こおろぎ
蟋蟀
紹介 About
『蟋蟀』は、虫の声や小さな気配を思わせる題名のもと、日常の奥に潜む不安や孤独を描く栗田有起の作品です。目立たないものに耳を澄ませるような語りが、家や都市の生活を少し奇妙なものに変えます。静かな現実感と寓話性の境目を読む小説です。
評価 Reception
国立国会図書館サーチで2008年筑摩書房刊の単行本として確認できます。今回確認できた評価情報は書誌中心で、書評・受賞歴は未確認です。
出典 Sources
栗田有起のほかの収録作 More
- 001 2002 ハミザベス はみざべす 二十歳の誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだ。まちるが遺産として受け取ったのは、高層マンションの一室とハムスターの「ハミザベス」。母と暮らした家を出て、地上33階で始まる一人と一匹の生活に、元恋人の幼なじみや父の同居人だった女性が出入りし、奇妙な距離感の友情が育っていく。喪失から始まる物… 第26回 すばる文学賞
- 002 2004 お縫い子テルミー おぬいこてるみー 夜間の縫製工場で働く女性たちをめぐる連作短篇集。針仕事、夜勤、同僚との距離が、働くことの孤独と可笑しさを浮かび上がらせる。栗田有起の柔らかいユーモアが、職場小説を重くなりすぎない読後感へ導いている。
- 003 2005 マルコの夢 まるこのゆめ 栗田有起が、夢や空想の気配を日常のずれの中に置いた作品。人物たちは現実から大きく逃げ出すのではなく、少しだけ別の見方を差し込むことで、自分の居場所を探っていく。軽やかな題名の裏に、他人とわかり合えない孤独がにじむ。
- 004 2005 オテルモル おてるもる 『オテルモル』は、奇妙なホテルをめぐる幻想的な設定を手がかりに、旅先で宙づりになる感覚や、日常から少し外れた場所にいる人の孤独を描く作品です。栗田有起らしい軽やかな導入の奥に、記憶や帰属の揺らぎが潜む読み味があります。舞台の閉じた空間が、登場人物の不安と期待を増幅する点が読みどころです。
- 005 2010 コトリトマラズ ことりとまらず コトリトマラズは、栗田有起による2010年発表の作品です。単行本は集英社(2010年)。