あなたにあんぜんなひと
あなたに安全な人
紹介 About
3.11直前の少年の死をめぐる出来事に苛まれる元教師の妙と、沖縄新基地建設反対デモの警備中の事故を抱える便利屋の忍が、「感染者第一号」を誰もが恐れる土地で出会う。二人は人を傷つけ、傷つけられる社会のなかで、孤独で安全な逃亡生活のような関係を築いていく。東日本大震災、沖縄、感染症下の共同体の視線を交差させ、不安と疎外を短く硬い文体で積み上げる作品。
評価 Reception
第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞し、選考委員のロバート キャンベルは、人々の心に巣喰う不安や社会の不均衡に声と形を与える点を高く評価した。河出書房新社の書籍ページにも同賞受賞と複数の推薦コメントが掲載され、疎外感や不穏さをめぐる読後感が強調されている。Bunkamuraドゥマゴ文学賞はこのサイトの賞マスタ外のため、`awards[]` には追加していない。
出典 Sources
- あなたに安全な人|河出書房新社 紹介評価書誌
内容紹介、書誌、第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞と推薦コメントを確認。
- 第32回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞作品|Bunkamura 評価
受賞作、選考委員、ロバート キャンベルによる選評を確認。
木村紅美のほかの収録作 More
- 001 2006 風化する女 ふうかするおんな 突然死んだ会社の先輩れい子には、職場で見せていたのとは別の顔があった。「私」はその謎をたどって東京から地方へと旅をし、死んだ女の生の痕跡に自分を重ねていく。日々がたえず「風化」していく都会の生活感覚を背景に、死者をなぞることでしか確かめられない自分の輪郭を、抑制された筆致で描いたデビュー作。 第102回 文學界新人賞
- 002 2007 島の夜 しまのよる 『島の夜』は、島という隔てられた場所と夜の時間を背景に、孤独や記憶の濃度を描く作品として整理できます。閉じた地理は、人間関係を近づける一方で、逃げ場のなさも作ります。静かな語りのなかに、不安と親密さが同時に漂う読み味があります。
- 003 2008 花束 はなたば 『花束』は、贈り物としての花束が持つ親密さと儀礼性を手がかりに、人と人の関係を描く作品です。美しいものを差し出す行為の裏に、言えなかった感情や生活の痛みが潜みます。静かな語りのなかで、家族や恋愛の距離が少しずつ見えてきます。
- 004 2008 イギリス海岸 イーハトーヴ短篇集 いぎりすかいがん いーはとーう たんぺんしゅう 『イギリス海岸 イーハトーヴ短篇集』は、宮沢賢治のイーハトーヴを思わせる場所の記憶や文学的想像力を、短篇のかたちでたどる作品集です。実在の土地と架空の地名が重なり、読むこと、訪ねること、思い出すことがひとつにつながります。静かな幻想性と地方の手触りが読みどころです。
- 005 2009 月食の日 げっしょくのひ 『月食の日』は、日常のなかに差し込む陰りを、月食という天体現象のイメージと重ねる木村紅美の作品です。人との距離や生活の変化が、明るさを一時的に失う感覚として描かれます。静かで観察的な文体が、家族や孤独の輪郭を浮かび上がらせます。
- 006 2010 見知らぬ人へ、おめでとう みしらぬひとへおめでとう 見知らぬ人へ、おめでとうは、木村紅美による2010年発表の作品です。単行本は講談社(2010年)。
- 007 2011 春待ち海岸カルナヴァル はるまちかいがんかるなゔぁる 春待ち海岸カルナヴァルは、木村紅美による2011年発表の作品です。単行本は新潮社(2011年)。
- 008 2011 黒うさぎたちのソウル くろうさぎたちのそうる 黒うさぎたちのソウルは、木村紅美による2011年発表の作品です。単行本は集英社(2011年)。
- 009 2012 夜の隅のアトリエ よるのすみのあとりえ 夜の隅のアトリエは、木村紅美による2012年発表の作品です。単行本は文藝春秋(2012年)。
- 010 2016 まっぷたつの先生 まっぷたつのせんせい まっぷたつの先生は、木村紅美による2016年発表の作品です。単行本は中央公論新社(2016年)。
- 011 2018 雪子さんの足音 ゆきこさんのあしおと 東京出張中の薫は、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家・雪子さんが熱中症でひとり亡くなったことを新聞記事で知り、20年ぶりにその場所へ向かう。アパートへ近づく道のりと回想を重ねながら、大家と下宿人、若者と年長者、好意と負担の境目が少しずつ浮かび上がる。日常の会話や距離感の微細な違和を通して、人間…
- 012 2023 夜のだれかの岸辺 よるのだれかのきしべ 十九歳の春、茜は八十九歳のソヨミから毎晩の添い寝と朝食を頼まれ、家計を助けるためにその仕事を受ける。血縁でも介護契約でもない奇妙な近さのなかで、若さと老い、孤独、生活の手触りが交わっていく。講談社公式の本文抜粋が示すように、語りは茜の現実感に根ざし、働くことと誰かのそばにいることの境目を静かに問う作…
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