かべ
壁
紹介 About
『壁』は、ある朝突然に名前を失った男S・カルマ氏の不条理な遍歴を描く安部公房の前衛的中篇です。現実の制度や所有の感覚がずれていく過程を、寓話的で実験的な文体によって追い詰めます。戦後日本文学に不条理文学・シュールレアリスムの感覚を持ち込んだ、安部公房の出発点となる作品です。
評価 Reception
日本文学振興会の公式一覧で第25回芥川賞受賞作として確認できる。NDLでは1951年の月曜書房版書誌を確認した。選評の詳細は今回の一次調査では確認していないが、芥川賞受賞によって安部公房を戦後文学の中心的作家へ押し出した作品である。
出典 Sources
- 壁 (小説) - Wikipedia 書誌
(Wikipedia)初出誌「近代文学」1951年2月号・単行本・受賞経緯を確認
- 芥川賞受賞者一覧 - 日本文学振興会 評価書誌
公式一覧で受賞回・受賞期・掲載誌を確認。
- 壁 - 国立国会図書館サーチ 書誌
月曜書房版の書誌を確認。
受賞・候補歴 Awards
安部公房のほかの収録作 More
- 001 1962 砂の女 すなのおんな 『砂の女』は、昆虫採集に来た男が砂丘の穴の底にある家へ閉じ込められ、女とともに砂を掻き出す生活を強いられる長篇です。脱出への執着と、砂の生活に適応していく感覚が交錯し、自由とは何か、労働とは何かを不条理な寓話として問い直します。
- 002 1964 他人の顔 たにんのかお 単行本初刊は講談社、現行新潮文庫ページとNDLで確認可能。既存収録の『壁』『砂の女』を補う中核作。
- 003 1967 燃えつきた地図 もえつきたちず 新潮社1967年刊。現行新潮文庫ページ、NDL、Books/JPROで確認できる代表的長篇。
- 004 1973 箱男 はこおとこ 新潮社1973年刊。現行新潮文庫ページ、NDL、Books/JPROで確認できる。2024年に映画化関連の再注目もある。