きせつのきおく

季節の記憶

保坂和志 1996 第33回 谷崎賞 受賞

紹介 About

『季節の記憶』は、鎌倉・稲村ヶ崎を舞台に、父と息子が過ごす初秋から冬の日々を断片的に描く長篇です。大きな事件よりも、日々の会話、意識の流れ、季節の移り変わりそのものを小説の中心に置く点に保坂和志らしさがあります。既存梗概では保坂文学の代表作として整理されていますが、内容細部は出版社公式では未確認です。

評価 Reception

第33回谷崎潤一郎賞受賞作です。中央公論新社公式の谷崎潤一郎賞一覧で、三木卓『路地』との同時受賞を確認できます。平林たい子文学賞の受賞情報は賞マスター外のため、ここでは補足的な位置づけに留めます。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第33回 谷崎潤一郎賞 (1997年)

保坂和志のほかの収録作 More

  1. 001 1993 草の上の朝食 くさのうえのちょうしょく 初出・「群像」1993年3月号、講談社1993年8月刊 『草の上の朝食』は、保坂和志が第15回野間文芸新人賞を受賞した作品です。既存データでは『プレーンソング』の続編として、鎌倉を舞台にゆるやかな日常と複数人物の意識を描く初期代表作として整理されています。講談社公式で受賞は確認できますが、内容紹介はWikipedia中心のため注意が必要です。 実験的文体都市・郊外静謐 第15回 野間新人賞
  2. 002 1995 この人の閾 このひとのいき 初出・「新潮」1995年3月号 『この人の閾』は、近隣に住む人々との会話や移ろう時間を、事件性よりも意識の動きとして追う保坂和志の短篇です。登場人物の関係や日常の場面は淡く保たれ、その隙間に考えること、感じることの閾が浮かび上がります。平明な文体でありながら、何げない生活の中に哲学的な問いを置く点が読みどころです。 簡潔な文体都市・郊外静謐 第113回 芥川賞
  3. 003 2013 未明の闘争 みめいのとうそう 単行本・講談社 『未明の闘争』は、出来事を劇的に進めるよりも、考えること、話すこと、書くことの持続そのものを小説の中心に置く長篇です。日常の細部から小説論へ、個人の時間から世界の手触りへと、保坂和志の思考がゆっくり広がっていく。物語の速度ではなく、意識の粘りと文体の持続を読む作品です。 小説を書くこと日常思考 第66回 野間文芸賞
  4. 004 2017 こことよそ ここ と よそ 初出・「新潮」2017年6月号掲載 『こことよそ』は、鎌倉の道を歩く場面を含む短編で、保坂和志自身の受賞のことばでは、川端康成の記憶や生者と死者の時間感覚が作品に触れられている。物語の具体的な筋は公式ページからは限定的にしか確認できないが、場所の記憶と死者との距離が読解の手がかりになる。川端康成文学賞の受賞作として、短編の凝縮された時… 記憶死と喪失地方 第44回 川端賞