あんしつ
暗室
紹介 About
『暗室』は、男女関係の親密さと断絶、欲望と倦怠を、吉行淳之介らしい冷ややかな観察で描く長篇です。明るい恋愛小説ではなく、関係の内部にある孤独や自己欺瞞を見つめる作品として、第三の新人以後の心理小説の系譜に置くことができます。
評価 Reception
第5回谷崎潤一郎賞受賞作。中央公論新社の公式受賞作品一覧で確認しました。既収録の『驟雨』に続く、吉行淳之介の成熟期の代表作として追加しています。
出典 Sources
- 谷崎潤一郎賞受賞作品一覧|中央公論新社 評価書誌
公式一覧。第5回受賞作として確認。
- NDLサーチ『暗室』 書誌
公的書誌検索。講談社版を含む書誌確認入口として参照。
受賞・候補歴 Awards
吉行淳之介のほかの収録作 More
- 001 1954 驟雨 しゅうう 『驟雨』は、料亭の女との短い逢瀬を軸に、中年男の倦怠と孤独を描く短篇です。感情を大きく説明せず、会話や身振りの細部から男女の距離を読ませるところに特徴があります。吉行淳之介の乾いた都市的感覚が、第三の新人の作風を代表するかたちで現れています。 第31回 芥川賞
- 002 1956 原色の街 ゲンショク ノ マチ 既収録『驟雨』とあわせて初期代表作を補う候補。のち『原色の街・驟雨』として文庫化。
- 003 1958 男と女の子 オトコ ト オンナノコ 既収録『驟雨』と同時期の初期作品として追加候補。後年P+D BOOKSでも再刊あり。
- 004 1959 娼婦の部屋 ショウフ ノ ヘヤ 吉行の都市・性・孤独の主題を代表的に補う候補。のち新潮文庫で再刊。
- 005 1964 砂の上の植物群 スナ ノ ウエ ノ ショクブツグン 『暗室』以前の長篇・中篇系作品として、吉行の性と孤独の主題を補う候補。
- 006 1978 夕暮まで ユウグレ マデ 後期の代表的長篇候補。既収録『暗室』後の吉行文学を補える。