しんにょ

臣女

吉村萬壱 2014

紹介 About

臣女は、吉村萬壱による2014年発表の作品です。単行本は徳間書店(2014年)。

吉村萬壱のほかの収録作 More

  1. 001 2001 クチュクチュバーン くちゅくちゅばーん 初出・文學界 2001年6月号 ある時から人間たちが異形のものへと変容しはじめ、世界そのものが崩壊へ向かう過程を、複数の人物のエピソードを束ねて描く黙示録的な中篇。グロテスクで生々しい身体描写を畳みかけながら、悲惨さの中に奇妙な可笑しさと祝祭性が同居するのが特徴で、「世界の破壊か、新しい人類の始まりか」という終末イメージを正面から… 身体暴力死と喪失 第92回 文學界新人賞
  2. 002 2003 ハリガネムシ はりがねむし 単行本・文藝春秋 中学教師の男が、教え子の母親との関係をきっかけに、性と暴力の泥沼へ落ちていく芥川賞受賞作。語りは冷たく湿っており、主人公の欲望や嫌悪が、昆虫的・寄生的なイメージと重なって増殖していく。家族や学校という制度の薄い膜の下にある衝動を、読後感の悪さごと突きつける作品である。 暴力身体 第129回 芥川賞
  3. 003 2005 バースト・ゾーン 爆裂地区 ばーすと・ぞーん ばくれつちく 単行本・早川書房 吉村萬壱が、暴力と管理の気配を強めた架空的な地区を描く長編。純文学の枠を越えて、SFやディストピア小説に近い想像力で、身体が制度や集団にさらされる状況を押し広げる。『ハリガネムシ』の閉じた暴力とは別方向に、社会全体が不穏化していく読み味がある。 暴力戦争身体
  4. 004 2009 独居45 どっきょしじゅうご 単行本・文藝春秋 『独居45』は、四十五歳で独り暮らしをする人物の生活を通して、身体、欲望、孤独を露悪的に描く吉村萬壱の作品です。平凡な住まいの内側に、社会から切り離された感覚と不穏な衝動が溜まっていきます。ユーモアと気味悪さが同居する読み味が特徴です。 孤独と疎外身体
  5. 005 2009 ヤイトスエッド やいとすえっど 単行本・講談社 ヤイトスエッドは、吉村萬壱による2009年発表の作品です。単行本は講談社(2009年)。
  6. 006 2014 ボラード病 ぼらーどびょう 単行本・文藝春秋 海辺の新興住宅地に越してきた家族が、地域の同調圧力に絡め取られていく。
  7. 007 2015 虚ろまんてぃっく うつろまんてぃっく 単行本・文藝春秋 虚ろまんてぃっくは、吉村萬壱による2015年発表の作品です。単行本は文藝春秋(2015年)。
  8. 008 2017 回遊人 かいゆうじん 単行本・徳間書店 回遊人は、吉村萬壱による2017年発表の作品です。単行本は徳間書店(2017年)。
  9. 009 2018 前世は兎 ぜんせはうさぎ 初出・すばる 2015年11月号 表題作「前世は兎」のほか、「夢をクウバク」「宗教」「沼」「梅核」「真空土練機」「ランナー」を収める短篇集。兎だった前世の記憶を持つ女、カタログを書き写すことで不安を鎮める休職中の教員、破滅後の世界でマラソンに選ばれる姉など、現実の足場をずらす設定が並ぶ。身体、性、信仰、労働不能や破滅のイメージを通じ… 身体暴力
  10. 010 2019 出来事 できごと 単行本・鳥影社 『季刊文科』連載「転落」を単行本化した長篇。OpenBDの出版社由来データでは、見慣れた日常世界が歪み、人間の嘘や文明の虚妄が露出していく哲学小説として紹介されている。吉村萬壱の身体感覚の強い描写と、日常を異様なものへ反転させる語りが読みどころになる。 身体暴力アイデンティティ
  11. 011 2020 流卵 りゅうらん 単行本・河出書房新社 『流卵』は、中学2年の男子が性の目覚めとオカルト的な妄想に取りつかれ、自分を「選ばれた民」とみなして向こう側の世界へ進もうとする長篇。河出書房新社公式は、官能と陶酔を帯びた吉村萬壱版『金閣寺』として紹介している。母親に「ヘンタイ」と呼ばれる少年の半生をたどる書評もあり、性・信仰・自己神話が混ざる不穏… 青春信仰
  12. 012 2021 死者にこそふさわしいその場所 ししゃにこそふさわしいそのばしょ 単行本・文藝春秋 折口山に暮らす奇妙でどこか壊れた人々が、町はずれの植物園へ引き寄せられていく連作短篇集。介護、欲望、病、善意の暴走といった日常の歪みを、グロテスクで滑稽な筆致で少しずつ現実からずらしていく。表題作を含む六篇を通じて、怖さと可笑しさが同居する吉村萬壱の寓話的な人間観察が前面に出る。 ケアと介護身体
  13. 013 2022 CF しーえふ 単行本・徳間書店 罪の責任を「無化」する超巨大企業Central Factoryをめぐり、加害、被害、償いの意味が揺らいでいく群像劇。キャバクラ嬢、主婦、中学生、ホームレス、CFで働く中年、広報室長、そしてCFへのテロを企てる男など、社会の周縁と制度の内部にいる人々が交錯する。荒唐無稽な設定を通して、責任を引き受ける… 暴力テクノロジー労働
  14. 014 2024 みんなのお墓 みんなのおはか 単行本・徳間書店 「内藤家之墓」に引き寄せられる人々を描く、共同墓地を軸にした群像劇。裸になる快感を追う主婦、「真理」がわからない小学生たち、夜のコンビニだけを日課にする引きこもり男性、宗教的な合宿に向かう若者、潔癖症の妻を持つ中年など、ばらばらの人物が悩みを抱えながら生きている。死者の場所である墓を、生きる者の傷や… 死と喪失孤独と疎外信仰