まるこのゆめ

マルコの夢

栗田有起 2005

紹介 About

栗田有起が、夢や空想の気配を日常のずれの中に置いた作品。人物たちは現実から大きく逃げ出すのではなく、少しだけ別の見方を差し込むことで、自分の居場所を探っていく。軽やかな題名の裏に、他人とわかり合えない孤独がにじむ。

評価 Reception

NDLサーチで掲載記事、2005年集英社版、2009年文庫版の書誌を確認した。既存データでは芥川賞候補作家としての文脈があるが、今回確認したURLでは本作の候補回を公式確認できていないため awards[] は追加しない。

出典 Sources

栗田有起のほかの収録作 More

  1. 001 2002 ハミザベス はみざべす 初出・すばる 2002年11月号 二十歳の誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだ。まちるが遺産として受け取ったのは、高層マンションの一室とハムスターの「ハミザベス」。母と暮らした家を出て、地上33階で始まる一人と一匹の生活に、元恋人の幼なじみや父の同居人だった女性が出入りし、奇妙な距離感の友情が育っていく。喪失から始まる物… 父と子死と喪失家族 第26回 すばる文学賞
  2. 002 2004 お縫い子テルミー おぬいこてるみー 単行本・集英社 夜間の縫製工場で働く女性たちをめぐる連作短篇集。針仕事、夜勤、同僚との距離が、働くことの孤独と可笑しさを浮かび上がらせる。栗田有起の柔らかいユーモアが、職場小説を重くなりすぎない読後感へ導いている。 労働ジェンダー孤独と疎外
  3. 003 2005 オテルモル おてるもる 単行本・集英社 『オテルモル』は、奇妙なホテルをめぐる幻想的な設定を手がかりに、旅先で宙づりになる感覚や、日常から少し外れた場所にいる人の孤独を描く作品です。栗田有起らしい軽やかな導入の奥に、記憶や帰属の揺らぎが潜む読み味があります。舞台の閉じた空間が、登場人物の不安と期待を増幅する点が読みどころです。 孤独と疎外記憶アイデンティティ
  4. 004 2008 蟋蟀 こおろぎ 単行本・筑摩書房 『蟋蟀』は、虫の声や小さな気配を思わせる題名のもと、日常の奥に潜む不安や孤独を描く栗田有起の作品です。目立たないものに耳を澄ませるような語りが、家や都市の生活を少し奇妙なものに変えます。静かな現実感と寓話性の境目を読む小説です。 孤独と疎外家族記憶
  5. 005 2010 コトリトマラズ ことりとまらず 単行本・集英社 コトリトマラズは、栗田有起による2010年発表の作品です。単行本は集英社(2010年)。