まぼろし
まぼろし
紹介 About
母娘の確執を描く表題作と、実家に戻った娘の日常を描く「十八階ビジョン」を収める作品集。見えているはずの家族や故郷が、どこか「まぼろし」のように掴めなくなる感覚を、若い女性の視点から描く。日常の薄い不安と、過去から離れきれない心理が静かに重なる。
評価 Reception
NDLサーチで掲載記事と2005年新潮社版の書誌を確認した。主要文学賞の受賞・候補や独立した書評は今回確認できず、評価情報は掲載・書誌確認に限られる。
出典 Sources
- NDLサーチ「まぼろし」掲載記事 紹介書誌
- NDLサーチ『まぼろし』 書誌
生田紗代のほかの収録作 More
- 001 2003 オアシス おあしす 愛用の青い自転車を盗まれたフリーターの「私」は、呆然としたままそれを探す日々を送る。家には家事を放棄してしまった母と、その母に「パラサイト」されているOLの姉・サキ。女三人の奇妙な家族の均衡が、自転車の喪失を起点に少しずつあらわになっていく。母を疎みながら捨てられない娘たちの姿は「現代の新種の姥捨て… 第40回 文藝賞
- 002 2004 タイムカプセル たいむかぷせる 過去にしまいこんだ感情や記憶を、現在の自分が開け直すようにたどる作品。若い人物の時間感覚を、懐かしさだけでなく、未来へ残してしまったものへの不安として描く。生田紗代のデビュー後の文脈では、青春の明るさと居場所のなさを同時に読む入口になる。
- 003 2007 たとえば、世界が無数にあるとして たとえばせかいがむすうにあるとして 『たとえば、世界が無数にあるとして』は、別の可能性としての世界を想像しながら、自分の選択や関係を見つめる作品です。現実の生活に、もしも別の自分がいたらという寓話的な問いが差し込まれます。恋愛や孤独を、ひとつの世界だけでは説明しきれない揺れとして読むことができます。
- 004 2009 ぬかるみに注意 ぬかるみにちゅうい 『ぬかるみに注意』は、足を取られる場所の感覚を、生活や人間関係の抜け出しにくさと重ねる生田紗代の作品です。題名は注意を促す標識のようですが、人物はむしろそのぬかるみに近づいてしまいます。恋愛や家族の問題を、湿った不安として読む作品です。
- 005 2010 それいゆ それいゆ それいゆは、生田紗代による2010年発表の作品です。単行本は角川書店(2010年)。