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村上龍 1993

紹介 About

ニューヨークのバワリーで謎めいた日本人ホームレスと出会った主人公が、東京のケイコとパリのレイコを巻き込む「恍惚のゲーム」に引き込まれ、ドラッグの運び屋となっていく長編小説。

出典 Sources

村上龍のほかの収録作 More

  1. 001 1976 限りなく透明に近いブルー かぎりなくとうめいにちかいブルー 初出・群像 1976年6月号 米軍基地の街・福生のハウスを舞台に、19歳のリュウとその仲間たちの日々を描く。ドラッグとロック、黒人兵たちとの乱痴気騒ぎ、セックスと暴力に明け暮れる若者たちの退廃を、感傷を排した即物的な描写と、ガラスの破片や雨に濡れた滑走路といった鮮烈なイメージの連なりで定着させる。荒廃の只中にいながらどこか透明な… 暴力孤独と疎外 第75回 芥川賞
  2. 002 1977 海の向こうで戦争が始まる うみのむこうでせんそうがはじまる 単行本・講談社 村上龍が『限りなく透明に近いブルー』後に発表した初期長編。題名の通り、戦争が遠くで始まるという感覚を、若者の身体や都市的な不安と接続する。暴力、メディア、距離感のずれを通じて、初期村上龍の社会への鋭い視線を読む作品である。 戦争青春暴力
  3. 003 1980 コインロッカー・ベイビーズ コインロッカー・ベイビーズ 単行本・講談社 1972年夏、コインロッカーに遺棄されたキクとハシは、施設と養家を経て、それぞれ異なるかたちで母の不在と都市への怒りを抱え込む。ハシは歌声とショービジネスに、キクはアネモネや毒物ダチュラをめぐる破壊衝動に引き寄せられ、東京は欲望と暴力が増殖する異様な空間として立ち上がる。棄児、身体、都市、音の記憶を… 暴力身体家族 第3回 野間新人賞
  4. 004 1983 だいじょうぶマイ・フレンド だいじょうぶマイ・フレンド 単行本・集英社 村上龍が1983年に刊行した、映画化とも接続するポップな幻想小説。現実の都市感覚に、異質な存在との遭遇や友情のモチーフを重ね、初期村上龍の暴力的なリアリズムとは別の軽さを見せる。サブカルチャー、映像、音楽的な速度感を小説へ持ち込む読みどころがある。 青春芸術と表現孤独と疎外
  5. 005 1985 テニスボーイの憂鬱 テニスボーイのゆううつ 単行本・集英社 村上龍が1985年に刊行した長編。テニスや消費文化の明るい表層を背景に、若者の空虚さ、身体感覚、欲望の行き場のなさを描く作品として読める。初期村上龍の過剰な都市感覚を、暴力だけでなく遊戯性や倦怠から見るための一冊。 青春身体孤独と疎外
  6. 006 1987 愛と幻想のファシズム あいとげんそうのファシズム 単行本・講談社 経済危機に揺れる日本を舞台に、狩猟者トウジがカリスマ的な政治運動を率いていく長編。金融、メディア、暴力、共同体の欲望が絡み合い、個人の野性や身体性が国家的な幻想へ接続されていく過程を描く。近未来政治小説の形を取りながら、1980年代末の消費社会と権力への不安を大きなスケールで物語化した作品。 暴力アイデンティティテクノロジー
  7. 007 1987 69 sixty nine シックスティナイン 単行本・集英社 1969年の佐世保を舞台に、高校生ケンの反乱と文化祭騒動を描く自伝的青春小説。政治の季節、ロック、映画、性への憧れが混ざり合い、重い時代背景を祝祭的な語りで駆け抜ける。村上龍作品の中では、暴力や破滅よりも若者のエネルギーとユーモアが前面に出る。 青春芸術と表現
  8. 008 1988 村上龍料理小説集 むらかみりゅうりょうりしょうせつしゅう 単行本・集英社 料理を軸に、欲望、記憶、身体感覚を結びつける村上龍の短篇集。食べることが単なる生活描写ではなく、性、旅、階層、感覚の鋭さを呼び出す装置として働く。村上龍の官能的な文体を、暴力よりも味覚と記憶の側から読める作品集。 身体
  9. 009 1988 トパーズ トパーズ 単行本・角川書店 SMクラブで働く女性たちの身体、欲望、孤独を都市の夜の中に描く村上龍の作品。性の描写は刺激としてだけでなく、支配、痛み、金銭、自己感覚をめぐる問いとして機能する。乾いた文体で、バブル期都市の消費と身体の商品化を突きつける。 身体暴力
  10. 010 1989 ラッフルズホテル ラッフルズホテル 単行本・集英社 シンガポールの名門ホテルを思わせる空間を舞台に、旅、欲望、演技する自己を描く村上龍の作品。ホテルという非日常の場所が、登場人物の孤独や消費社会の空虚さを浮かび上がらせる。都市的で乾いた感触の中に、海外への視線と身体感覚が重なる。 孤独と疎外身体
  11. 011 1992 イビサ イビサ 単行本・角川書店 『イビサ』は、精神病院を退院したマチコが男に誘われてパリへ渡り、ドラッグ、セックス、アルコールに浸りながらモロッコ、バルセロナ、イビサ島へ漂流する物語です。海外の都市と身体の破滅感を通じて、自己を失いながらなお移動していく感覚を描きます。初期村上龍の暴力的な欲望と都市的な不安が濃く出た長篇です。 孤独と疎外アイデンティティ
  12. 012 1994 五分後の世界 ごふんごのせかい 単行本・幻冬舎 現実と五分ずれた、地下で戦い続けるもう一つの「日本」に迷い込んだ男を描く長編。 戦争架空社会息苦しい
  13. 013 1994 ピアッシング ピアッシング 単行本・幻冬舎 強迫観念に駆られた男がコールガールを殺す計画を立てるが、幼少期に虐待を受けた女との奇妙な一夜が予期せぬ方向へと転がっていくサイコスリラー。 暴力身体都市・郊外
  14. 014 1994 昭和歌謡大全集 しょうわかようだいぜんしゅう 単行本・集英社 昭和歌謡を愛する青年グループと中年女性グループの殺し合いをブラックユーモアで描く長編。 暴力芸術と表現三人称・多視点
  15. 015 1995 KYOKO キョウコ 単行本・集英社 ダンスを教えてくれた米兵を探してニューヨークへ渡る娘キョウコの旅を描く。 移民と越境青春海外
  16. 016 1996 ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II ヒュウガ・ウイルス ごふんごのせかいツー 単行本・幻冬舎 「五分後の世界」の続編。現実と五分ずれた架空の日本(旧九州)で致死率100%の「ヒュウガ・ウイルス」が発生し、医療チームが感染の拡大と戦いながら、追い詰められた者のみが生還できるという極限の生存を描く長編。 戦争身体架空社会
  17. 017 1996 ラブ&ポップ ラブアンドポップ 単行本・幻冬舎 援助交際をめぐる女子高生たちの一日を描く長編。庵野秀明により映画化。 青春東京
  18. 018 1997 オーディション オーディション 単行本・ぶんか社 再婚相手を探す男が映画オーディションで出会った女の狂気に巻き込まれる長編。三池崇史により映画化。 暴力恋愛
  19. 019 1997 イン ザ・ミソスープ イン ザ・ミソスープ 単行本・読売新聞社 歓楽街の案内人ケンジが米国人観光客フランクの狂気に巻き込まれる長編。読売文学賞受賞。 暴力孤独と疎外一人称
  20. 020 1998 ライン ライン 単行本・幻冬舎 電話線でつながる20人の人物が連鎖的に描かれる連作。SM嬢・看護婦・IQ170のウエイター・殺人を犯したキャリアウーマンら、現代日本の暴力と孤独の連鎖を圧倒的な筆力で描く。 暴力孤独と疎外
  21. 021 2000 希望の国のエクソダス きぼうのくにのエクソダス 単行本・文藝春秋 中学生たちの集団不登校と、ネットワークを使った経済的自立を描く近未来小説。学校や国家に回収されない若者の集団が、情報技術と経済を武器に別の社会を作ろうとする。教育、労働、国家、テクノロジーを同時に扱う、2000年前後の不安と期待を映す作品。 テクノロジー青春労働
  22. 022 2000 共生虫 きょうせいちゅう 単行本・講談社 引きこもりの青年ウエハラが、「共生虫」という妄想に取り憑かれていく長編。ネット、孤立、身体への不安が結びつき、社会から退いた人物の内側が危うく膨張していく。2000年前後のテクノロジーと精神の不穏な接続を描く村上龍作品。 テクノロジー孤独と疎外身体 第36回 谷崎賞
  23. 023 2001 最後の家族 さいごのかぞく 単行本・幻冬舎 引きこもりの息子を抱えた四人家族の解体と再生を描く長編。家族の愛情が、支配、依存、逃避と紙一重であることを、村上龍らしい社会問題への視線で描き出す。家庭という閉じた場所を通じて、2000年前後の孤立とケアの難しさを読む作品。 家族孤独と疎外ケアと介護
  24. 024 2005 半島を出よ はんとうをでよ 単行本・幻冬舎 北朝鮮の特殊部隊が福岡を占拠するという危機を、政治、軍事、若者たちの暴力性を絡めて描く大部の長編。現実の東アジア情勢を踏まえながら、国家の危機管理と個人の生存感覚を同時に扱う。村上龍らしい社会不安への感度と、エンターテインメント的な速度が結びついた作品である。 戦争暴力テクノロジー
  25. 025 2010 歌うクジラ うたうクジラ 単行本・講談社 不死遺伝子が発見された未来の階層社会を少年が旅する長編。毎日芸術賞受賞。
  26. 026 2011 心はあなたのもとに こころはあなたのもとに 単行本・文藝春秋 心はあなたのもとには、村上龍による2011年発表の作品です。単行本は文藝春秋(2011年)。
  27. 027 2012 55歳からのハローライフ ごじゅうごさいからのハローライフ 単行本・幻冬舎 定年前後の世代の再出発を描く連作小説集。
  28. 028 2015 オールド・テロリスト オールド・テロリスト 単行本・文藝春秋 オールド・テロリストは、村上龍による2015年発表の作品です。単行本は文藝春秋(2015年)。
  29. 029 2020 MISSING 失われているもの ミッシング うしなわれているもの 単行本・新潮社 『MISSING 失われているもの』は、制御しがたい抑うつや不眠を抱える小説家の「わたし」が、謎めいた女優や母の声に導かれて、混乱と不安に満ちた迷宮的な世界を彷徨う長篇。章題には成瀬巳喜男映画の題名が並び、現在と過去、現実と幻想、記憶と自己分析が重なり合う。村上龍が自らの創作の源泉や老い、母の記憶に… 記憶母と子老い
  30. 030 2023 ユーチューバー ユーチューバー 単行本・幻冬舎 『ユーチューバー』は、二十代半ばでデビューし七十歳になった作家・矢崎健介が、ユーチューバーに誘われて語り始める連作小説である。矢崎は「自由である人間」について、そして半世紀にわたって出会い、消えていった女性たちについて回想する。YouTubeという現代的な語りの場を借りながら、恋愛、老い、創作の源泉… 老い芸術と表現恋愛