こばこ

小箱

小川洋子 2019 第73回 野間文芸賞 受賞

紹介 About

『小箱』は、箱という小さな器に託された記憶や喪失の気配を、静かな筆致でたどる長篇です。小川洋子らしい抑制された語りのなかで、見えないもの、しまわれたもの、失われたものが少しずつ存在感を帯びる。大きな事件よりも、手触りと沈黙の蓄積によって読む作品です。

評価 Reception

講談社の野間文芸賞履歴で第73回受賞作として確認した。NDLでは2019年朝日新聞出版版の書誌と、関連する「『小箱』をめぐる旅」の記事を確認した。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第73回 野間文芸賞 (2020年)

小川洋子のほかの収録作 More

  1. 001 1990 妊娠カレンダー にんしんかれんだー 初出・「文學界」1990年9月号 『妊娠カレンダー』は、妊娠した姉とその夫と同居する「私」が、妊娠の経過を日々観察していく短篇です。生命の誕生を祝福だけでなく、匂い、食べ物、身体への嫌悪や違和感として描く点が際立ちます。淡々とした一人称の記録が、家族の親密さの裏にある不穏さを増幅します。 家族身体母と子 第104回 芥川賞
  2. 002 1994 密やかな結晶 ひそやかなけっしょう 単行本・講談社 NDLサーチで1994年1月刊の講談社版単行本、1999年講談社文庫版、2020年刊行版を確認できる。既登録の初期芥川賞作と代表的ベストセラーの間を補う候補。 記憶権力消失
  3. 003 2003 博士の愛した数式 はかせのあいしたすうしき 初出・「新潮」2003年7月号、2003年8月新潮社より単行本刊行 『博士の愛した数式』は、事故の後遺症で新しい記憶を80分しか保てない数学者と、彼の家で働く家政婦、その息子の関係を描く長篇です。素数、友愛数、完全数などの数学的な美しさが、他者を思いやる言葉やふるまいと重ねられます。 記憶家族数学
  4. 004 2005 ミーナの行進 みーなのこうしん 初出・読売新聞連載。NDLに2005年2月の関連書誌あり。 NDLサーチで2006年4月刊の中央公論新社版単行本と2009年中公文庫版を確認できる。谷崎潤一郎賞公式一覧で第42回受賞作として確認できる。 家族記憶少女 第42回 谷崎賞
  5. 005 2012 ことり ことり 単行本・朝日新聞出版 NDLサーチで2012年11月刊の朝日新聞出版版単行本と2016年文庫版を確認できる。 孤独言葉と言語兄弟