さーられーお

サーラレーオ

新庄耕 2018

紹介 About

『サーラレーオ』は、タイで大麻を売って暮らす日本人カセを中心に、金も運も度胸もない男の逃走と欲望を描くピカレスク小説です。大量の大麻の種子をめぐる出来事から、バンコクと日本をまたぐ疾走が始まります。海外を舞台にした犯罪譚でありながら、負け続ける人物の虚勢と焦燥を荒い熱量で押し出す作品です。

評価 Reception

講談社公式ページで、2018年8月23日刊行、初出「群像」2018年5月号、大幅改稿のうえ単行本化されたことを確認しました。公式ページには高橋源一郎による評言も掲載されています。主要文学賞の受賞・候補は確認できていません。

出典 Sources

新庄耕のほかの収録作 More

  1. 001 2012 狭小邸宅 きょうしょうていたく 初出・「すばる」2012年11月号 不動産営業会社で働く若い社員を主人公に、ノルマ、叱責、顧客対応に追われる日々を描く職場小説。狭い住宅を売る仕事の具体性が、労働の過酷さと都市生活の息苦しさを結びつける。成長譚の枠組みを持ちながら、ブラックな職場環境を乾いたリアリズムで読ませる作品である。 労働貧困同調圧力 第36回 すばる文学賞
  2. 002 2015 ニューカルマ にゅーかるま 初出・「小説すばる」2015年8月号〜10月号 『ニューカルマ』は、勤務先でリストラが始まる不安の中、大学時代の友人からネットワークビジネスに勧誘されたユウキを描く長篇です。副業のつもりで入会した主人公が、会員を増やす快感と周囲の冷たい視線の間で次第にビジネスへ沈み込んでいきます。労働不安、承認欲求、成功への誘惑が結びつく、都市の若者をめぐる社会… 労働欲望若者
  3. 003 2018 カトク 過重労働撲滅特別対策班 かとく かじゅうろうどうぼくめつとくべつたいさくはん 単行本・文藝春秋 『カトク 過重労働撲滅特別対策班』は、違法な長時間労働を取り締まる労働基準監督官・城木忠司を主人公にした書き下ろし長篇です。ブラック企業が社会問題化する現代日本を背景に、住宅メーカー、広告代理店、IT企業などの労働現場へ向き合う人物たちを描きます。制度の側から労働の現実を見つめることで、働く側と働か… 労働組織社会のひずみ
  4. 004 2019 地面師たち じめんしたち 初出・「小説すばる」2019年1月号〜10月号 『地面師たち』は、市場価値100億円規模の土地をめぐる不動産詐欺を描くクライムノベルです。妻子を失った拓海、大物地面師ハリソン山中、彼らを追う刑事・辰らの思惑が交錯し、詐欺取引と捜査が並行して進みます。土地、欲望、身分偽装、都市の金融感覚を、群像劇として緊張感高く描く作品です。 犯罪欲望土地
  5. 005 2021 夏が破れる なつがやぶれる 初出・「WEBきらら」2021年4月号〜12月号 『夏が破れる』は、いじめで不登校になった少年を起点に、沖縄の離島を思わせる閉じた共同体と子どもたちの関係を描く長篇です。夏の光や海辺の気配の中で、同調圧力、暴力、逃げ場のなさが少しずつ露出します。子どもの視点と回想を通じて、楽園的な風景の裏側にある息苦しさを読ませる作品です。美しい休暇の物語に見える… 子ども暴力同調圧力
  6. 006 2022 地面師たち ファイナル・ベッツ じめんしたち ふぁいなる べっつ 初出・「小説すばる」2022年5月号〜(連載終了号未確認) 『地面師たち ファイナル・ベッツ』は、『地面師たち』の続編にあたる不動産詐欺小説です。シンガポールのカジノで全財産を失った元Jリーガー稲田が、ハリソン山中に誘われ、IR誘致を見込んだ苫小牧の詐欺計画へ巻き込まれていきます。地面師側の準備と警視庁捜査二課の追跡が交互に進み、土地投機と犯罪のスリルを拡張… 犯罪欲望土地
  7. 007 2024 地面師たち アノニマス じめんしたち あのにます 単行本・集英社 『地面師たち アノニマス』は、『地面師たち』の前日譚として書かれた文庫オリジナル短篇集です。後藤、長井、麗子、竹下といった地面師集団や、刑事・辰、石洋ハウスの青柳、川合菜摘ら周辺人物に焦点を当てます。詐欺の手口そのものよりも、人物たちが犯罪へ近づいていく事情や欲望を個別の視点から掘り下げる構成です… 犯罪欲望短篇集