Narrative

静かな文体

語り口「静かな文体」に分類された 15 作品。

  1. 001 2023 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ こいははかないあるいはぷーるのそこのすてーき 川上弘美 単行本・講談社 『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』は、恋愛の記憶、時間の距離、語ることの不確かさをめぐる長篇です。川上弘美らしい日常と奇妙さの接続が、題名の比喩のように、現実感を少しずつずらしていく。恋を直接描くだけでなく、記憶のなかで恋がどのように形を変えるかを読む作品です。 恋愛記憶時間 第76回 野間文芸賞
  2. 002 2021 旅する練習 たびするれんしゅう 乗代雄介 単行本・講談社 『旅する練習』は、中学入学を控えた少女と叔父が、サッカーの練習をしながら利根川沿いを歩く長篇です。旅の途中で見る風景や言葉の記録が、震災後の時間、成長、観察することの意味へつながっていく。乗代雄介らしい細やかな観察と、移動のなかで変化する関係性が読みどころです。 言葉記録 第34回 三島賞
  3. 003 2019 小箱 こばこ 小川洋子 単行本・朝日新聞出版 『小箱』は、箱という小さな器に託された記憶や喪失の気配を、静かな筆致でたどる長篇です。小川洋子らしい抑制された語りのなかで、見えないもの、しまわれたもの、失われたものが少しずつ存在感を帯びる。大きな事件よりも、手触りと沈黙の蓄積によって読む作品です。 記憶喪失死と喪失 第73回 野間文芸賞
  4. 004 2017 小指が燃える こゆびがもえる 青来有一 初出・NDLで『文學界』2017年1月号掲載の表題作を確認。 2017年8月に文藝春秋から刊行された作品集。NDLで収録作「沈黙のなかの沈黙」「小指が燃える」を確認できる。 身体記憶沈黙
  5. 005 2016 その姿の消し方 そのすがたのけしかた 堀江敏幸 単行本・新潮社 『その姿の消し方』は、詩や書物をめぐる記憶を追いながら、誰かの姿が時間のなかへ消えていく過程を静かにたどる作品です。堀江敏幸らしい精密な文体で、風景、読書、翻訳的な感覚が重なり合う。筋の強さよりも、痕跡を見つめるまなざしと文章の陰影が読みどころです。 記憶書物 第69回 野間文芸賞
  6. 006 2015 悲しみと無のあいだ かなしみとむのあいだ 青来有一 初出・NDLで『文學界』2014年7月号掲載の表題作を確認。 2015年7月に文藝春秋から刊行された作品集。NDLで収録作「愛撫、不和、和解、愛撫の日々」「悲しみと無のあいだ」を確認できる。 死と喪失信仰家族
  7. 007 2012 ことり ことり 小川洋子 単行本・朝日新聞出版 NDLサーチで2012年11月刊の朝日新聞出版版単行本と2016年文庫版を確認できる。 孤独言葉と言語兄弟
  8. 008 2002 パーク・ライフ ぱーくらいふ 吉田修一 初出・「文學界」2002年6月号に掲載。2002年8月、文藝春秋より単行本刊行。 『パーク・ライフ』は、東京の公園を横切る日常の時間を、会話と観察の細部で捉える作品です。大きな事件よりも、見知らぬ他者との距離や、都市のなかでふと生まれる親密さの手前を描くところに特徴があります。 都市孤独出会い 第127回 芥川賞
  9. 009 2001 センセイの鞄 せんせいのかばん 川上弘美 初出・単行本(平凡社、2001年6月刊行)。連載初出の詳細は今回未確定のため単行本年を year に採用。 『センセイの鞄』は、元教師と元教え子の再会から始まる恋愛小説です。居酒屋でのやりとり、季節の食べ物、散歩や旅の場面を積み重ねながら、二人の距離が急がずに変化していきます。川上弘美らしい淡いユーモアと寂しさが同居する代表作です。 恋愛老い孤独 第37回 谷崎賞
  10. 010 2000 熊の敷石 くまのしきいし 堀江敏幸 初出・「群像」2000年12月号に掲載。2001年2月、講談社より単行本刊行。 『熊の敷石』は、旅先の記憶や友人との対話を通じて、遠く離れた土地と言葉の感触を細やかに描く作品です。堀江敏幸らしい抑制された文体で、出来事の輪郭よりも記憶の手触りや時間の層が前面に出ます。 記憶言葉 第124回 芥川賞
  11. 011 2000 聖水 せいすい 青来有一 初出・「文學界」2000年12月号に掲載。2001年2月、文藝春秋より単行本刊行。 『聖水』は、長崎の宗教的・歴史的な記憶を背景に、人の生と死、土地に残る記憶を静かに掘り下げる作品です。既収録の「ジェロニモの十字架」と同じ単行本に収められ、青来有一の初期作品世界を代表する一篇です。 信仰記憶家族 第124回 芥川賞
  12. 012 1992 田園風景 でんえんふうけい 坂上弘 初出・1992年9月、講談社刊の同名単行本に収録。初出誌の詳細は今回確認できないため、単行本刊行年を year とした。 『田園風景』は、坂上弘が1992年に講談社から刊行した短篇集の表題作です。NDLサーチでは、単行本に『短い一年』『巡回授業』『田園風景』『夏野』『こなゆき』『コネティカットの女』『寒桜』『向かいて聞く』『土手の秋』の9篇が収録されていることを確認できます。2008年には講談社文芸文庫で再刊され、同じ… 日常記憶地方
  13. 013 1988 インド綿の服 いんどめんのふく 庄野潤三 単行本・講談社 NDLサーチで1988年2月刊の講談社版単行本を確認できる。 家族日常生活
  14. 014 1983 いつもと同じ春 いつもとおなじはる 辻井喬 初出・1983年5月、河出書房新社刊。初出誌の詳細は今回確認できないため、単行本刊行年を year とした。 『いつもと同じ春』は、辻井喬が1983年に河出書房新社から刊行した長篇小説です。NDLサーチでは、1983年5月刊の単行本と、2009年10月刊の中公文庫版を確認できます。公開Webで詳細な内容紹介や初出誌は確認できなかったため、紹介は書誌・再刊情報を中心に整理しています。 人生記憶時間
  15. 015 1965 玩具 がんぐ 津村節子 初出・単行本(文芸春秋新社、1965年刊行)。初出誌は今回未確定のため単行本年を year に採用。 『玩具』は、津村節子が芥川賞を受けた初期代表作です。家庭や女性の身体をめぐる感覚を、抑制された筆致で描き出し、戦後女性文学の流れの中でも重要な位置を占める作品として読まれています。 女性家庭身体 第53回 芥川賞