ハンチバック

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市川沙央 2023 第169回 芥川賞 受賞

紹介 About

重度の先天性ミオチュブラー・ミオパチーのため人工呼吸器と電動車椅子を使い、両親が遺したグループホームで暮らす井沢釈華。背骨がS字に湾曲した彼女は、通信制大学で学び、ウェブにコタツ記事や性的な小説を書き、匿名アカウントで「妊娠と中絶がしてみたい」と挑発的な呟きを放つ。その呟きを、彼女の書いたものをすべて読んでいた男性ヘルパーの田中が拾い上げたことから、金銭を介した危うい取引が動き出す。紙の本を当然とする読書文化の「健常者優位主義」への批評を織り込みながら、障害者の生と性を真っ向から描く。

評価 Reception

重度障害の当事者作家による受賞は芥川賞史上初で、会見での「どうして2023年にもなって初めてなのか」という言葉とともに、読書バリアフリーへの問題提起として広く報道された。文學界新人賞からの連続受賞。選考では吉田修一が一文一文の強さを評するなど、弱さを強さに反転させる文章と構成が高い支持を集めた。受賞直後に累計23万部に達するベストセラーとなり、ポリー・バートンによる英訳は2025年の国際ブッカー賞ロングリストに入り、全米図書賞翻訳文学部門の候補にも挙がるなど海外でも高く評価されている。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第169回 芥川龍之介賞 (2023年上半期)

市川沙央のほかの収録作 More

  1. 001 2025 女の子の背骨 おんなのこのせぼね 単行本・文藝春秋 『女の子の背骨』は、先天性筋疾患を抱える10歳の少女ガゼルの家族旅行を描く表題作と、中篇「オフィーリア23号」を収めた第二小説集です。病気の姉、障害をもつ身体、家族、性、文学表象をめぐる言葉が、前作『ハンチバック』以後の市川沙央の問題意識をさらに広げる。身体から発せられる語りが、ケアされる側、見る側… 障害身体家族