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射手座

上村渉 2008 第107回 文學界新人賞 受賞

紹介 About

日系ブラジル人の語り手が、妹ルシアに関わる謎めいた男・加賀芳明と向き合う。妹の万引きに関わった加賀は、やがて妹が遺棄した赤ん坊について語り出し、赤ん坊を運んで山道をひとりさまよう。語り手が加賀から聞いた話を伝聞のかたちで重ねていく重層的な構造により、何が真実かは最後まで曖昧なまま、登場人物の誰ひとり通じ合わないという荒涼とした世界が立ち上がる。

評価 Reception

選考委員の松浦理英子は「理解と共感の望めない交わりから生まれ得るもの」へ目を向けた新しさを、角田光代は「通じ合わない彼らの間を、死んだ赤ん坊が行き来する不気味さ」を評価した。

受賞・候補歴 Awards

受賞 第107回 文學界新人賞 (2008年下期)

上村渉のほかの収録作 More

  1. 001 2020 うつくしい羽 うつくしいはね 初出・すばる 2019年6月号 表題作『うつくしい羽』と『あさぎり』などを収めた、上村渉の初小説集。OpenBDの版元提供情報は、食の記憶が過去を呼び覚ます作品として、離婚で心の支えを失った男と、フランス修業時代に大切な人を失った料理人の軌跡を紹介している。併録作『あさぎり』では、十五歳の少女の一時保護を通して、家族の絆と外国人労… 記憶死と喪失