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夫婦

主題「夫婦」に分類された 28 作品。

  1. 001 2024 最近 さいきん 小山田浩子 単行本・新潮社 2023〜2024年に「新潮」誌上で連続発表した7篇を収めた短篇集。「赤い猫」(「新潮」2023年1月号)から「えらびて」(「新潮」2024年1月号)まで、コロナ禍以降の日常を繊細な筆致で掬い取る連作的構成。単行本は2024年11月刊。 夫婦身体長い息の文体
  2. 002 2023 パッキパキ北京 パッキパキペキン 綿矢りさ 単行本・集英社 コロナ禍の北京で単身赴任中の夫に呼ばれた菖蒲が、愛犬ペイペイを連れて中国へ渡る。隔離、食、交通、春節、北京の人々のふるまいを、主人公はしぶしぶ来たはずの立場を軽々と反転させるように貪欲に観察し、味わっていく。著者自身の中国滞在経験に基づく観察力を生かし、異国の都市を「視察」する語りの勢いとユーモアで… 移民と越境夫婦
  3. 003 2021 水たまりで息をする みずたまりでいきをする 高瀬隼子 単行本・集英社 ある日、衣津実は夫が風呂に入らなくなったことに気づく。夫は水が臭く、体につくと痒くなると言って入浴を拒み、やがて雨に濡れに外へ出るようになり、職場で体臭が問題にされる。退職と移住を経て、夫が川で水浴びをする生活へ向かう過程を、夫婦の問題として押し返される妻の視点から描き、身体、清潔、共同生活の境界を… 夫婦身体
  4. 004 2021 長い一日 ながいいちにち 滝口悠生 単行本・講談社 小説家の夫と妻が、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めるところから、長くつきあってきた友人たち、日々の暮らし、失ってから気づく愛着や記憶が交差していく長編。出来事を大きな劇に仕立てるよりも、生活の中でふと立ち上がる静かな感情と、時間の伸び縮みをすくい取る。日記と小説のあわいを思わせる形式で、夫婦と住… 夫婦記憶家族
  5. 005 2020 肉体のジェンダーを笑うな にくたいのじぇんだーをわらうな 山崎ナオコーラ 単行本・集英社 『肉体のジェンダーを笑うな』は、夫の胸から「父乳」が出る話や、PMSを体験できるサーフボードの話などを収めた小説集。身体に結びつけられた性別役割を、SF的な設定や軽やかなユーモアでずらし、家族・ケア・労働の当たり前を問い直す。現実の制度を直接論じるより、ありえたかもしれない身体の可能性を想像すること… ジェンダー身体夫婦
  6. 006 2019 アタラクシア アタラクシア 金原ひとみ 単行本・集英社 結婚生活の苦しさや不倫、家庭内の苛立ちを抱える複数の男女を描く群像長編。翻訳者の由依、シェフの瑛人、パティシエの英美、作家の桂らの視点を通じて、望んで結婚したはずなのに救われない人々の孤独と愛情への渇望が交錯する。倫理や制度では割り切れない親密さの痛みを、金原ひとみらしい熱量で描く。 恋愛夫婦家族
  7. 007 2019 待ち遠しい まちどおしい 柴崎友香 単行本・毎日新聞出版 北川春子、夫を亡くした青木ゆかり、新婚の遠藤沙希という世代も立場も異なる三人の女性が、ご近所付き合いを通じて少しずつ関わる長編。住まいの距離の近さと、価値観や人生段階のずれが生む噛み合わなさを、柴崎友香らしい生活の手触りのなかで描く。年齢、結婚、独居、見えにくい困難をめぐり、人はどこまで互いを判断せ… 家族老い孤独と疎外
  8. 008 2019 趣味で腹いっぱい しゅみではらいっぱい 山崎ナオコーラ 単行本・河出書房新社 『趣味で腹いっぱい』は、結婚後に絵手紙、家庭菜園、小説などの趣味に興じる鞠子と、仕事一筋で生きてきた銀行員・小太郎をめぐる長篇。上達や成果を急がない趣味の時間が、仕事中心の価値観や夫婦の距離を少しずつ揺らしていく。生活のなかの小さな楽しみを通して、役に立つことだけでは測れない生き方を描く。 夫婦労働芸術と表現
  9. 009 2019 夢も見ずに眠った。 ゆめもみずにねむった 絲山秋子 単行本・河出書房新社 『夢も見ずに眠った。』は、夫を熊谷に残して札幌へ単身赴任した沙和子が、夫婦のすれ違いと離別を経て、新しい愛と信頼の形へ向かう長篇。岡山、札幌、熊谷など土地の記憶や物語が、二人の関係の変化と響き合う。移動する生活のなかで、結婚や家族の安定ではなく、相手を信じ直す距離を探るところが読みどころになる。 夫婦恋愛記憶
  10. 010 2018 あなたの愛人の名前は あなたのあいじんのなまえは 島本理生 単行本・集英社 『あなたの愛人の名前は』は、すれ違う大人の恋愛を描く六篇の作品集。集英社公式が示す「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」は、同じ関係を別々の視点から照らし、同じ部屋にいても互いの心が決定的にずれていく痛みを描く。欲望、秘密、婚約、浮気、世間の価値観に揺れる心を、島本理生らしい繊細な心理の動きとし… 恋愛夫婦
  11. 011 2018 静かに、ねぇ、静かに しずかに、ねぇ、しずかに 本谷有希子 単行本・講談社 「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」「でぶのハッピーバースデー」の3篇を収める作品集。海外旅行の写真投稿、ネットショッピング依存、動画撮影で自分たちだけの印を残そうとする夫婦など、SNSやスマートフォン越しにしか確かめられない現実感を描く。軽妙な語りの底に、承認欲求、支配、親密さの不安がにじみ… テクノロジー同調圧力孤独と疎外
  12. 012 2017 おらおらでひとりいぐも おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子 初出・文藝 2017年冬季号 主人公は東北出身、74歳の桃子さん。結婚を目前に故郷を飛び出して上京し、住み込みの仕事、周造との結婚、二児の子育て、そして夫との突然の死別を経て、いまは東京郊外の家にひとりで暮らす。静かな日々のなか、桃子さんの内から標準語と懐かしい東北弁の無数の「声」が湧き上がり、孤独や老い、夫への思い、これからの… 老い死と喪失孤独と疎外 第158回 芥川賞
  13. 013 2015 異類婚姻譚 いるいこんいんたん 本谷有希子 初出・群像 2015年11月号 結婚して4年になる専業主婦の「私」は、家ではテレビとゲームに没頭するだけの夫と、波風のない生活を送っている。ある日ふと、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づいた「私」。やがて夫の顔は緩み、溶け、人間の形を失っていくように見え始める。捨てられた飼い猫の行方や、揚げ物に異常に執着する夫の変容… 夫婦アイデンティティジェンダー 第154回 芥川賞
  14. 014 2009 結婚小説 けっこんしょうせつ 中島たい子 単行本・集英社 『結婚小説』は、結婚をゴールではなく、生活と関係を組み替える出来事として描く中島たい子の作品です。日常的なユーモアのなかに、夫婦になることへの不安や違和感が置かれます。軽やかな語りで、制度としての結婚と個人の感情のずれを読ませます。 夫婦恋愛家族
  15. 015 2007 はじまらないティータイム はじまらないてぃーたいむ 原田ひ香 初出・すばる 2007年11月号 子どものいない30代の専業主婦・奈都子は、母ミツエから従弟・博昭の離婚と再婚の顛末を聞かされる。博昭は部下を妊娠させ、子を産まない妻・佐智子と別れて再婚したのだった。奈都子、ミツエ、元妻の佐智子、再婚相手の里美——4人の女性の視点を切り替えながら、家族という制度の内側の風通しの悪さを描く。他人の家に… 家族夫婦ジェンダー 第31回 すばる文学賞
  16. 016 2007 この人と結婚するかも このひととけっこんするかも 中島たい子 単行本・集英社 『この人と結婚するかも』は、結婚を予感する瞬間の期待と違和感を、軽い語り口で追う中島たい子の作品です。恋愛の延長にある制度や生活を、決断の物語としてではなく、揺れる気分として描きます。ユーモラスな題名のなかに、親密さへの不安と自己確認の主題があります。 夫婦恋愛アイデンティティ
  17. 017 2007 建てて、いい? たてていい 中島たい子 単行本・講談社 『建てて、いい?』は、家を建てるという具体的な行為を通して、生活、結婚、将来への迷いを描く作品です。中島たい子らしい軽い語り口で、住まいを選ぶことが自分の生き方を選ぶことに変わっていきます。日常的な題材から、家族や関係の設計図を考えさせる小説です。 夫婦家族労働
  18. 018 2007 ワンちゃん わんちゃん 楊逸 初出・文學界 2007年12月号 日本に渡って暮らす中国人女性「ワンちゃん」は、中国の女性たちと日本の男たちを引き合わせる見合いツアーの世話役を務めている。国境をまたぐ結婚の斡旋という生々しい現場を通して、経済格差のなかを生きる女たちのたくましさと哀感を、来日20年の作者がよどみのない日本語で描いた。日本語を母語としない書き手が日本… 移民と越境ジェンダー貧困 第105回 文學界新人賞
  19. 019 2006 憂鬱なハスビーン ゆううつなはすびーん 朝比奈あすか 初出・群像 2006年6月号 東大を出て有名企業に就職し、弁護士の夫と結婚して仕事を辞めた29歳の「私」。優しい夫も安定した生活もあるのに、なぜこんなに腹が立つのか。かつて神童と呼ばれた同級生との再会に動揺し、自分はまだ自分に何かを期待しているのかと問い直す。「ハスビーン(has-been=終わった人)」という言葉を軸に、優越感… ジェンダーアイデンティティ労働 第49回 群像新人賞
  20. 020 2004 パラレル ぱられる 長嶋有 単行本・文藝春秋 長嶋有の2004年刊行作で、複数の関係や時間が「パラレル」に並んでいく感覚をもつ長編。日常の会話やちょっとしたすれ違いを淡々と積み重ね、劇的な和解よりも、近くにいるのに重なりきらない人間関係を描く。脱力したユーモアの中に、現代的な孤独がにじむ。 夫婦恋愛孤独と疎外
  21. 021 2000 とう 末弘喜久 初出・すばる 2000年11月号 「果たして妻は同僚と関係があったのか」という疑念に取り憑かれた男が、絶望から精神の彷徨へ、さらに錯乱と覚醒へと沈み込んでいく過程を描く。現実の輪郭が次第に溶け、悪夢的・幻想的な世界へ滑り込んでいく筆致が特徴で、嫉妬という卑近な感情を入口に、人がどこまで暗がりへ降りていけるかを試すような作品になってい… 夫婦孤独と疎外寓話・幻想 第24回 すばる文学賞
  22. 022 1997 ハネムーン ハネムーン 吉本ばなな 単行本・中央公論社 18歳で結婚した主人公まなかと幼なじみの裕志が、祖父の死をきっかけに夫の抱える過去(宗教に絡む父の死)と向き合い、喪失の痛みを支え合いながら成長していく長編。ブリスベンへのハネムーンが旅として心の整理を果たす。 夫婦死と喪失一人称
  23. 023 1996 くっすん大黒 くっすん だいこく 町田康 初出・「文學界」1996年8月号、文藝春秋1997年刊 3年前に仕事を辞めて放浪生活を続けるうち妻に出て行かれた楠が、全ての不運を自宅の不気味な金属の大黒像のせいにして捨てに行く物語。大阪弁に近いリズムと独特の語り口が斬新なデビュー作。第7回Bunkamuraドゥマゴ文学賞・第19回野間文芸新人賞受賞。 労働孤独と疎外夫婦 第19回 野間新人賞
  24. 024 1961 充たされた生活 みたされたせいかつ 石川達三 単行本・新潮社 石川達三が1960年代初頭に刊行した生活小説。題名の「充たされた」が逆説的に響くように、安定した生活の中にある不満や空虚を扱う作品として読める。公開情報が限られるため、家族、階層、生活倫理の揺らぎを主題にした暫定紹介とする。 家族夫婦孤独と疎外
  25. 025 1959 死の棘(初期連作) しのとげ(しょきれんさく) 島尾敏雄 初出・「文學界」「群像」1959〜1960年に連作短篇として分載開始(「家の中」「家の外で」など)。初刊単行本は1960年講談社、完結版は1977年新潮社刊。 『死の棘(初期連作)』は、妻の精神疾患と夫婦生活の崩壊を、逃げ場のない一人称で書き継いだ私小説的連作です。家庭という最も近い場所が病と疑念によって変質していく過程を、苛烈な自己凝視で描きます。のちに完結版へ至る島尾敏雄文学の中心的モチーフが、初期の連作段階からすでに現れています。 夫婦家族
  26. 026 1956 四十八歳の抵抗 よんじゅうはっさいのていこう 石川達三 単行本・新潮社 中年男性が若い女性に惹かれ、家庭と欲望の間で揺れる姿を描いた長編。年齢、性、家庭内の役割が絡み合い、戦後の中産階級的生活の安定が揺らぐ。映画化もされた話題作で、石川達三が家族と欲望を社会的に描いた一作。 夫婦家族
  27. 027 1954 プールサイド小景 ぷーるさいどしょうけい 庄野潤三 初出・「群像」1954年12月号(第32回芥川賞受賞) 『プールサイド小景』は、社員旅行の一日を舞台に、家庭を持つ男の欲望と罪悪感を細密に描く短篇です。劇的事件よりも視線、沈黙、気まずさの変化を追うことで、都市生活者の不安を浮かび上がらせます。庄野潤三の静かな日常描写のなかに、戦後の家庭と個人の距離感が滲む作品です。 夫婦家族恋愛 第32回 芥川賞
  28. 028 1938 結婚の生態 けっこんのせいたい 石川達三 単行本・新潮社 結婚という制度と生活の内側を観察する石川達三の長編。家庭や男女関係を社会の縮図として見る作家の関心がうかがえ、私的な感情と制度的な役割のずれが主題になる。公開梗概は薄いが、家族・夫婦・生活倫理をめぐる作品として暫定整理する。 夫婦家族同調圧力