ひばな

火花

又吉直樹 2015 第153回 芥川賞 受賞

紹介 About

売れない若手漫才師の徳永は、熱海の花火大会の営業で出会った先輩芸人・神谷の才能と破天荒な生き方に惹かれ、弟子にしてほしいと申し出る。神谷の伝記を書くという条件で交流が始まり、二人は東京の街を飲み歩きながら笑いの本質をめぐる対話を重ねていく。やがて徳永のコンビは少しずつ世に出る一方、笑いに純粋すぎる神谷は世間から取り残されていく。お笑いの世界に身を置く著者が、芸人の青春、才能への憧れ、表現することの業を描いた中編。

評価 Reception

現役のお笑い芸人による受賞として大きな話題を呼んだ第153回芥川賞受賞作。選考では宮本輝が小説への純でひたむきな姿勢を推し、小川洋子は語り手「僕」の造形を作品の成功の鍵と評価した一方、堀江敏幸は描写の上滑りを、奥泉光は叙述の平板さを指摘し評価は割れた。単行本は累計200万部を超え、芥川賞受賞作として歴代1位の売上を記録する社会現象となった。2016年にNetflixで連続ドラマ化、2017年には映画化・舞台化もされた。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第153回 芥川龍之介賞 (2015年上半期)

又吉直樹のほかの収録作 More

  1. 001 2017 劇場 げきじょう 単行本・新潮社 『劇場』は、売れない劇作家・永田と、彼を支える沙希の恋愛を描く長編です。演劇を作ることと恋愛で相手を傷つけることが重なり、表現者の自意識と未熟さが露出します。恋愛小説であると同時に、創作の場にしがみつく人物の痛みを読む作品です。 恋愛芸術と表現孤独と疎外
  2. 002 2019 人間 にんげん 単行本・毎日新聞出版 『人間』は、若い日に創作を志す者たちが集ったシェアハウスの記憶と、38歳になった「僕」の現在を往還する長篇。表現者になりたいという願い、仲間と暮らす時間の高揚、その後に残る成功や挫折の差が、自己像を問い直す物語として重なっていく。又吉直樹の初の長編として、芸術への憧れだけでなく、他者と比べながら生き… 芸術と表現青春記憶
  3. 003 2026 生きとるわ 単行本・文藝春秋 『生きとるわ』は、又吉直樹が2026年に文藝春秋から刊行した、6年ぶりの長篇小説です。出版社公式は、『火花』から10年後の新作として本作を位置づけ、友情や恋愛、裏切り、苦境をめぐる人間の姿を扱う作品として紹介している。900枚規模の長篇として、笑いと痛みの近さを又吉の語りで読む作品である。 友情恋愛人生