さとう あつし
佐藤厚志
略歴 Profile
仙台の書店員として働きながら執筆を続け、「荒地の家族」で芥川賞を受賞した。 このデータベースでは5作品を収録し、発表年は2017年から2025年に及びます。新潮新人賞、芥川賞の受賞作を含みます。主題や読み味ではユーモラス、痛切、暴力、労働、アイデンティティといった切り口から作品を探せます。
収録作品 Works
文芸誌での初出
- 001 2017 蛇沼 じゃぬま 『蛇沼』は、宮城県の田園地帯を舞台に、少年時代の監禁事件と少女セイコの不可解な死を抱え続ける青年・恭二を描く新潮新人賞受賞作。受賞者インタビューでは、作者が宮城県亘理郡の田んぼや沼のある風景を原風景としており、主人公が「生きていてもいいのか」という答えのない問いの中でもがく人物として構想されたことが… 第49回 新潮新人賞
- 002 2022 荒地の家族 あれちのかぞく 宮城県亘理町の植木職人・坂井祐治、四十歳。あの「災厄」の二年後に妻を病で亡くし、再婚した相手も流産の後に家を出て、いまは老いた母と中学生の息子と暮らしている。津波という言葉を正面に掲げず「災厄」「海の膨張」と呼びながら、荒れた海辺の土地で黙々と木に向かう男の日常を描く。職を転々とする旧友や没落してい… 第168回 芥川賞
単行本
- 001 2021 象の皮膚 ぞうのひふ 幼少時から重度のアトピー性皮膚炎に苦しんできた五十嵐凜は、仙台の書店で契約社員として働きはじめる。肌を隠し、他人と距離を取ることで日々をやり過ごす凜に、今度は接客業の理不尽な客対応や、震災後に本を求める人々の姿が重なっていく。子どもの頃の記憶と現在の職場を往還しながら、身体に刻まれた痛み、労働の疲弊…
- 002 2022 荒地の家族 あれちのかぞく 宮城県亘理町の植木職人・坂井祐治、四十歳。あの「災厄」の二年後に妻を病で亡くし、再婚した相手も流産の後に家を出て、いまは老いた母と中学生の息子と暮らしている。津波という言葉を正面に掲げず「災厄」「海の膨張」と呼びながら、荒れた海辺の土地で黙々と木に向かう男の日常を描く。職を転々とする旧友や没落してい… 第168回 芥川賞
- 003 2024 常盤団地の魔人 ときわだんちのまじん 常盤団地の三号棟に住む小学三年生の今野蓮は、喘息を抱え、学校ではまだ友人関係をつくりきれずにいる。団地に越してきた同い年のシンイチ、乱暴だが求心力をもつ年上の少年たち、老朽化した団地の池や空き地をめぐる出来事のなかで、蓮は子どもだけの社会にある憧れ、序列、暴力を少しずつ知っていく。冒険譚の軽やかさを…
- 004 2025 ジャスティス・マン じゃすてぃす・まん 『ジャスティス・マン』は、仙台の老舗ホテルに勤続する初老ホテルマン・大山茂が、自分の「正義」を周囲に押しつけていく長篇です。顧客、部下、妻、書店員への振る舞いは、本人の信念とは裏腹に深刻な軋轢を生んでいきます。特撮ヒーローへの自己同一化が、倫理ではなく支配や攻撃へ転じる過程が読みどころです。滑稽さと…