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食
主題「食」に分類された 26 作品。
- 001 2024 ナチュラルボーンチキン ナチュラルボーンチキン 45歳で一人暮らしの事務職・浜野文乃は、仕事、動画、ご飯という反復の生活を守ってきた。上司の指示で、捻挫を理由に在宅勤務を続ける若い編集者・平木直理の部屋を訪ねたことから、ホストクラブ通いの痕跡や奔放な価値観に触れ、忘れかけていた自分の欲望と向き合い始める。職場小説の軽さと中年の再生譚を重ね、ルーテ…
- 002 2023 ハジケテマザレ ハジケテマザレ コロナ禍で派遣切りにあった「私」が、生活のためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」で働き始める作品集。YouTuberの恋人をめぐる騒動、クラブでの爆踊り、激辛フェスでのプロポーズ演出など、バイト仲間との出来事が愉快さと切実さを帯びて連なる。「普通」をめぐる言葉を軸に、労働、居場所、混ざり合う…
- 003 2023 腹を空かせた勇者ども はらをすかせたゆうしゃども コロナ禍のさなか、陽気な中学生レナレナが、「公然不倫」中の母と暮らしながら学校、友人、食べること、恋愛や家族の問題に向き合う青春長篇である。明るさと浅はかさを抱えた少女たちの日常を通して、困難が当たり前になった時代をどう生き抜くかが描かれる。従来の金原ひとみ作品の切迫した身体感覚を保ちつつ、軽やかな…
- 004 2023 かっかどるどるどぅ かっかどるどるどぅ 仕事、介護、家族、お金などの問題を抱え、孤立しながら生きる人々が、従来とは別のかたちで「共に生きる」道を探す群像劇。夢を捨てきれない60代の悦子、介護に明け暮れてきた芳江、非正規雇用を転々とする理恵、自死を考える保らが、食事をふるまう片倉吉野の古いアパートへ集まっていく。東北弁を含む声の響きと食卓の…
- 005 2023 パッキパキ北京 パッキパキペキン コロナ禍の北京で単身赴任中の夫に呼ばれた菖蒲が、愛犬ペイペイを連れて中国へ渡る。隔離、食、交通、春節、北京の人々のふるまいを、主人公はしぶしぶ来たはずの立場を軽々と反転させるように貪欲に観察し、味わっていく。著者自身の中国滞在経験に基づく観察力を生かし、異国の都市を「視察」する語りの勢いとユーモアで…
- 006 2023 ラーメンカレー ラーメンカレー 『ラーメンカレー』は、ロンドンの結婚式やペルージャへの旅をきっかけに、高校時代の同級生たちの言葉と記憶があふれ出す連作短編集である。表題作を含む「窓目くんの手記」連作と複数の短篇を収め、食べ物の名前の軽さとは裏腹に、青春の偶然や移動、他者との出会いが時間をまたいで響く構成になっている。滝口悠生らしい…
- 007 2023 図書館のお夜食 としょかんのおやしょく 『図書館のお夜食』は、東北の書店勤務がうまくいかず仕事を辞めようとしていた樋口乙葉が、東京郊外の「夜の図書館」で働き始める長編である。そこは夕方七時から深夜まで開く特殊な図書館で、亡くなった作家の蔵書を集めた本の博物館のような場所でもある。予想外の出来事と夜食を通して、本、食、仕事、ほどよい距離で語…
- 008 2022 古本食堂 ふるほんしょくどう 『古本食堂』は、神保町の小さな古書店を舞台に、本と食べ物を介して人がつながり直していく長篇。国文科の学生・美希喜は、急逝した大叔父の古書店を継ぐため上京した珊瑚を手伝ううちに、古本を探す客、町の食堂、店に残された記憶に触れていく。古書の具体的な手触りとカレー、中華、寿司などの食の描写が重なり、進路の…
- 009 2022 おいしいごはんが食べられますように おいしいごはんがたべられますように 食品会社の支店を舞台に、三人の社員の関係を描く。そつなく働くが食への関心が薄い二谷、体が弱く周囲に守られ、手作り菓子を職場に持ってくる芦川、芦川の分の仕事まで引き受けてしまう押尾。二谷は芦川と付き合いながら、「おいしいごはん」を大切にする価値観への苛立ちを募らせ、押尾は守られる芦川への反感を二谷とひ… 第167回 芥川賞
- 010 2021 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか ははおやからのこづつみはなぜこんなにださいのか 『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』は、実家から届く小包をめぐって、昭和・平成・令和をまたぐ家族の思いを描く連作集。業者から買った野菜を実家からの荷物と偽る女性、父が受け取っていた小包の謎、母からの最後の荷物など、物の中にしまわれた気遣い、ずれ、寂しさが開封されていく。タイトルの軽さに対して…
- 011 2020 2020年の恋人たち にせんにじゅうねんのこいびとたち 母の急死によりワインバーを継ぐかどうか選択を迫られた前原葵を中心に、同棲相手、常連客、店を手伝う人々、新たな出会いが交錯する長篇。恋愛の高揚だけでなく、会話の途切れ、依存、別れ、仕事として店を引き受けることを描き、葵が何を選び何を手放すかを追う。直木賞受賞後の長篇第一作として、喪失後の生活再建と関係…
- 012 2020 木になった亜沙 きになったあさ 『木になった亜沙』は、表題作「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の三篇を収めた作品集。誰かに食べ物を差し出したい少女が木へ、さらに割り箸へと転じる表題作をはじめ、身体の境界や役割が奇妙にずれた状況が、純粋な願いと不穏さを同時に帯びて進む。童話のような単純さと残酷さを併せ持つ語りで…
- 013 2020 口福のレシピ こうふくのれしぴ 『口福のレシピ』は、フリーのSE兼料理研究家として働く留希子と、昭和二年の品川料理教習所で働くしずえの時間を行き来する家族小説。留希子は老舗料理学校を営む家の後継者であることに抵抗を抱きながらも、SNS発信をきっかけに料理研究家として認知されていく。簡単でおいしい献立企画をめぐる問題を通じて、家庭の…
- 014 2020 うつくしい羽 うつくしいはね 表題作『うつくしい羽』と『あさぎり』などを収めた、上村渉の初小説集。OpenBDの版元提供情報は、食の記憶が過去を呼び覚ます作品として、離婚で心の支えを失った男と、フランス修業時代に大切な人を失った料理人の軌跡を紹介している。併録作『あさぎり』では、十五歳の少女の一時保護を通して、家族の絆と外国人労…
- 015 2019 まずはこれ食べて まずはこれたべて 池内胡雪は、散らかった社内と不規則な生活に疲れながらベンチャー企業で働く三十歳。社長が会社に家政婦を雇ったことで、無愛想な筧みのりが作る料理が、殺伐とした職場に小さな休息をもたらしていく。食べることを通じて、労働の疲れ、ケアの手触り、人と人が同じ場にいることの温度を描く連作短編集。料理の題名を冠した…
- 016 2019 生命式 せいめいしき 『生命式』は、死者を食べる新たな葬式を描く表題作を中心に、身体、食、家族、常識の境界を揺さぶる十二篇を収めた短篇集。河出書房新社公式の収録情報には「素敵な素材」「街を食べる」「孵化」などが並び、日常の制度や倫理を別の社会の習俗として反転させる。村田沙耶香らしい寓話的設定で、正常さそのものを問い直す読…
- 017 2018 5時過ぎランチ ごじすぎランチ 「グリーンゾーン」「内なる殺人者」「誰が為の昼食」の三篇からなる、労働と犯罪が絡み合う短篇集。ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギーを抱える殺し屋、写真週刊誌の女性記者が、それぞれ過酷な仕事の延長線上でヤクザや警察、国家権力に触れていく。ブラックな職場感覚とクライムノベルの緊張を重ね、仕事にまつわ…
- 018 2018 星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き ほしがおかこうこうりょうりぶ へんさちろくじゅうはちのめだまやき 廃部寸前の私立星ヶ丘高校料理部に、篠原皐月が友人に誘われて入部する連作料理ミステリ。目玉焼き、オムレツ、ハンバーグ、カレーなどの料理を通じて、皐月たちは調理の理屈と、身近な出来事に潜む謎を少しずつ解いていく。学校小説の軽やかさに、料理の知識と日常の推理を重ねた読み味が特徴。
- 019 2006 浮世でランチ うきよでらんち 『浮世でランチ』は、食事や仕事場の場面を通して、現代の若い人物が社会とどう折り合うかを描く作品です。山崎ナオコーラらしい軽い会話と観察が、日常の居心地の悪さを柔らかく浮かび上がらせます。ランチという身近な行為が、関係や労働を見直す入口になっています。
- 020 2005 グルメな女と優しい男 ぐるめなおんなとやさしいおとこ 「人を好きになることは極上の料理より美味しい」——食べることに貪欲なりん子は、優しい男・一郎に純粋な恋心を抱くようになり、クリスマスの夜、ふたりは濃密なデートに繰り出す。食欲と恋愛感情というふたつの「おいしさ」を重ね合わせ、欲望に素直な女と受け止める男の関係をコミカルに描く。群像新人文学賞の優秀作と…
- 021 2004 海のふた うみのふた 故郷の海辺の町でかき氷屋を始めた女性のひと夏を描く長編。海、店、訪れる人々とのやりとりを通じて、傷ついた心が生活の手触りを取り戻していく。吉本ばなならしいやさしい幻想味が、地方の小さな商いと再生の感覚に結びついている。
- 022 2002 わたしの好きなハンバーガー わたしのすきなはんばーがー 広告会社を定年まで勤め上げた67歳の新人が、蒔岡雪子「飴玉が三つ」と同時に第94回文學界新人賞を射止めた作品。新人賞の受賞者が軒並み若返っていく2000年代初頭にあって、企業社会を生き切った世代の書き手の登場は異彩を放った。選考委員は浅田彰・奥泉光・島田雅彦・辻原登・山田詠美。単行本化されておらず… 第94回 文學界新人賞
- 023 1992 鳩を食う はとをくう 『鳩を食う』は、中野勝が第35回群像新人文学賞の小説優秀作となった作品です。NDLでは『群像』1992年6月号と受賞発表記事を確認できますが、具体的なあらすじや批評は今回確認できませんでした。題名の強い身体性を手がかりに分類は暫定補完しています。
- 024 1988 村上龍料理小説集 むらかみりゅうりょうりしょうせつしゅう 料理を軸に、欲望、記憶、身体感覚を結びつける村上龍の短篇集。食べることが単なる生活描写ではなく、性、旅、階層、感覚の鋭さを呼び出す装置として働く。村上龍の官能的な文体を、暴力よりも味覚と記憶の側から読める作品集。
- 025 1987 キッチン キッチン 唯一の肉親だった祖母を亡くし、天涯孤独となった大学生の桜井みかげ。眠れるのは冷蔵庫のそばだけ――そんな彼女に、祖母と親しかった青年・田辺雄一が同居を申し出る。雄一の家には、女性として生きる「母」えり子さん(実は父親)がいて、奇妙であたたかい三人の暮らしが始まる。台所と食べることを心の拠り所に、喪失の…
- 026 1986 パン屋再襲撃 ぱんやさいしゅうげき 表題作は、深夜に激しい空腹に襲われた夫婦が、過去の「パン屋襲撃」の呪いを解くため再び街へ出る奇妙な短篇。文春文庫公式ページでは「象の消滅」や“ねじまき鳥”の原型となる作品を含む初期短篇集として紹介されており、食欲、結婚生活、都市の空白が寓話的に結びつく。軽い会話と不穏な空気が同時に進む、初期村上短篇…