かか
かか
紹介 About
19歳の浪人生うーちゃんは、離婚を機に心を病み、酒に酔っては荒れる母「かか」と、弟とともに暮らしている。かかを誰より愛しながらその存在に苦しむうーちゃんは、かかの痛みが自分の身体にも及ぶような一体感のなかで、「自分がかかを生み直すしかない」という切実な祈りを抱え、ひとり熊野へと旅に出る。SNSの裏アカウントに吐き出される本音と、幼児語や口語の混ざった独特の「かか弁」による語りを通して、母と娘の癒着ともいえる関係と若い心身の痛みが描かれる、著者のデビュー作。
評価 Reception
第56回文藝賞を受賞してデビューし、2020年に第33回三島由紀夫賞を史上最年少の21歳で受賞した。「かか弁」と呼ばれる独自の語りの文体が選考・批評の両面で注目され、高橋源一郎は本作を中上健次「十九歳の地図」と並べて「この世界には絶対に屈しないという十九歳の叫び」と評した。斎藤美奈子は文芸時評で、病んだ母の世話を担う主人公の姿からヤングケアラー小説と位置づけた。続く「推し、燃ゆ」の芥川賞受賞により、原点となるデビュー作として改めて読まれている。
受賞・候補歴 Awards
宇佐見りんのほかの収録作 More
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