きことわ
きことわ
紹介 About
『きことわ』は、葉山の高台にある別荘で幼い夏をともに過ごした貴子と永遠子が、二十五年後、別荘の解体を前に再会する作品です。現在の時間のなかに幼年時代の記憶や夢がふいに現れ、途切れた親密さが静かに流れ直します。大きな事件よりも、夢・記憶・現実の境界と、積み重なる時間の層を繊細な文体で読む小説です。
評価 Reception
第144回芥川賞受賞作。日本文学振興会の公式一覧で、2010年下半期の受賞作として確認できる。新潮社公式ページでは、葉山の別荘での少女時代と二十五年後の再会を描く作品として紹介され、町田康による単行本刊行時書評も掲載されている。
出典 Sources
- 『きことわ』朝吹真理子|新潮社 書誌評価紹介
出版社公式。発売日、内容紹介、第144回芥川龍之介賞受賞、著者プロフィールを確認。
- 芥川賞受賞者一覧|日本文学振興会 書誌評価
公式一覧。第144回(2010年下半期)受賞作として掲載を確認。
受賞・候補歴 Awards
朝吹真理子のほかの収録作 More
- 001 2009 流跡 りゅうせき 『流跡』は、朝吹真理子のデビュー作です。闇夜の川を進む舟頭、雨あがりを家へ向かう会社員、波止場で船を待つ女など、人物や場面が水の流れのように変化しながら連なります。筋の明快さよりも、言葉が残す跡、身体や性差の輪郭がほどける感覚、時間がたまりとして残る手ざわりを読む作品です。 第20回 ドゥマゴ文学賞
- 002 2010 家路 いえじ 『家路』は、朝吹真理子が「流跡」の後に「群像」2010年4月号で発表した初期短篇です。詳細な梗概は今回の確認範囲では未確定ですが、デビュー直後から『きことわ』へ向かう時期の文芸誌掲載作として位置づけました。
- 003 2018 TIMELESS たいむれす 『TIMELESS』は、恋愛感情も性関係もないまま結婚したうみとアミを軸に、高校時代、広島への修学旅行、六本木の現在、四百年前の麻布が原の記憶、そして2035年の息子アオの旅を重ねる長篇です。恋愛、結婚、生殖、家族という近代的な制度をほどきながら、人間の身体が歴史や土地、死者の時間へつながっていく感…