うみを すう

海を吸う

才谷景 2023 第60回 文藝賞 優秀作

紹介 About

体中に穴が開き、液体が溜まっていく少女ひよりを描く短篇。いっくんや母の言葉に促されるように、身体の変容と意識の移ろいが湿り気を帯びた幻想として進む。肉体の感覚と内面の不安を直接結びつける文体が読みどころで、受賞後第一作「庭に接ぐ」を併録したデビュー作品集にも収められている。異様な身体変化を怪奇として消費するより、閉塞した感情が身体の穴や液体として現れる感覚を粘り強く追っている。

評価 Reception

第60回文藝賞〈短篇部門〉優秀作。河出書房新社の公式発表で応募4176作から選ばれたこと、デビュー作品集の公式ページで柴崎友香・松田青子・朝宮運河の評言が掲載されていることを確認した。評価情報は出版社公式・公式PR資料に基づくため、独立書評としては未確認。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

優秀作 第60回 文藝賞 (第60回(2023年)短篇部門)

才谷景のほかの収録作 More

  1. 001 2025 庭に接ぐ にわに つぐ 初出・「文藝」2025年冬季号。2026年4月、作品集『海を吸う/庭に接ぐ』に収録。 『庭に接ぐ』は、才谷景が『海を吸う』で第60回文藝賞〈短篇部門〉優秀作となった後に発表した受賞第一作です。森へ続く〈庭〉のある家で暮らす父と娘を中心に、森から戻った父の変調と、二人きりの箱庭を侵食するものを描きます。2026年刊行のデビュー作品集『海を吸う/庭に接ぐ』に収録され、受賞作と並べて、身体… 父と子身体日常の変容