ゆがんだきじつ
歪んだ忌日
紹介 About
歪んだ忌日は、西村賢太による2013年発表の作品です。単行本は新潮社(2013年)。
西村賢太のほかの収録作 More
- 001 2006 暗渠の宿 あんきょのやど 『暗渠の宿』は、粗暴で不器用な私小説的主人公・北町貫多の同棲生活と生活感情を描く作品集です。貧困、労働、性的な執着が、露悪的な自己観察と乾いたユーモアのなかで語られます。暗渠という見えない水路の比喩のように、日常の底を流れる屈辱と欲望が読みどころになります。 第29回 野間新人賞
- 002 2006 どうで死ぬ身の一踊り どうでしぬみのひとおどり 『どうで死ぬ身の一踊り』は、大正期の私小説家・藤澤清造の「歿後弟子」を自任する男をめぐる、西村賢太初期の作品集です。文学への執着、貧しい生活、対人関係の不器用さが、露悪的でありながら妙に律儀な語りで押し出されます。私小説の系譜を現代に引き寄せる作品として読めます。
- 003 2007 二度はゆけぬ町の地図 にどはゆけぬまちのちず 『二度はゆけぬ町の地図』は、戻れない場所への執着と、貧しい生活の記憶を私小説的な語りでたどる作品です。西村賢太らしい露悪的な自己凝視が、地図に残る町と、もう行けない過去を重ねます。労働、金銭、孤独が乾いた笑いと屈辱の感覚で結びついています。
- 004 2008 小銭をかぞえる こぜにをかぞえる 『小銭をかぞえる』は、金欠と痴話喧嘩にまみれた同棲生活を、私小説的な露悪と乾いた笑いで描く作品です。小銭を数える行為が、貧しさ、欲望、関係の行き詰まりを象徴します。西村賢太の作品らしく、金と性と屈辱が分かちがたく結びつきます。
- 005 2009 瘡瘢旅行 そうはんりょこう 『瘡瘢旅行』は、藤澤清造の墓参と女性との旅を描く、北町貫多ものの作品集です。私小説的な語りは、文学への執着、貧しさ、対人関係のこじれを隠さずに差し出します。旅の形を取りながら、過去の傷や屈辱を抱え直す作品として読めます。
- 006 2010 人もいない春 ひともいないはる 人もいない春は、西村賢太による2010年発表の作品です。単行本は角川書店(2010年)。
- 007 2010 苦役列車 くえきれっしゃ 中卒で家を出た19歳の北町貫多は、東京の埠頭で冷凍倉庫から荷を運び出す日雇い仕事でその日暮らしを続けている。日当はすぐに酒と風俗に消え、家賃は滞納し、人付き合いもない。そんな彼が職場で専門学校生の日下部と知り合い、初めて友人と呼べそうな存在を得るが、劣等感と過剰な自意識がその関係に影を落としていく… 第144回 芥川賞
- 008 2011 寒灯 かんとう 芥川賞受賞直後に刊行された、北町貫多と秋恵の同棲の破局へ向かう日々を描く連作集。
- 009 2013 棺に跨がる かんにまたがる 秋恵との同棲の終焉を描く北町貫多ものの連作集。
- 010 2014 疒の歌 やまいだれのうた 北町貫多の青年期を描く長編私小説。
- 011 2015 痴者の食卓 ちしゃのしょくたく 痴者の食卓は、西村賢太による2015年発表の作品です。単行本は新潮社(2015年)。
- 012 2015 無銭横町 むせんよこちょう 無銭横町は、西村賢太による2015年発表の作品です。単行本は文藝春秋(2015年)。
- 013 2016 蠕動で渉れ、汚泥の川を ぜんどうでわたれ、おでいのかわを 17歳の北町貫多が新聞専売所で働く日々を描く長編私小説。
- 014 2017 芝公園六角堂跡 しばこうえんろっかくどうあと 私小説家としての現在地を見つめる「狂折檻」など四篇を収めた連作集。
- 015 2018 羅針盤は壊れても らしんばんはこわれても 西村賢太の分身的主人公・北町貫多が、二十三歳を迎え、日雇い暮らしのなかで人生の敗北感を濃くしていく小説集。田中英光や藤澤清造の私小説に救いを求める貫多が、自らも私小説を書き始めようとする姿を軸に、貧困、文学への執着、自己嫌悪が泥臭く絡み合う。表題作に加え「陋劣夜曲」などを収め、惨めさと不屈さが同時に…
- 016 2018 夜更けの川に落葉は流れて よふけのかわにおちばはながれて 北町貫多の二十代前半を描く「寿司乞食」「夜更けの川に落葉は流れて」「青痰麺」の三篇を収める作品集。表題作では、無気力で受け身になっていた貫多が梁木野佳穂という女性との関わりによって、わずかに外の世界へ引き戻されていく。貧しさ、職場の失敗、恋愛の痛み、長く尾を引く恨みを、私小説的な乾いた筆致で読ませる…
- 017 2019 瓦礫の死角 がれきのしかく 『瓦礫の死角』は、父の性犯罪によって解体した家族の記憶と、服役を終えようとする「あの人」の影を描く表題作を中心にした短篇集。講談社公式は、十七歳で無職の北町貫多が、刑期を終えようとする父、復讐に怯える母、消息不明の姉を抱えた家族の瓦礫に向き合う物語として紹介している。「病院裏に埋める」と表裏をなす不…
- 018 2022 雨滴は続く うてきはつづく 2004年、北町貫多は同人誌発表作「けがれなき酒のへど」が同人雑誌優秀作に選ばれ、純文学誌に転載されたことで文壇デビューを果たす。藤澤清造の歿後弟子であろうとする執念、純文学誌への執筆、恋情と自尊心の揺れが、貫多らしい苛立ちと滑稽さを伴って進む。完成直前で未完となった遺作長篇であり、作家になる以前の…
- 019 2023 蝙蝠か燕か こうもりかつばめか 2022年2月に急逝した西村賢太の未刊行小説集で、完結作としては最後の表題作を含む三篇を収める。北町貫多が藤澤清造資料の調査や書簡の額装をめぐって動く「廻雪出航」「黄ばんだ手蹟」と、死の前年の貫多を描く「蝙蝠か燕か」によって、師への執着と自分の文学を問い直す。私小説的な分身を通じ、歿後弟子としての覚…