はんぷくするもの

はんぷくするもの

日上秀之 2018 第55回 文藝賞 受賞

紹介 About

東北沿岸の「赤街」を舞台に、仮設の商店で暮らす三十代の男・毅の日々を描く。津波ですべてを流された者と、被害を受けなかった者のあいだに生じる正義や負い目が、わずかなツケをめぐる攻防に凝縮される。小さな生活圏から、災害後の分断と諧謔を掘り起こす作品。十畳の仮設商店という狭い場所を舞台に、被災後の生活が持つ怒りと笑いを人物の声として響かせている。

評価 Reception

河出書房新社の書籍ページで第55回文藝賞受賞作であることを確認できる。同ページには町田康、村田沙耶香ら選考委員の評価が掲載され、悲惨と諧謔の同時性や人物の生々しさが評価されている。OpenBDでは東京新聞/中日新聞朝刊の藤沢周評、読売新聞朝刊の土方正志評掲載記録も確認できるが、新聞評本文は未確認。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第55回 文藝賞 (2018年)

日上秀之のほかの収録作 More

  1. 001 2021 間隙を縫う、埋める、挟まる かんげきをぬううめるはさまる 初出・「文藝」2021年夏季号 岩手県沿岸の「赤街」を舞台に、仕事のない憲正が近所の老人たちの買物代行を始めたことから、地域の人間関係が予期しない方向へ動いていく中篇。被災経験の有無によって分かれる視線や、生活の足場が不安定になる感覚を、日常の小さな仕事を通して描く。 災害地域社会労働