はいいろねこのふぃるむ

灰色猫のフィルム

天埜裕文 2008 第32回 すばる文学賞 受賞

紹介 About

母親を殺した「僕」は、動機も経緯も語らないまま町を放浪する。公園での野宿を経てホームレスの「ハタさん」と出会い、河川敷の小屋でともに暮らしはじめるが、ハタさんが大切にしていた灰色の猫が殺される日まで、束の間の安らぎは続かない。公衆トイレなどの不潔で醜悪な細部が彷徨う心理を映し出す一方、動物や迷子の少女へ向けられる優しい視線が失われた無垢を照らす。携帯電話で書き上げられた、出口なしの諦念に貫かれたデビュー作。

評価 Reception

第32回すばる文学賞受賞作。NDLサーチで『すばる』2008年11月号掲載の受賞作書誌と、2009年2月に集英社から単行本化された書誌を確認できる。今回確認した範囲では、三島由紀夫賞候補歴や執筆経緯を裏づける公式出典は未確認。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第32回 すばる文学賞 (2008年)

天埜裕文のほかの収録作 More

  1. 001 2009 左へ ひだりへ 初出・すばる 31巻6号(2009年6月) 『左へ』は、天埜裕文が『灰色猫のフィルム』で第32回すばる文学賞を受賞した後に発表した小説です。NDLサーチとCiNii Researchで、『すばる』31巻6号、2009年6月、20-59ページ掲載の書誌を確認できます。公開Webでは梗概や選評本文を確認できないため、作品内容の説明は掲載情報と受賞… 方向感覚孤独と疎外短篇