いんすとーる
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紹介 About
高校生活から突然降りてしまった17歳の朝子が、部屋の荷物を全部捨てたことをきっかけに、マンションの押入れに住み着くような小学生・かずよしと知り合い、拾った中古パソコンで風俗チャットの「バイト」を代行するようになる。インターネット黎明期の風俗チャットという際どい題材を扱いながら、筆致はあくまで軽やかで明るく、学校からの逸脱と日常への帰還をユーモラスに描く青春小説になっている。受賞時17歳の現役高校生が書いたデビュー作。
評価 Reception
第38回文藝賞受賞作。京都の高校に通う17歳の受賞は大きく報道され、単行本(2001年11月、河出書房新社)は50万部のベストセラーに。2004年には上戸彩主演で映画化された。綿矢はその後「蹴りたい背中」で史上最年少の19歳で芥川賞を受賞し、本作は最年少芥川賞作家のデビュー作として読み継がれている。
受賞・候補歴 Awards
綿矢りさのほかの収録作 More
- 001 2003 蹴りたい背中 けりたいせなか 高校に入学したばかりのハツ(長谷川初実)は、クラスの輪に加わることを拒み、余り者として過ごしている。同じく孤立しているにな川は、女性モデル「オリチャン」に病的なまでに夢中な少年。ハツはオリチャンに会ったことがある縁でにな川と関わるようになり、彼の無防備な背中を「蹴りたい」という奇妙な衝動を抱えていく… 第130回 芥川賞
- 002 2007 夢を与える ゆめをあたえる 『夢を与える』は、子役からCMタレントとして成長する少女・夕子の栄光と転落を描く長編です。芸能の世界が、家族、欲望、消費される身体を映す場所として機能します。若さや人気が商品化される過程を、綿矢りさらしい鋭い観察で追う作品です。
- 003 2010 勝手にふるえてろ かってにふるえてろ 脳内の初恋相手「イチ」と現実の求愛者「ニ」の間で揺れるOLヨシカの恋愛を描く。2017年に映画化された。
- 004 2011 かわいそうだね? かわいそうだね 恋人が元カノと同居を始めるという理不尽に直面した樹理恵の葛藤を描き、大江健三郎賞を受賞した。
- 005 2012 ひらいて ひらいて 片想いの相手とその恋人の関係に介入していく女子高生・愛の暴走する恋を描く青春小説。
- 006 2012 しょうがの味は熱い しょうがのあじはあつい 煮え切らない男と煮詰まった女の同棲生活を描く「しょうがの味は熱い」「自然に、とてもスムーズに」の二篇を収録。
- 007 2013 大地のゲーム だいちのゲーム 大震災後の近未来の大学キャンパスを舞台に、次の地震を待ち構えて生きる学生たちを描く長編。
- 008 2013 憤死 ふんし 表題作ほか「おとな」「トイレの懺悔室」など、毒気と寓話性を帯びた短篇を収めた作品集。
- 009 2015 ウォーク・イン・クローゼット ウォーク・イン・クローゼット ウォーク・イン・クローゼットは、綿矢りさによる2015年発表の作品です。単行本は講談社(2015年)。
- 010 2016 手のひらの京 てのひらのみやこ 京都に暮らす奥沢家の三姉妹それぞれの恋愛や仕事、旅立ちを描く長編。
- 011 2017 意識のリボン いしきのリボン さまざまな年代の女性たちの意識の揺らぎをすくいとった短篇集。
- 012 2017 私をくいとめて わたしをくいとめて おひとりさま生活を送る33歳のみつ子が、脳内の相談役「A」と対話しながら恋に踏み出す物語。2020年に映画化された。
- 013 2019 生のみ生のままで きのみきのままで 『生のみ生のままで』は、逢衣が恋人との旅行先で彩夏と出会い、東京に戻ってから急速に惹かれていく上下巻の恋愛長篇。互いに男性の恋人がいる状況から、彩夏の告白と身体的な引力をきっかけに、二人は恋と生活を選び直していく。女性同士の恋愛を、社会的な枠組みや世間体、身体の感覚をはぎ取るように正面から描く。
- 014 2021 オーラの発表会 オーラのはっぴょうかい 『オーラの発表会』は、大学一年生の海松子が、人を好きになる気持ちや他人の感情をうまく読めないまま、友情と恋愛未満の関係に巻き込まれていく長篇。凧揚げを趣味にし、周囲に脳内であだ名をつける彼女の少しずれた観察が、幼なじみや社会人男性からの接近を通じて揺さぶられる。綿矢りさらしい軽やかな口語感とユーモア…
- 015 2022 嫌いなら呼ぶなよ きらいならよぶなよ 『嫌いなら呼ぶなよ』は、表題作を含む四篇で、有毒に暴走するコミュニケーションと、その遮断を描く短篇集である。妻の親友宅に招かれた「僕」が突然ミニ裁判にかけられる表題作をはじめ、美容整形、YouTuberへの粘着的なコメント、深夜まで続く助言など、現代的なつながりの圧力がブラックユーモアを帯びて展開す…
- 016 2023 パッキパキ北京 パッキパキペキン コロナ禍の北京で単身赴任中の夫に呼ばれた菖蒲が、愛犬ペイペイを連れて中国へ渡る。隔離、食、交通、春節、北京の人々のふるまいを、主人公はしぶしぶ来たはずの立場を軽々と反転させるように貪欲に観察し、味わっていく。著者自身の中国滞在経験に基づく観察力を生かし、異国の都市を「視察」する語りの勢いとユーモアで…
- 017 2025 激しく煌めく短い命 はげしくきらめくみじかいいのち 『激しく煌めく短い命』は、中学校の入学式で出会った久乃と綸が、周囲の偏見のなかで愛を育み、やがて決定的に引き裂かれるまでを描く恋愛小説です。十数年後、東京で働く久乃が綸と再会する構成により、青春の瞬間的な激しさと、時間を経ても消えない感情の持続が重ねられる。文藝春秋公式は、京都と東京を舞台に女性同士…