まじょのむすこ
魔女の息子
紹介 About
40歳を目前にしたゲイのフリーライター・和紀。77歳の母が「老いらくの恋」に燃え始めたことで、亡き父との確執、ハッテン場の旅館で出会った男との関係、そして自分自身の来し方と否応なく向き合うことになる。ゲイ・ムーブメントの先頭に立ってきた評論家が、運動の言葉では掬えない母子の情愛と人間の弱さを、ユーモアを湛えた筆致で描いた自伝的小説。セクシュアリティを「問題」としてではなく生活として描いた点で、当時の文芸誌では先駆的な位置にある。
評価 Reception
第40回文藝賞受賞。評論家として既に著名だった40歳の受賞は、17歳の羽田圭介との同時受賞ということもあり話題を呼んだ。著者はその後も「日曜日に生まれる子」などの小説を発表している。
出典 Sources
- 国立国会図書館サーチ検索結果「魔女の息子 伏見憲明」 書誌
公的書誌の探索用。個別書誌IDは今回未特定
受賞・候補歴 Awards
伏見憲明のほかの収録作 More
- 001 2010 団地の女学生 だんちのじょがくせい 『団地の女学生』は、団地という生活空間と女学生の視点を結びつけ、家族、学校、性をめぐる閉塞を描く伏見憲明の小説です。集合住宅の近さは共同性であると同時に、見られることや噂の圧力にもなります。成長の物語として、都市郊外の生活感とジェンダーの問題を読めます。
- 002 2012 百年の憂鬱 ひゃくねんのゆううつ 『百年の憂鬱』は、伏見憲明が長い時間の憂鬱を、性、ジェンダー、孤独の問題と結びつけて描く作品として整理できます。百年という誇張された時間は、個人の悩みを社会的な制度や歴史の重さへ広げます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。