ゆきのれんしゅうせい

雪の練習生

多和田葉子 2011 第64回 野間文芸賞 受賞

紹介 About

『雪の練習生』は、サーカスや動物園に関わる三世代の白熊をめぐり、人間と動物、母語と外国語、芸と労働の境界を横断する長篇です。語り手を人間に固定しないことで、越境や翻訳の問題が身体感覚として立ち上がる。多和田葉子らしい寓話性と、歴史の暴力を軽やかにずらす語りが読みどころです。

評価 Reception

講談社の野間文芸賞履歴で第64回受賞作として確認した。新潮社公式ページで書誌と内容紹介を確認し、作品の受賞情報は賞履歴に基づいて反映した。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第64回 野間文芸賞 (2011年)

多和田葉子のほかの収録作 More

  1. 001 1991 かかとを失くして かかとをなくして 初出・「群像」1991年6月号(第34回当選) 『かかとを失くして』は、ドイツ語圏に渡った日本人女性の言語と身体の変容を、夢幻的な語りで描く多和田葉子のデビュー作です。足元の感覚を失うというイメージが、母語の外へ出る不安や、身体の境界の揺らぎにつながっていきます。越境文学・エクソフォニーの出発点として重要な作品です。 アイデンティティ言葉と言語身体 第34回 群像新人賞
  2. 002 1992 犬婿入り いぬむこいり 初出・「群像」1992年12月号 『犬婿入り』は、塾講師の女性が犬に変身した男性と同棲する物語を軸に、言語、身体、変身の主題を展開する作品です。民話的な想像力を現代の都市生活へ持ち込み、人間と動物、女と男、日本語と外部の境界を揺らします。多和田葉子の越境的で実験的な文体がよく現れた芥川賞受賞作です。 アイデンティティ言葉と言語実験的文体 第108回 芥川賞