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障害

主題「障害」に分類された 13 作品。

  1. 001 2025 女の子の背骨 おんなのこのせぼね 市川沙央 単行本・文藝春秋 『女の子の背骨』は、先天性筋疾患を抱える10歳の少女ガゼルの家族旅行を描く表題作と、中篇「オフィーリア23号」を収めた第二小説集です。病気の姉、障害をもつ身体、家族、性、文学表象をめぐる言葉が、前作『ハンチバック』以後の市川沙央の問題意識をさらに広げる。身体から発せられる語りが、ケアされる側、見る側… 障害身体家族
  2. 002 2023 ハンチバック ハンチバック 市川沙央 初出・文學界 2023年5月号 重度の先天性ミオチュブラー・ミオパチーのため人工呼吸器と電動車椅子を使い、両親が遺したグループホームで暮らす井沢釈華。背骨がS字に湾曲した彼女は、通信制大学で学び、ウェブにコタツ記事や性的な小説を書き、匿名アカウントで「妊娠と中絶がしてみたい」と挑発的な呟きを放つ。その呟きを、彼女の書いたものをすべ… 障害身体 第169回 芥川賞
  3. 003 2022 私の盲端 わたしのもうたん 朝比奈秋 単行本・朝日新聞出版 表題作は、大学生活や飲食店のアルバイトを楽しんでいた涼子が、人工肛門とともに生きることになり、自分の身体の変化と周囲の視線に向き合う物語である。医師でもある作者が、病や障害を医学的説明だけに閉じず、身体の境界、恥、欲望、生活の手触りとして描く。併録の「塩の道」は第7回林芙美子文学賞受賞作で、朝比奈秋… 身体障害
  4. 004 2021 悪い音楽 わるいおんがく 九段理江 初出・「文學界」2021年5月号 『悪い音楽』は、音楽家の父を持ち、卓越した才能を持ちながら他者への共感に乏しい中学校の音楽教師・三井ソナタを描く。彼女の平穏な日常は、音楽を熱烈に愛しながら耳に障害を抱える生徒との出会いで崩れていく。芸術的才能、感受性、教育現場の関係性をブラックユーモアで問う、九段理江のデビュー作である。 芸術と表現同調圧力言葉と言語 第126回 文學界新人賞
  5. 005 1993 19分25秒 じゅうきゅうふんにじゅうごびょう 引間徹 初出・「すばる」1993年 競歩の選手を題材にした小説。義足の競歩選手との出会いを通じて、自分の人生を問い直す青年を描く。続く「地下鉄の軍曹」で芥川賞候補となった。 障害孤独と疎外都市・郊外 第17回 すばる文学賞
  6. 006 1990 静かな生活 しずかなせいかつ 大江健三郎 単行本・講談社 『静かな生活』は、父の不在中、障害を持つ兄イーヨーと妹マーちゃんが暮らす日々を描く連作です。家族のケア、創作、日常の小さな秩序が、妹の視点を通して穏やかに語られます。大江健三郎の家族をめぐる作品群のなかでも、家庭内の静けさと緊張を同時に感じさせる一冊です。 家族障害一人称
  7. 007 1990 ランタナの花の咲く頃に らんたなのはなのさくころに 長堂英吉 初出・「新潮」1990年11月号 『ランタナの花の咲く頃に』は、知的障害を持つ甥に見合い話が来るという設定から、家族と地域の関係を描く表題作を含む短篇集です。沖縄出身の長堂英吉が、障害者の結婚や家族の戸惑いを、硬い告発ではなくユーモアと温かみを交えて描きます。受賞時58歳という遅い文壇デビューも、作品の受け止められ方を特徴づけていま… 家族障害地方 第22回 新潮新人賞
  8. 008 1985 遠来の客 えんらいのきゃく 米谷ふみ子 初出・「文學界」1985年 『遠来の客』は、ロサンゼルス在住の米谷ふみ子が「過越しの祭」と同時期に発表したデビュー期の作品です。既存データでは、家族、障害、移民的な越境感覚を扱う作品として整理されています。海外に暮らす日本語作家の視点から、家族の内部にある距離と異文化の緊張を読む作品です。 家族障害移民と越境 第60回 文學界新人賞
  9. 009 1985 ダックスフントのワープ だっくすふんとのわーぷ 藤原伊織 初出・「すばる」1985年12月号(集英社) 大学の心理学科に通う「僕」が、心を閉ざした少女の家庭教師を引き受け、異空間にワープしたダックスフントの物語を語り聞かせる。文春文庫の紹介では、物語への興味と対話を通じて少女が変化していくが、その先に不穏な展開があることが示されている。語ること、聞くこと、他者の心に近づこうとする試みが中心にあるデビュ… 障害青春言葉と言語 第9回 すばる文学賞
  10. 010 1983 海に夜を重ねて うみによるをかさねて 若一光司 初出・「文藝」1983年冬季号(河出書房新社) 『海に夜を重ねて』は、ストリッパーと知的障害のある青年との愛を描く作品です。社会の周縁に置かれた二人の関係を通して、身体、欲望、ケアの境界を問う物語として整理できます。後に映画「メイク・アップ」の原作となり、映像化にも接続した作品です。 恋愛障害孤独と疎外 第20回 文藝賞
  11. 011 1976 ピンチランナー調書 ピンチランナーちょうしょ 大江健三郎 単行本・新潮社 大江健三郎が1976年に刊行した実験的長編。父子関係、身体、記録や調書の形式を通して、現実と幻想の境界を揺らす。障害のある子をめぐる大江の継続的主題が、メタフィクション的な構成と結びつく作品である。 父と子障害身体
  12. 012 1973 洪水はわが魂に及び こうずいはわがたましいにおよび 大江健三郎 単行本・新潮社 核シェルターに籠る父子と「自由航海団」の若者たちの交流と破局を描く長編。核時代の不安、障害のある子との関係、共同体への希求が、大江らしい寓話的な構図で結びつく。個人の魂の危機を、世界的な破局の想像力へ接続する作品。 障害父と子戦争
  13. 013 1952 或る「小倉日記」伝 あるこくらにっきでん 松本清張 初出・「三田文学」1952年9月号(第28回芥川賞受賞) 『或る「小倉日記」伝』は、森鷗外の小倉時代を記録することに生涯を傾けた人物を主人公にする短篇です。文学史の周縁にいる無名の調査者の執念をたどり、資料を追う行為そのものを物語化しています。史実と想像を接続する構成が、のちの松本清張の記録性・推理性を予告します。 記憶芸術と表現障害 第28回 芥川賞