おさなごのせいせん

幼な子の聖戦

木村友祐 2020 第162回 芥川賞 候補

紹介 About

第162回芥川賞候補作の表題作と、ビルの窓拭きを描く『天空の絵描きたち』を収める作品集。表題作では、青森の小さな村で村議をしている「おれ」が、人妻との関係を県議に握られ、同級生候補への選挙妨害を強いられる。地方政治の閉塞、個人の弱み、労働現場の緊張を、怒りと諦めのあわいにかすかな希望を探る語りで描く。

評価 Reception

集英社公式で第162回芥川賞候補作であることを確認。NDLでは倉本さおりによる『小説トリッパー』のクロスレビュー、東直子・宮下遼・町屋良平による『群像』の創作合評が確認でき、OpenBDでは読売新聞朝刊(2020年2月16日)の書評掲載も確認できる。ただし各本文評価の詳細は未確認。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

候補 第162回 芥川龍之介賞 (2019年下半期)

木村友祐のほかの収録作 More

  1. 001 2009 海猫ツリーハウス うみねこつりーはうす 初出・すばる 2009年11月号 海猫の鳴き交わす青森県八戸。25歳の亮介は服飾デザイナーの夢を抱えつつ家業を手伝い、師匠のもとでツリーハウス作りに励んでいる。そこへ、自給自足の暮らしを求めて都会から人気者の兄・慎平が帰ってくると、田舎町の均衡は静かに乱れはじめる。標準語に回収されない南部弁の語りが土地の身体感覚をそのまま運び、地方… 家族労働アイデンティティ 第33回 すばる文学賞
  2. 002 2014 聖地Cs せいちしーず 単行本・新潮社 『聖地Cs』は、木村友祐が聖地と名づけられる場所の力や、土地をめぐる記憶を扱う小説として整理できます。場所は信仰や観光の対象であるだけでなく、共同体の傷や欲望を集めるものとして読めます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と創作合評記録に基づく暫定的な紹介です。 信仰記憶地方
  3. 003 2016 イサの氾濫 いさのはんらん 単行本・未來社 『イサの氾濫』は、木村友祐がイサという人物や存在をめぐる記憶、土地、暴力の広がりを描く短篇集として整理できます。氾濫という語は、抑え込まれたものがあふれ出す感覚を示します。既存データには三島由紀夫賞候補作品を収めるとあるが、今回の調査では公式候補出典を確認できていません。 地方記憶暴力
  4. 004 2016 野良ビトたちの燃え上がる肖像 のらびとたちのもえあがるしょうぞう 単行本・新潮社 『野良ビトたちの燃え上がる肖像』は、格差と貧困の中で生きる人々を描いた長篇です。野良ビトという呼び名は、制度や共同体の外へ押し出された人びとの姿を示します。肖像という形式を通じて、個々の生活と社会の暴力を結びつけて読む作品です。 貧困労働暴力
  5. 005 2017 幸福な水夫 こうふくなすいへい 単行本・未來社 『幸福な水夫』は、木村友祐が水夫という移動する労働者の像を通じて、幸福と漂流の関係を描く作品として整理できます。海や船のイメージは、生活の不安定さと越境の感覚を呼び込みます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌確認に基づく暫定的な紹介です。 労働移民と越境孤独と疎外