さつじんしゅっさん

殺人出産

村田沙耶香 2014

紹介 About

10人産めば1人殺してもよい「殺人出産システム」が導入された社会を描く表題作ほかを収録。

村田沙耶香のほかの収録作 More

  1. 001 2003 授乳 じゅにゅう 初出・群像 2003年6月号 中学生の少女「私」は、母が選んだ冴えない家庭教師の青年に、嫌悪とも支配欲ともつかない倒錯した感情を抱き、「授乳」と呼ぶ秘密の行為へと彼を引き込んでいく。教育熱心な母への息苦しさ、性とも甘えともつかない身体感覚——のちに「コンビニ人間」へと結実する村田沙耶香の核、つまり「普通」とされる世界への違和を身… 母と子身体
  2. 002 2008 ギンイロノウタ ギンイロノウタ 単行本・新潮社 『ギンイロノウタ』は、歪んだ自意識を抱えた少女の性と暴力の衝動を描く表題作を含む作品です。村田沙耶香らしく、学校や身体をめぐる「普通」の感覚が鋭く異化されます。痛ましい題材を、過剰な説明ではなく、人物の感覚の切迫として読ませる作品です。 暴力身体 第31回 野間新人賞
  3. 003 2008 マウス マウス 単行本・講談社 『マウス』は、教室で息をひそめて生きる少女・律と、転校生との関係を描く長編です。学校という共同体のなかで、目立たず生きることと、誰かに見つけられることの怖さが描かれます。村田沙耶香らしく、「普通」に合わせる身体感覚が息苦しく異化されます。 青春同調圧力孤独と疎外
  4. 004 2010 星が吸う水 ほしがすうみず 単行本・講談社 性をめぐる固定観念に違和を抱く女性たちを描いた作品集。
  5. 005 2011 ハコブネ ハコブネ 単行本・集英社 自分の性別に違和感を抱く女性たちが、身体とアイデンティティのあいだで揺れる長編。
  6. 006 2012 しろいろの街の、その骨の体温の しろいろのまちの、そのほねのたいおんの 単行本・朝日新聞出版 ニュータウンで思春期を迎えた結佳の、スクールカーストと性の目覚めを描く長編。三島由紀夫賞を受賞した。 第26回 三島賞
  7. 007 2012 タダイマトビラ タダイマトビラ 単行本・新潮社 家族という制度になじめない少女が「家庭」への渇望をこじらせていく長編。
  8. 008 2015 消滅世界 しょうめつせかい 単行本・河出書房新社 人工授精による出産が標準となり、夫婦間の性が「近親相姦」とされる世界を描く長編。
  9. 009 2016 コンビニ人間 コンビニにんげん 初出・文學界 2016年6月号 36歳未婚の古倉恵子は、大学卒業後も就職せず、同じコンビニで18年間アルバイトを続けている。幼い頃から人と感覚がずれていることを自覚してきた恵子にとって、マニュアルが完備されたコンビニは「普通の人間」を演じられる唯一の場所だった。しかし、婚活目的で店にやってきた皮肉屋の新人男性・白羽の出現により、そ… 労働同調圧力アイデンティティ 第155回 芥川賞
  10. 010 2018 地球星人 ちきゅうせいじん 単行本・新潮社 幼い奈月は、いとこの由宇とともに自分たちを魔法少女や宇宙人として位置づけ、恋愛・生殖・家族・労働を当然視する「地球」の仕組みに違和感を抱く。大人になっても社会にうまく適応できない奈月は、家族制度や性、身体をめぐる圧力から逃れるように、由宇たちとの関係へ再び引き寄せられていく。少女の成長物語のような出…
  11. 011 2019 変半身 かわりみ 単行本・筑摩書房 『変半身』は、劇作家・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間の身体や歴史、信仰が別のかたちへ変わっていく悪夢的な中篇。秘祭モドリ、ポピ原人、ポーポー様、遺伝子退行手術といった奇妙な要素が、共同体の常識と身体観を揺さぶる。併録の「満潮」とあわせ、村田沙耶香らしい「正常」を疑う想像力が、演劇的… 身体信仰アイデンティティ
  12. 012 2019 生命式 せいめいしき 単行本・河出書房新社 『生命式』は、死者を食べる新たな葬式を描く表題作を中心に、身体、食、家族、常識の境界を揺さぶる十二篇を収めた短篇集。河出書房新社公式の収録情報には「素敵な素材」「街を食べる」「孵化」などが並び、日常の制度や倫理を別の社会の習俗として反転させる。村田沙耶香らしい寓話的設定で、正常さそのものを問い直す読… 死と喪失身体
  13. 013 2020 丸の内魔法少女ミラクリーナ まるのうちまほうしょうじょミラクリーナ 単行本・KADOKAWA 表題作『丸の内魔法少女ミラクリーナ』に、『秘密の花園』『無性教室』『変容』を加えた四篇の短篇集。魔法少女、秘密の領域、無性化、変容といった設定を通じて、社会が当然視する性別、年齢、役割、自己像をずらして見せる。村田沙耶香らしい寓話的な発想と日常の手ざわりが同居し、軽やかさの奥に規範への違和感が残る。 アイデンティティジェンダー
  14. 014 2022 信仰 しんこう 単行本・文藝春秋 表題作は、「現実を生きろ」を口癖にする永岡が、同級生からカルト商法を始めようと誘われる短篇。現実こそ正しいと信じる態度そのものを信仰として照らし返し、信じることの危うさと切実さを問う。『生存』『書かなかった小説』『最後の展覧会』など短篇とエッセイを収め、日常の常識が少しずつ異形化する村田作品らしい読… 信仰同調圧力アイデンティティ
  15. 015 2025 世界99 せかいきゅうじゅうきゅう 単行本・集英社 『世界99』は、性格のない人間・如月空子が、場ごとにふさわしい人格を作りあげて生き延びる世界を描く上下巻の長編です。空子のいる社会には、当初は愛らしいペットのような存在だったピョコルンがおり、技術の進展によってその位置づけが変わっていく。かわいさ、適応、暴力、正常と異常の境界が反転していくディストピ… アイデンティティ同調圧力テクノロジー