むてきの いぬの よる

無敵の犬の夜

小泉綾子 2023 第60回 文藝賞 受賞

紹介 About

『無敵の犬の夜』は、北九州の片田舎で学校へ行かず、不良グループと過ごす中学生・界を描く長編。幼少期に右手の指を失った界は、地元で出会った男・橘に心酔し、彼のために単身東京へ向かう。方言と虚勢を帯びた熱のある語りが、思春期の暴走、尊敬されたい欲望、世界とつながれない孤独を押し出す。地方と東京を往復する構図が、少年の無謀さだけでなく、居場所を見つけられない者の痛みを立体的に見せている。

評価 Reception

第60回文藝賞受賞作。河出書房新社公式ページでは満場一致の受賞とされ、選考委員が思春期の葛藤、絶望、衝動に突き動かされる人物造形を評価している。Web河出の町田康との受賞記念対談では、田舎と東京を照らし合わせる構成、人物の生々しい感覚、文体の音の問題が語られている。Prizesworldでも回次・結果を照合しているが、評価の中心は出版社公式発表と出版社系メディアに置く。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第60回 文藝賞 (第60回(2023年))

小泉綾子のほかの収録作 More

  1. 001 2022 あの子なら死んだよ あのこならしんだよ 初出・「小説トリッパー」2022年春季号掲載(第8回林芙美子文学賞佳作、2022年2月4日発表)。 北九州市立文学館の公式発表で、第8回林芙美子文学賞佳作として確認できる短編。公式ページでは作品名、作者名、最終選考会と選考委員の情報は確認できるが、作品内容の紹介や選評は掲載されていない。現時点では題名以上のあらすじを推測せず、受賞情報中心に扱う。 短篇