すいへいせん
水平線
紹介 About
硫黄島を墓参したことのある妹に見知らぬ男から電話がかかり、兄は不思議なメールに導かれて船に乗る。祖父母世代の疎開、激戦地に残された人々、現在の兄妹の時間が交差し、死者の言葉が海を越えて現在へ届く。視点や人称を変えながら、戦争の記憶と島の隆起する時間を重ねる長篇。
評価 Reception
新潮社公式ページで芸術選奨文部科学大臣賞と第39回織田作之助賞の受賞を確認した。同ページ掲載の書評は、全島疎開を余儀なくされた島民と子孫三代を描き、1944年と2020年を起点に過去が現在へ入り込む小説として論じている。両賞は本サイトの賞マスタ外のため、受賞情報は評価欄と出典に記録し、`awards[]` には反映しない。
出典 Sources
- 水平線|新潮社 紹介評価書誌
内容紹介、書評、芸術選奨文部科学大臣賞、第39回織田作之助賞、書誌を確認。
- 水平線|国立国会図書館サーチ 書誌
単行本書誌を確認。
滝口悠生のほかの収録作 More
- 001 2011 楽器 がっき 記憶と語りの重なりを繊細に扱ったデビュー短篇。のちに芥川賞・野間文芸新人賞を受賞する滝口悠生の出発点となった作品。 第43回 新潮新人賞
- 002 2014 寝相 ねぞう 新潮新人賞受賞のデビュー作「楽器」を含む、最初の小説集。
- 003 2015 愛と人生 あいとじんせい 映画『男はつらいよ』の世界を下敷きに、かつて子役として出演した青年を描く長編。野間文芸新人賞受賞。 第37回 野間新人賞
- 004 2015 ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス 芥川賞候補となった表題作を収める。
- 005 2015 死んでいない者 しんでいないもの 秋のある日、大往生を遂げた85歳の男の通夜に、子や孫、ひ孫まで30人ほどの親族が集まってくる。通夜振る舞いの席で酒を酌み交わす者、川辺をさまよう者、初めて会う親戚と言葉を交わす少年少女。語りは特定の人物に留まらず、出席者から出席者へと自在に移りながら、故人の記憶と一族それぞれの来し方、共有しえない日… 第154回 芥川賞
- 006 2017 高架線 こうかせん 東京の古いアパートの住人たちの来歴を、語り手を替えながらたどる長編。
- 007 2017 茄子の輝き なすのかがやき 会社の倒産と離婚を経た市瀬の日々を描く連作小説集。
- 008 2021 長い一日 ながいいちにち 小説家の夫と妻が、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めるところから、長くつきあってきた友人たち、日々の暮らし、失ってから気づく愛着や記憶が交差していく長編。出来事を大きな劇に仕立てるよりも、生活の中でふと立ち上がる静かな感情と、時間の伸び縮みをすくい取る。日記と小説のあわいを思わせる形式で、夫婦と住…
- 009 2023 ラーメンカレー ラーメンカレー 『ラーメンカレー』は、ロンドンの結婚式やペルージャへの旅をきっかけに、高校時代の同級生たちの言葉と記憶があふれ出す連作短編集である。表題作を含む「窓目くんの手記」連作と複数の短篇を収め、食べ物の名前の軽さとは裏腹に、青春の偶然や移動、他者との出会いが時間をまたいで響く構成になっている。滝口悠生らしい…
- 010 2025 たのしい保育園 たのしいほいくえん 『たのしい保育園』は、ももちゃんと父が川べりを歩き、保育園へ向かい、連絡帳を書こうとする日々を描く連作小説です。大きな事件ではなく、育児の時間の長さ、忘れてしまう一瞬、子どもを見守る大人たちの視線を丁寧に積み重ねる。父の目線を軸にしながら、子どもの遠い時間感覚へも寄り添うところに読みどころがある。