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オアシス

生田紗代 2003 第40回 文藝賞 受賞

紹介 About

愛用の青い自転車を盗まれたフリーターの「私」は、呆然としたままそれを探す日々を送る。家には家事を放棄してしまった母と、その母に「パラサイト」されているOLの姉・サキ。女三人の奇妙な家族の均衡が、自転車の喪失を起点に少しずつあらわになっていく。母を疎みながら捨てられない娘たちの姿は「現代の新種の姥捨て山」とも評された。大学在学中の22歳が、家族の倦怠を等身大の乾いた感覚で掬い上げたデビュー作。

評価 Reception

第40回文藝賞受賞(羽田圭介・伏見憲明と3作同時受賞)。「現代の新種の『姥』捨て山を描く、次世代作家の誕生」と紹介され、2006年に河出文庫化された。

受賞・候補歴 Awards

受賞 第40回 文藝賞 (2003年)

生田紗代のほかの収録作 More

  1. 001 2004 タイムカプセル たいむかぷせる 単行本・河出書房新社 過去にしまいこんだ感情や記憶を、現在の自分が開け直すようにたどる作品。若い人物の時間感覚を、懐かしさだけでなく、未来へ残してしまったものへの不安として描く。生田紗代のデビュー後の文脈では、青春の明るさと居場所のなさを同時に読む入口になる。 記憶青春家族
  2. 002 2005 まぼろし まぼろし 単行本・新潮社 母娘の確執を描く表題作と、実家に戻った娘の日常を描く「十八階ビジョン」を収める作品集。見えているはずの家族や故郷が、どこか「まぼろし」のように掴めなくなる感覚を、若い女性の視点から描く。日常の薄い不安と、過去から離れきれない心理が静かに重なる。 母と子家族記憶
  3. 003 2007 たとえば、世界が無数にあるとして たとえばせかいがむすうにあるとして 単行本・扶桑社 『たとえば、世界が無数にあるとして』は、別の可能性としての世界を想像しながら、自分の選択や関係を見つめる作品です。現実の生活に、もしも別の自分がいたらという寓話的な問いが差し込まれます。恋愛や孤独を、ひとつの世界だけでは説明しきれない揺れとして読むことができます。 アイデンティティ恋愛孤独と疎外
  4. 004 2009 ぬかるみに注意 ぬかるみにちゅうい 単行本・講談社 『ぬかるみに注意』は、足を取られる場所の感覚を、生活や人間関係の抜け出しにくさと重ねる生田紗代の作品です。題名は注意を促す標識のようですが、人物はむしろそのぬかるみに近づいてしまいます。恋愛や家族の問題を、湿った不安として読む作品です。 恋愛家族孤独と疎外
  5. 005 2010 それいゆ それいゆ 単行本・角川書店 それいゆは、生田紗代による2010年発表の作品です。単行本は角川書店(2010年)。