かやくとあいのほし

火薬と愛の星

森健 2003 第46回 群像新人賞 受賞

紹介 About

女たらしの「おれ」は、さまざまな女性たちを渡り歩きながら何度も生を重ね、やがて一人の恋人に出会って初めて「ここで死のう」と思う——絵本『100万回生きたねこ』を下敷きに、軽薄な恋愛遍歴の語りの底へ、愛と死の寓話を沈めた一作。決定的なはずの「最後の恋人との出会い」をあえて正面から語らず、別のかたちで小説に滲ませる抑制が、選考でも作家的資質として評価された。慶應在学中から小説を書いてきた30歳のデビュー作。

評価 Reception

第46回群像新人文学賞当選作。選考委員の加藤典洋は「読んでいてところどころ、おっというような光る個所がある」とし、最後の出会いを直接語らない構成に「熱さとともに冷静さをひめた小説家の資質」を見た。

受賞・候補歴 Awards

受賞 第46回 群像新人文学賞 (2003年)