キュー

キュー

上田岳弘 2019

紹介 About

平凡な医師である「僕」が突然拉致され、世界の趨勢をめぐる暗闘の中心に、長年寝たきりだったはずの祖父がいることを知る。新潮社公式は、祖父の秘密が「人類を一つに溶かす」使命に関わるものとして紹介している。戦争、愛、運命、人類の統合という大きな主題を、現代的な技術感覚と哲学的な思考実験の語りで押し広げる作品。

評価 Reception

NDLでは『新潮』2017年10月号からの連載書誌と、上田岳弘・高橋一生による『新潮』2019年8月号の作品対談「戦争と愛、運命と反射 : 小説『キュー』をめぐって」が確認できる。OpenBDでは朝日新聞朝刊、読売新聞朝刊、毎日新聞朝刊の書評掲載情報が確認できるが、各本文評価の詳細は未確認。作品単位の主要文学賞受賞は確認できていない。

出典 Sources

上田岳弘のほかの収録作 More

  1. 001 2013 太陽 たいよう 初出・「新潮」2013年11月号 太陽内部の核融合からはじまり、新宿のホテルで女を待つ教授・アフリカの赤ちゃん工場・パリなど多様な場を横断する群像劇。テクノロジーと人類史を俯瞰するデビュー作。 第45回 新潮新人賞
  2. 002 2014 太陽・惑星 たいよう・わくせい 単行本・新潮社 新潮新人賞受賞のデビュー作「太陽」と芥川賞候補作「惑星」を収めた最初の単行本。
  3. 003 2015 私の恋人 わたしのこいびと 単行本・新潮社 クロマニョン人以来、転生を繰り返してきた「私」が人類史と恋を語る長編。三島由紀夫賞受賞。 第28回 三島賞
  4. 004 2016 異郷の友人 いきょうのゆうじん 単行本・新潮社 異郷の友人は、上田岳弘による2016年発表の作品です。単行本は新潮社(2016年)。
  5. 005 2017 塔と重力 とうとじゅうりょく 単行本・新潮社 芸術選奨新人賞を受賞した作品集。
  6. 006 2018 ニムロッド ニムロッド 初出・群像 2018年12月号 IT企業に勤める中本哲史は、社長から仮想通貨ビットコインの採掘(マイニング)事業を任される。彼の周りには、中絶と離婚の傷を抱える外資系勤務の恋人・田久保紀子と、小説家の夢に挫折し「駄目な飛行機コレクション」と題するメールを送ってくる同僚・荷室仁(ニムロッド)がいる。三人の日常に、天に挑んだバベルの塔… テクノロジー労働孤独と疎外 第160回 芥川賞
  7. 007 2021 旅のない たびのない 単行本・講談社 コロナ禍中の日々を映す四篇からなる、上田岳弘初の短篇集。恋人とのホテル、息子との散歩、甥を預かる夏、出張先の車中といった限られた場面を通して、移動が制限された時代の記憶、会話、自己認識を描く。大きな事件よりも、日常の小さな違和感や言葉のずれから世界の変化を浮かび上がらせる作品集。 記憶孤独と疎外家族 第46回 川端賞
  8. 008 2022 引力の欠落 いんりょくのけつらく 単行本・KADOKAWA 『引力の欠落』は、CFOとして企業の上場に関わり巨富を得た行先馨が、弁護士マミヤに招かれて奇妙なペントハウスへ向かう超現実的な小説。そこでは「始皇帝」や「本多維富」を自称する者たちがカードゲームに興じ、経済的充足の先に残る孤独と、何かが欠けた人間が別の段階へ移れるのかという問いが立ち上がる。現代の資… 孤独と疎外アイデンティティ労働
  9. 009 2023 最愛の さいあいの 単行本・集英社 『最愛の』は、学生時代に手紙を交わした望未を忘れられない久島が、彼女の「忘れて」という願いに向き合い、自分のためだけの文章を書き始める恋愛長編である。情報や欲望を処理する現代的な主体と、手紙という遅い言葉の形式が対置され、恋愛を記憶・忘却・書くことの問題として掘り下げる。上田岳弘が繰り返し描いてきた… 恋愛記憶言葉と言語
  10. 010 2024 K+ICO 単行本・文藝春秋 ウーバーイーツ配達員のKと、TikTokerとして活動する女子大生ICOが、巨大な「システム」のなかで交錯していく長篇。ギグワーク、SNS、インターネットによる偶然の接続を現代的な意匠として扱いながら、カフカ『城』を象徴的な参照点にして、資本主義の抽象的な力と個人の孤独を重ねる。KとICO、それぞれ… テクノロジー労働孤独と疎外
  11. 011 2024 多頭獣の話 たとうじゅうのはなし 単行本・講談社 IT企業の幹部として働く「僕」の前に、会社員からトップYouTuberへ転身した元後輩・桜井君が再び現れる。彼は世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を示すため、かつて存在した「完璧な文章」を取り戻そうと予言めいた言葉を発する。IT企業、YouTuber、神話、カフカ的な不条理を重ね、現代の情報環境… テクノロジー言葉と言語信仰
  12. 012 2025 関係のないこと かんけいのないこと 単行本・新潮社 『関係のないこと』は、パンデミック後の東京で、自分とは切り離してきたはずの出来事や他者の痛みが、ふいに生活へ入り込んでくる瞬間を描く作品集です。表題作では、弁護士として世間と折り合ってきた人物が、見ないようにしてきた「壁」に取り囲まれていく。五篇を通じて、情報や人間関係が過剰に広がる都市生活のなかで… 孤独と疎外労働同調圧力