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夫婦

主題「夫婦」に分類された 44 作品。

  1. 001 2024 最近 さいきん 小山田浩子 単行本・新潮社 『最近』は、パンデミック後の近い過去を背景に、平凡な夫婦と周囲の人々の生活を精密に追う連作長篇です。救急外来の待合室で想起される赤い猫の噂を入口に、家族、友人、病院、日々の手続きや会話が、不安と責任の曖昧さを呼び込みます。大きな事件ではなく、生活の中で少しずつ増えていく違和感や気配が連作のつながりを… 夫婦身体長い息の文体
  2. 002 2023 パッキパキ北京 パッキパキペキン 綿矢りさ 単行本・集英社 コロナ禍の北京で単身赴任中の夫に呼ばれた菖蒲が、愛犬ペイペイを連れて中国へ渡る。隔離、食、交通、春節、北京の人々のふるまいを、主人公はしぶしぶ来たはずの立場を軽々と反転させるように貪欲に観察し、味わっていく。著者自身の中国滞在経験に基づく観察力を生かし、異国の都市を「視察」する語りの勢いとユーモアで… 移民と越境夫婦
  3. 003 2021 水たまりで息をする みずたまりでいきをする 高瀬隼子 単行本・集英社 ある日、衣津実は夫が風呂に入らなくなったことに気づく。夫は水が臭く、体につくと痒くなると言って入浴を拒み、やがて雨に濡れに外へ出るようになり、職場で体臭が問題にされる。退職と移住を経て、夫が川で水浴びをする生活へ向かう過程を、夫婦の問題として押し返される妻の視点から描き、身体、清潔、共同生活の境界を… 夫婦身体
  4. 004 2021 長い一日 ながいいちにち 滝口悠生 単行本・講談社 小説家の夫と妻が、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めるところから、長くつきあってきた友人たち、日々の暮らし、失ってから気づく愛着や記憶が交差していく長編。出来事を大きな劇に仕立てるよりも、生活の中でふと立ち上がる静かな感情と、時間の伸び縮みをすくい取る。日記と小説のあわいを思わせる形式で、夫婦と住… 夫婦記憶家族
  5. 005 2020 肉体のジェンダーを笑うな にくたいのじぇんだーをわらうな 山崎ナオコーラ 単行本・集英社 『肉体のジェンダーを笑うな』は、夫の胸から「父乳」が出る話や、PMSを体験できるサーフボードの話などを収めた小説集。身体に結びつけられた性別役割を、SF的な設定や軽やかなユーモアでずらし、家族・ケア・労働の当たり前を問い直す。現実の制度を直接論じるより、ありえたかもしれない身体の可能性を想像すること… ジェンダー身体夫婦
  6. 006 2019 アタラクシア アタラクシア 金原ひとみ 単行本・集英社 結婚生活の苦しさや不倫、家庭内の苛立ちを抱える複数の男女を描く群像長編。翻訳者の由依、シェフの瑛人、パティシエの英美、作家の桂らの視点を通じて、望んで結婚したはずなのに救われない人々の孤独と愛情への渇望が交錯する。倫理や制度では割り切れない親密さの痛みを、金原ひとみらしい熱量で描く。結婚を安定した到… 恋愛夫婦家族
  7. 007 2019 待ち遠しい まちどおしい 柴崎友香 単行本・毎日新聞出版 北川春子、夫を亡くした青木ゆかり、新婚の遠藤沙希という世代も立場も異なる三人の女性が、ご近所付き合いを通じて少しずつ関わる長編。住まいの距離の近さと、価値観や人生段階のずれが生む噛み合わなさを、柴崎友香らしい生活の手触りのなかで描く。年齢、結婚、独居、見えにくい困難をめぐり、人はどこまで互いを判断せ… 家族老い孤独と疎外
  8. 008 2019 趣味で腹いっぱい しゅみではらいっぱい 山崎ナオコーラ 単行本・河出書房新社 『趣味で腹いっぱい』は、結婚後に絵手紙、家庭菜園、小説などの趣味に興じる鞠子と、仕事一筋で生きてきた銀行員・小太郎をめぐる長篇。上達や成果を急がない趣味の時間が、仕事中心の価値観や夫婦の距離を少しずつ揺らしていく。生活のなかの小さな楽しみを通して、役に立つことだけでは測れない生き方を描く。 夫婦労働芸術と表現
  9. 009 2019 夢も見ずに眠った。 ゆめもみずにねむった 絲山秋子 単行本・河出書房新社 『夢も見ずに眠った。』は、夫を熊谷に残して札幌へ単身赴任した沙和子が、夫婦のすれ違いと離別を経て、新しい愛と信頼の形へ向かう長篇。岡山、札幌、熊谷など土地の記憶や物語が、二人の関係の変化と響き合う。移動する生活のなかで、結婚や家族の安定ではなく、相手を信じ直す距離を探るところが読みどころになる。 夫婦恋愛記憶
  10. 010 2019 レンファント れんふぁんと 田村広済 初出・「文學界」2019年5月号 『レンファント』は、育児休暇中の父親が、重い皮膚疾患を抱える子の看護と妻との関係に直面するデビュー作です。育児参加をめぐる理想と現実、ケアの身体的・精神的負荷を、家庭の内側から描きます。父親の当事者性を問う点で、家族小説としてもケアの文学としても読めます。 父と子ケアと介護 第124回 文學界新人賞
  11. 011 2018 あなたの愛人の名前は あなたのあいじんのなまえは 島本理生 単行本・集英社 『あなたの愛人の名前は』は、すれ違う大人の恋愛を描く六篇の作品集。集英社公式が示す「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」は、同じ関係を別々の視点から照らし、同じ部屋にいても互いの心が決定的にずれていく痛みを描く。欲望、秘密、婚約、浮気、世間の価値観に揺れる心を、島本理生らしい繊細な心理の動きとし… 恋愛夫婦
  12. 012 2018 静かに、ねぇ、静かに しずかに、ねぇ、しずかに 本谷有希子 単行本・講談社 「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」「でぶのハッピーバースデー」の3篇を収める作品集。海外旅行の写真投稿、ネットショッピング依存、動画撮影で自分たちだけの印を残そうとする夫婦など、SNSやスマートフォン越しにしか確かめられない現実感を描く。軽妙な語りの底に、承認欲求、支配、親密さの不安がにじみ… テクノロジー同調圧力孤独と疎外
  13. 013 2017 茄子の輝き なすのかがやき 滝口悠生 単行本・新潮社 『茄子の輝き』は、「お茶の時間」「わすれない顔」「高田馬場の馬鹿」「茄子の輝き」などを収める連作短篇集です。Books/JPROの紹介では、別れた妻の面影、震災後の不安、同僚との会話など、不確かな記憶をめぐる場面を扱う作品として示されています。大きな事件よりも、日常の会話や街の断片に残る熱を拾い、滝… 労働夫婦孤独と疎外
  14. 014 2017 おらおらでひとりいぐも おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子 初出・文藝 2017年冬季号 主人公は東北出身、74歳の桃子さん。結婚を目前に故郷を飛び出して上京し、住み込みの仕事、周造との結婚、二児の子育て、そして夫との突然の死別を経て、いまは東京郊外の家にひとりで暮らす。静かな日々のなか、桃子さんの内から標準語と懐かしい東北弁の無数の「声」が湧き上がり、孤独や老い、夫への思い、これからの… 老い死と喪失孤独と疎外 第158回 芥川賞
  15. 015 2017 紅い海 あかいうみ 高倉やえ 単行本・角川文化振興財団 『紅い海』は、高倉やえが2017年12月に刊行した短篇集です。Books.or.jpの内容紹介では、文明の衝突によって息子を喪った夫婦の苦悩と祈りを描く表題作「紅い海」、二人の女の墓碑をめぐる「行方」、自立を選んだ母と娘の歳月を綴る「夢の先の色」の三篇を収める作品集として紹介されています。通訳者とし… 死と喪失夫婦母と娘
  16. 016 2016 美しい距離 うつくしいきょり 山崎ナオコーラ 単行本・文藝春秋 『美しい距離』は、妻の末期がんに寄り添う夫の視点から、死に向かう日常を静かに描く小説です。看病や病院での時間を、劇的な悲嘆ではなく、相手との距離を測り続ける営みとして捉えます。死を前にした夫婦の親密さと孤独を、抑えた語りで読ませる作品です。 夫婦死と喪失
  17. 017 2015 異類婚姻譚 いるいこんいんたん 本谷有希子 初出・群像 2015年11月号 結婚して4年になる専業主婦の「私」は、家ではテレビとゲームに没頭するだけの夫と、波風のない生活を送っている。ある日ふと、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づいた「私」。やがて夫の顔は緩み、溶け、人間の形を失っていくように見え始める。捨てられた飼い猫の行方や、揚げ物に異常に執着する夫の変容… 夫婦アイデンティティジェンダー 第154回 芥川賞
  18. 018 2014 熊の結婚 くまのけっこん 諸隈元 初出・「文學界」2014年6月号 『熊の結婚』は、諸隈元の第118回文學界新人賞受賞作です。年収の低いアルバイトとして絵を描く夫と、弁護士として働く妻の奇妙な夫婦関係を、体外受精や離婚、息子の成長を含む長い時間の流れのなかで描きます。断定しては打ち消すような反復的な語りと言葉遊びが、夫婦小説でありながら寓話めいた読後感を生んでいます… 夫婦家族 第118回 文學界新人賞
  19. 019 2012 マリアージュ・マリアージュ マリアージュ・マリアージュ 金原ひとみ 単行本・新潮社 『マリアージュ・マリアージュ』は、結婚をめぐる複数の男女関係を描く金原ひとみの短篇集です。結婚は安定したゴールではなく、身体、欲望、制度が絡む不安定な関係として扱われます。華やかな題名の反復の奥に、夫婦や恋愛への違和感が残ります。 夫婦恋愛ジェンダー
  20. 020 2012 しょうがの味は熱い しょうがのあじはあつい 綿矢りさ 単行本・文藝春秋 『しょうがの味は熱い』は、煮え切らない男と煮詰まった女の同棲生活を描く綿矢りさの二篇を収めた作品です。食べものの熱さは、恋愛や生活の中で小さく蓄積する苛立ちと結びつきます。夫婦未満の親密さと倦怠を、口語的で乾いた文体で描きます。 夫婦恋愛
  21. 021 2012 冥土めぐり めいどめぐり 鹿島田真希 初出・「文藝」2012年春号 『冥土めぐり』は、家族に搾取され続けてきた奈津子が、脳の病を得て車椅子生活を送る夫・太一と一泊二日の旅に出る作品です。没落した家族の記憶と、夫との静かな絆が旅の時間の中で重なります。家族からの傷とケアの関係を、救済のあり方として問い直す作品です。 家族ケアと介護夫婦 第147回 芥川賞
  22. 022 2012 黄金の庭 おうごんのにわ 高橋陽子 初出・「すばる」2012年11月号 夫との暮らしを立て直すため奇妙な町へ移った青奈が、職探しや子どもができない悩みを抱えながら、しゃべるオパールの指輪と出会う。現実的な生活不安を、指輪や町の不思議さが少しずつ寓話化していく。夫婦、家族、幸福をめぐる問いを、柔らかな幻想の手触りで読ませる作品である。 夫婦家族生活 第36回 すばる文学賞
  23. 023 2011 フラミンゴの村 ふらみんごのむら 澤西祐典 初出・「すばる」2011年11月号 『フラミンゴの村』は、二十世紀初頭のベルギーの村で、ある日突然に妻がフラミンゴになるという奇妙な出来事をめぐる幻想小説です。変身譚のかたちを取りながら、共同体の視線や夫婦の距離を浮かび上がらせます。ヨーロッパ文学的な寓話性を帯びた作品として整理できます。 夫婦身体同調圧力 第35回 すばる文学賞
  24. 024 2011 異郷 いきょう 津村節子 初出・「文学界」2011年1月号掲載 『異郷』は、津村節子が夫・吉村昭の死後の喪失と生者の日常を静かに描いた短篇です。身近な死を経た後の生活を、過剰な感傷ではなく抑制された語りで見つめます。配偶者の不在を抱えて生きる時間を、静謐な読み味で描く作品です。 夫婦死と喪失老い 第37回 川端賞
  25. 025 2010 妻の超然 つまのちょうぜん 絲山秋子 単行本・新潮社 『妻の超然』は、夫婦や男女の関係を、絲山秋子らしい乾いた距離感で描く作品です。身近な関係のなかにある理解不能さを、過度に説明せず、会話と沈黙の間から浮かび上がらせます。夫婦という制度、恋愛の疲れ、生活の違和感を読む小説です。 夫婦ジェンダー恋愛
  26. 026 2009 結婚小説 けっこんしょうせつ 中島たい子 単行本・集英社 『結婚小説』は、結婚をゴールではなく、生活と関係を組み替える出来事として描く中島たい子の作品です。日常的なユーモアのなかに、夫婦になることへの不安や違和感が置かれます。軽やかな語りで、制度としての結婚と個人の感情のずれを読ませます。 夫婦恋愛家族
  27. 027 2009 終の住処 ついのすみか 磯﨑憲一郎 単行本・新潮社 『終の住処』は、妻が突然口をきかなくなる朝から始まり、ある夫婦の二十年を描く磯﨑憲一郎の小説です。大きな事件よりも、時間の経過そのものが関係を変えていく様子に重心があります。淡々とした語りの背後で、夫婦、家、老い、記憶の問題が静かに積み重なります。 夫婦家族老い 第141回 芥川賞
  28. 028 2007 はじまらないティータイム はじまらないてぃーたいむ 原田ひ香 初出・すばる 2007年11月号 子どものいない30代の専業主婦・奈都子は、母ミツエから従弟・博昭の離婚と再婚の顛末を聞かされる。博昭は部下を妊娠させ、子を産まない妻・佐智子と別れて再婚したのだった。奈都子、ミツエ、元妻の佐智子、再婚相手の里美——4人の女性の視点を切り替えながら、家族という制度の内側の風通しの悪さを描く。他人の家に… 家族夫婦ジェンダー 第31回 すばる文学賞
  29. 029 2007 この人と結婚するかも このひととけっこんするかも 中島たい子 単行本・集英社 『この人と結婚するかも』は、結婚を予感する瞬間の期待と違和感を、軽い語り口で追う中島たい子の作品です。恋愛の延長にある制度や生活を、決断の物語としてではなく、揺れる気分として描きます。ユーモラスな題名のなかに、親密さへの不安と自己確認の主題があります。 夫婦恋愛アイデンティティ
  30. 030 2007 建てて、いい? たてていい 中島たい子 単行本・講談社 『建てて、いい?』は、家を建てるという具体的な行為を通して、生活、結婚、将来への迷いを描く作品です。中島たい子らしい軽い語り口で、住まいを選ぶことが自分の生き方を選ぶことに変わっていきます。日常的な題材から、家族や関係の設計図を考えさせる小説です。 夫婦家族労働
  31. 031 2007 ワンちゃん わんちゃん 楊逸 初出・文學界 2007年12月号 日本に渡って暮らす中国人女性「ワンちゃん」は、中国の女性たちと日本の男たちを引き合わせる見合いツアーの世話役を務めている。国境をまたぐ結婚の斡旋という生々しい現場を通して、経済格差のなかを生きる女たちのたくましさと哀感を、来日20年の作者がよどみのない日本語で描いた。日本語を母語としない書き手が日本… 移民と越境ジェンダー貧困 第105回 文學界新人賞
  32. 032 2006 憂鬱なハスビーン ゆううつなはすびーん 朝比奈あすか 初出・群像 2006年6月号 東大を卒業して外資系企業で順調に出世したのち、弁護士の夫との結婚を機に退職した29歳の凛子を描く。安定した結婚生活の中でも満たされず怒りを抱える彼女は、かつて神童と呼ばれた熊沢くんとの再会をきっかけに、自分や他者への期待、優越感と劣等感、社会的成功と自己評価の空洞に向き合っていく。has-beenと… ジェンダーアイデンティティ労働 第49回 群像新人賞
  33. 033 2004 パラレル ぱられる 長嶋有 単行本・文藝春秋 長嶋有の2004年刊行作で、複数の関係や時間が「パラレル」に並んでいく感覚をもつ長編。日常の会話やちょっとしたすれ違いを淡々と積み重ね、劇的な和解よりも、近くにいるのに重なりきらない人間関係を描く。脱力したユーモアの中に、現代的な孤独がにじむ。 夫婦恋愛孤独と疎外
  34. 034 2000 とう 末弘喜久 初出・すばる 2000年11月号 『塔』は、妻を奪われたという疑念に囚われた男の絶望と精神の彷徨を描く、第24回すばる文学賞受賞作です。Booksの内容紹介では、錯乱と覚醒、少年への愛、幻想と悪夢の世界へ誘う作品として紹介されています。夫婦関係の破綻を入口に、現実の輪郭が揺らぐ心理と幻想性を読ませる作品として整理できます。 夫婦恋愛孤独と疎外 第24回 すばる文学賞
  35. 035 1997 ハネムーン ハネムーン 吉本ばなな 単行本・中央公論社 『ハネムーン』は、若くして結婚したまなかと幼なじみの裕志が、喪失や孤独を抱えたまま互いを支え合い、旅立ちへ向かう長編です。中央公論新社の中公文庫ページでは、二人がどこにいても家を見いだす恋人たちの物語として紹介されている。恋愛小説でありながら、夫婦、家、死者の記憶、癒えにくい過去を静かに見つめるよし… 夫婦死と喪失一人称
  36. 036 1996 くっすん大黒 くっすん だいこく 町田康 初出・「文學界」1996年8月号、文藝春秋1997年刊 『くっすん大黒』は、仕事を辞め、妻にも去られた楠が、身の回りの不運を自宅にある不気味な大黒像のせいにして捨てに行く町田康のデビュー作です。日常の失敗や自意識の空回りが、大阪弁に近いリズムと独特の口語で転がっていく。貧しさ、夫婦の破綻、労働からの離脱を、陰惨さだけでなく滑稽さとして読ませる語りが大きな… 労働孤独と疎外夫婦 第7回 ドゥマゴ文学賞
  37. 037 1991 きらきらひかる キラキラ ヒカル 江國香織 単行本・新潮社 新潮社から1991年に刊行された江國香織の代表的長篇。既存 works.json には未収録。 夫婦恋愛ジェンダー
  38. 038 1986 しずかにわたすこがねのゆびわ しずかにわたすこがねのゆびわ 干刈あがた 初出・単行本(福武書店、1986年)。初出誌は未確認。 家族、育児、夫婦をめぐる日常を、抑えた感触で描いた干刈あがたの作品。家庭の内側にある親密さと疲労、母と子の時間、夫婦の距離が、静かな生活描写の中から浮かび上がる。大きな事件よりも、日々の関係が少しずつ人を変えていく感触を読む作品。 家族夫婦母と子 第8回 野間新人賞
  39. 039 1968 三匹の蟹 さんびきのかに 大庭みな子 初出・「群像」掲載。第59回(1968年上半期)芥川龍之介賞受賞作。 『三匹の蟹』は、大庭みな子がアラスカでの生活経験を背景に書いた初期代表作です。日本文学振興会公式の芥川賞受賞者一覧では、第59回(1968年上半期)芥川龍之介賞受賞作として確認でき、掲載誌は『群像』とされています。異国での生活を通じて、女性の孤独、夫婦関係、自我のゆらぎを描いた作品として、大庭文学の… 女性孤独夫婦 第59回 芥川賞
  40. 040 1961 充たされた生活 みたされたせいかつ 石川達三 単行本・新潮社 石川達三が1960年代初頭に刊行した生活小説。題名の「充たされた」が逆説的に響くように、安定した生活の中にある不満や空虚を扱う作品として読める。公開情報が限られるため、家族、階層、生活倫理の揺らぎを主題にした暫定紹介とする。 家族夫婦孤独と疎外
  41. 041 1959 死の棘(初期連作) しのとげ(しょきれんさく) 島尾敏雄 初出・「文學界」「群像」1959〜1960年に連作短篇として分載開始(「家の中」「家の外で」など)。初刊単行本は1960年講談社、完結版は1977年新潮社刊。 『死の棘(初期連作)』は、妻の精神疾患と夫婦生活の崩壊を、逃げ場のない一人称で書き継いだ私小説的連作です。家庭という最も近い場所が病と疑念によって変質していく過程を、苛烈な自己凝視で描きます。のちに完結版へ至る島尾敏雄文学の中心的モチーフが、初期の連作段階からすでに現れています。 夫婦家族
  42. 042 1956 四十八歳の抵抗 よんじゅうはっさいのていこう 石川達三 単行本・新潮社 中年男性が若い女性に惹かれ、家庭と欲望の間で揺れる姿を描いた長編。年齢、性、家庭内の役割が絡み合い、戦後の中産階級的生活の安定が揺らぐ。映画化もされた話題作で、石川達三が家族と欲望を社会的に描いた一作。 夫婦家族
  43. 043 1954 プールサイド小景 ぷーるさいどしょうけい 庄野潤三 初出・「群像」1954年12月号(第32回芥川賞受賞) 『プールサイド小景』は、社員旅行の一日を舞台に、家庭を持つ男の欲望と罪悪感を細密に描く短篇です。劇的事件よりも視線、沈黙、気まずさの変化を追うことで、都市生活者の不安を浮かび上がらせます。庄野潤三の静かな日常描写のなかに、戦後の家庭と個人の距離感が滲む作品です。 夫婦家族恋愛 第32回 芥川賞
  44. 044 1938 結婚の生態 けっこんのせいたい 石川達三 単行本・新潮社 結婚という制度と生活の内側を観察する石川達三の長編。家庭や男女関係を社会の縮図として見る作家の関心がうかがえ、私的な感情と制度的な役割のずれが主題になる。公開梗概は薄いが、家族・夫婦・生活倫理をめぐる作品として暫定整理する。 夫婦家族同調圧力