Est. 1933 / 河出書房新社

文藝

河出書房新社が発行する季刊文芸誌。文藝賞からは綿矢りさ・宇佐見りんなど若い書き手が多く出ている。

主催新人賞:文藝賞

この誌が初出の収録作 First Appearances 105 works
  1. 001 2026 空洞 くうどう 図野象 初出・『文藝』2026年夏季号(2026年4月7日発売、NDLサーチではp.227-284掲載として確認) 『空洞』は、図野象が『おわりのそこみえ』で第60回文藝賞優秀作となった後に発表した受賞第一作です。河出書房新社の『文藝』2026年夏季号紹介では、若くして死んだ友人の葬式に出席するために会社を辞める語り手を起点に、恋・仕事・友情の地獄めぐりの果てを描く作品として紹介されています。デビュー作の切迫した… 喪失友情労働
  2. 002 2026 ハッピー山 はっぴーやま 松田いりの 初出・「文藝」2026年春季号、pp.157-226掲載。 『ハッピー山』は、松田いりのが「文藝」2026年春季号に発表した小説です。NDLサーチで雑誌掲載書誌と著者名を確認できます。単行本はNDLサーチ上で2026年7月8日発売予定として確認できますが、現在日付では未刊のため、作品データは雑誌初出を基準にしています。 生活文芸誌掲載現代日本
  3. 003 2026 一人読書会 ひとりどくしょかい 待川匙 初出・『文藝』2026年春季号掲載。特集「ハン・ガンを読む : 傷と庭を抱いて」内の記事としてNDLサーチで確認。 『一人読書会』は、待川匙が『文藝』2026年春季号に寄せた読書エッセイです。NDLサーチでは、特集「ハン・ガンを読む : 傷と庭を抱いて」内の記事として確認できます。公開Webで本文内容や詳細な要旨を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。 読書文学エッセイ
  4. 004 2025 庭に接ぐ にわに つぐ 才谷景 初出・「文藝」2025年冬季号。2026年4月、作品集『海を吸う/庭に接ぐ』に収録。 『庭に接ぐ』は、才谷景が『海を吸う』で第60回文藝賞〈短篇部門〉優秀作となった後に発表した受賞第一作です。森へ続く〈庭〉のある家で暮らす父と娘を中心に、森から戻った父の変調と、二人きりの箱庭を侵食するものを描きます。2026年刊行のデビュー作品集『海を吸う/庭に接ぐ』に収録され、受賞作と並べて、身体… 父と子身体日常の変容
  5. 005 2025 BOXBOXBOXBOX ボックスボックスボックスボックス 坂本湾 初出・「文藝」2025年冬季号 『BOXBOXBOXBOX』は、薄霧のたちこめる宅配所で箱を仕分ける安を中心に、単調な労働と禁断の欲望を描くベルトコンベア・サスペンス。ほとんど誰とも口をきかず、箱の中身を妄想して労働をやり過ごす安は、ある箱の中身を覗いたことをきっかけに、箱が次々と消えていく現象に巻き込まれる。箱の中身を知りたい衝… 労働長篇実験的文体 第62回 文藝賞
  6. 006 2024 DTOPIA デートピア 安堂ホセ 初出・「文藝」2024年秋季号 『DTOPIA』は、安堂ホセが「文藝」2024年秋季号に発表し、2024年11月に河出書房新社から単行本化した小説です。南太平洋のボラ・ボラ島を舞台にした恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズで、ミスユニバースを巡りMr.LA、Mr.ロンドン、Mr.東京ら十人の男たちが競い合います。ショーの… アイデンティティ人種ジェンダー 第172回 芥川賞
  7. 007 2024 光のそこで白くねむる ひかりの そこで しろく ねむる 待川匙 初出・「文藝」2024年冬季号 『光のそこで白くねむる』は、十年ぶりに故郷の田舎町へ戻った「わたし」が、墓地へ続く道で死んだはずの幼馴染の声を聞くところから始まるデビュー作。行方不明の母、神のような父、汚言機械のような祖母が現れ、不確かな記憶の流入によって平凡な田舎が異界へ変わっていく。過去を思い出すというより、記憶そのものが語り… 記憶家族一人称 第61回 文藝賞
  8. 008 2024 ハイパーたいくつ ハイパー たいくつ 松田いりの 初出・「文藝」2024年冬季号 『ハイパーたいくつ』は、給与計算のミスを繰り返し職場で疎まれる「ペンペン」が、借金と退屈に追い詰められていく日常破壊小説。買い物、クレジットカード、職場での失敗といった現実の閉塞が、壊れた言葉によって壊れた風景へ変形していく。退屈は静かな停滞ではなく、生活を壊す衝動や妄想を増殖させるエネルギーとして… 労働貧困実験的文体 第61回 文藝賞
  9. 009 2023 無敵の犬の夜 むてきの いぬの よる 小泉綾子 初出・「文藝」2023年冬季号 『無敵の犬の夜』は、北九州の片田舎で学校へ行かず、不良グループと過ごす中学生・界を描く長編。幼少期に右手の指を失った界は、地元で出会った男・橘に心酔し、彼のために単身東京へ向かう。方言と虚勢を帯びた熱のある語りが、思春期の暴走、尊敬されたい欲望、世界とつながれない孤独を押し出す。地方と東京を往復する… 青春暴力長篇 第60回 文藝賞
  10. 010 2023 解答者は走ってください かいとうしゃは はしって ください 佐佐木陸 初出・「文藝」2023年冬季号 『解答者は走ってください』は、過去の記憶を失った怜王鳴門に「きみの物語」というテキストが届くところから始まるマルチバース小説。世界を破壊すべきかという問い、クイズ大会、国家転覆、爆発物が絡み、物語と現実の境界を越えていく。メタフィクション的な仕掛けと速度のある展開で、読者にも世界の存続を問う構造を持… 記憶メタフィクション実験的文体
  11. 011 2023 おわりのそこみえ おわりの そこみえ 図野象 初出・「文藝」2023年冬季号 『おわりのそこみえ』は、消費者金融のアプリとマッチングアプリを行き来しながら暮らす二十五歳の美帆を描く。買い物依存と性依存を抱え、明日を必要としないように生きる彼女の現在が、地獄の底へ向かうような勢いで語られる。貧困、性、孤独の問題を、切迫した一人称のリズムで押し切る作品。絶望をただ暗く沈めるのでは… 孤独と疎外貧困一人称
  12. 012 2023 子宮の夢 しきゅうの ゆめ 西野冬器 初出・「文藝」2023年冬季号(短篇部門受賞作として掲載。電子書籍は西野冬器・才谷景の2作合本で配信) 女たちが「子宮投げ」に興じる町を舞台に、「私」と「時間」、そして母をめぐる一夜を描く短篇。身体の内部を外へ投げ出すような奇想を、母子関係と時間感覚のゆらぎに結びつける。寓話的な設定と強いイメージで、短い枚数の中に身体と生の不穏さを凝縮した作品。受賞時の年齢が話題になった作品だが、若さの話題性だけでな… 身体母と子寓話・幻想 第60回 文藝賞
  13. 013 2023 短篇部門 受賞記念インタビュー 現実を解体し幻想で遊ぶ たんぺんぶもんじゅしょうきねんいんたびゅーげんじつをかいたいしげんそうであそぶ 西野冬器 初出・「文芸」62巻4号、2023年冬季号、p.242-244。 『短篇部門 受賞記念インタビュー 現実を解体し幻想で遊ぶ』は、西野冬器の第60回文藝賞短篇部門受賞作『子宮の夢』に関連するインタビュー記事です。NDLサーチで『文芸』62巻4号、2023年冬季号、p.242-244掲載を確認できます。本文内容は未確認のため、内容説明は掲載情報に限定します。 文学創作インタビュー
  14. 014 2023 海を吸う うみを すう 才谷景 初出・「文藝」2023年冬季号(短篇部門優秀作として掲載。電子書籍は西野冬器・才谷景の2作合本で配信) 体中に穴が開き、液体が溜まっていく少女ひよりを描く短篇。いっくんや母の言葉に促されるように、身体の変容と意識の移ろいが湿り気を帯びた幻想として進む。肉体の感覚と内面の不安を直接結びつける文体が読みどころで、受賞後第一作「庭に接ぐ」を併録したデビュー作品集にも収められている。異様な身体変化を怪奇として… 身体変容身体感覚幻想
  15. 015 2023 何食わぬきみたちへ なにくわぬきみたちへ 新胡桃 初出・「文藝」2022年夏季号(第61巻第2号)、2023年1月に河出書房新社から単行本化。 『何食わぬきみたちへ』は、新胡桃が「文藝」2022年夏季号に発表し、2023年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式の内容紹介では、いじめを見て見ぬふりした自分への嫌悪を抱える伏見と、障がいのある兄と暮らす敦子を中心に、世界への違和感に抗う高校生たちの物語として示されています。 青春同調圧力障害
  16. 016 2023 モモ100% ももひゃくぱーせんと 日比野コレコ 初出・「文藝」2023年秋季号(第62巻第3号)、2023年10月に河出書房新社から単行本化。 『モモ100%』は、日比野コレコが「文藝」2023年秋季号に発表し、2023年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式では、退屈な日常を送るモモの前に運命的な人物・星野が現れる物語として紹介され、文藝賞受賞第一作であることも確認できます。 青春恋愛身体
  17. 017 2022 あくてえ あくてえ 山下紘加 初出・「文藝」61巻2号(2022年) 『あくてえ』は、山下紘加が『文藝』61巻2号に発表し、2022年7月に河出書房新社から刊行した小説です。小説家志望の19歳・ゆめは、90歳の祖母と母との3人暮らしの中で、ままならない日常を悪態に変えながら、自分の人生がこれから始まるという感覚へ向かいます。河出書房新社公式ページとBooks出版書誌デ… 家族青春貧困
  18. 018 2022 ジャクソンひとり ジャクソン ひとり 安堂ホセ 初出・「文藝」2022年冬季号 『ジャクソンひとり』は、東京で整体師として働くブラックミックスの青年ジャクソンが、Tシャツに仕込まれたコードから流出した動画をめぐって職場で疑われるところから動き出す。本人が否定しても身体的特徴で同一視される彼は、動画の男は自分だと主張する三人の男と出会い、逆襲へ向かう。人種、身体、アイデンティティ… アイデンティティ移民と越境東京 第59回 文藝賞
  19. 019 2022 ビューティフルからビューティフルへ ビューティフル から ビューティフル へ 日比野コレコ 初出・「文藝」2022年冬季号 『ビューティフルからビューティフルへ』は、絶望を抱える高校三年生の静と、ネグレクト家庭に育ち「死にたい」感覚を抱えてきたナナを中心に進むモノローグ小説。二人が通う「ことばぁ」の家、駅前で出会う若者との接触を通じて、生と死、自己否定と自己肯定が乱反射する。サンプリングのように異質な言葉を混ぜる文体が… 家族死と喪失一人称 第59回 文藝賞
  20. 020 2022 その午後、巨匠たちは、 そのごごきょしょうたちは 藤原無雨 初出・「文藝」2021年冬季号(第60巻第4号)、2022年2月に河出書房新社から単行本化。 『その午後、巨匠たちは、』は、藤原無雨が「文藝」2021年冬季号に発表し、2022年に河出書房新社から刊行した小説です。出版社公式では、北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒらの芸術家と、年齢を重ねない女性・サイトウを配した注釈小説として紹介されています。 芸術と表現時間注釈小説
  21. 021 2021 間隙を縫う、埋める、挟まる かんげきをぬううめるはさまる 日上秀之 初出・「文藝」2021年夏季号 岩手県沿岸の「赤街」を舞台に、仕事のない憲正が近所の老人たちの買物代行を始めたことから、地域の人間関係が予期しない方向へ動いていく中篇。被災経験の有無によって分かれる視線や、生活の足場が不安定になる感覚を、日常の小さな仕事を通して描く。 災害地域社会労働
  22. 022 2021 眼球達磨式 がんきゅう だるましき 澤大知 初出・「文藝」2021年冬季号 『眼球達磨式』は、職場と自宅を往復するだけの無為な日々を送る「彼」が、移動式監視カメラ「アイ」を手に入れるところから始まる。極小の眼球型機体は地上すれすれを走り、にわか雨の後に制御を失って、やがて勝手に自走しはじめる。人間の視線とは異なる低い位置から世界を見る設定が、監視、孤独、観察することの欲望を… テクノロジー孤独と疎外実験的文体 第58回 文藝賞
  23. 023 2021 受賞記念対談 村田沙耶香×澤大知 "物の眼差し"から世界を知覚する じゅしょうきねんたいだん むらたさやか さわだいち もののまなざしからせかいをちかくする 澤大知 初出・『文藝』2021年冬季号掲載。第58回文藝賞発表内の受賞記念対談としてNDLサーチで確認。 『受賞記念対談 村田沙耶香×澤大知 "物の眼差し"から世界を知覚する』は、澤大知が村田沙耶香と行った対談記事です。第58回文藝賞受賞作『眼球達磨式』と同じ『文藝』2021年冬季号に掲載されました。公開Webで本文内容を確認できなかったため、作品内容の説明は掲載情報に限定します。 文学創作視線
  24. 024 2020 破局 はきょく 遠野遥 初出・文藝 2020年夏季号 主人公の陽介は、筋トレと公務員試験の勉強に励む大学4年生。母校のラグビー部でコーチも務め、政治家を目指す恋人・麻衣子がいる。やがて新入生の灯に好意を寄せられ、関係を持つようになる。陽介は常に「正しさ」やマナー、他人にどう見られるかを基準に行動するが、その整いすぎた思考と行動のあいだには、どこか空洞が… 恋愛身体 第163回 芥川賞
  25. 025 2020 推し、燃ゆ おし、もゆ 宇佐見りん 初出・文藝 2020年秋季号 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」という一文から始まる。高校生のあかりは、学校でも家庭でも周囲の求める「普通」をうまくこなせず、アイドルグループの一員である「推し」上野真幸を解釈し応援することだけを生活の軸、自らの「背骨」として生きている。推しの炎上をきっかけに、彼の芸能活動もあかりの日常も少… 青春身体孤独と疎外 第164回 芥川賞
  26. 026 2020 水と礫 みず と れき 藤原無雨 初出・「文藝」2020年冬季号 東京でのドブ浚いの仕事中の事故をきっかけに故郷へ戻ったクザーノが、弟分の後を追って砂漠の向こうの幻の町へ向かう物語。ラクダを伴う旅は、父、祖父、息子、孫へと連なる一族の風景を映し出し、個人の帰郷を時代と血脈の記憶へ広げていく。砂漠、身体、回帰のイメージが反復し、現在の傷が遠い世代の記憶と重なっていく… 記憶家族実験的文体 第57回 文藝賞
  27. 027 2020 星に帰れよ ほしに かえれよ 新胡桃 初出・「文藝」2020年冬季号 十六歳の誕生日を深夜の公園で迎えた真柴翔は、告白の練習中に「モルヒネ」と呼ばれる同級生の女子と出会う。軽く振る舞おうとする真柴、器用に立ち回る早見麻優、揺るがない正義を探すモルヒネの言葉がぶつかり合い、高校生たちの速度と痛みを描く。恋愛の入口を借りながら、価値観の違いという言葉では片づかない自尊心と… 青春都市・郊外
  28. 028 2019 かか かか 宇佐見りん 初出・文藝 2019年秋季号 19歳の浪人生うーちゃんは、離婚を機に心を病み、酒に酔っては荒れる母「かか」と、弟とともに暮らしている。かかを誰より愛しながらその存在に苦しむうーちゃんは、かかの痛みが自分の身体にも及ぶような一体感のなかで、「自分がかかを生み直すしかない」という切実な祈りを抱え、ひとり熊野へと旅に出る。SNSの裏ア… 母と子家族 第33回 三島賞
  29. 029 2019 ポルシェ太郎 ポルシェたろう 羽田圭介 初出・文藝 掲載(前篇・後篇) 35歳で起業した太郎は、年収に匹敵するポルシェを買う。ところが、その自慢の車で得体の知れないものを運ばされることになり、成功者の見栄と欲望が危うい方向へ走り出す。河出書房新社の紹介は「欲望か、死か」という言葉で作品の緊張を示しており、消費、承認、成功の演出を乾いたユーモアで追う長篇として読める。単な… 労働同調圧力身体
  30. 030 2019 リボンの男 りぼんのおとこ 山崎ナオコーラ 初出・文藝 掲載 主人公の常雄は、自分を「ヒモ」ではなく「リボン」と言い換える専業主夫。三歳のタロウと野川沿いを歩く日常のなかで、家事や育児に値段をつけにくい社会、父であること、働くことの意味が静かに問い直される。山崎ナオコーラらしい平明な言葉で、家族の役割分担やジェンダー規範を大げさな対立ではなく生活の手触りから描… 家族労働ジェンダー
  31. 031 2018 はんぷくするもの はんぷくするもの 日上秀之 初出・「文藝」2018年冬号 東北沿岸の「赤街」を舞台に、仮設の商店で暮らす三十代の男・毅の日々を描く。津波ですべてを流された者と、被害を受けなかった者のあいだに生じる正義や負い目が、わずかなツケをめぐる攻防に凝縮される。小さな生活圏から、災害後の分断と諧謔を掘り起こす作品。十畳の仮設商店という狭い場所を舞台に、被災後の生活が持… 災害貧困労働 第55回 文藝賞
  32. 032 2018 いつか深い穴に落ちるまで いつかふかいあなにおちるまで 山野辺太郎 初出・「文藝」2018年冬号 日本とブラジルを直線で結ぶ穴を掘るという秘密プロジェクトをめぐる、壮大なホラ話としての会社員小説。戦後に若手官僚が思いついた計画を、大手建設会社子会社の広報係が調査することで、国家事業、会社組織、移民や国際関係が奇妙に絡み合う。真顔のユーモアで日本社会のシステムを描く点が読みどころ。 労働日本史移民と越境 第55回 文藝賞
  33. 033 2018 あなたが私を竹槍で突き殺す前に あなたがわたしをたけやりでつきころすまえに 李龍徳 初出・「文藝」2018年秋季号〜2019年秋季号(連載) 排外主義が強まる近未来の日本で、在日コリアン三世の柏木太一を中心にした若者たちが、それぞれの怒りと恐怖を抱えながら反攻を企てる長編。『文藝』連載を経て単行本化され、ヘイト、国家、在日性、仲間との連帯を、切迫した群像劇として描く。タイトルの過激さを、差別される側が追い詰められていく社会状況の比喩として… アイデンティティ移民と越境暴力 第42回 野間新人賞
  34. 034 2017 おらおらでひとりいぐも おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子 初出・文藝 2017年冬季号 主人公は東北出身、74歳の桃子さん。結婚を目前に故郷を飛び出して上京し、住み込みの仕事、周造との結婚、二児の子育て、そして夫との突然の死別を経て、いまは東京郊外の家にひとりで暮らす。静かな日々のなか、桃子さんの内から標準語と懐かしい東北弁の無数の「声」が湧き上がり、孤独や老い、夫への思い、これからの… 老い死と喪失孤独と疎外 第158回 芥川賞
  35. 035 2016 青が破れる あおがやぶれる 町屋良平 初出・「文藝」2016年冬号 ボクサーになりたいがなれない青年・秋吉を中心に、恋愛、友人関係、死の予感が交錯する青春小説。ジムでのスパーリングや不倫関係、病床の友人の恋人への見舞いを通じて、若者たちの不安定な生が描かれる。短い枚数の中で、身体の衝動と喪失感を結びつけるデビュー作。 青春恋愛死と喪失 第53回 文藝賞
  36. 036 2015 ドール どーる 山下紘加 初出・「文藝」2015年冬号 自分だけの特別な人形を手に入れたいと思う少年の衝動を軸に、性と闇を描く作品。少年の内面にある欲望や不快感を直視し、読者を落ち着かない心理の流れへ引き込む。人形という対象を通じて、身体と所有、成長期の暴力性が浮かび上がる。出版社紹介でも、不穏な少年の衝動を前面に出したデビュー作として位置づけられている… 暴力身体 第52回 文藝賞
  37. 037 2015 地の底の記憶 ちのそこのきおく 畠山丑雄 初出・「文藝」2015年冬号 電波塔に見守られる架空の町を舞台に、百年を超える時間をたどる壮大なデビュー作。ラピス・ラズリ、電波、川の流れといったモチーフが、町と人物の記憶を深い層へ導く。現実と非現実、過去と現在が交錯する長い時間の物語として読むことができる。架空の町の歴史を掘り下げる構成が、記憶そのものの地層を読む感覚を生む。 記憶日本史地方 第52回 文藝賞
  38. 038 2014 死にたくなったら電話して しにたくなったらでんわして 李龍徳 初出・「文藝」2014年冬号 大阪・十三のキャバクラで働く初美と出会った浪人生・徳山が、外部とのつながりを失い、悪意と厭世へ引き込まれていく。河出書房新社の紹介では、初美が語る残虐史と徳山の関係の断絶が軸に置かれ、現代の「心中もの」と位置づけられている。欲望、虚無、言葉の呪術性が破滅へ向かって濃密に絡む、強い閉塞感のある作品。 孤独と疎外死と喪失 第51回 文藝賞
  39. 039 2014 アルタッドに捧ぐ あるたっどにささぐ 金子薫 初出・「文藝」2014年冬号 小説を書いている本間の原稿用紙の上で、作中の少年が死に、その少年が飼っていたトカゲのアルタッドが現れるところから始まる。現実の生活と書かれた虚構が継ぎ目なく接続され、創作することそのものが物語の中心に置かれる。青春小説でありながら、虚構の根源へ向かうメタフィクションとして読める。 芸術と表現青春死と喪失 第51回 文藝賞
  40. 040 2014 33年後のなんとなく、クリスタル さんじゅうさんねんごのなんとなく、くりすたる 田中康夫 初出・「文藝」連載(河出書房新社公式内容紹介で確認)。単行本は2014年11月、河出書房新社刊。 『33年後のなんとなく、クリスタル』は、田中康夫が1980年のデビュー作『なんとなく、クリスタル』の33年後を描いた長篇です。1980年に大学生だった女性たちが50代になった現在を追い、消費社会の記憶、時代の変化、成熟後の生活感覚を、前作同様に注釈の形式も活かしながら描きます。 消費社会記憶中年
  41. 041 2013 ジャックを殺せ、 じゃっくをころせ 今村友紀 初出・「文藝」2013年夏号 『ジャックを殺せ、』は、ジャック暗殺指令を受けたミス・レイディが、殺害成功直後に謎の男から暗殺失敗を告げられるところから展開する作品です。河出書房新社の紹介では、哲学とアクションを交差させながら、資本主義社会の虚実をえぐる小説として位置づけられています。 資本主義暴力現実と虚構
  42. 042 2013 世界泥棒 せかいどろぼう 桜井晴也 初出・「文藝」2013年冬号 放課後の教室で、男子二人が実弾入りの銃を使って死ぬまで撃ち合う「決闘」が行われるという設定から始まる。決闘を取り仕切る百瀬くんの存在をめぐり、学校という日常空間に戦争の論理が持ち込まれる。暴力を制度化した寓話として、現代の戦争文学を試みる作品。 暴力青春戦争 第50回 文藝賞
  43. 043 2013 想像ラジオ そうぞうらじお いとうせいこう 初出・「文藝」掲載後、2013年3月河出書房新社より単行本刊行 海沿いの町で高い杉の木のてっぺんに引っかかっているDJアークが、想像の電波を使ってリスナーに語りかける小説。届くメールやリクエストを読み上げながら、どうしても聞きたいひとつの声へ向かっていく。震災後の死者と生者、声と想像力をめぐる、ラジオ番組形式の物語である。 災害死と喪失言葉と言語 第35回 野間新人賞
  44. 044 2012 冥土めぐり めいどめぐり 鹿島田真希 初出・「文藝」2012年春号 『冥土めぐり』は、家族に搾取され続けてきた奈津子が、脳の病を得て車椅子生活を送る夫・太一と一泊二日の旅に出る作品です。没落した家族の記憶と、夫との静かな絆が旅の時間の中で重なります。家族からの傷とケアの関係を、救済のあり方として問い直す作品です。 家族ケアと介護夫婦 第147回 芥川賞
  45. 045 2012 おしかくさま おしかくさま 谷川直子 初出・「文藝」2012年冬号 四十九歳でバツイチ、子どものいないミナミが、「おしかくさま」というお金の神様を信じる女たちに出会い、その正体を追っていく。奇妙な信仰を入り口に、将来不安、生活、共同幻想としてのお金を問う作品。怪異譚のような設定を現代日本の経済感覚へ接続する点が読みどころである。 信仰貧困孤独と疎外 第49回 文藝賞
  46. 046 2011 クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰 くりすたるう゛ぁりーにふりそそぐはい 今村友紀 初出・「文藝」2011年冬号 『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』は、東京大学医学部に進む秀才と、スポーツ推薦で進学した同世代の若者たちが交錯する青春群像です。知性、身体、暴力、階層の断絶が鋭角的に描かれます。若者の成功と孤立を、制度や身体能力の違いから照らす作品です。 青春身体同調圧力 第48回 文藝賞
  47. 047 2010 嘘、本当、それ以外 うそほんとうそれいがい 三並夏 初出・文藝 2010年春季号(49巻1号) 『嘘、本当、それ以外』は、三並夏が『平成マシンガンズ』で第42回文藝賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「文藝賞受賞第一作」として記録され、CiNii Researchで『文藝』49巻1号、2010年、186-223ページ掲載の書誌を確認できます。デビュー作の強い語りから、三並夏… 真実と虚構青春自己認識
  48. 048 2010 手のひらに微熱 てのひらにびねつ 藤代泉 初出・文藝 49巻3号(2010年) 『手のひらに微熱』は、藤代泉が『ボーダー&レス』で第46回文藝賞を受賞した後に発表した受賞第一作です。NDLサーチでは「文藝賞受賞第一作」として記録され、CiNii Researchで『文藝』49巻3号、2010年、88-145ページ掲載の書誌を確認できます。『ボーダー&レス』以後の藤代泉の初期展開… 身体感覚自己認識
  49. 049 2009 読み手の「脳」を刺激する小説 よみてののうをしげきするしょうせつ 安戸悠太 初出・「文芸」48巻1号、2009年春号。特別インタビュー「第45回文藝賞受賞作刊行記念」として掲載。 『読み手の「脳」を刺激する小説』は、安戸悠太の第45回文藝賞受賞作『おひるのたびにさようなら』刊行記念インタビューです。NDLサーチで『文芸』48巻1号、2009年春号、p.276-283掲載を確認できます。本文内容は公開Webで確認できないため、内容説明は掲載情報に限定します。 文学創作インタビュー
  50. 050 2009 ボーダー&レス ぼーだーあんどれす 藤代泉 初出・文藝 2009年冬号 東京の大学を出て就職した新入社員・江口理倫は、独特の魅力を持つ在日コリアンの同期・趙成佑(ソンウ)と親しくなる。気の合う友人同士のはずのふたりのあいだにも、「在日」という歴史が刻んだ見えない溝が走っていることに、僕はやがて直面する。国籍や民族だけでなく、この世界のあらゆる場所にあるボーダーを、若い会… 移民と越境アイデンティティ孤独と疎外 第46回 文藝賞
  51. 051 2009 犬はいつも足元にいて いぬはいつもあしもとにいて 大森兄弟 初出・文藝 2009年冬号 中学生の主人公の日常に、犬が公園の茂みから探り当てた正体不明の「肉」が入り込んでくる。誰も名指せないその物体は、思春期の鬱屈や家族のぎこちなさと響き合いながら、生き物の生々しさと死の気配を物語の中心に居座らせる。登場人物はどこか不快なのに目を離せないという独特の距離感で語られ、生命の循環を思わせる視… 身体死と喪失家族 第46回 文藝賞
  52. 052 2009 東京借景 とうきょうしゃっけい 荻世いをら 初出・文藝 2008年秋号 『東京借景』は、恩師らしき男、義眼の隣人、巨大な友人Qなど、距離の取りにくい人物たちとの関係を東京の風景に重ねる作品。河出書房新社は、いらだちを誘う相手との距離を描く「文藝賞受賞第一作」として紹介している。都市を単なる背景ではなく、他者への違和感や孤独を映し出す借景として扱うところに読みどころがある… 孤独と疎外記憶アイデンティティ
  53. 053 2008 けちゃっぷ けちゃっぷ 喜多ふあり 初出・文藝 2008年冬号 言いたいことを相手に直接言わず、何もかもブログにアップしてしまう──そんなヴァーチャル化した現代のコミュニケーションを、ネットの文体と口語をなだれ込ませた語りで写し取った作品。書き込みと現実のあいだでずれていく自意識を通して、ゼロ年代後半のウェブ社会に生きる若者の孤独と滑稽さを軽やかにすくい上げる… 言葉と言語テクノロジー孤独と疎外 第45回 文藝賞
  54. 054 2008 おひるのたびにさようなら おひるのたびにさようなら 安戸悠太 初出・文藝 2008年冬号 会社の昼休み、外階段で繰り広げられる主人公・真司と先輩女子社員たちの秘密の遊び。真司の役目は、近くの病院で音声を消した昼ドラを眺め、想像で補った物語を先輩に報告することだ。見ることと聞くことのずれ、語り直された物語と現実の重なりを入れ子状に組み上げ、ささやかな昼の儀式の終わりをせつなく描く。メディア… 労働言葉と言語芸術と表現 第45回 文藝賞
  55. 055 2007 青色讃歌 あおいろさんか 丹下健太 初出・文藝 2007年冬号 28歳の高橋は、同棲する彼女の収入で暮らしている。いなくなった猫を探し、気の進まない仕事を探す——その二つの「探しもの」をめぐるだけの日々が、妙な可笑しみとともに流れていく。働かない男のだめさを断罪も美化もせず、脱力したユーモアで肯定してみせる青春小説。NDLサーチでは第44回文藝賞受賞作としての掲… 労働恋愛青春 第44回 文藝賞
  56. 056 2007 肝心の子供 かんじんのこども 磯﨑憲一郎 初出・文藝 2007年冬号 出家して悟りを開く前のブッダ、その息子のラーフラ、さらにその子へ——インドを舞台に親子三代の生をたどる。偉人の伝記ではなく、川の流れや樹木、身体の感覚といった即物的な描写を長い呼吸の文体で積み重ね、人の一生を超えて流れる時間そのものを小説に写し取ろうとする。商社マンとして働きながら書かれた42歳の遅… 父と子家族信仰 第44回 文藝賞
  57. 057 2006 ヘンリエッタ へんりえった 中山咲 初出・文藝 2006年冬号 みーさん、あきえさん、そして「わたし」。女3人は「ヘンリエッタ」に守られながら、ちょっと奇妙な共同生活を送っている。血縁とも友情ともつかない女たちの暮らしのディテールを、幼さの残るまっすぐな言葉でつづり、閉じた生活圏のやわらかさと危うさを同時に感じさせる。高校在学中の17歳が書いたデビュー作として注… 家族孤独と疎外青春 第43回 文藝賞
  58. 058 2006 公園 こうえん 荻世いをら 初出・文藝 2006年冬号 『公園』は、世界の縮図のような公園から下田、ニューヨーク、グラウンド・ゼロへと移動していく大学生の「ぼく」と友人オノサを描くデビュー作。河出書房新社の紹介では、目的のはっきりしない移動と9.11後の世界感覚が結びつけられており、場面を飛躍させる語りが若者の浮遊感を生む。青春小説の軽さと、世界の暴力を… 青春孤独と疎外移民と越境 第43回 文藝賞
  59. 059 2005 平成マシンガンズ へいせいましんがんず 三並夏 初出・文藝 2005年冬季号 母は家を出て行き、家には横暴な父とその愛人。学校は戦場のようで、教室に居場所はない。逃げ場のない女子中学生の夢に死神が降臨し、マシンガンを手渡す——。現役中学生の書き手が、ローティーンの苛立ちと無力感を、撃ちまくるような言葉のスピードで叩きつけた。マシンガンという暴力的なイメージは実際の銃撃ではなく… 家族同調圧力暴力 第42回 文藝賞
  60. 060 2005 窓の灯 まどのひ 青山七恵 初出・文藝 2005年冬季号 大学を辞めた「私」は、時代に取り残されたような喫茶店で働きながら、向かいの部屋の窓の中を覗くことを日課にしている。やがて視線は夜の街の散歩で垣間見える家々の窓へと広がり、他人の生活の灯に惹かれる気配がゆるやかに濃くなっていく。覗くことのうしろめたさと官能を、抑制の効いた一人称で描く第42回文藝賞受賞… 孤独と疎外青春 第42回 文藝賞
  61. 061 2004 人のセックスを笑うな ひとのせっくすをわらうな 山崎ナオコーラ 初出・文藝 2004年冬季号 美術専門学校に通う19歳の「オレ」は、20歳年上の講師・ユリと恋に落ちる。年の差も、ユリに夫がいることも、ふたりの関係のゆるさを変えはしないが、恋はやがて静かに終わっていく。性愛を声高に語らず、軽くやわらかい口語の文体で、若さの側から見た年上の女性のかわいさと残酷さをすくいとる。タイトルの挑発性と中… 恋愛青春 第41回 文藝賞
  62. 062 2004 野ブタ。をプロデュース のぶた。をぷろでゅーす 白岩玄 初出・文藝 2004年冬季号 クラスの人気者を巧みに「演じる」高校生・桐谷修二は、いじめの標的になっている転校生・小谷信太=野ブタを人気者にプロデュースする計画を始める。教室という市場でキャラクターを売り出すゲームは成功していくが、演じることでしか居場所を作れない修二自身の空虚が次第に露わになる。スクールカーストと自己演出の時代… 青春同調圧力アイデンティティ 第41回 文藝賞
  63. 063 2003 蹴りたい背中 けりたいせなか 綿矢りさ 初出・文藝 2003年秋季号 高校に入学したばかりのハツ(長谷川初実)は、クラスの輪に加わることを拒み、余り者として過ごしている。同じく孤立しているにな川は、女性モデル「オリチャン」に病的なまでに夢中な少年。ハツはオリチャンに会ったことがある縁でにな川と関わるようになり、彼の無防備な背中を「蹴りたい」という奇妙な衝動を抱えていく… 青春同調圧力孤独と疎外 第130回 芥川賞
  64. 064 2003 黒冷水 こくれいすい 羽田圭介 初出・文藝 2003年冬季号 弟の修作は兄・正気の部屋を毎日執拗に「家捜し」し、兄はそれに気づいて巧妙な罠と報復を仕掛ける。家庭内の些細な悪意の応酬は、黒く冷たい水のような憎悪へと際限なくエスカレートしていく——。思春期の自意識と家族間の生理的な憎しみを、17歳の現役高校生がここまで執拗に書き切ったという事実そのものが衝撃を与え… 家族暴力青春 第40回 文藝賞
  65. 065 2003 魔女の息子 まじょのむすこ 伏見憲明 初出・文藝 2003年冬季号(受賞発表。本文の誌面掲載は未確認) 40歳を目前にしたゲイのフリーライター・和紀。77歳の母が「老いらくの恋」に燃え始めたことで、亡き父との確執、ハッテン場の旅館で出会った男との関係、そして自分自身の来し方と否応なく向き合うことになる。ゲイ・ムーブメントの先頭に立ってきた評論家が、運動の言葉では掬えない母子の情愛と人間の弱さを、ユーモ… ジェンダー母と子 第40回 文藝賞
  66. 066 2003 オアシス おあしす 生田紗代 初出・文藝 2003年冬季号 愛用の青い自転車を盗まれたフリーターの「私」は、呆然としたままそれを探す日々を送る。家には家事を放棄してしまった母と、その母に「パラサイト」されているOLの姉・サキ。女三人の奇妙な家族の均衡が、自転車の喪失を起点に少しずつあらわになっていく。母を疎みながら捨てられない娘たちの姿は「現代の新種の姥捨て… 家族母と子青春 第40回 文藝賞
  67. 067 2002 キッズ アー オールライト きっず あー おーるらいと 岡田智彦 初出・文藝 2002年冬季号 やくざの愛人の息子として育った「オレ」は、親父の失脚をきっかけに組織同士の闘いへと足を踏み入れてしまう。手当たり次第に何でも破壊するビリィの右手など、過剰でマンガ的なイメージを叩きつけながら、暴力の世界のただなかにいる子どもたちの姿を疾走感のある語りで描く。現役の小学校教師が書いたアウトロー小説とい… 暴力青春家族 第39回 文藝賞
  68. 068 2002 リレキショ りれきしょ 中村航 初出・文藝 2002年冬季号 過去を捨てた19歳の「僕」は、「姉さん」と名乗る女性に拾われ、「半沢良」という新しい名前と居場所をもらう。深夜のガソリンスタンドでアルバイトをしながら、白紙に「どこへでもいける切符」を持つ自分の履歴書を書いてみる——。何者でもなくなった青年が、淡い人間関係のなかでもう一度自分の輪郭をなぞり直していく… アイデンティティ家族青春 第39回 文藝賞
  69. 069 2002 ファンタジスタ ふぁんたじすた 星野智幸 初出・「文藝」2002年冬季号 『ファンタジスタ』は、首相公選制が導入された近未来日本を舞台に、元サッカー選手の政治家・長田が圧倒的な人気を得ていく過程を描く政治小説です。スポーツの熱狂、メディア的な人気、民主主義の空洞化が重なり、支持の高揚がファシズム的な空気へ転じる不穏さを浮かび上がらせます。寓話性の強い設定を通じて、集団心理… 同調圧力暴力寓話・幻想 第25回 野間新人賞
  70. 070 2001 インストール いんすとーる 綿矢りさ 初出・文藝 2001年冬季号 高校生活から突然降りてしまった17歳の朝子が、部屋の荷物を全部捨てたことをきっかけに、マンションの押入れに住み着くような小学生・かずよしと知り合い、拾った中古パソコンで風俗チャットの「バイト」を代行するようになる。インターネット黎明期の風俗チャットという際どい題材を扱いながら、筆致はあくまで軽やかで… 青春テクノロジー 第38回 文藝賞
  71. 071 2000 メイドインジャパン めいどいんじゃぱん 黒田晶 初出・文藝 2000年冬季号 『メイドインジャパン』は、第37回文藝賞を受賞し、応募時の題「YOU LOVE US」で『文藝』2000年冬季号に掲載された黒田晶の作品です。河出書房新社公式ページでは、少年犯罪、残酷な殺人描写、グルーヴ感のあるクールな文体を前面に出した問題作として紹介されています。単行本化時には現在の題名で刊行さ… 暴力青春文芸誌掲載 第37回 文藝賞
  72. 072 2000 肉触 にくしょく 佐藤智加 初出・文藝 2000年冬季号 『肉触』は、第37回文藝賞優秀作として『文藝』2000年冬季号に掲載され、2001年1月に河出書房新社から単行本化された佐藤智加の作品です。河出書房新社公式ページでは、精神と肉体をめぐる冒頭の問い、姉の追憶に支えられた詩的な内面世界の崩壊、17歳の高校生による早熟な表現が紹介されています。物語の細部… 身体記憶孤独と疎外
  73. 073 1999 Tiny, tiny たいにー たいにー 濱田順子 初出・「文藝」1999年 「わたし」「ぼく」「オレ」という三人の高校生のひと夏を描く青春小説です。視点を分けながら、派手な事件よりも、夏の時間の中で揺れる関係や自意識を淡々と追っていきます。文藝賞受賞作として、乾いた感覚で十代の不安定さをすくい取るところに特色があります。 青春乾いた 第36回 文藝賞
  74. 074 1998 ブエノスアイレス午前零時 ぶえのすあいれすごぜんれいじ 藤沢周 初出・「文藝」1998年夏季号(河出書房新社) 『ブエノスアイレス午前零時』は、雪深い故郷へ戻った青年と、過去に横浜で生きてきた盲目の老女の出会いを描く短篇です。温泉旅館という閉じた場所に、タンゴと異国の都市への憧れが差し込むことで、老い、記憶、失われた時間が濃く浮かび上がります。抑えた筆致とハードボイルドな感触が、深夜の一場面に人生の余白を凝縮… 老い孤独と疎外地方 第119回 芥川賞
  75. 075 1998 二匹 にひき 鹿島田真希 初出・「文藝」1998年 『二匹』は、鹿島田真希が第35回文藝賞を受賞してデビューした学園小説です。河出書房新社公式ページでは、22歳の女子大生ファイターが独特の荒れた日本語で放つ「学園ハードボイルド」として紹介されている。青春小説の形式を借りつつ、言葉の破格さと暴力的な感覚で、鹿島田作品の実験性の出発点を示す作品です。 青春暴力実験的文体 第35回 文藝賞
  76. 076 1997 ラジオデイズ らじおでいず 鈴木清剛 初出・「文藝」1997年 『ラジオデイズ』は、鈴木清剛が第34回文藝賞を受賞したデビュー小説です。河出書房新社公式ページでは、主人公の部屋に10年ぶりに現れた同級生が居つき、追い払うことも親しくなることもできないまま過ごす気まずい一週間を描く作品として紹介されています。一人称の距離感と、やるせなさを抱えた若者同士の関係が読み… 孤独と疎外青春一人称 第34回 文藝賞
  77. 077 1997 最後の吐息 さいごのといき 星野智幸 初出・「文藝」1997年 『最後の吐息』は、星野智幸が河出書房新社から刊行したデビュー期の小説作品です。公的書誌で題名・著者・出版社を確認し、受賞歴は文藝賞の受賞作一覧で確認できる範囲に限定して登録しました。 アイデンティティ実験的文体海外 第34回 文藝賞
  78. 078 1995 助手席にて、グルグル・ダンスを踊って じょしゅせきにて、ぐるぐる・だんすをおどって 伊藤たかみ 初出・「文藝」1995年 『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』は、伊藤たかみのデビュー作にあたる青春小説です。助手席という移動する場所を題に含むように、若い語り手たちの距離感や不安定な身体感覚を、軽さと揺れを残した文体で追います。大学在学中の作者が書いた作品として紹介されており、初期の伊藤作品らしい若さの危うさが読みどこ… 青春 第32回 文藝賞
  79. 079 1994 首飾り くびかざり 雨森零 初出・「文藝」1994年 『首飾り』は、雨森零のデビュー作にあたる第31回文藝賞受賞作です。公開情報では作品内容の詳細な梗概は確認しにくいものの、既存資料では文藝時評で才能を評価された作品として記録されています。山形県文学全集への収録も確認され、地方の文学史上の文脈でも参照される作品です。 青春孤独と疎外地方 第31回 文藝賞
  80. 080 1992 音符 おんぷ 三浦恵 初出・「文藝」1992年 『音符』は、三浦恵が第29回文藝賞を受賞した作品です。NDLでは1993年河出書房新社版の単行本書誌と『文藝』1992年12月号の書誌を確認しました。音楽的な題名を持つ作品ですが、内容を詳述した信頼できる公開資料は今回確認できず、紹介は受賞・書誌中心です。 芸術と表現青春簡潔な文体 第29回 文藝賞
  81. 081 1991 rose ローズ 川本俊二 初出・「文藝」1991年 『rose』は、大阪を舞台に、優柔不断な青年ノボルと二人の女性との関係を回想的に描く恋愛小説です。穏やかに接するケイコと、サディスティックな朱理という対照的な人物を通じて、欲望と受け身の関係が揺れます。バラの赤が象徴する感情の強さが、都市の恋愛の乾いた感覚と結びついています。 恋愛関西 第28回 文藝賞
  82. 082 1991 撃壌歌 げきじょうか 吉野光 初出・「文藝」1991年 『撃壌歌』は、戦後の信州の農村を舞台に、少年の成長と土地の変化を描く二部構成の作品です。封建的な地主制度の残滓と高度成長期の足音が交差し、個人の青春が村の時間の変化と重なります。歴史美術を専門とする著者らしい、土地と記憶へのまなざしが特徴です。 青春記憶地方 第28回 文藝賞
  83. 083 1990 青春デンデケデケデケ せいしゅんでんでけでけでけ 芦原すなお 初出・「文藝」1990年秋号 『青春デンデケデケデケ』は、1960年代の四国・観音寺で、ベンチャーズに憧れた高校生たちがバンドを組む青春小説です。方言まじりの軽快な語りと音楽への熱中が、地方の高校生活を明るく立ち上げます。懐かしさに寄りかかりすぎず、仲間と音を出す時間の高揚を描くところに魅力があります。 青春地方清新 第27回 文藝賞
  84. 084 1989 YES・YES・YES いえす・いえす・いえす 比留間久夫 初出・「文藝」1989年冬季号(河出書房新社) 『YES・YES・YES』は、新宿のゲイバーで働く青年ホストの日常と欲望を描く比留間久夫のデビュー作です。性の解放感と都市の夜の空気を前面に出し、当時の純文学にクィアな身体感覚を持ち込んだ作品として読めます。軽さと痛みが同居する、都市的な性の物語です。 青春孤独と疎外 第26回 文藝賞
  85. 085 1989 ハッピーハウス はっぴーはうす 結城真子 初出・「文藝」1989年冬季号(河出書房新社) 『ハッピーハウス』は、二十八歳で課長を務めるキャリアウーマン・高沢優子が、仕事と酒の日々の空虚さを抱えながら孤独に踊り続ける姿を描く作品です。バブル期の働く女性の成功と消耗を、ダンスマラソンのイメージに重ねて描きます。明るい題名の奥にある息苦しさが読みどころです。 労働孤独と疎外ジェンダー 第26回 文藝賞
  86. 086 1988 少年アリス しょうねんありす 長野まゆみ 初出・「文藝」1988年冬季号(河出書房新社) 『少年アリス』は、耽美的で幻想的な世界に生きる少年たちを描く長野まゆみのデビュー作です。物語の筋よりも、詩的な言葉、異界的な舞台、少年たちの気配が作品世界を形づくります。以後の長野作品に通じる、美しく閉じた幻想世界の原点として読めます。 芸術と表現寓話・幻想学校 第25回 文藝賞
  87. 087 1988 汝ふたたび故郷へ帰れず なんじふたたびこきょうへかえれず 飯嶋和一 初出・「文藝」1988年冬季号(河出書房新社) 『汝ふたたび故郷へ帰れず』は、飯嶋和一のデビュー作です。現代の苦境に置かれた人物を描く作品として整理され、後に歴史小説へ大きく展開する作家の初期の問題意識をうかがわせます。故郷への帰還不能という題が、喪失と自己の行き場のなさを強く示しています。 青春孤独と疎外身体 第25回 文藝賞
  88. 088 1987 四万十川―あつよしの夏 しまんとがわ あつよしのなつ 笹山久三 初出・「文藝」1987年冬季号(河出書房新社) 『四万十川―あつよしの夏』は、高知県四万十川流域を舞台に、少年あつよしの夏を豊かな自然とともに描く作品です。川、家族、土地の生活感が、少年の成長と結びついています。後にシリーズとして読み継がれる「四万十川」作品群の出発点です。 青春家族地方 第24回 文藝賞
  89. 089 1987 マネーゲーム まねーげーむ 久間十義 初出・「文藝」1987年冬季号(河出書房新社) 『マネーゲーム』は、久間十義が河出書房新社から刊行したデビュー期の小説作品です。公的書誌で題名・著者・出版社を確認し、受賞歴は文藝賞の受賞作一覧で確認できる範囲に限定して登録しました。 貧困労働都市・郊外
  90. 090 1986 零れた言葉 こぼれたことば 岡本澄子 初出・「文藝」1986年冬季号(河出書房新社) 『零れた言葉』は、岡本澄子が第23回文藝賞を受賞した1986年発表の作品です。河出書房新社から同年12月に単行本化されたことはNDL書誌で確認できます。現時点では出版社公式や書評から内容の細部を確認できていないため、作品紹介は受賞・初出・単行本情報を中心にした暫定記述です。 短篇 第23回 文藝賞
  91. 091 1985 ベッドタイムアイズ べっどたいむあいず 山田詠美 初出・「文藝」1985年冬季号(河出書房新社) 『ベッドタイムアイズ』は、黒人兵スプーンと日本人女性の激しい性愛を奔放な文体で描いた山田詠美のデビュー作です。恋愛や性を、社会的規範から外れた身体感覚として押し出し、当時の日本文学に強い衝撃を与えました。都市、身体、異文化の接触が、痛切で挑発的な読み味を作っています。 恋愛身体 第22回 文藝賞
  92. 092 1984 ミッドナイト・ホモサピエンス みっどないと・ほもさぴえんす 渥美饒兒 初出・「文藝」1984年12月号(河出書房新社) 『ミッドナイト・ホモサピエンス』は、第21回文藝賞受賞作として確認できる渥美饒兒の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1984年10月22日決定、『文藝』1984年12月号掲載、1985年1月に河出書房新社から単行本化されたことが確認でき、NDLサーチでも同単行本の書誌を確認できます… 文芸誌掲載単行本 第21回 文藝賞
  93. 093 1984 She's Rain しーず・れいん 平中悠一 初出・「文藝」1984年冬季号(河出書房新社) 『She's Rain』は、高校生の恋愛を描く平中悠一のデビュー作です。十七歳で書かれた作品として、若者の感覚を同世代の言葉で小説化した点が特徴です。後に映画化され、1980年代の文藝賞作品の中でも青春・恋愛のメディア展開へつながった一作です。 青春恋愛一人称 第21回 文藝賞
  94. 094 1983 海に夜を重ねて うみによるをかさねて 若一光司 初出・「文藝」1983年冬季号(河出書房新社) 『海に夜を重ねて』は、ストリッパーと知的障害のある青年との愛を描く作品です。社会の周縁に置かれた二人の関係を通して、身体、欲望、ケアの境界を問う物語として整理できます。後に映画「メイク・アップ」の原作となり、映像化にも接続した作品です。 恋愛障害孤独と疎外 第20回 文藝賞
  95. 095 1983 応為坦坦録 おういたんたんろく 山本昌代 初出・「文藝」1983年冬季号(河出書房新社) 『応為坦坦録』は、浮世絵師・葛飾北斎の娘である応為(お栄)と父北斎の関係を描く歴史小説的なデビュー作です。芸術家の家族関係、創作の継承、父娘の緊張が、江戸の美術史的な題材を通して浮かび上がります。女性の創作者を中心に据える視点が読みどころです。 芸術と表現父と子方言・口語 第20回 文藝賞
  96. 096 1982 佐川君からの手紙 さがわくんからのてがみ 唐十郎 初出・「文藝」1982年秋季号。複数の情報源から「文藝」1982年掲載と確認。単行本は1983年河出書房新社刊 『佐川君からの手紙』は、1981年のパリ人肉事件を下敷きに、犯人から届く手紙と映画化をめぐる交渉を通して事件へ接近していく作品です。唐十郎らしいアングラ演劇的な誇張と越境感が、小説の形で犯罪、欲望、表現の倫理を揺さぶります。実在事件を扱うため、読後には不穏さと表現上の危うさが強く残ります。 暴力死と喪失実験的文体 第88回 芥川賞
  97. 097 1982 日曜日には愛の胡瓜を にちようびにはあいのきゅうりを 平野純 初出・「文藝」1982年12月号(河出書房新社) 『日曜日には愛の胡瓜を』は、第19回文藝賞受賞作として確認できる平野純の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1982年10月22日決定、『文藝』1982年12月号掲載、応募時筆名「柳川春町」、1983年1月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでも単行本書誌を確認できますが、公… 文芸誌掲載単行本 第19回 文藝賞
  98. 098 1981 百色メガネ ひゃくしょくめがね ふくださち 初出・「文藝」1981年12月号(河出書房新社) 『百色メガネ』は、第18回文藝賞受賞作として確認できるふくださちの作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1981年10月20日決定、『文藝』1981年12月号掲載、同年12月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでは単行本書誌に加え、『群像』の創作合評で南木佳士・高橋源一郎作品と… 文芸誌掲載単行本 第18回 文藝賞
  99. 099 1981 1980 アイコ十六歳 せんきゅうひゃくはちじゅう あいこじゅうろくさい 堀田あけみ 初出・「文藝」1981年冬季号(河出書房新社) 『1980 アイコ十六歳』は、名古屋の女子高生アイコの等身大の日常を描く青春小説です。高校生活、友人関係、身体感覚を大きな事件に回収せず、十六歳の時間の手触りとして描く点に特徴があります。若い書き手による若者の日常表現として、1980年代初頭の文藝賞を象徴する一作です。 青春一人称 第18回 文藝賞
  100. 100 1981 みのむし みのむし 山本三鈴 初出・「文藝」1981年12月号(河出書房新社) 『みのむし』は、第18回文藝賞受賞作として確認できる山本三鈴の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1981年10月20日決定、『文藝』1981年12月号掲載、同年12月の河出書房新社刊『みのむし』所収であることが確認できます。NDLサーチでも単行本書誌を確認できますが、公開Webでは梗… 文芸誌掲載単行本 第18回 文藝賞
  101. 101 1980 なんとなく、クリスタル なんとなく、くりすたる 田中康夫 初出・「文藝」1980年冬季号(河出書房新社) 『なんとなく、クリスタル』は、東京の女子大生・由利の学業、モデル活動、恋愛、消費生活を、膨大な注釈とともに描くデビュー作です。物語そのものより、ブランド名や都市風俗を含む表層的な記号の連なりが、1980年前後の若者文化を浮かび上がらせます。軽さを武器に、消費社会の感覚を小説の形式へ取り込んだ作品です… 青春恋愛東京 第17回 文藝賞
  102. 102 1980 囚人のうた しゅうじんのうた 青山健司 初出・「文藝」1980年12月号(河出書房新社) 『囚人のうた』は、第17回文藝賞受賞作として確認できる青山健司の作品です。Prizesworldの受賞作一覧では、1980年10月15日決定、『文藝』1980年12月号掲載、1981年1月の河出書房新社刊行が確認できます。NDLサーチでも単行本書誌と当選作掲載記事を確認できますが、公開Webでは梗概… 文芸誌掲載単行本 第17回 文藝賞
  103. 103 1980 ストレイ・シープ すとれい・しーぷ 中平まみ 初出・「文藝」1980年冬季号(河出書房新社) 『ストレイ・シープ』は、幼くして映画監督の父を失ったテレビ局勤務の女性が、喪失を抱えたまま年上の既婚男性との関係に入り込む私小説的作品です。父への思慕と恋愛、仕事の失敗が重なり、娘から女へと移行する過程の痛みが描かれます。都市で働く女性の孤独を、感情の揺れに寄せて読む作品です。 父と子恋愛孤独と疎外 第17回 文藝賞
  104. 104 1979 南風 なんぷう 宮内勝典 初出・1979年12月、河出書房新社より単行本刊行。初出誌の詳細は今回確認できないため、単行本刊行年を year とした。 『南風』は、宮内勝典が第16回文藝賞を受賞した小説です。河出書房新社の公式ページでは、生の証を求める青年の前に、未生の時からの死者の記憶をたたえた波がうねり、生の国と死の国、空と海と陸が会する九州最南端の港町に南風が吹く作品として紹介されています。世界を移動してきた宮内文学の出発点にあたる一作として… 生と死記憶 第16回 文藝賞
  105. 105 1970 プレオー8の夜明け ぷれおーゆいっとのよあけ 古山高麗雄 初出・「文藝」掲載。第63回(1970年上半期)芥川龍之介賞受賞作。 『プレオー8の夜明け』は、古山高麗雄が第63回芥川龍之介賞を受けた戦争短篇です。日本文学振興会公式の受賞者一覧では、1970年上半期の受賞作、掲載誌『文藝』として確認できます。NDLサーチでは、文藝春秋2001年刊『二十三の戦争短編小説』および小学館P+D BOOKS版『プレオー8(ユイット)の夜明… 戦争従軍体験 第63回 芥川賞