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日本史

舞台「日本史」に分類された 39 作品。

  1. 001 2025 去年、本能寺で きょねんほんのうじで 円城塔 単行本・新潮社 『去年、本能寺で』は、日本史上の人物や出来事を素材にしながら、AI、ミステリ、宇宙的想像力、異世界転生までを混ぜ込む全11篇の短篇集です。新潮社公式は、軍事AIや文事AIが働く戦乱世界を掲げ、歴史とSFが交差する作品集として紹介している。史実の圧縮と改変を遊びながら、歴史を固定された過去ではなく、言… 戦争テクノロジー芸術と表現
  2. 002 2025 百日と無限の夜 ひゃくにちとむげんのよる 谷崎由依 単行本・集英社 『百日と無限の夜』は、第一子の妊娠中に切迫早産で入院した「わたし」が、横たわる時間のなかで出産と生命をめぐる幻視の旅へ入っていく長篇です。能『隅田川』の女物狂いを案内人に、中世の京、駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと時空を越えて進む構成が、病室の身体感覚と神話的な想像力を結びつける。妊娠・… 母と子身体
  3. 003 2024 DJヒロヒト ディージェイヒロヒト 高橋源一郎 単行本・新潮社 『DJヒロヒト』は、パラオ放送局のラジオ番組という奇想の形式を通して、昭和史・文学史・戦争の記憶を再構成する大長編です。中島敦、南方熊楠、森鴎外らの名が交差し、謎のDJの語りが歴史上の人物とフィクションの声をリミックスしていく。ラジオ、録音、放送というメディアの仕掛けを使いながら、天皇制と近代日本を… 戦争記憶芸術と表現
  4. 004 2024 月ぬ走いや、馬ぬ走い つちぬはゆいや、うんまぬはゆい 豊永浩平 初出・「群像」2024年6月号 沖縄に生きるアメリカルーツの少年、幻肢痛に苦しむ元米兵と結婚したコザの女性、特攻へ向かう旧日本軍将校など14人の語りを通して、戦中から現代までの沖縄の80年史を描く。第67回群像新人文学賞と第46回野間文芸新人賞のダブル受賞作。 戦争記憶アイデンティティ 第46回 野間新人賞
  5. 005 2022 水平線 すいへいせん 滝口悠生 単行本・新潮社 硫黄島を墓参したことのある妹に見知らぬ男から電話がかかり、兄は不思議なメールに導かれて船に乗る。祖父母世代の疎開、激戦地に残された人々、現在の兄妹の時間が交差し、死者の言葉が海を越えて現在へ届く。視点や人称を変えながら、戦争の記憶と島の隆起する時間を重ねる長篇。 戦争記憶死と喪失
  6. 006 2021 満天の花 まんてんのはな 佐川光晴 単行本・左右社 幕末の長崎・出島に生まれ、青い目を隠して育った花が、勝海舟との出会いを経て通詞として外交の渦中に入る歴史長篇。咸臨丸、ロシア艦、大政奉還、江戸無血開城へと続く時代の転換点を、女性通訳の視点からたどる。西欧列強、幕府、身分秩序に抗し、言葉と意思で生きる人物像が読みどころになる。 移民と越境言葉と言語ジェンダー
  7. 007 2020 口福のレシピ こうふくのれしぴ 原田ひ香 単行本・小学館 『口福のレシピ』は、フリーのSE兼料理研究家として働く留希子と、昭和二年の品川料理教習所で働くしずえの時間を行き来する家族小説。留希子は老舗料理学校を営む家の後継者であることに抵抗を抱きながらも、SNS発信をきっかけに料理研究家として認知されていく。簡単でおいしい献立企画をめぐる問題を通じて、家庭の… 家族労働
  8. 008 2020 日本蒙昧前史 にほんもうまいぜんし 磯﨑憲一郎 単行本・文藝春秋 大阪万博や日航機墜落事故など、戦後日本の狂騒と蒙昧を彩った出来事の陰にある無数の生を描く長篇。文藝春秋公式は、語り手を自在に換えつつ戦後日本の手触りを蘇らせる作品として紹介している。歴史的事件を単なる背景にせず、語りのリレーによって個人の記憶と時代の空気を重ねるところに読みどころがある。 記憶戦争死と喪失 第56回 谷崎賞
  9. 009 2019 遠の眠りの とおのねむりの 谷崎由依 単行本・集英社 大正末期、貧しい農家に生まれた絵子は本を読むことを支えにしていたが、女学校には進めず、家を追い出されて女工として働く。市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」で、付属劇場の少女歌劇団に関わる「お話係」として雇われ、娘役のキヨと親しくなる。集英社公式は、福井市に実在した百貨店の少女歌劇部に着想を得た長篇… 労働青春芸術と表現
  10. 010 2019 神前酔狂宴 しんぜんすいきょうえん 古谷田奈月 単行本・河出書房新社 『神前酔狂宴』は、神社の披露宴会場で働く浜野、梶、倉地を中心に、結婚式という祝祭の裏側にある演技性と制度を描く小説。日々「茶番」を演じる彼らが、神社の祀る神が明治日本の軍神であることを知る筋立てから、結婚、家族、国家の儀礼性が重ねられる。河出書房新社は本作を、壮大な茶番を切り裂く衝撃作として紹介して… 家族日本史信仰 第41回 野間新人賞
  11. 011 2018 日の出 ひので 佐川光晴 単行本・集英社 明治の終わり、13歳の清作は徴兵から逃れて故郷を飛び出し、北陸から九州、横浜へ移りながら鍛冶職人として生きる。もう一つの軸として、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひが、教職免許取得のために学ぶ姿が置かれる。時代を隔てた二人を並行させ、労働、逃走、家系の記憶、希望の継承を描く長編。 労働家族記憶
  12. 012 2018 今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇 こんやはひとりぼっちかい? にほんぶんがくせいすいし せんごぶんがくへん 高橋源一郎 単行本・講談社 『日本文学盛衰史』の続編として、戦後文学そのものを小説の素材にする長編。大岡昇平や小林秀雄らを思わせる文学史上の存在が、ロック、パンク、ラップ、ブログ、Twitter、YouTubeまで巻き込みながら、読まれなくなった戦後文学を現在の言葉へ揉みほぐしていく。文学史講義、パロディ、メタフィクションが交… 芸術と表現言葉と言語戦争
  13. 013 2018 鏡のなかのアジア かがみのなかのあじあ 谷崎由依 単行本・集英社 チベット、台湾、クアラルンプール、京都など、アジアの土地をモチーフにした全5篇の幻想短篇集。集英社公式は、少年僧が経典の歴史に触れる「……そしてまた文字を記していると」、台湾・九份の村を舞台にする「Jiufenの村は九つぶん」、熱帯雨林の巨樹であった過去を持つ男を描く「天蓋歩行」などを挙げている。翻… 移民と越境言葉と言語記憶
  14. 014 2017 鳥獣戯画 ちょうじゅうぎが 磯﨑憲一郎 単行本・講談社 『鳥獣戯画』は、磯﨑憲一郎が古典的な絵巻の名を借り、人間と動物、現実と表象の境目を揺らす作品として整理できます。鳥獣のイメージは、人間社会を戯画化する視点として働きます。公開資料では内容細部を十分に確認できていないため、書誌と『群像』掲載候補に基づく暫定的な紹介です。 芸術と表現身体言葉と言語
  15. 015 2016 太陽の側の島 たいようのそばのしま 高山羽根子 単行本・朝日新聞出版 『太陽の側の島』は、戦時中を背景に、女性と兵士の関係を架空の日記や手紙の連なりでたどる中篇。第2回林芙美子文学賞の大賞受賞作として発表され、のちに短篇集『オブジェクタム』に収録された。戦争の記憶、記録の不確かさ、島という隔絶した場所を、SF的・幻想的な想像力で結びつける作品として位置づけられる。 戦争記憶芸術と表現 第2回 林芙美子賞
  16. 016 2016 伯爵夫人 はくしゃくふじん 蓮實重彦 初出・「新潮」2016年4月号、同年6月新潮社より単行本刊行 帝大入試を控えた二朗が謎めいた伯爵夫人に誘われ、性の昂ぶりと戦争前夜の不穏な空気に巻き込まれていく長篇。伯爵夫人、従妹、和製ルイーズ・ブルックスら魅力的な女性たちが二朗を挑発し、個人の感情教育と時代の破滅が交錯する。エロス、映画的記憶、戦争の気配が入れ子状に重なる作品である。 戦争芸術と表現 第29回 三島賞
  17. 017 2015 女たち三百人の裏切りの書 おんなたちさんびゃくにんのうらぎりのしょ 古川日出男 初出・連載長篇、2015年新潮社より単行本刊行 『源氏物語』が世に広まって約百年後、紫式部が怨霊として蘇り、宇治十帖の真の姿を語り出すという構想の長篇。改竄された物語、語り手と読み手、女たちの策略が絡み合い、物語そのものが時代を動かす力として描かれる。古典の読み替えであり、物語を享受することへの壮大な問い直しでもある。 日本史ジェンダー言葉と言語 第37回 野間新人賞
  18. 018 2014 彼女の家計簿 かのじょのかけいぼ 原田ひ香 単行本・光文社 『彼女の家計簿』は、戦前から三世代にわたる女性たちを、家計簿という生活記録で結ぶ原田ひ香の長篇です。数字や支出の記録は、家族史、労働、ジェンダーの記憶を読み解く手がかりになります。日々の細部から女性の生の選択をたどる作品です。 家族ジェンダー労働
  19. 019 2014 男一代之改革 おとこいちだいのかいかく 青木淳悟 単行本・河出書房新社 『男一代之改革』は、江戸の改革者・松平定信を『源氏物語』の読み手として描く青木淳悟の異色の歴史小説です。歴史上の人物を、政治の主体であると同時に読者として捉える点に特徴があります。史実と読書行為を重ね、過去の人物像を現代的にずらして読む作品です。 日本史芸術と表現言葉と言語
  20. 020 2014 名誉と恍惚 めいよ と こうつ 松浦寿輝 初出・「新潮」2014年5月号〜連載。単行本は2017年、新潮社刊。 日中戦争下の上海で、工部局に勤める日本人警官・芹沢が軍と青幇の面会を仲介したことから警察を追われ、潜伏生活へ追い込まれていく長篇。祖国や名前を失う男の生存を通じて、戦争、都市、裏社会、アイデンティティが交錯する。大部の分量で、歴史の混沌と個人の逃走を描き込む作品。 戦争移民と越境アイデンティティ 第53回 谷崎賞
  21. 021 2013 往古来今 おうこらいこん 磯﨑憲一郎 単行本・文藝春秋 『往古来今』は、古代から現代までを貫く時間と生命の往還を描く磯﨑憲一郎の長篇です。個人の人生より大きな時間の流れのなかで、記憶や土地、身体が結び直されます。題名どおり、過去と現在を同じ地平で読む感覚が作品の核になります。 記憶死と喪失身体
  22. 022 2012 螺法四千年記 らほうよんせんねんき 日和聡子 単行本・幻戯書房 古代から現代までを四千年の時間幅でたどり、神、人、ちいさな生き物たちの気配が現在の地平に重なっていく長篇。詩人でもある日和聡子の文体が、此岸と彼岸、私と彼方を行き来する神話的な感触を生み出す。直線的な歴史小説というより、螺旋状に時間と声が響き合う幻想性が読みどころである。 信仰日本史記憶 第34回 野間新人賞
  23. 023 2012 東京自叙伝 とうきょうじじょでん 奥泉光 初出・「すばる」2012年12月号〜2013年11月号連載(単行本2014年5月・集英社) 東京という土地に宿る語り手が、幕末から平成へ至る都市の変貌を自分史のように語る長篇。人間、猫、鼠などへ姿を変えながら記憶を重ねる設定により、都市史と転生譚が混ざり合う。奥泉光らしい饒舌な語りの推進力で、東京という場所そのものを主人公化した作品である。 日本史記憶アイデンティティ 第50回 谷崎賞
  24. 024 2011 WANTED!! かい人21面相 うぉんてっど かいじんにじゅういちめんそう 赤染晶子 単行本・文藝春秋 『WANTED!! かい人21面相』は、グリコ・森永事件を想起させる「かい人21面相」を題材に、記憶、犯罪、言葉のパロディを組み合わせる赤染晶子の小説です。事件の固有名は、昭和的な大衆記憶と文学的な語りの遊びを同時に呼び込みます。芥川賞受賞後第一作として、ユーモアと不穏さが交錯する作品です。 記憶言葉と言語暴力
  25. 025 2009 水死 すいし 大江健三郎 単行本・講談社 『水死』は、父の死の記憶と「水死小説」の構想をめぐる、大江健三郎晩年の古義人もの長篇です。家族史、戦後史、文学を書くことが複層的に絡み、個人の記憶は国家や天皇制の問題にも接続します。長い息の文体で、作家自身の過去を再検討する作品です。 父と子記憶戦争
  26. 026 2002 官能小説家 かんのうしょうせつか 高橋源一郎 単行本・朝日新聞社 永井荷風と森鷗外を軸に、「官能」と文学の歴史をめぐって展開する高橋源一郎の長編。近代文学の作家を素材にしながら、性、表現、文学史をメタフィクションとして組み替える。日本文学を読むこと自体を小説の快楽へ変える作品。 芸術と表現言葉と言語
  27. 027 2002 君が代は千代に八千代に きみがよはちよにやちよに 高橋源一郎 単行本・文藝春秋 「君が代」という強い公共的記号を題名に据え、国家、記憶、言葉の働きを小説の場で問い直す高橋源一郎の作品。政治的な主題を直接の主張に閉じず、語りの実験や文学的なずらしによって扱う。近代日本の制度と言語をめぐるメタフィクションとして読める。 言葉と言語記憶同調圧力
  28. 028 2001 日本文学盛衰史 にほんぶんがくせいすいし 高橋源一郎 単行本・講談社 明治の文学者たちを現代の事物と混在させて描く、高橋源一郎の長編。日本文学史そのものを小説の材料にし、正典や文学制度をパロディと批評の対象に変える。文学をめぐる知識が物語の中で揺さぶられる、メタフィクション性の高い作品。 芸術と表現言葉と言語記憶
  29. 029 1997 三絃の誘惑 さんげんのゆわく 樋口覚 初出・新潮社1997年刊 近代日本精神史を三絃(三味線)という楽器を軸に辿った評論。副題は「近代日本精神史覚え書」。日本の近代化と伝統芸能の交錯を独自の視点で照射した。第10回三島由紀夫賞受賞。 芸術と表現日本史 第10回 三島賞
  30. 030 1994 ねじまき鳥クロニクル ねじまきどりくろにくる 村上春樹 単行本・新潮社 失踪した猫と妻を探す「岡田トオル」が、歴史と暴力の深みへ降りていく長編3部作。 暴力戦争記憶
  31. 031 1993 石の来歴 いしのらいれき 奥泉光 初出・「文學界」1993年12月号 第二次大戦中から戦後にわたる男の人生と、その男が持ち続ける一個の石をめぐって歴史と記憶が交錯する中編。奥泉光の歴史的想像力と実験精神が凝縮された芥川賞受賞作。 戦争記憶日本史 第110回 芥川賞
  32. 032 1993 日本の家郷 にほんのかきょう 福田和也 初出・新潮社1993年2月刊 近代日本の精神史・文化史を批評的に読み解いた論考集。保守主義的な視座から日本的なものの本質を問い、車谷長吉と同時に第6回三島由紀夫賞を受賞した(小説・評論の同時受賞という異例のケース)。 記憶言葉と言語日本史 第6回 三島賞
  33. 033 1992 花に問え はなにとえ 瀬戸内寂聴 初出・単行本1992年中央公論社刊。連載誌の特定ができないため単行本刊行年を year とした。 『花に問え』は、念仏聖・一遍の生涯を追いながら、彼に出会った一人の女性の視点から信仰と無常を描く宗教小説です。歴史上の宗教者を題材にしつつ、信仰へ向かう心の揺れを抒情的にたどります。瀬戸内寂聴の宗教的主題と物語性が結びついた作品です。 信仰死と喪失日本史 第28回 谷崎賞
  34. 034 1991 撃壌歌 げきじょうか 吉野光 初出・「文藝」1991年 『撃壌歌』は、戦後の信州の農村を舞台に、少年の成長と土地の変化を描く二部構成の作品です。封建的な地主制度の残滓と高度成長期の足音が交差し、個人の青春が村の時間の変化と重なります。歴史美術を専門とする著者らしい、土地と記憶へのまなざしが特徴です。 青春記憶地方 第28回 文藝賞
  35. 035 1991 西行花伝 さいぎょうかでん 辻邦生 初出・「新潮」1991年1月号〜1993年6月号(断続連載・全24回)。単行本1995年新潮社刊。初出連載開始年(1991年)を year とした。 『西行花伝』は、平安末期の歌人・西行の生涯を、架空の弟子・藤原秋実の視点から描く大作歴史小説です。出家の謎、和歌、信仰、絶対美への希求が、貴族社会の精緻な描写の中で重なっていきます。歴史小説でありながら、芸術とは何かを問う思索小説として読めます。 芸術と表現信仰三人称・多視点 第31回 谷崎賞
  36. 036 1983 応為坦坦録 おういたんたんろく 山本昌代 初出・「文藝」1983年冬季号(河出書房新社) 『応為坦坦録』は、浮世絵師・葛飾北斎の娘である応為(お栄)と父北斎の関係を描く歴史小説的なデビュー作です。芸術家の家族関係、創作の継承、父娘の緊張が、江戸の美術史的な題材を通して浮かび上がります。女性の創作者を中心に据える視点が読みどころです。 芸術と表現父と子方言・口語 第20回 文藝賞
  37. 037 1972 みずから我が涙をぬぐいたまう日 みずからわがなみだをぬぐいたまうひ 大江健三郎 単行本・講談社 大江健三郎の1970年代の作品で、個人的な記憶や家族の傷が、天皇制や戦後史への問いと重なっていく。題名の荘重さに対し、語りは自己の痛みを過剰なほど意識化する。大江の私的主題と政治的主題が強く結びつく作品である。 記憶父と子戦争
  38. 038 1956 金閣寺 きんかくじ 三島由紀夫 初出・「新潮」1956年1〜10月号連載。単行本は1956年10月、新潮社刊。 『金閣寺』は、1950年の金閣寺放火事件に着想を得て、吃音と自己嫌悪を抱える若い僧が美に囚われていく過程を描く長篇です。金閣の絶対的な美が主人公の現実感を侵食し、破壊衝動へ変わるまでを緊密な心理描写で追います。三島由紀夫の美意識とニヒリズムが最も鋭く結びついた戦後文学の代表作です。 芸術と表現身体暴力
  39. 039 1952 或る「小倉日記」伝 あるこくらにっきでん 松本清張 初出・「三田文学」1952年9月号(第28回芥川賞受賞) 『或る「小倉日記」伝』は、森鷗外の小倉時代を記録することに生涯を傾けた人物を主人公にする短篇です。文学史の周縁にいる無名の調査者の執念をたどり、資料を追う行為そのものを物語化しています。史実と想像を接続する構成が、のちの松本清張の記録性・推理性を予告します。 記憶芸術と表現障害 第28回 芥川賞