ときがにじむあさ
時が滲む朝
紹介 About
『時が滲む朝』は、天安門事件前後の中国に生きる若者たちの青春と政治の時間を描く作品です。留学生作家である楊逸の日本語が、祖国の記憶、民主化への希望、移動する身体の感覚を重ねます。個人の朝の光景に、歴史が滲み出してくる点が読みどころです。
評価 Reception
日本文学振興会の公式一覧とNDLの第139回芥川賞発表記事で、同作が第139回芥川賞受賞作であることを確認した。NDLでは「文學界新人賞受賞第一作」としての掲載情報も確認でき、受賞と掲載の確度は高い。
出典 Sources
- 芥川賞受賞者一覧 - 日本文学振興会 評価書誌
公式一覧で受賞回・受賞期を確認。
- 国立国会図書館サーチ『時が滲む朝』 書誌
- 国立国会図書館サーチ『第139回芥川賞発表 時が滲む朝』 評価書誌
- 国立国会図書館サーチ『時が滲む朝 文學界新人賞受賞第一作』 評価書誌
受賞・候補歴 Awards
楊逸のほかの収録作 More
- 001 2007 ワンちゃん わんちゃん 日本に渡って暮らす中国人女性「ワンちゃん」は、中国の女性たちと日本の男たちを引き合わせる見合いツアーの世話役を務めている。国境をまたぐ結婚の斡旋という生々しい現場を通して、経済格差のなかを生きる女たちのたくましさと哀感を、来日20年の作者がよどみのない日本語で描いた。日本語を母語としない書き手が日本… 第105回 文學界新人賞
- 002 2009 金魚生活 きんぎょせいかつ 『金魚生活』は、楊逸が日本語で描く生活の細部を通して、移動する人びとの感覚や家族の距離をすくう小説です。金魚という題名は、限られた水槽のなかで動く存在のように、環境に制約されながら生きる人物像を思わせます。異文化の間で暮らす日常のささやかな揺れが読みどころです。
- 003 2009 すき・やき すきやき 『すき・やき』は、食卓の親密さを通じて、国境を越えて暮らす人びとの関係や違和感を描く楊逸の作品です。題名は日本の料理名を思わせながら、好意や関係の「好き」をも響かせます。食、家族、言葉のずれが、移民文学としての読みどころにつながります。
- 004 2010 陽だまり幻想曲 ひだまりげんそうきょく 『陽だまり幻想曲』は、楊逸が日本語で描く移動者の生活感覚を、光のある場所への憧れと結びつける作品です。家族や言葉のずれは、異国で暮らす人物の孤独と希望を同時に映します。日常の会話に潜む違和感が、越境文学としての読みどころになります。
- 005 2011 獅子頭 しーずとう 『獅子頭』は、獅子舞を思わせる題名を通じて、移動する人びとの記憶や家族のつながりを描く楊逸の小説です。中国語圏の文化的な記憶と日本語で書く現在が重なり、越境の感覚が作品の核になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 006 2013 流転の魔女 りゅうてんのまじょ 『流転の魔女』は、楊逸が移動する女性の生と、越境のなかで変わっていく家族や記憶を描く小説として整理できます。流転という語は、土地や身分が安定しない感覚を示し、魔女という像は周囲からの異物視も思わせます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 007 2014 あなたへの歌 あなたへのうた 『あなたへの歌』は、楊逸が他者へ向ける言葉と、移動する人びとの記憶を扱う小説として整理できます。歌という形式は、直接届かない思いを誰かへ送るための媒介になります。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。
- 008 2017 エーゲ海に強がりな月が えーげかいにつよがりなつきが 大学時代の同級生との失恋後、仕事優先の恋人とも別れた「私」が、OLの桂子に親密な感情を寄せ、自身の恋愛経験を語る。証券会社で投資家として出会った桂子と年上男性「カレチ」の駆け引きを軸に、現代女性の恋愛、孤独、幸福のかたちを描く。語り手が友人の恋を見つめながら自分の夫婦関係にも向き合う構図が読みどころ…