へびをふむ

蛇を踏む

川上弘美 1996 第115回 芥川賞 受賞

紹介 About

『蛇を踏む』は、藪で蛇を踏んだ女性の前に、その蛇が女の姿で現れ、「蛇になれ」と迫ってくる芥川賞受賞作です。日常の手触りを残したまま異界が入り込み、現実と幻想の境界が曖昧になっていくところに読みどころがある。身体の変容、親密さへの恐れ、奇妙な同居感を、川上弘美の初期作らしい静かな不穏さで描く。

評価 Reception

第115回芥川賞受賞作で、日本文学振興会公式ページに受賞者・作品名・掲載誌『文學界』が掲載されている。出版社公式の商品紹介ページは今回確認できず、内容紹介は既存 synopsis と受賞・掲載情報の範囲で要約した。川上弘美の出発点を示す作品として、後の幻想的リアリズムへ続く位置づけで扱う。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第115回 芥川龍之介賞 (1996年上半期)

川上弘美のほかの収録作 More

  1. 001 2001 センセイの鞄 せんせいのかばん 初出・単行本(平凡社、2001年6月刊行)。連載初出の詳細は今回未確定のため単行本年を year に採用。 『センセイの鞄』は、元教師と元教え子の再会から始まる恋愛小説です。居酒屋でのやりとり、季節の食べ物、散歩や旅の場面を積み重ねながら、二人の距離が急がずに変化していきます。川上弘美らしい淡いユーモアと寂しさが同居する代表作です。 恋愛老い孤独 第37回 谷崎賞
  2. 002 2023 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ こいははかないあるいはぷーるのそこのすてーき 単行本・講談社 『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』は、恋愛の記憶、時間の距離、語ることの不確かさをめぐる長篇です。川上弘美らしい日常と奇妙さの接続が、題名の比喩のように、現実感を少しずつずらしていく。恋を直接描くだけでなく、記憶のなかで恋がどのように形を変えるかを読む作品です。 恋愛記憶時間 第76回 野間文芸賞