1959 遅れてきた青年 1962 1963 / 2 works
叫び声 性的人間 1964 / 2 works
個人的な体験 日常生活の冒険 万延元年のフットボール 1967 / 第3回 谷崎賞 われらの狂気を生き延びる道を教えよ 1969 みずから我が涙をぬぐいたまう日 1972 洪水はわが魂に及び 1973 / 第26回 野間文芸賞 ピンチランナー調書 1976 同時代ゲーム 1979 「雨の木」を聴く女たち 1982 新しい人よ眼ざめよ 1983 河馬に嚙まれる 1985 / 第11回 川端賞 M/Tと森のフシギの物語 1986 懐かしい年への手紙 1987 キルプの軍団 1988 人生の親戚 1989 静かな生活 1990 燃えあがる緑の木 1993 宙返り 1999 取り替え子(チェンジリング) 2000 憂い顔の童子 2002 さようなら、私の本よ! 2005 臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ 2007 水死 2009 晩年様式集(イン・レイト・スタイル) 2013
大岡玲 debut 1989 / 3 works
1989 / 2 works
黄昏のストーム・シーディング 表層生活 ヒ・ノ・マ・ル 1992
岡崎祥久 debut 1997 / 12 works
秒速10センチの越冬 1997 / 第40回 群像新人賞 2000 / 2 works
バンビーノ 楽天屋 2002 / 2 works
首鳴り姫 南へ下る道 昨日この世界で 2004 独学魔法ノート 2005 2008 / 2 works
ctの深い川の町 文学的なジャーナル 千年ギツネ 2009 ファンタズマゴーリア 2014 ポシーとポパー : ふたりは探偵 : 魔界からの挑戦 2020
奥泉光 debut 1990 / 27 works
滝 1990 葦と百合 1991 蛇を殺す夜 1992 1993 / 2 works
ノヴァーリスの引用 石の来歴 バナールな現象 1994 「吾輩は猫である」殺人事件 1996 プラトン学園 1997 グランド・ミステリー 1998 2001 / 2 works
鳥類学者のファンタジア 坊ちゃん忍者幕末見聞録 浪漫的な行軍の記録 2002 新・地底旅行 2004 モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 2005 神器 軍艦「橿原」殺人事件 2009 / 第62回 野間文芸賞 シューマンの指 2010 2011 / 2 works
桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 地の鳥 天の魚群 2012 / 3 works
黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2 虫樹音楽集 東京自叙伝 メフィストフェレスの定理 地獄シェイクスピア三部作 2013 ビビビ・ビ・バップ 2016 雪の階 2018 ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3 2019 死神の棋譜 2020 虚史のリズム 2024
奥田亜希子 debut 2013 / 11 works
左目に映る星 2013 / 第37回 すばる文学賞 透明人間は204号室の夢を見る 2015 五つ星をつけてよ 2016 青春のジョーカー 2018 2020 / 2 works
愛の色いろ 白野真澄はしょうがない クレイジー・フォー・ラビット 2021 2022 / 2 works
夏鳥たちのとまり木 彼方のアイドル 2025 / 2 works
運命の終い 今を春べと
金原ひとみ debut 2003 / 22 works
蛇にピアス 2003 / 第130回 芥川賞 / 第27回 すばる文学賞 アッシュベイビー 2004 AMEBIC 2005 オートフィクション 2006 2007 / 2 works
ハイドラ 星へ落ちる 2009 / 2 works
TRIP TRAP 憂鬱たち マザーズ 2011 / 第22回 ドゥマゴ文学賞 マリアージュ・マリアージュ 2012 持たざる者 2015 軽薄 2016 クラウドガール 2017 アタラクシア 2019 fishy 2020 アンソーシャル ディスタンス 2021 / 第57回 谷崎賞 2022 / 2 works
デクリネゾン ミーツ・ザ・ワールド 2023 / 2 works
ハジケテマザレ 腹を空かせた勇者ども ナチュラルボーンチキン 2024 YABUNONAKA 2025
佐川光晴 debut 2000 / 20 works
生活の設計 2000 / 第32回 新潮新人賞 ジャムの空壜 2001 縮んだ愛 2002 / 第24回 野間新人賞 極東アングラ正伝 2003 灰色の瞳 2004 2005 / 2 works
永遠の誓い 家族芝居 銀色の翼 2006 金色のゆりかご 2008 ぼくたちは大人になる 2009 2010 / 2 works
おれのおばさん とうさんは、大丈夫 おれたちの青空 2011 おれたちの約束 2013 2014 / 2 works
おれたちの故郷 鉄童の旅 大きくなる日 2016 日の出 2018 駒音高く 2019 満天の花 2021
佐佐木陸 debut 2023 / 3 works
解答者は走ってください 2023 2025 / 2 works
ごみのはての 悲しくて目が回る
澤大知 debut 2021 / 2 works
2021 / 2 works
眼球達磨式 受賞記念対談 村田沙耶香×澤大知 "物の眼差し"から世界を知覚する
斯波四郎 debut 1959 / 3 works
1959 / 2 works
山塔 檸檬・ブラックの死 愛と死の森 1960
柴崎友香 debut 2000 / 28 works
きょうのできごと 2000 次の町まで、きみはどんな歌をうたうの? 2001 2004 / 2 works
ショートカット 青空感傷ツアー フルタイムライフ 2005 その街の今は 2006 また会う日まで 2007 2008 / 2 works
主題歌 星のしるし ドリーマーズ 2009 寝ても覚めても 2010 / 第32回 野間新人賞 2011 / 2 works
ビリジアン 虹色と幸運 2012 / 2 works
わたしがいなかった街で 週末カミング 2014 / 3 works
きょうのできごと、十年後 春の庭 星よりひそかに パノララ 2015 2017 / 2 works
かわうそ堀怪談見習い 千の扉 2018 / 2 works
つかのまのこと 公園へ行かないか?火曜日に 待ち遠しい 2019 百年と一日 2020 続きと始まり 2023 / 第60回 谷崎賞 2025 / 2 works
遠くまで歩く 帰れない探偵
島本理生 debut 2001 / 26 works
シルエット 2001 リトル・バイ・リトル 2002 / 第25回 野間新人賞 生まれる森 2004 2005 / 2 works
ナラタージュ 一千一秒の日々 2007 / 3 works
あなたの呼吸が止まるまで クローバー 大きな熊が来る前に、おやすみ。 波打ち際の蛍 2008 君が降る日 2009 2010 / 3 works
あられもない祈り アンダスタンド・メイビー 真綿荘の住人たち 七緒のために 2012 よだかの片想い 2013 Red 2014 2015 / 2 works
夏の裁断 匿名者のためのスピカ イノセント 2016 わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 2017 2018 / 2 works
あなたの愛人の名前は ファーストラヴ 夜はおしまい 2019 2020年の恋人たち 2020 星のように離れて雨のように散った 2021 憐憫 2022
鈴木結生 debut 2024 / 3 works
2024 / 2 works
ゲーテはすべてを言った 人にはどれほどの本がいるか 携帯遺産 2025
高樹のぶ子 debut 1983 / 39 works
1983 / 2 works
その細き道 光抱く友よ 寒雷のように 1984 波光きらめく果て 1985 星夜に帆をあげて 1986 虹の交響 1988 1990 / 2 works
時を青く染めて 霧の子午線 1991 / 2 works
サザンスコール 哀歌は流れる 1992 / 3 works
これは懺悔ではなく 彩雲の峰 白い光の午後 1993 / 2 works
銀河の雫 湖底の森 1994 / 2 works
蔦燃 熱 1995 / 3 works
億夜 花弁を光に透かして 水脈 彩月 1997 イスタンブールの闇 1998 透光の樹 1999 / 第35回 谷崎賞 妖しい風景 2001 エフェソス白恋 2002 2003 / 2 works
ナポリ魔の風 罪花 せつないカモメたち 2006 うまくいかないのが恋 2008 2009 / 2 works
トモスイ 甘苦上海 ショパン奇蹟の一瞬 2010 香夜 2013 少女霊異記 2014 オライオン飛行 2016 白磁海岸 2017 格闘 2019 2020 / 2 works
業平 明日香さんの霊異記
高倉やえ debut 2011 / 7 works
天の火 2011 星月夜 2013 2015 / 2 works
ものかげの雨 雪の朝 紅い海 2017 2026 / 2 works
建て替え = Rebuilding. 下 建て替え = Rebuilding. 上
高瀬隼子 debut 2019 / 8 works
犬のかたちをしているもの 2019 / 第43回 すばる文学賞 犬のかたちをしているもの 2020 / 第43回 すばる文学賞 水たまりで息をする 2021 おいしいごはんが食べられますように 2022 / 第167回 芥川賞 2023 / 2 works
いい子のあくび うるさいこの音の全部 2024 / 2 works
め生える 新しい恋愛
高瀬千図 debut 1984 / 8 works
夏の淵 1984 / 第16回 新潮新人賞 風の家 1987 天の曳航 1988 夏の記憶 1996 1997 / 2 works
道真. 下 邯鄲の夢 道真. 上 花の時 2018 / 2 works
明恵 : 栂尾高山寺秘話. 下 明恵 : 栂尾高山寺秘話. 上
高橋源一郎 debut 1981 / 23 works
さようなら、ギャングたち 1981 虹の彼方に 1984 1985 / 2 works
ジョン・レノン対火星人 優雅で感傷的な日本野球 ペンギン村に陽は落ちて 1989 惑星P-13の秘密 1990 1997 / 2 works
ゴーストバスターズ 冒険小説 日本文学盛衰史 あ・だ・る・と 1999 ゴヂラ 2001 2002 / 2 works
官能小説家 君が代は千代に八千代に 2005 / 2 works
ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ 性交と恋愛にまつわるいくつかの物語 いつかソウル・トレインに乗る日まで 2008 今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇 2009 「悪」と戦う 2010 恋する原発 2011 さよならクリストファー・ロビン 2012 / 第48回 谷崎賞 銀河鉄道の彼方に 2013 動物記 2015 ゆっくりおやすみ、樹の下で 2017 DJヒロヒト 2018
滝口悠生 debut 2011 / 11 works
楽器 2011 / 第43回 新潮新人賞 寝相 2014 2015 / 3 works
ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス 愛と人生 死んでいない者 2017 / 2 works
茄子の輝き 高架線 長い一日 2021 水平線 2022 ラーメンカレー 2023 たのしい保育園 2025
田中慎弥 debut 2005 / 18 works
冷たい水の羊 2005 / 第37回 新潮新人賞 図書準備室 2007 2008 / 2 works
神様のいない日本シリーズ 切れた鎖 犬と鴉 2009 実験 2010 共喰い 2011 / 第146回 芥川賞 2012 / 2 works
田中慎弥の掌劇場 夜蜘蛛 燃える家 2013 宰相A 2015 炎と苗木 田中慎弥の掌劇場 2016 美しい国への旅 2017 ひよこ太陽 2019 2020 / 2 works
完全犯罪の恋 地に這うものの記録 流れる島と海の怪物 2023 死神 2024
中島たい子 debut 2004 / 11 works
漢方小説 2004 / 第28回 すばる文学賞 そろそろくる 2006 2007 / 2 works
この人と結婚するかも 建てて、いい? 結婚小説 2009 ぐるぐる七福神 2011 LOVE & SYSTEMS 2012 2015 / 2 works
院内カフェ 心臓異色 万次郎茶屋 2017 かきあげ家族 2020
長嶋有 debut 2001 / 21 works
サイドカーに犬 2001 / 第92回 文學界新人賞 2002 / 2 works
タンノイのエジンバラ 猛スピードで母は ジャージの二人 2003 パラレル 2004 泣かない女はいない 2005 夕子ちゃんの近道 2006 エロマンガ島の三人 2007 ぼくは落ち着きがない 2008 ねたあとに 2009 祝福 2010 佐渡の三人 2012 問いのない答え 2013 愛のようだ 2015 三の隣は五号室 2016 / 第52回 谷崎賞 もう生まれたくない 2017 私に付け足されるもの 2018 今も未来も変わらない 2020 ルーティーンズ 2021 トゥデイズ 2023 僕たちの保存 2024
中村文則 debut 2002 / 23 works
銃 2002 / 第34回 新潮新人賞 遮光 2004 / 第26回 野間新人賞 2005 / 2 works
悪意の手記 土の中の子供 最後の命 2007 2009 / 3 works
何もかも憂鬱な夜に 世界の果て 掏摸 悪と仮面のルール 2010 王国 2011 2012 / 2 works
迷宮 惑いの森 去年の冬、きみと別れ 2013 2014 / 2 works
A 教団X あなたが消えた夜に 2015 私の消滅 2016 / 第26回 ドゥマゴ文学賞 R帝国 2017 その先の道に消える 2018 逃亡者 2020 カード師 2021 列 2023 / 第77回 野間文芸賞 彼の左手は蛇 2025
中山智幸 debut 2005 / 6 works
さりぎわの歩き方 2005 / 第101回 文學界新人賞 2008 / 2 works
ありったけの話 空で歌う ブラスデイズ 2012 2015 / 2 works
ペンギンのバタフライ 暗号のポラリス
西野冬器 debut 2023 / 2 works
2023 / 2 works
子宮の夢 短篇部門 受賞記念インタビュー 現実を解体し幻想で遊ぶ
西村賢太 debut 2006 / 20 works
2006 / 2 works
どうで死ぬ身の一踊り 暗渠の宿 二度はゆけぬ町の地図 2007 小銭をかぞえる 2008 瘡瘢旅行 2009 2010 / 2 works
苦役列車 人もいない春 寒灯 2011 2013 / 2 works
棺に跨がる 歪んだ忌日 疒の歌 2014 2015 / 2 works
痴者の食卓 無銭横町 蠕動で渉れ、汚泥の川を 2016 芝公園六角堂跡 2017 2018 / 2 works
夜更けの川に落葉は流れて 羅針盤は壊れても 瓦礫の死角 2019 雨滴は続く 2022 蝙蝠か燕か 2023
乗代雄介 debut 2015 / 8 works
十七八より 2015 / 第58回 群像新人賞 本物の読書家 2016 / 第40回 野間新人賞 2020 / 2 works
ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ 最高の任務 2021 / 2 works
掠れうる星たちの実験 旅する練習 パパイヤ・ママイヤ 2022 二十四五 2025
萩原亨 debut 2001 / 2 works
2001 / 2 works
あみゴール 蚤の心臓ファンクラブ
羽田圭介 debut 2003 / 19 works
黒冷水 2003 / 第40回 文藝賞 不思議の国のペニス 2006 走ル 2008 2010 / 2 works
ミート・ザ・ビート 御不浄バトル 「ワタクシハ」 2011 2012 / 2 works
隠し事 盗まれた顔 メタモルフォシス 2014 スクラップ・アンド・ビルド 2015 / 第153回 芥川賞 コンテクスト・オブ・ザ・デッド 2016 成功者K 2017 5時過ぎランチ 2018 ポルシェ太郎 2019 2021 / 2 works
Phantom 滅私 タブー・トラック 2024 2025 / 2 works
その針がさすのは バックミラー
波多野陸 debut 2013 / 2 works
2013 / 2 works
アフター・ジャスティフィケイション・オブ・ライフ 鶏が鳴く
原田ひ香 debut 2007 / 23 works
はじまらないティータイム 2007 / 第31回 すばる文学賞 2011 / 2 works
人生オークション 東京ロンダリング 母親ウエスタン 2012 2014 / 2 works
ミチルさん、今日も上機嫌 彼女の家計簿 2015 / 3 works
ギリギリ 三人屋 復讐屋成海慶介の事件簿 虫たちの家 2016 2017 / 2 works
ラジオ・ガガガ ランチ酒 三千円の使いかた 2018 2019 / 3 works
DRY おっぱいマンション改修争議 まずはこれ食べて 2020 / 2 works
一橋桐子(76)の犯罪日記 口福のレシピ 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか 2021 2022 / 3 works
古本食堂 財布は踊る 老人ホテル 図書館のお夜食 2023
藤野可織 debut 2006 / 9 works
いやしい鳥 2006 / 第103回 文學界新人賞 パトロネ 2012 2013 / 2 works
おはなしして子ちゃん 爪と目 ファイナルガール 2014 ドレス 2017 2020 / 2 works
ピエタとトランジ〈完全版〉 来世の記憶 青木きららのちょっとした冒険 2022
星野智幸 debut 1997 / 19 works
最後の吐息 1997 / 第34回 文藝賞 嫐嬲 1999 目覚めよと人魚は歌う 2000 / 第13回 三島賞 2002 / 2 works
ファンタジスタ 毒身温泉 2004 / 2 works
アルカロイド・ラヴァーズ ロンリー・ハーツ・キラー 在日ヲロシヤ人の悲劇 2005 2006 / 2 works
われら猫の子 虹とクロエの物語 植物診断室 2007 水族 2009 俺俺 2010 夜は終わらない 2014 呪文 2015 焰 2018 / 第54回 谷崎賞 だまされ屋さん 2020 植物忌 2021 ひとでなし 2024
町屋良平 debut 2016 / 13 works
青が破れる 2016 / 第53回 文藝賞 2018 / 2 works
1R1分34秒 しき 2019 / 3 works
ショパンゾンビ・コンテスタント ぼくはきっとやさしい 愛が嫌い 2020 / 3 works
ふたりでちょうど200% ほんのこども 坂下あたると、しじょうの宇宙 恋の幽霊 2023 2024 / 2 works
私の小説 生きる演技 生活 2025
村上春樹 debut 1979 / 26 works
風の歌を聴け 1979 / 第22回 群像新人賞 1973年のピンボール 1980 羊をめぐる冒険 1982 / 第4回 野間新人賞 1983 / 2 works
カンガルー日和 中国行きのスロウ・ボート 螢・納屋を焼く・その他の短編 1984 1985 / 2 works
回転木馬のデッド・ヒート 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド パン屋再襲撃 1986 ノルウェイの森 1987 ダンス・ダンス・ダンス 1988 TVピープル 1990 国境の南、太陽の西 1992 ねじまき鳥クロニクル 1994 レキシントンの幽霊 1996 スプートニクの恋人 1999 神の子どもたちはみな踊る 2000 海辺のカフカ 2002 アフターダーク 2004 東京奇譚集 2005 1Q84 2009 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 2013 女のいない男たち 2014 騎士団長殺し 2017 一人称単数 2020 街とその不確かな壁 2023
村上龍 debut 1976 / 31 works
限りなく透明に近いブルー 1976 / 第75回 芥川賞 海の向こうで戦争が始まる 1977 コインロッカー・ベイビーズ 1980 / 第3回 野間新人賞 だいじょうぶマイ・フレンド 1983 テニスボーイの憂鬱 1985 1987 / 2 works
69 sixty nine 愛と幻想のファシズム 1988 / 2 works
トパーズ 村上龍料理小説集 ラッフルズホテル 1989 イビサ 1992 エクスタシー 1993 1994 / 3 works
ピアッシング 五分後の世界 昭和歌謡大全集 KYOKO 1995 1996 / 2 works
ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II ラブ&ポップ 1997 / 2 works
イン ザ・ミソスープ オーディション ライン 1998 2000 / 2 works
希望の国のエクソダス 共生虫 最後の家族 2001 半島を出よ 2005 / 第58回 野間文芸賞 歌うクジラ 2010 心はあなたのもとに 2011 55歳からのハローライフ 2012 オールド・テロリスト 2015 MISSING 失われているもの 2020 ユーチューバー 2023
村田喜代子 debut 1987 / 37 works
鍋の中 1987 / 第97回 芥川賞 ルームメイト 1989 白い山 : 作品集 1990 1991 / 2 works
耳納山交歓 真夜中の自転車 : 作品集 慶応わっふる日記 1992 花野 1993 蕨野行 1994 12のトイレ 1995 1996 / 2 works
蟹女 硫黄谷心中 お化けだぞう 1997 1998 / 2 works
望潮 龍秘御天歌 1999 / 2 works
X電車にのって : 作品集 ワニを抱く夜 : 作品集 夜のヴィーナス 2000 人が見たら蛙に化れ 2001 雲南の妻 2002 百年佳約 2004 鯉浄土 2006 2009 / 2 works
あなたと共に逝きましょう ドンナ・マサヨの悪魔 故郷のわが家 2010 / 第63回 野間文芸賞 光線 2012 ゆうじょこう 2013 屋根屋 2014 八幡炎炎記 2015 2016 / 2 works
焼野まで 人の樹 2018 / 2 works
エリザベスの友達 火環 : 八幡炎炎記 完結編 飛族 2019 / 第55回 谷崎賞 姉の島 2021 耳の叔母 2022 新古事記 : an impossible story 2023 美土里倶楽部 2025
村田沙耶香 debut 2003 / 16 works
授乳 2003 2008 / 2 works
ギンイロノウタ マウス 星が吸う水 2010 ハコブネ 2011 2012 / 2 works
しろいろの街の、その骨の体温の タダイマトビラ 殺人出産 2014 消滅世界 2015 コンビニ人間 2016 / 第155回 芥川賞 地球星人 2018 2019 / 2 works
生命式 変半身 丸の内魔法少女ミラクリーナ 2020 信仰 2022 世界99 2025 / 第78回 野間文芸賞
室井光広 debut 1994 / 3 works
1994 / 2 works
おどるでく 猫又拾遺 あとは野となれ 1997
屋敷葉 debut 2023 / 2 works
2023 / 2 works
いっそ幻聴が聞けたら 常時録画の愛
山川一作 debut 1981 / 3 works
1981 / 2 works
晴れた日に 剥製師 雷電石縁起 1982 / 第55回 文學界新人賞
山崎ナオコーラ debut 2004 / 23 works
人のセックスを笑うな 2004 / 第41回 文藝賞 浮世でランチ 2006 カツラ美容室別室 2007 2008 / 2 works
長い終わりが始まる 論理と感性は相反しない 2009 / 4 works
あたしはビー玉 ここに消えない会話がある 手 男と点と線 この世は二人組ではできあがらない 2010 ニキの屈辱 2011 私の中の男の子 2012 昼田とハッコウ 2013 2015 / 4 works
ネンレイズム/開かれた食器棚 ボーイミーツガールの極端なもの 可愛い世の中 反人生 美しい距離 2016 偽姉妹 2018 2019 / 2 works
リボンの男 趣味で腹いっぱい 肉体のジェンダーを笑うな 2020 あきらめる 2024
山下澄人 debut 2012 / 14 works
緑のさる 2012 / 第34回 野間新人賞 2013 / 2 works
ギッちょん 砂漠ダンス 2014 / 2 works
コルバトントリ ルンタ 鳥の会議 2015 2016 / 2 works
しんせかい 壁抜けの谷 ほしのこ 2017 2020 / 2 works
月の客 小鳥、来る 君たちはしかし再び来い 2022 FICTION 2023 わたしハ強ク・歌ウ 2025
吉田直美 debut 2006 / 2 works
2006 / 2 works
ポータブル・パレード 受賞者インタビュー 「物語」にならないように
吉村萬壱 debut 2001 / 15 works
クチュクチュバーン 2001 / 第92回 文學界新人賞 ハリガネムシ 2003 / 第129回 芥川賞 バースト・ゾーン 爆裂地区 2005 2009 / 2 works
ヤイトスエッド 独居45 2014 / 2 works
ボラード病 臣女 虚ろまんてぃっく 2015 回遊人 2017 前世は兎 2018 出来事 2019 流卵 2020 死者にこそふさわしいその場所 2021 CF 2022 みんなのお墓 2024
吉本ばなな debut 1987 / 31 works
キッチン 1987 1988 / 2 works
うたかた/サンクチュアリ 哀しい予感 1989 / 2 works
TUGUMI 白河夜船 N・P 1990 とかげ 1993 1994 / 3 works
アムリタ ハチ公の最後の恋人 マリカの永い夜・バリ夢日記 SLY 1996 ハネムーン 1997 ハードボイルド/ハードラック 1999 2000 / 2 works
ひな菊の人生 体は全部知っている 2002 / 2 works
アルゼンチンババア 王国 その1 アンドロメダ・ハイツ 2003 / 2 works
デッドエンドの思い出 ハゴロモ 2004 / 2 works
High and dry(はつ恋) 海のふた みずうみ 2005 イルカ 2006 2008 / 2 works
サウスポイント 彼女について もしもし下北沢 2010 スウィート・ヒアアフター 2011 スナックちどり 2013 鳥たち 2014 吹上奇譚 第一話 ミミとこだち 2017 ミトンとふびん 2021 / 第58回 谷崎賞
李琴峰 debut 2018 / 10 works
独り舞 2018 五つ数えれば三日月が 2019 2020 / 2 works
ポラリスが降り注ぐ夜 星月夜 2021 / 2 works
生を祝う 彼岸花が咲く島 2023 / 2 works
観音様の環 肉を脱ぐ 言霊の幸う国で 2024 月を見に行こうよ 2025
綿矢りさ debut 2001 / 18 works
インストール 2001 / 第38回 文藝賞 蹴りたい背中 2003 / 第130回 芥川賞 夢を与える 2007 勝手にふるえてろ 2010 かわいそうだね? 2011 2012 / 2 works
しょうがの味は熱い ひらいて 2013 / 2 works
大地のゲーム 憤死 ウォーク・イン・クローゼット 2015 手のひらの京 2016 2017 / 2 works
意識のリボン 私をくいとめて 生のみ生のままで 2019 オーラの発表会 2021 嫌いなら呼ぶなよ 2022 パッキパキ北京 2023 激しく煌めく短い命 2025
Theme Trend View
作品に付与された主題タグを年代ごとに集計し、どのテーマがどの時期に多く書かれているかを示します。
306
themes
2012
classified works
6390
assignments
1930s 11 tags
1940s 23 tags
1950s 153 tags
1960s 131 tags
1970s 92 tags
1980s 464 tags
1990s 740 tags
2000s 1563 tags
2010s 2003 tags
2020s 1210 tags
| Theme | Total | 1930s | 1940s | 1950s | 1960s | 1970s | 1980s | 1990s | 2000s | 2010s | 2020s |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 孤独と疎外 | 571 | 2 | 4 | 15 | 16 | 9 | 47 | 31 | 188 | 184 | 75 |
| 記憶 | 561 | — | 2 | 5 | 6 | 10 | 38 | 85 | 137 | 176 | 102 |
| 家族 | 454 | 1 | 1 | 7 | 9 | 3 | 35 | 48 | 98 | 163 | 89 |
| 身体 | 342 | — | 3 | 5 | 6 | 2 | 17 | 35 | 81 | 115 | 78 |
| 恋愛 | 327 | 1 | — | 8 | 6 | 1 | 25 | 43 | 108 | 97 | 38 |
| アイデンティティ | 269 | 1 | 2 | 5 | 6 | 5 | 21 | 21 | 55 | 88 | 65 |
| 青春 | 257 | — | — | 12 | 6 | 2 | 31 | 31 | 83 | 64 | 28 |
| 労働 | 224 | 1 | — | 8 | 4 | 1 | 8 | 11 | 50 | 80 | 61 |
| 芸術と表現 | 219 | — | — | 3 | — | 2 | 24 | 24 | 42 | 80 | 44 |
| 死と喪失 | 199 | — | 1 | 6 | 4 | — | 24 | 24 | 46 | 55 | 39 |
| 暴力 | 199 | — | 1 | 9 | 3 | 3 | 8 | 18 | 56 | 61 | 40 |
| 言葉と言語 | 172 | — | — | 2 | — | — | 8 | 23 | 36 | 65 | 38 |
| 性 | 140 | — | 1 | 11 | 4 | 3 | 12 | 17 | 29 | 44 | 19 |
| 同調圧力 | 138 | 1 | — | 8 | 3 | 2 | 4 | — | 20 | 62 | 38 |
| ジェンダー | 106 | — | — | — | — | — | 2 | 3 | 16 | 61 | 24 |
| 移民と越境 | 100 | 1 | 1 | 1 | — | — | 14 | 16 | 21 | 25 | 21 |
| 戦争 | 91 | — | 4 | 10 | 5 | 7 | 3 | 15 | 16 | 19 | 12 |
| 老い | 76 | — | 1 | 1 | 1 | 3 | 2 | 9 | 11 | 31 | 17 |
| テクノロジー | 72 | — | — | — | — | — | 3 | 4 | 11 | 25 | 29 |
| 信仰 | 66 | — | — | 1 | — | 1 | 4 | 9 | 12 | 26 | 13 |
| 貧困 | 65 | 1 | 1 | 3 | 2 | — | 2 | 3 | 17 | 25 | 11 |
| 母と子 | 62 | — | — | — | — | 1 | 3 | 4 | 15 | 17 | 22 |
| 土地 | 60 | — | — | — | — | — | 3 | 17 | 16 | 17 | 7 |
| 旅 | 57 | — | — | — | — | 1 | 8 | 21 | 14 | 7 | 6 |
| 病 | 52 | — | — | 3 | — | 1 | 5 | 3 | 14 | 13 | 13 |
| 日常 | 45 | — | — | — | 2 | 1 | 11 | 8 | 12 | 8 | 3 |
| 夫婦 | 44 | 1 | — | 3 | 2 | — | 1 | 3 | 9 | 20 | 5 |
| 父と子 | 42 | — | — | — | — | 3 | 4 | 2 | 13 | 13 | 7 |
| 食 | 40 | — | — | — | — | — | 3 | 1 | 5 | 16 | 15 |
| 生活 | 38 | — | — | — | 1 | 2 | 2 | 1 | 5 | 16 | 11 |
| 地方 | 35 | — | — | — | — | — | 1 | 3 | 5 | 20 | 6 |
| 都市 | 32 | — | — | — | 1 | — | 5 | 10 | 10 | 3 | 3 |
| ケアと介護 | 30 | — | — | — | — | — | — | 3 | 2 | 15 | 10 |
| 人生 | 29 | — | — | — | 1 | 2 | 3 | 7 | 4 | 10 | 2 |
| 文学 | 26 | — | — | — | — | — | 2 | 5 | 11 | 5 | 3 |
| 歴史 | 25 | — | — | — | 1 | — | 2 | 3 | 7 | 8 | 4 |
| 社会 | 24 | — | — | 3 | — | — | 3 | 5 | 7 | 4 | 2 |
| 音楽 | 23 | — | — | — | — | — | 1 | 4 | 6 | 9 | 3 |
| 孤独 | 23 | — | — | — | 2 | — | 1 | 5 | 8 | 3 | 4 |
| 災害 | 23 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 9 | 12 |
| 女性 | 22 | — | — | 1 | 3 | 1 | 5 | 4 | 5 | 1 | 2 |
| 関係性 | 21 | — | — | — | — | — | — | 5 | 10 | 2 | 4 |
| 日本史 | 19 | — | — | — | — | — | 1 | 2 | 3 | 13 | — |
| 欲望 | 19 | — | — | — | — | — | 2 | 5 | 3 | 6 | 3 |
| 制度 | 18 | — | — | — | — | — | 1 | 3 | 6 | 6 | 2 |
| 内面 | 18 | — | — | — | 1 | 2 | 1 | 2 | 7 | 5 | — |
| 犯罪 | 18 | — | — | 2 | 1 | — | 2 | 2 | 2 | 6 | 3 |
| 幻想 | 17 | — | — | — | — | — | 2 | 2 | 5 | 5 | 3 |
| 戦後 | 17 | — | — | 7 | 3 | — | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 |
| 事件 | 16 | — | — | — | — | — | 1 | 4 | 7 | 4 | — |
| 自己認識 | 16 | — | — | — | — | 1 | 2 | 2 | 1 | 4 | 6 |
| 若者 | 15 | — | — | — | — | — | — | 3 | 5 | 2 | 5 |
| 喪失 | 15 | — | — | 1 | 1 | — | — | 3 | 5 | 2 | 3 |
| 創作 | 14 | — | — | — | — | — | 2 | 1 | 4 | 3 | 4 |
| 謎と真相 | 14 | — | — | — | — | — | — | 3 | 3 | 6 | 2 |
| 障害 | 13 | — | — | 1 | — | 2 | 2 | 3 | — | — | 5 |
| 異文化 | 11 | — | — | — | 1 | — | 1 | 1 | 4 | 2 | 2 |
| 都市生活 | 11 | — | — | 3 | — | — | 1 | 3 | 4 | — | — |
| 日常の変容 | 11 | — | — | — | — | — | 2 | 2 | 3 | 3 | 1 |
| メディア | 10 | — | — | — | — | 1 | — | 3 | 1 | 2 | 3 |
| 移動 | 10 | — | — | — | — | — | — | 2 | 8 | — | — |
| 越境 | 10 | — | — | — | — | — | 2 | 2 | — | 5 | 1 |
| 言葉 | 10 | — | — | — | — | — | — | 2 | 3 | — | 5 |
| 生と死 | 10 | — | — | — | — | 3 | — | 2 | 2 | 2 | 1 |
| 地域社会 | 10 | — | — | — | 1 | — | 1 | 1 | — | 4 | 3 |
| 動物 | 10 | — | — | — | — | — | 1 | — | 4 | 3 | 2 |
| 時間 | 9 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | 4 | 4 |
| 成長 | 9 | — | — | — | — | — | — | 1 | 4 | 2 | 2 |
| 政治 | 9 | — | — | — | — | — | 2 | 3 | 2 | 2 | — |
| 中国 | 9 | — | — | — | — | — | — | 2 | 6 | 1 | — |
| 友情 | 9 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 3 | 4 |
| 愛 | 8 | — | — | — | 2 | — | — | — | 2 | — | 4 |
| 共同体 | 8 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 |
| 子ども | 8 | — | — | — | 1 | — | 1 | 3 | — | 1 | 2 |
| 死生観 | 8 | — | — | — | — | — | — | 3 | 1 | 2 | 2 |
| 宗教と信仰 | 8 | — | — | — | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | — |
| 不安 | 8 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 |
| 兵士 | 8 | — | — | 1 | — | 2 | 2 | 2 | — | — | 1 |
| 現実と虚構 | 7 | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | 1 | 3 |
| 現実と幻想 | 7 | — | — | — | — | — | 2 | 1 | 1 | 1 | 2 |
| 自然 | 7 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 4 | 1 | — |
| 自由 | 7 | — | — | — | 1 | 1 | — | 3 | — | 2 | — |
| 冒険 | 7 | — | — | — | — | — | — | 1 | 3 | 2 | 1 |
| 加害と被害 | 6 | — | — | — | 1 | — | 1 | — | 1 | 1 | 2 |
| 芸術 | 6 | — | — | — | 1 | — | — | 1 | 2 | — | 2 |
| 国家 | 6 | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 2 | 2 |
| 再生 | 6 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | 3 |
| 作家と文学 | 6 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 |
| 思想 | 6 | — | 1 | — | 2 | — | 1 | 1 | 1 | — | — |
| 死者 | 6 | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | 1 | 2 |
| 消費社会 | 6 | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 2 | 2 |
| 物語 | 6 | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | 3 | — |
| 過去 | 5 | — | — | — | 1 | — | — | 2 | — | — | 2 |
| 現代社会 | 5 | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — | 3 |
| 故郷 | 5 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | 2 |
| 死 | 5 | — | — | — | 2 | 1 | — | 1 | 1 | — | — |
| 私小説 | 5 | — | — | — | — | — | — | 2 | 2 | — | 1 |
| 詩 | 5 | — | — | — | 1 | 1 | — | — | — | 3 | — |
| 社会のひずみ | 5 | — | — | — | 1 | — | — | — | 1 | 1 | 2 |
| 女性の生 | 5 | — | — | — | 1 | — | — | 1 | 2 | 1 | — |
| 小説を書くこと | 5 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | 2 |
| 震災 | 5 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | 2 |
| 認識 | 5 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 3 | — |
| 倫理 | 5 | — | — | 1 | 1 | — | — | — | — | 2 | 1 |
| インターネット | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 2 | — |
| 違和感 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 2 |
| 演劇 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 2 |
| 沖縄 | 4 | — | — | — | 1 | — | 1 | 1 | — | — | 1 |
| 家庭 | 4 | — | — | — | 1 | — | 1 | — | 2 | — | — |
| 海 | 4 | — | — | — | 1 | 1 | — | 1 | 1 | — | — |
| 感覚 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 2 | — |
| 奇妙な日常 | 4 | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | — | 1 |
| 季節 | 4 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | 1 |
| 芸能 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | — | 3 | 1 |
| 結婚 | 4 | — | — | 1 | — | — | — | — | 2 | 1 | — |
| 権力 | 4 | — | — | 2 | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 原爆 | 4 | — | — | — | — | 1 | 1 | — | 2 | — | — |
| 言語 | 4 | — | — | — | — | — | 2 | 1 | 1 | — | — |
| 罪と赦し | 4 | — | — | — | 1 | — | — | 1 | 2 | — | — |
| 死別 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 2 |
| 自我 | 4 | — | — | — | 1 | — | — | 3 | — | — | — |
| 宗教 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 2 |
| 少年少女 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 2 |
| 真実と虚構 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 3 | — |
| 神話 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 3 | — | 1 |
| 身体感覚 | 4 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | — | 1 |
| 世界観 | 4 | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | 1 | — |
| 生命 | 4 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — | 2 |
| 大学 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 3 | — |
| 大衆文化 | 4 | — | — | — | — | — | — | — | 3 | 1 | — |
| 伝承 | 4 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 読書 | 4 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | 3 |
| ゲーム | 3 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | 1 | — |
| スポーツ | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | — |
| 異形 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 3 | — |
| 陰謀 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 |
| 噂 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | — | — |
| 科学 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 |
| 介護 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | — |
| 学び | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 |
| 記録 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 |
| 共同生活 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 |
| 近代文学 | 3 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | — |
| 古典 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 |
| 国境 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | 1 | — |
| 在日 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | — | — |
| 作家論 | 3 | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | — | — |
| 資本主義 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 3 | — |
| 社会批評 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 |
| 周縁 | 3 | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | — | — |
| 出会い | 3 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | 1 |
| 書物 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | — |
| 勝負 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 |
| 少年 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 2 | — |
| 生死 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — | 1 |
| 声 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | 1 | — |
| 川・水辺 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | — |
| 男女 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — | 1 |
| 抵抗 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | 1 | — |
| 東北 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 |
| 南方 | 3 | — | — | — | — | 1 | 2 | — | — | — | — |
| 日記 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | 1 |
| 日本文学 | 3 | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — | 1 |
| 秘密 | 3 | — | — | 1 | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 風刺 | 3 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | — |
| 復讐 | 3 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 3 |
| 変身 | 3 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | 1 |
| 母と娘 | 3 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 2 | — |
| 夢 | 3 | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — | — | 1 |
| 妖異 | 3 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | 1 | — | — |
| ケア | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 異国生活 | 2 | — | — | — | 1 | — | — | 1 | — | — | — |
| 映画 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — |
| 映像と記録 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 |
| 怪談 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — |
| 学校 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — |
| 看取り | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — |
| 韓国 | 2 | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — | — |
| 祈り | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — |
| 記号 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 偶然 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | 1 |
| 言葉遊び | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — |
| 語り | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 江戸 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — |
| 郊外 | 2 | — | — | — | 1 | — | — | — | 1 | — | — |
| 才能 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — |
| 災厄 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — |
| 裁き | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 罪 | 2 | — | — | 1 | — | — | 1 | — | — | — | — |
| 仕事 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — |
| 子ども文化 | 2 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — | 1 |
| 思考 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 自立 | 2 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | 1 | — |
| 少女 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — |
| 身体変容 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 |
| 人種 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 |
| 世界文学 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — |
| 世代 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — |
| 生の時間 | 2 | — | — | — | — | 1 | — | — | 1 | — | — |
| 戦乱 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 組織 | 2 | — | — | 1 | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 長崎 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — |
| 哲学 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 転生 | 2 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | 1 | — |
| 日本 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — |
| 反抗 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 飛翔 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — |
| 美 | 2 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 美術 | 2 | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — | — |
| 文学批評 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 2 | — | — |
| 文学理論 | 2 | — | — | — | — | — | 1 | 1 | — | — | — |
| 母子関係 | 2 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | 1 |
| 夢と挫折 | 2 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 |
| 夜 | 2 | — | — | — | — | 1 | — | — | 1 | — | — |
| 離婚 | 2 | — | — | — | — | — | 1 | — | 1 | — | — |
| 1980年代 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 9・11 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| マルグリット・デュラス | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| メタフィクション | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 闇 | 1 | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — |
| 依存 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 夏 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 家族史 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 回想 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 回復 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 改元 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 階級 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 革命 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 学問 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 滑稽 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 監視 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 企業社会 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 疑念 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 宮沢賢治 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 虚構 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 距離 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 恐怖 | 1 | — | — | 1 | — | — | — | — | — | — | — |
| 近代日本 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 群集心理 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 兄弟 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 芸術と日常 | 1 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — |
| 芸術家 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 建築 | 1 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — |
| 現代文学 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 差別 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 再評価 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 再話 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 視線 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 資料と記録 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 失恋 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 疾走 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 実験 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 修行 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 従軍体験 | 1 | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — |
| 出家 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 傷 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 将棋 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 承認 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 承認欲求 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 消失 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 情報パニック | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 信頼 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 人形 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 人形浄瑠璃 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 数学 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 生の意味 | 1 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — | — |
| 生成 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 占領 | 1 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — | — |
| 戦争の記憶 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 想像力 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 対話 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 台湾 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 知性 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 地獄 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 中原中也 | 1 | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — |
| 中年 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 鳥 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 沈黙 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 帝国 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 天候 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 都市の不穏 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 都市観察 | 1 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — |
| 都市文化 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 怒り | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 当惑 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 匿名性 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 日常の崩壊 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 破滅 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 被爆体験 | 1 | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — |
| 病と介護 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 武道 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 部活動 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 仏教 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 文学史 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 文学者 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 米軍 | 1 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — | — |
| 変化 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 |
| 放浪 | 1 | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — |
| 方向感覚 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 亡命 | 1 | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — | — |
| 味覚 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 未来 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — |
| 無用の発見 | 1 | — | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — |
| 妄想 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |
| 幼少期 | 1 | — | — | — | — | 1 | — | — | — | — | — |
| 邂逅 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 1 | — | — |