つきのさんそう

月の三相

石沢麻依 2022

紹介 About

旧東ドイツの小さな街で「フローラが失踪した」という噂が広がり、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語が呼び起こされる。その街では誰もが自分の「肖像面」を持ち、面に惹かれて移り住んだ望、グエット、ディアナの三人は、失われた「顔」を探して見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街を舞台に、歴史、記憶、幻想が交差し、世界そのものの肖像を描く受賞第一作。

評価 Reception

講談社公式ページは本作を、芥川賞受賞作『貝に続く場所にて』に続く受賞第一作として紹介し、多和田葉子と亀山郁夫の推薦コメントを掲載している。NDLでは『群像』2022年5月号の小特集「石沢麻依」に表題作が掲載されたことを確認した。作品単体の主要賞受賞は今回確認できなかったため、評価は出版社公式紹介、推薦コメント、小特集情報に基づく。

出典 Sources

石沢麻依のほかの収録作 More

  1. 001 2021 貝に続く場所にて かいにつづくばしょにて 初出・群像 2021年6月号 コロナ禍に覆われたドイツの学術都市ゲッティンゲンで暮らす日本人留学生の「私」のもとに、東日本大震災の津波で行方不明になったはずの友人・野宮が現れる。九年前に仙台で被災した記憶と、疫病下の異国の街の現在が静かに重なり合い、惑星の名を冠した小径、聖人伝や絵画の細部、庭に埋められた様々な品をたどりながら… 死と喪失記憶災害 第165回 芥川賞