なべのなか

鍋の中

村田喜代子 1987 第97回 芥川賞 受賞

紹介 About

『鍋の中』は、九州の農村を舞台に、土地の記憶、老い、血縁の連なりを濃密な語りで掘り起こす作品です。日常の台所や家族の場面から、土地に沈んだ神話的な感覚までを引き寄せるところに村田喜代子の個性が表れています。泥臭い生の肯定と、死や老いへの視線が同じ鍋の中で煮込まれるような読み味です。

評価 Reception

第97回芥川賞受賞作です。日本文学振興会の公式一覧で受賞作として確認できます。選評本文は未確認のため、評価は受賞事実と初出書誌の範囲で記載しています。

出典 Sources

受賞・候補歴 Awards

受賞 第97回 芥川龍之介賞 (1987年上半期)

村田喜代子のほかの収録作 More

  1. 001 1998 望潮 もちしお 初出・「新潮」1998年6月号初出。 潮の満ち引きを軸に、老年期の女性の意識と記憶が揺れ動く短篇。村田喜代子の南九州的な感性と幻視的な文体が際立つ代表的な短篇作品。 老い記憶島・海辺 第25回 川端賞
  2. 002 2019 飛族 ひぞく 初出・「文學界」連載後、単行本2019年3月・文藝春秋。連載開始年は未確認のため単行本年を year に採用 『飛族』は、大分で魚料理店を営む六十五歳のウミ子が、長崎の国境離島を思わせる架空の島に住む九十二歳の母イオと八十八歳のソメ子を訪ねる長編。島には二人の元海女だけが残り、失われた漁師たちを鳥に重ねる「鳥踊り」や、国境離島の維持をめぐる現実的な緊張が、牧歌的な生活に不穏さを差し込む。著者インタビューでは… 老い死と喪失地方 第55回 谷崎賞