Mood

不思議

読み味「不思議」に分類された 15 作品。

  1. 001 2023 すみれにはおばけが見えた すみれにはおばけがみえた 鴻池留衣 初出・『すばる』2023年3月号 p.10-93 『すみれにはおばけが見えた』は、鴻池留衣が2026年に田畑書店から刊行した三篇構成の作品集です。表題作では、亡くなった異父妹について書こうとする小説家の記憶が、書く行為そのものによって揺らいでいく。現実世界を物語として信じ込む人物も配され、記憶、虚構、自己物語化の危うさを扱う点が読みどころです。 記憶死者現実と虚構
  2. 002 2023 獏、石榴ソース和え ばく ざくろそーすあえ 石沢麻依 初出・「群像」2023年2月号(新年短篇特集) 『獏、石榴ソース和え』は、『群像』2023年2月号の新年短篇特集に掲載された幻想的な短篇です。不眠に陥った語り手が、友人に誘われ「獏の肉を食べる不眠者の集い」に参加するという筋立てが公式目次で示されている。夢を食べる獏のイメージを食と不眠の場面へ移し、現実と幻想の境目を揺らす作品として整理できる。 幻想
  3. 003 2023 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ こいははかないあるいはぷーるのそこのすてーき 川上弘美 単行本・講談社 『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』は、恋愛の記憶、時間の距離、語ることの不確かさをめぐる長篇です。川上弘美らしい日常と奇妙さの接続が、題名の比喩のように、現実感を少しずつずらしていく。恋を直接描くだけでなく、記憶のなかで恋がどのように形を変えるかを読む作品です。 恋愛記憶時間 第76回 野間文芸賞
  4. 004 2022 孤島の飛来人 ことうのひらいじん 山野辺太郎 単行本・中央公論新社 『孤島の飛来人』は、北硫黄島を舞台に、空を飛ぶことへの恐怖と衝動をめぐって展開する小説です。中央公論新社公式ページでは、無人のはずの島に住む人々、戦争の記憶、看守と囚人、六色の風船が絡む物語として紹介されている。現実の島と幻想的な飛翔のイメージを重ね、移動すること、飛ぶこと、そこに留まることの意味を… 孤独越境現実と幻想
  5. 005 2022 ブロッコリー・レボリューション ぶろっこりーれぼりゅーしょん 岡田利規 単行本・新潮社 『ブロッコリー・レボリューション』は、岡田利規が現代生活の手触りや身体の違和感を、会話とずれの感覚から描く作品です。演劇的な言葉の運動が、小説のなかで社会の空気や労働の感覚を浮かび上がらせる。日常の何気ない場面を、制度や身体への批評へ変えていく作品として読めます。 身体労働現代社会 第35回 三島賞
  6. 006 2021 クレイジー・フォー・ラビット クレイジー・フォー・ラビット 奥田亜希子 初出・「創作 クレイジー・フォー・ラビット」として文芸誌掲載記録あり(NDL記事書誌で確認)。 『クレイジー・フォー・ラビット』は、朝日新聞出版から刊行された五篇構成の短編集。表題作は文芸誌掲載記録がNDLで確認でき、単行本では複数の短篇を通じて若者、関係性、少し奇妙な日常の感触を束ねる。公式に確認できる情報は書誌と収録作中心のため、個別篇の筋立ては今後の書評・出版社資料で補強したい。 恋愛若者奇妙な日常
  7. 007 2017 望むのは のぞむのは 古谷田奈月 単行本・新潮社 三島由紀夫賞受賞作『無限の玄』と同じ2017年に刊行された新潮社単行本。 欲望人生自由
  8. 008 2016 彼女がエスパーだったころ かのじょがえすぱーだったころ 宮内悠介 単行本・講談社 『彼女がエスパーだったころ』は、百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療など、科学では扱いきれないとされる超常現象を題材にした短篇集です。講談社公式ページでは、進化、科学、未来を問い直し、超常現象を通して人間を再発見する作品として紹介されている。SF的な思考実験を、信仰、疑似科学、認識の揺らぎへ… 科学信仰認識
  9. 009 2014 ジュンのための6つの小曲 じゅんのためのむっつのしょうきょく 古谷田奈月 単行本・新潮社 古谷田奈月の二作目単行本。NDLサーチで2014年11月の新潮社刊行、および2017年新潮文庫nex版を確認。 音楽記憶人生
  10. 010 2011 雪の練習生 ゆきのれんしゅうせい 多和田葉子 単行本・新潮社 『雪の練習生』は、サーカスや動物園に関わる三世代の白熊をめぐり、人間と動物、母語と外国語、芸と労働の境界を横断する長篇です。語り手を人間に固定しないことで、越境や翻訳の問題が身体感覚として立ち上がる。多和田葉子らしい寓話性と、歴史の暴力を軽やかにずらす語りが読みどころです。 言葉と言語動物越境 第64回 野間文芸賞
  11. 011 2009 私の赤くて柔らかな部分 わたしのあかくてやわらかなぶぶん 平田俊子 初出・単行本(角川書店、2009年7月)。初出誌は未確認。 『私の赤くて柔らかな部分』は、失恋の痛みを抱えた主人公が突発的に旅へ出て、終着駅にたどりついたまま帰るきっかけを失っていく長篇小説です。Books出版書誌データベースの内容紹介では、生きることのよるべなさと虚実ないまぜのマジカルな世界を描く、平田俊子の新境地として紹介されています。詩人としての言語感… 失恋喪失
  12. 012 2009 夏の水の半魚人 なつのみずのはんぎょじん 前田司郎 単行本・扶桑社 『夏の水の半魚人』は、少年たちの夏、水泳、身体の変化をめぐる感覚を、前田司郎らしいずれた会話と日常感で描く作品です。大きな事件よりも、子どもの身体が世界に触れる違和感やおかしみが前面に出る。劇作家としての会話の間合いが、小説の軽さと不穏さを同時に作っています。 少年身体 第22回 三島賞
  13. 013 2004 昨日この世界で きのうこのせかいで 岡崎祥久 単行本・文藝春秋 2004年刊。NDLで単著として確認できる。 世界観日常の変容現代小説
  14. 014 1992 チューリップ・ガーデンを夢みて ちゅーりっぷがーでんをゆめみて 新井千裕 単行本・朝日新聞社 『チューリップ・ガーデンを夢みて』は、新井千裕の未登録 book-form 候補です。今回の候補ではNDL・Books/JPROで確認できる書誌情報を中心に登録案化する。 日常小説
  15. 015 1984 極楽船の人びと ごくらくぶねのひとびと 吉田知子 単行本・中央公論社 中央公論社刊の1984年単行本。文庫化書誌もあるため、吉田知子の中期作品として追加しやすい。 共同体生死現実と幻想