かみきち
神キチ
紹介 About
屋根屋として建築現場で働く主人公を、不条理な出来事が次々と襲う。だが彼や登場人物たちが本当に悩むのは、世界の理不尽そのものではなく、〈真剣に神に祈れない〉という一点だ。奇妙で黒い笑劇の合間に、切り刻まれた宗教性の断片が乱舞し、信じることが壊れてしまった時代の労働者の魂のありかを照らし出す。地方の建築現場という生活実感に根ざした舞台と、ファルスと求道が同居する筆致が異彩を放つデビュー作。
評価 Reception
選考では委員の誰ひとり無視できず、一致して票を投じたと伝えられる。米子在住の高専出身という経歴の書き手の受賞は、地元でも大きく報じられた。