うつつうつら

うつつ・うつら

赤染晶子 2007

紹介 About

『うつつ・うつら』は、現実とうつつの境目を揺らしながら、人物の記憶や自己像の不確かさを描く作品集です。赤染晶子の作品らしく、日常の言葉や振る舞いが少しずつ奇妙なものへ変わっていきます。軽いユーモアと不穏さが同居する語りが読みどころです。

評価 Reception

国立国会図書館サーチで2007年文藝春秋刊の単行本として確認できます。今回確認できた評価情報は書誌中心で、書評・受賞歴は未確認です。

出典 Sources

赤染晶子のほかの収録作 More

  1. 001 2004 初子さん はつこさん 初出・文學界 2004年12月号 あんパンとクリームパンしか売らないパン屋の二階で、ひたすらミシンを踏む洋裁職人の初子さん。一枚の布が誰かの身体を待つ服になることに魅せられて職人になったものの、夢を叶えた先に広がるのは単調な日々だった。京都の田舎町のよどんだ空気と、そこで生きる女性の手仕事の時間を、とぼけたユーモアと正確な観察で描く… 労働孤独と疎外芸術と表現 第99回 文學界新人賞
  2. 002 2010 乙女の密告 おとめのみっこく 初出・「新潮」2010年6月号 『乙女の密告』は、『アンネの日記』を読む大学の授業を舞台に、朗読、暗唱、密告の記憶が絡み合う小説です。語りは教室内の人間関係と戦争の記憶を重ね、誰が誰を裏切るのかという問いを現在の言葉の問題へ引き寄せます。軽やかな会話の奥に、同調圧力と自己認識の危うさが残る作品です。 言葉と言語戦争同調圧力 第143回 芥川賞
  3. 003 2011 WANTED!! かい人21面相 うぉんてっど かいじんにじゅういちめんそう 単行本・文藝春秋 『WANTED!! かい人21面相』は、グリコ・森永事件を想起させる「かい人21面相」を題材に、記憶、犯罪、言葉のパロディを組み合わせる赤染晶子の小説です。事件の固有名は、昭和的な大衆記憶と文学的な語りの遊びを同時に呼び込みます。芥川賞受賞後第一作として、ユーモアと不穏さが交錯する作品です。 記憶言葉と言語暴力