そこまでしておぼえるようなことばだっただろうか

そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?

松波太郎 2023

紹介 About

言葉、文字、発音、身体感覚をめぐる四篇を収めた短篇集。発音できない一音によって自国から疎外される「クィ」、サッカーから人類の起源へ飛躍する思考、ひらがな・カタカナ・漢字を身体で渡るような文字の冒険、子の言語習得を前に立ちつくす猫木豊が描かれる。言葉を扱うことの自由さと不自由さを、実験的な形式と切実な身体感覚で押し広げる作品集である。言語を知的な題材に閉じず、発音の失敗や文字の形、習得の不安を肉体的な経験として扱う点が特徴となっている。

評価 Reception

書肆侃侃房公式ページで、岩川ありさ、倉本さおり、佐々木敦、矢野利裕、池田雄一、鳥澤光、川口好美らによる各篇への書評・コメントを確認した。掲載情報として日本経済新聞、毎日新聞文芸時評、東京新聞・西日本新聞の書評も確認でき、言語・文字・身体を扱う実験性と切実さが評価されている。NDLで単行本書誌も確認した。

出典 Sources

松波太郎のほかの収録作 More

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  2. 002 2009 よもぎ学園高等学校蹴球部 よもぎがくえんこうとうがっこうしゅうきゅうぶ 単行本・文藝春秋 『よもぎ学園高等学校蹴球部』は、高校サッカー部を題材に、競技、学校、青春の共同体を描く松波太郎の長篇です。勝敗だけでなく、集団のなかで身体を動かすこと、仲間や制度に巻き込まれることが主題になります。スポーツ小説の形を取りながら、若者の同調圧力や孤独も見えてくる作品です。 青春同調圧力身体
  3. 003 2014 LIFE らいふ 単行本・講談社 『LIFE』は、松波太郎が生きることそのものを題名に掲げ、身体、生活、言葉の不安定さを描く小説です。人物の経験は分かりやすい筋に回収されず、断片的な感覚として立ち上がります。純文学の実験性と生活感が同居する作品です。 身体孤独と疎外言葉と言語 第36回 野間新人賞
  4. 004 2016 月刊「小説」 げっかんしょうせつ 単行本・河出書房新社 『月刊「小説」』は、松波太郎が小説という媒体や制度そのものを題名に取り込み、書くことと読むことの場を扱う作品として整理できます。月刊誌のような周期性や掲載の感覚が、文学の生産と消費を意識させます。物語だけでなく、小説が置かれる文芸誌の文脈も読む作品です。 芸術と表現言葉と言語労働
  5. 005 2016 ホモサピエンスの瞬間 ほもさぴえんすのしゅんかん 単行本・文藝春秋 『ホモサピエンスの瞬間』は、松波太郎が人間を生物種として捉える視野と、個人の瞬間的な感覚を重ねる作品として整理できます。タイトルは、人間であることを大きな分類から眺める一方、生活の一瞬へも焦点を合わせます。既存データには芥川賞候補作とあるが、今回の調査では公式候補出典を確認できていません。 身体アイデンティティ孤独と疎外
  6. 006 2022 カルチャーセンター かるちゃーせんたー 単行本・書肆侃侃房 カルチャーセンターで共に過ごしたニシハラくんの未発表小説『万華鏡』を収録し、その小説に寄せられた作家・編集者たちのコメントまでも作品の一部として組み込む小説。松波太郎がニシハラくんへ語りかける形で、書きたいという欲望、書かれたものへの責任、そして「これは小説なのか」という問いを空白ごと立ち上げていく… 芸術と表現言葉と言語青春